Wizardry #1 プレイ記録 外伝・七人の勇者達 06

マカニトを修得したものの、地下1階での日常に大きな変化はない。

地下1階では敵が2グループで出現することが少ないし、数少ない敵の種類の一つがマカニトの効かないアンデッドコボルドだからだ。


テリーは相変わらず、僅かな収入と経験値のために身を擦り減らして戦う。
いくら強力な呪文を覚えても受けるダメージ量は変わらないのだ。

レベルが上がって少し素早くなり、先制攻撃の確率は上がっているはずなのだが、そんなことを全く感じさせない。


そして、やはり敵の奇襲だけはどうしようもない。
さんざんに攻撃を受けた後は、長期間の入院を要して、貯えた金もごっそりと持っていかれる。


こうして年齢だけは着実に上がっていき、ますます後がなくなってくるテリー25歳。





この間の戦闘で、ハイウェイマン+ゾンビのパーティーに出会う。
(*注* 後になって気付いたのだが、こいつはハイウェイマンではなくブッシュワッカーでしょう。地下1階でハイウェイマンは出ないですね、多分) 


ゾンビにはマカニトが効かないため、どう頑張っても1ターンで全ての敵を倒せない。

戦ったら高い確率で全滅となってしまうのだ。


ここでは逃走には無事成功したが、今後こいつらを相手に逃走失敗したり、奇襲を受ける可能性も、十分に有り得るだろう。

地下1階で長期間戦い続けることでも、完全に死の危険から逃れることはできない。



どこも危険ならば、少しでも効率よく稼げるように、マカニトで稼ぎのできる地下4階で戦ってみようと思い立ったこともあったが、5〜6回も戦ううちに不慮の事故で死ぬことが目に見えているから、ぐっとこらえた。





そして、更に長い年月が過ぎ、ついにテリー27歳の誕生日の朝、彼はレベル11となった。



長年の単純労働で脳が鈍ったのか、すでに知力は9しかなくなってしまったが、見事ラカニトとジルワンを修得した。

しかし、今回もマダルトは覚えず。


くそっ……しかしこれ以上のレベル上げはもう限界だ。

次のレベルまでに必要な経験値は約10万。
地下1階でこれだけ稼ぐには、推定100回以上の戦闘を要する。
多分その最中に、ゾンビに襲われて死ぬか、ブッシュワッカーあたりに奇襲されて死ぬ。

地下1階でのルーチンワークの最中に事故死(享年27歳)……あまりにも華のない人生ではないか。


どうせあと1レベル上げたところで、HPは1しか上がらず、マダルトを必ず覚える保証もない。
ラカニトとダルトだけでいくしかない!


ちなみに彼はラハリトもまだ覚えていない。
レベル11でラハリトの使えない魔術師なんて初めて見た。



そして、これまでの戦いで手元に残った金は僅かに1850GPだった。
このなけなしの金で、ディオスの薬3つと、ラテュモフィスの薬1つを購入する。

5年間の重労働の結果が薬4つだけとは……まさに資本主義の犠牲者である。





これで準備は整った。
いよいよ死地へ向かう。


テリー、お前の27年間は今日この時のためにあったのだ!

死力を尽くして血路を開け!

どうせ死ぬなら最深階で強敵と戦って華々しく散れ!

テリーに神の加護があらんことを!





エレベーターで地下4階へと向かう。

最初の関門は、プライベートエレベーターの前の戦闘ポイントだ。
ここでも十分死ねる可能性がある。


緊張に震えながら扉を蹴破った。
さあ、相手は誰だ!





不確定だが、相手はおそらくロッティングコープスであろう。



先手を取れば勝てる。

が、遅れれば麻痺攻撃を喰らって敗北だ。


危険な相手だが、敵は1体のみ。

この階層で1体のみの敵が出る確率は非常に低いので、むしろ幸運な相手か?

素早さ17のテリーであれば、先制できる可能性は高いであろうか?



