Wizadry4 プレイ記録 16 ワードナと生命の真実 〜エンディング〜

第3のエンディングに向かうためのヒントは、この放浪の御言葉師ムロンの、この神託が手がかりとなります。


世界の根っこというのは、地下10階のピラミッドの頂点、ワードナの棺があったスタート地点のことを指しています。
この他にも、「地の底まで、降りて行ってみな」というものもあります。




実は、このヒントを元にスタート地点に戻り、そこからさらにマロールで下の座標を入力することにより、さらに下の階層、地下11階へ行くことができるので す。



上へ上へと向かっていくことが目的のシナリオ#4の裏をかいた、この地下11階層。
マロールを覚えてから、こんな所まで戻って唱えてみようと、いったいどれだけの人が思いついたでしょうか。








この地下11階では敵は全く出現しないものの、多くに区切られた玄室のそれぞれで不可解な質問をされます。

  

順番に記していくと、

1 その部屋は黄色の部屋。そして、頭の先から爪先まで、黄色一色の者が、君の前に立っている。
”我は識別することを得意とし、強欲を不得手とするもの。我は人の体のすべてがその上に乗りしものなり。我とは何?”

2 部屋の壁は藍色に染まり、藍染めのトーガに、身を包んだものが、君の目の前に待ち受けていた。
”我は独立、そして怠惰。我は人の体に力を与える源を表わす。我とは何?”

3 部屋は堂々とした気配に満ちていた。壁も柱もすみれ色に彩られ、その部屋で君を待つものも、ティルス王家の服を身にまとっていた。
”我は片手に真実を、そしてもう一方に虚偽を持つものなり。我は、人の体を支えしものなり。我とは何?”

4 壁はこはく色に輝き、君の前の者の着物もまた、こはく色であった。
”我は利他的なるものと、強欲なるものをしめすものなり。我は人の体の要なり。我とは何?”

5 その部屋は、巨大な透明にも近いバラ色の水晶から削りだされているようであった。そしてその部屋にいた者の鎧も、同じような透けるばら色をしていた。
”我は偉大なる仕事に身を捧げしもの。そして終末をもたらせる力も誇りに思う。我が内には、熱き心を燃やす偉大なる力在り。我とは何?”

6 この部屋はオレンジ色の壁に包まれており、君に挨拶をしたものもオレンジの鎧に身を包んでいる。
”我は勇気、そして残酷さなり。我は剣、そして鞭を持つものなり。我とは何?”

7 薄暗いこの部屋は、深い紫色がすべての色合いを飲み込んでいる。そしてそこに重々しい声がひびいてきた・・・
”忠実、それゆえに一徹なるが我がしるし。我は盾を持つものなり。我とは何?”

8 この部屋は血のように深い赤で彩られている。あたりは静けさに満ち、やってきた赤いローブをまといし者も、空に炎のような文字で、こう書き記すのみで あった・・・
”静寂の美徳と強欲の悪徳こそ我がしるし。その位置は顔の一部にして、陽の昇るほうにあり。我とは何?”

9 まるで空を漂うように、君はこの淡い空色の部屋へと入ってきた。そして、透けるような青いキルトをつけた者が、君にこう話しかけてきた。
”我は献身のしるしなり。その位置は顔の一部にして、月の昇るほうにあり。我とは何?”

10 あたりは目を開けていられないほどの、まばゆい輝きに満ちていた。そしてどこからか、深い威厳に満ちた声がひびいてきた・・・
”我は知識をあらわす。なにものよりも上にあり、触れることはできぬものなり。我とは何?”


