Ultima 7 プレイ記録 43 時の王と孤島の王

これまでの冒険でゴールドも大分貯まったので、各キャラにトレーニングをしたり、装備を整えたり、魔法を買ったりした。
Forge of Virtureで圧倒的強化されたアバタール以外は、あまり成長しているような気はしないが…。
まあ、これがウルティマのスタイルですな。







さて、それでは長い旅の目的であったウィスプに会うため、ユーの大森林に行ってエンプの笛を吹く。




「(ピーヒョロ〜)」





 ウィスプ

「再び、この地の現象がゾリニテの次元に声明を発した」




「おまえの欲しがっていた、アラグナーのノートを借りてきたぞ。これで情報の取引をしてくれるんだろ?」


 ウィスプ

「人間の存在を"ゾリニア"に歓迎する。"おまえ"は"ノート"を持って来た。"私"は今、その中の情報を吸収できる」
ウィスプは数秒間、輝きを増した。
ノートは君の手の中に残っている。

「情報の吸収を完了した。"おまえ"は"アラグナー"に"ノート"を返しに行ってもよい。そして今、情報を交換し、メッセージを届けよう」




「え、もういいのか?お手軽に情報を吸収できて羨ましいな…」


 ウィスプ

「"ゾリニア"は"おまえ"にメッセージを届ける。"タイムロード"と知られる存在は"おまえ"の助けを求めている。"タイムロード"は霊性の神殿として知られる場所に囚われている」




「霊性の神殿!そんな所に囚われているのか!確か、あそこはブリタニアと異なる空間にあるから、ムーンゲートに入らないと行けないんだったな」


 ウィスプ

「"おまえ"は"ムーンオーブ"という道具を、"おまえ"の"北西"に位置させることで、"彼"の所へ行くことができるだろう」




「それにしても、何でタイムロードは囚われているんだ?苦労してノートを借りてきたんだから、他にも教えてくれよ」


 ウィスプ

「"おまえ"の探す情報だ。この"ブリタニア"と知られている次元は、"ガーディアン"と呼ばれる存在から攻撃を受けている。"ガーディアン"は別の次元に住む。"ゾリニア"は時々、この存在と取引をする。"おまえ"は"ガーディアン"について知りたいか?」




「ガーディアン…アラグナーのノートにも書いてあった名前だ!そいつは何者なんだ?」


 ウィスプ

「"ゾリニア"は"ガーディアン"の情報を要約し、次の事実を述べる。"ガーディアン"は、人間が"無益"、"貪欲"、"自己中心的"、"害悪"と称する特質を所持している。"ガーディアン"は力と支配を楽しむ。"ガーディアン"は他の世界を征服することで"喜び"を得る。その感覚器は今、この"ブリタニア"と知られる次元に焦点を当てている。"ガーディアン"は、人間が"ムーンゲート"と呼ぶ道具を使い、この次元に入ろうと試みている。この"ムーンゲート"は、 "ゾリニア"がこの道具について知っている標準的な形状の"赤"や"青"の色ではない。"ガーディアン"は"黒"の"ムーンゲート"を作っている」




「黒いムーンゲート…そんなものが存在するのか…」


 ウィスプ

「"ブラックゲート"は"惑星直列"と知られる現象が次に起こった時に、その機能が完全となる。"ゾリニア"は通常、他の事象についての影響的行動を探しているものだが、"おまえ"に警告しよう。"ガーディアン"が、この次元に入ってきたら、"ブリタニア"と知られる次元は終焉するだろう。"ガーディアン"は、"彼"の次元では強大だ。"おまえ"の次元では、"彼"を止めることはできないであろう。"アンドリアン評議会では、この情報が有用に使われることを真に願う。取引は完了した」