ここは……勇気を出すべきところだ!


踏み出せテリー!











勝った!!

ジルワンを受けて灰になるロッティングコープス。


震えた胸を撫で下ろしながら、プライベートエレベーターで地下9階へと向かった。





第2の関門は、地下9階のシュートのある間。


地下9階ともなると、マカニトの効かない敵も多いため、勝てる見込みのない相手の場合は逃げることも選択肢に入れなくてはならない。


慎重に一歩一歩踏み出し、そして扉を開く −−



ーー なんと、先制攻撃のチャンス!

相手は、ローブを着た男×4であった。



先手を取れたのはこの上ない幸運だが、薬以外何も持たないテリーにはできることがない。

こんな時……こんな時にこそ炎のロッドが……。
なぜ、あんなに早く壊れてしまったんだ……。


相手がレベル7メイジならばマカニトで勝てるが、レベル10メイジだった場合には、テリーの持つ最強呪文・ダルトで倒せない可能性がある。


ここはせっかく先手を取れたのだ。
無理な戦いをせずに逃走するべきであろう。



そして戦闘から逃走。
再度部屋に入り直す。


次は誰ぞ!






こいつは、シルエットからしてナイトストーカーであろうか。


エナジードレインを仕掛けてくる嫌な敵であるが、逆を言えば特技はそれだけだ。
多少の呪文無効化能力はあるが、攻撃力も低いため、死ぬ危険性はほとんどないと言える。


唯一の懸念は、ドレインを喰らった場合、おそらく最大HPが激減してしまうということだ。
この場合、レベル10の魔術師の本来のHP相当の値となるため、25〜30くらいまで落ちるであろうか?

この減りが地下10階で大きなデメリットとなることは間違いないだろう。


だがここは、安全な敵と戦えるという幸運を活かすべきだろう。
地下10階に行けなければ、そもそもHPが減ることを考慮することが無意味なのだ。



心は決まった。


戦闘開始だ!



開始と同時にダルトが唱えられるが、敵は1体も倒れない。
しかも、2体は無効化された。
やはり、そう簡単にはいかないか……。



そして、さっそく敵のエナジードレインを受ける。

最大HPは……40になった。


これは……レベル10の魔術師の持つHPでは最大の値ではないか?

やはりついている!
この戦い勝てるぞ!


そして、後はひたすら呪文を撃ち続ける。
敵の攻撃も喰らうが、一度ドレインされたら、これ以上ドレインはされない。

だが、受けるダメージは大した事ないとはいえ、なかなか敵が倒れないので、思いのほか減ってきた。

どちらが先に倒れるか……。



そして、5ターン目、合計でダルト2回、マハリト3回を食らわせて、ついに最後のナイトストーカーを撃破した。



ドレインのHP下げ幅が大きかったら危なかったかもしれない。

テリー、よくぞ勝ってくれた。





ついに地下10階に到達した。

ここでディオスの薬3つを使用したが、HPは20までしか回復しなかった。
あの5年間の対価は、ほとんど役に立たずにガラクタとなった……。


さあ、あと1回の戦闘に勝利すれば、仲間達の死体を回収し、すぐにワープして地上に戻れる。

しかし、この1回が最も困難……。


この階層で、レベル10魔術師のテリー1人で勝てる相手というのは、どれだけ存在するのだろうか?

いや、ここまで来たら、もはや考えても仕方のないことだ。



いざ!!





奇襲の表示に死を覚悟したが、どうやらこいつは……マーフィーズゴースト。

地下10階で出会う敵の中では、間違いなく最弱の相手であろう。
奇襲により殺される心配はまずない。



だが、この相手には決して勝てない!

ソピックで防御力を上げれば、ダメージは受けなくて済みそうだが、呪文を無効化し、ターンごとに自動回復までするマーフィー先生は、テリーの貧弱な攻撃力で倒すことは不可能に近い。
ちまちまダメージを与えているうちに、テリーの方が先に力尽きるだろう。


せっかく最弱の敵が出たのだが、勝てる見込みがないので逃走する……。


……逃走失敗!!?


