Wizadry4 プレイ感想

自力で進めたのが地下1階の出口付近までで、それ以降は攻略情報に頼ったプレイとなりましたが、ちょうど地上に出てから戦闘が無くなって、ストーリー進行 にシフトしたような感じだったので、このシナリオの売りである超級難度は存分に堪能できたかな、といったところです。

では、以下に簡単な雑感を書いていきます。



まず、システム面では、これまでのウィザードリィ#1〜#3とほぼ同一でありながら、敵味方の立場を逆転するだけで、こうも違った楽しみ方ができるのかと 感じました。
逆に#1〜#3と同一のシステムであるからこそ、かつて冒険者として挑んだ時を思い出して楽しめる……といった感じでした。
敵にエナジードレインや麻痺攻撃が効いたり、味方がディスペルされたり逃げ出したりと、有利な点も不利な点も全部逆というのが斬新でした。

今回、味方は敵に比べて圧倒的に弱いけど、うまく戦略が嵌れば強敵にも十分勝てるし、システムの裏を付くような方法をも駆使して進んで行くというのは、こ れまでにプレイしたウィザードリィの知識も存分に活用でき、チャレンジ精神を煽られました。
毎回増えていく召喚モンスターのリストを眺めるのは、実に楽しかったです。



一番有名な点である、理不尽極まりない難易度については、特段述べるまでもないでしょう。
「制作者からプレイヤーに対する挑戦」、と謳っているくらいですから、難しいとか理不尽とか言うのは、むしろ筋違いです。
あまりに難しかったので、結局自力でエンディングを見ることができなかったのは悔しいですが、この難度の前では、我がウィザードリィ力などは完敗でした。
難しさ・理不尽さを求めてプレイしたウィザードリィ4ですが、期待以上だったと言えます。

しかし、攻略情報も無いような時代だったら、間違いなく途中で詰まって不完全燃焼で終わっていたと思われますので、ある意味、現代だからこそプレイできる ゲームのような気もします。
言わば時代に助けられたようなものであって、発売当時に、自力で(あるいは仲間内などで攻略情報を集めて)クリアした人は、本当に凄いと思います。



本作で意外性を感じたのは、そのシナリオ面です。
当初は、各所で見られる小ネタやギャグを重視したような適当なストーリーで、やはりゲーム性や難易度を重視した作品だと思っていたのですが、所々で見られ る味のあるメッセージや、地上に辿り着いてからの道筋、分岐するエンディングなど、かなり引き込まれる展開でした。
そして、序盤からの伏線が最後の局面や隠しフロアにまで活かされている点でも、非常に高い構成力を感じました。
なんだかんだで、ゲーム中にストーリー性をほぼ感じないウィザードリィ#1〜#3までとは明らかに異質な作品でしょう。

何度か触れましたが、シナリオ作者のホークウィンド卿ことロー・アダムスIII世は、このウィザードリィ4の他に、ウルティマ3・4やバーズテイル等の名 作RPGのシナリオにも関与している人物です。
ウルティマも3・4から世界観が一気に確立されてゲーム性が大きく変わったので、さすがの腕前といったところです。
この人の特徴なのかもしれませんが、ウィザードリィ4の最終フロアのカバラを始めとする各マップといい、ウルティマ4の8徳と3原理の図形といい、色々な 部分で秩序性や合理性が覗えます。
色やオブジェに込められた意味や、図形の示すメッセージなど、テキストで表示される以上の情報が詰まっており、元ネタや仕組みを知れば知るほど、深く楽し めると思われます。

残念ながら、今回のプレイだけでは、ウィザードリィ4のゲーム中に込められた数多くのメッセージや元ネタの全てを解き明かすことは出来ませんでしたが、こ れらの謎も含め、全てを解いたプレイヤーは、果たして存在するのでしょうか…?


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