これらの質問の答えは、順番に、「足」 「胃」 「脚」 「尻」 「胸」 「右手」 「左手」 「右頬」 「左頬」 「脳」、と体の部位がそれぞれ当て嵌 まっていきます。
後述しますが、この思わせぶりな質問文には予備知識などは必要なく、純粋なナゾナゾとして解くことを想定されたものと思われます。
まあ、最初の質問からして解くのは至難ですが。



さらに、質問に答えて先に進もうとすると、途中でこんなメッセージが出ます。


イエスを選ぶと、警告通りに終わりなき虚無に呑み込まれて死亡します。








この虚無の地を進むためには、2つのアイテムが必要となります。
1つは以前に地下6階で見つけた『希望のケープ』。
そして、もう1つが『VOID TRANSDUCER(虚無変換器)』というアイテムなのですが、これがまた、とんでもない所に隠されています。

リルガミン城砦にて、宿屋からエレベーターを使って3階に上がると、踏み出したら地面に落ちる空中に1本だけ通れる道があり、そこを進むとギルガメッシュ の酒場の屋根の上に降り立つことができます。
そして、ここにある鼠の巣を探すと、何故かゴミに混じってブラックホールが見つかり、その中から『虚無変換器』が出てくるのです。

  








さて、この『希望のケープ』と『虚無変換器』を装備して先に進み、全ての質問に答えて一番奥の間に辿り着くと、最後に『ここはいかなる場所であるか?』と いう質問をされます。



ここまで自力で辿り着くことが出来た人であっても(本当にいるのかは別として)、この質問は特別な知識がないと答えることができない類のものです。
ちなみに答えられないと、こんなメッセージがでます。


力みすぎですよって言われてもなぁ…。







その答えですが、実は、ここでもムロンの神託の中にヒントがあります。
「カバラーの秘密を知っとるかな?魔法の一種だ。調べときな、バチはあたらん」…という神託です。

カバラとはユダヤ教の秘術とも言われ、宇宙の真理はセフィロト(生命の樹)という象徴図に表される、という一種の神秘主義的な思想のことです。
セフィロトは10の「球」と22の「小径」から構成される図形で、宇宙の真理を表しているとされています。
まあ、このへんはウィキペディア等を、ご参照ください。



さて、この地下11階をマッピングしてみると、ここはまさにセフィロトを形作っていることが分かります。
(左:地下11階  右:セフィロト(生命の樹)

  


それぞれの部屋は、セフィロトにおけるケテル、コクマー、ビナーなどのセフィラに対応しています。
ケテルは白やダイヤモンドを司り、ネツァクは緑やエメラルド、そして金星を司る…といった感じで、それぞれのセフィラには様々な属性が設定されています。
リドルの中に現れる思わせぶりな色も、これに対応しているということです。






となると、最後の質問は、もちろん『生命の樹=セフィロト』となります。

  





最後の質問に答えると、セフィロトで言う『ダアト』に相当する中心部の部屋に通され、そこで真実を授かります。
ちなみに、『ダアト』は通常セフィロトに図示されることのない深淵に位置し、「隠された知識」、「真実」、といったものを表しているそうです。


  

全宇宙のすべての色が、壁といい床といい、あらゆる方から湧き出た。
そしてあらゆる色に彩られた服を身にまとったものが、君の前に進み出た・・・
”我は知識なり。真実を探し求めるものよ、我はそなたにこれを与えん。その手にこれを持てば、すべての幻影は立ち去ろう。
行け!そなたの前には、明かされるべき運命在り!”


このメッセージと共に、アイテム『KRIS of TRUTH(真実のカリス)』を手に入れます。


ところで、この『真実のカリス』ですが……まず疑問に思うことは、何故『カリス』なのでしょう?
これにも何か元ネタがあるのでしょうか?
カリスとはアジア起源のナイフのことを指すようですが、普通のダガーやソードではなく、わざわざこの武器にした理由があるはずですが……。


他にも、地下11階の各部屋のリドルで、何故人体の各部位が答えになっているのかという疑問があります。
前述の通り、地下11階自体がセフィロトを模しているため、それぞれの部屋の人体の部位も各セフィラに対応しているかと思ったのですが、調べてみたとこ ろ、どうやら違うようです。
そもそも、セフィロトは人体の部位には対応していないようで、無理矢理当てはめたとしても、ここでの答えとするには苦しいものがあります。
リドルとするには説得力が弱いところでしょう。



1つ考えられるのが、インドのチャクラ思想です。
こちらもセフィロトと同様に象徴図に表される概念で、第1チャクラから第7チャクラまでの7つに分けられた領域には、それぞれを司る神や意思はもちろん、 体の部位も対応しているそうです。
セフィロトを横軸で7つに区切り、チャクラと対応させるという発想は古来より行われていたようなので、ここで突然リドルとして組み込んでも、さほど不自然 なことではないと思われますし、『真実のカリス』というアジアンな武器が最後の部位に隠されていることも、なんとなく整合性が取れる気がします。