更にダメージを喰らってしまった。

次のターンでは逃げられたが、貴重なHPが……もう残り12しかない。


一瞬城に戻ることも脳裏によぎったが、ここまで来たのだ。
突き進むしかない。




次の相手は誰だ!?………


……フロストジャイアント×3

だめだ勝てない。
逃走。





次は!?………

……レベル8ビショップ×4

だめだ多分無理。
逃走。




次は!?………

……ブリーブ×1、マスターニンジャ×1

う〜む、弱い相手なんだが、1グループじゃないと無理だ。
逃走。




次は!?………

……キメラ×1、ゴーゴン×1

間違っても勝てない。
逃走。




次は!?………



勝て……るか?

マスターニンジャだと仮定しても、ダルトで2体とも倒せる可能性は非常に低い。
ラカニトでも同様だ。

ああ、せめてHPが満タンだったら……せめて炎のロッドが残っていたら……せめてマダルトを修得していれば……勝てる相手だった……。

涙の逃走。




次は!?………



……ファイアジャイアント×1




勝てる……かもしれない……。


一撃で倒す戦法はただ一つ、ラカニトのみ。
ダルトでは無理だ。


失敗したら間違いなくテリーは死ぬ。
ラカニトが成功する確率は、決して高くはない。


だが、このあたりが、地下10階で勝てる見込みのある数少ない敵というやつだろう。
しかも単体での出現。

これ以上の条件の敵が、この後数回の戦闘で出現するだろうか?

もはや、この先で逃走成功できる保証も、先制攻撃されない保証もない。



やるしかない。
決意は固まった。



いけ!テリー!男を見せろ!
















テリー!テリー!!

勝利!勝利した!!








仲間との対面。

感無量だ……。
みんな、よくぞ残っていてくれた……。


仲間全員を合流させ、即座にワープポイントに踏み込み、城へと戻る。


特に失われたアイテムは見当たらず、金も2万GPほど残っていたのでギリギリ全員を生き返らせることができた。

もとより生命力の高い連中なので、一度の失敗もなく全員蘇生に成功。



これで全員が揃った。

テリーの奇跡を無駄にしないためにも、何としてもワードナまで辿り着かなくてはならない。


レベルを上げればワードナに勝てる確率は上がるが、途中で全滅する確率も上がる。


全滅前には、もう1レベル上げてから、と思っていたが、ゲームオーバーを垣間見た現在では、もう何をするにも全滅の恐怖を感じてしまう。


ここまで来て途中で終了はイヤだ。
全滅するとしても、せめてワードナと戦って終わりとしたい。


そう思い、回復が済んだ後にワードナと戦いに行くことにした。





この時点でのパーティーの能力値


No

名前

職業

Lv

種・属性

HP

コメント 

15

兀突骨 

Fig

14

Gno・E

18

14

18

18

18

15

120

ティルトウェイト+マダルトがギリギリ耐えられるくらいか?

16

ミンウ 

Pri

13

Gno・E

16

7

18

17

17

12

83

彼がマディを使えれば、こんなに不安ではない

17

ピッコロ大魔王

Fig

14

Elf・E

18

18

11

18

18

17

118

悪の剣とか使わせたかったなぁ……

18

シモン

Pri

13

Hum・E

18

18

17

18

18

14

106

何となくヴァンパイアロードはこいつに倒させたい

19

牙大王

Thi

13

Dwf・N

18

11

15

18

18

8

80

忍者転職の夢は、全滅による金欠であえなく消えた

20

テリー

Mag

10

Hum・N

14

9

12

14

17

14

40

転職・簡易寝台・ドレインで既にボロボロだが、彼は紛れもなく英雄


ワードナに勝てない能力ではないと思う。
マラーの冠やロクトフェイトもあるので、退却は一応可能だ……。


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