ただ、リドルの答えはチャクラとも完全に一致していないので、あくまで憶測の域を出ませんが……。






さて、真実のカリスを入手した後は、マロールで元の世界へと戻り、再びトレボー城砦へ向かいます。
そして、アミュレットのエンディングの時と同じく、ソフトークオールスターズとホークウィンドを撃破。 




そのままカント寺院の奥にいるカドルト神と対峙し、ミスリルグローブでアミュレットを受け止めます。












  

君はDAGGER OF CLEAR LIGHTを引き抜き、かけらの恐れも抱かずにKADORTOに向き直った。
今や君は、”TREE OF LIFE”のすべての英知を手にしているのだ。
君の手になる剣を目にすると、KADORTOの笑いもぴたりと止まった。

”待て! その剣、それだけは!”






   

彼はあわれにも叫び始めた。
剣はカッと燃え立ち、そのまばゆいばかりの輝きの前に、すべての虚構とまやかしは、一瞬にして消え去った。
KADORTOはとたんに、けいれんを始め、その肘や膝からは煙が立ち上った。
そして頭のところに、大きな穴が開くと、そこから間違いなく高い位の司祭であろう人物が、慌てふためいて這い出てきた。

今や真実はあかされたのだ!
KADORTOはただのまやかし。
その仕掛けを使って、人々の信仰を集め、自らの地位を保つために司祭たちの作ったまがい物だったのである。






  

君は、煙にまみれたローブをまとった司祭の奇妙な姿を見ながら、高らかに笑い声を上げた。
生きているという事がこれほどに気持ちがよいこととは!
君は剣の光にアミュレットをかざし、その真の姿を眺めてみた。
不用心なものたちへの危険なるワナ、そして壮大な神のいたずら。

これは善なるものでも、邪悪なるものでもなく、単に混沌を表すものだったのである。
君は、それをその作りしものの手に返すことを誓い、KRIS OF TRUTHがそれに力を貸してくれることを確信した。
しかし何にしても、全ては明日。
今日は喜びに身を任せよう!





 
  
美しい陽光が身を包む中、君は外に出て歩き始めた。
ついに自由を、そしてまごうことなき生を取り返したのだ。
生けるものの世に戻ってきたのだ!
君は振り返って、今一度、神殿を眺めながら思った。


何か忘れてるんじゃないだろうか?






  

そして君はまたひとしきり笑った。
なぜなら、そうでないことを知っていたからである。
今や自らの運命を支配した君の前には、TREE OF LIFEの道筋がその運命を示していたのだ。





  
おめでとう!!

君は戻ってきた。
すべてを満たすものへの道を見出したのだ。
XX−XXX−XXXXへ電話してそのことを我々に教えてほしい。


このゲームの作者は、君に惜しみない賞賛の拍手を送ることだろう。
そして、君の類まれなる才能に対して、我々は、この称号を君に与えよう。

WIZARDRY GRANDMASTER ADVENTURER





  

ところで、何か忘れてるんじゃないかい?


冗談!冗談!これで全部だ。





    

どうやって終了したかは誰にもしゃべっちゃいけないよ!

話しちゃうとせっかくの愉しみがなくなっちゃうからね!
これで、本当にこのゲームはおしまい!!





  

ホンと。

ウソじゃないってば!





  

もう全部おしまい。


”また後でな(ニヤリ)” 










と、以上が最後に隠されていたエンディングです。

生命の樹によって真実を悟ったワードナが、人間としての生の喜びを感じつつ終劇するという、ハッピーエンドと呼ぶに相応しいものです。
エンディング後の作者からのメッセージは、最後までスッキリさせてくれませんが……これもまた、ウィザードリィ4のテイストでしょう。



これでグランドマスターウィザードリィプレイヤーと認められ、ようやく全てが終わりました。

どうやって終了したかを公開してしまってすいませんロー・アダムスIIIさん。


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