「え?あ…おい、ちょっと…」


 ウィスプ

「"ゾリニア"は常に、情報の交換を歓迎する。さらばだ」




「これ以上の情報は無理か…」


ウィスプからの情報と、アラグナーのノートにより、これまでの様々な事象がつながった。
異次元の存在・ガーディアンは、間もなく起こる800年に1度の惑星直列の時に、ブラックゲートを通じてブリタニアへの侵出を目論んでいるらしい。
そして、ブリタニア各地で急速に勢力を広げているフェローシップ協会の上層部が、そのガーディアンの支配下にあるとのことだ。










「ともあれ、タイムロードを助け出さなくてはな。ムーンオーブを使って行ってみるか…」





ロード・ブリティッシュから貰ったムーンオーブを置くと、赤いムーンゲートが現れる。
これは、ウルティマ6と同じく、置いた方角によって行き先が変わるものである。
霊性の神殿はブリタニアとは異なる空間にあり、本来は2つの月の相が合った時にムーンゲートに入らないと行くことのできない場所であったが、このオーブを使ってムーンゲートを作り出すことでも行くことができる。




「ここが霊性の神殿…。さすがに、ここはあまり変わってないな…」







「む…!いたぞ!これがタイムロードか!?」


 タイムロード

漠然と見覚えがある、驚異的な人影だ。円筒状の小部屋に封じられている。




「遥か昔に、ソーサリアの時のダンジョンで会った以来だな…」


 タイムロード

彼は君を熱烈に見た。
「エクソダスの時代に我らが出会ってから、長い時間が経った!このような悪しき状況で、再び汝に会いたいとは思っていなかった!汝が到来の時だ!汝を待っている間、時を浪費していたわけではない!ブリタニアに危機が訪れている。汝の助けが必要だ!余にも汝の助けが必要だ!全宇宙で、汝の助けが必要だ!」




「あんたが助けを求めているってウィスプから聞いたから来たんだが、いったい何がどうしたってんだ?」


 タイムロード

「汝の故郷に赤いムーンゲートを送り出したのは、私だ。汝をブリタニアに誘き出すためにな!それを機能させるには大層な力を要した。いまだ、何かがおかしいままだ。汝はトリンシックへと辿り着いたようだが、それは私の意思ではない。それゆえ、汝は私が想定していたよりも遠い所に連れ行かれた」




「俺の家にムーンゲートを出現させたのは、あんただったのか…」


 タイムロード

「ブリタニアに着いた汝と、私がコンタクトを取れる唯一の方法は、ウィスプを媒介することであった。そして、長き休息の後、赤いムーンゲートを作り出し、汝を私の元に連れ行くムーンオーブを修復しようとしたのだ。ここに囚われてる間は、私は時間と空間を自由に動き回ることができない」




「それで、危機というのは…?ウィスプから話は聞いたが、ガーディアンという奴か?」


 タイムロード

「この国は、別の次元の強大で悪意ある者達の攻撃を受けている。そして、それを止められるのは汝だけだ!私はガーディアンの魔術にはまり、ここに囚われてしまった。ガーディアンは、ムーンゲートとムーンオーブから作られた強力な"ジェネレーター"を用いて、四次元にほぼ修復不能な歪みを作り出した」




「"ジェネレーター"…?」


 タイムロード

「汝は私を解放し、共にガーディアンと戦わなくてはならない。人々の命運は、それにかかっている。承諾してくれるな?」




「分かった。とにかく、あんたを助け出そう。どうすればいいんだ?」


 タイムロード

「では、汝に使命を課す。サーパンツ・スパインの地へ行き、ブリテインの北西にあるダンジョンの入口を探すのだ。"デスパイス"と呼ばれていたダンジョンのはずだ。そこで、問題を引き起こすジェネレーターに導かれるであろう。私の予感が正しければ、それは巨大なスフィア(球体)の形状をしているはずだ」




「そういえば、ムーングロウのピナンブラも、デシートのダンジョンにあるテトラヘドロン(四面体)の物体が、エーテルに障害を起こしていると言っていたな…。同一の物なのか…?」


 タイムロード

「そこには防御装置があるかもしれん。それを制御できなかった時には、ここに戻って来て、私にその装置のことを教えるのだ。何かの助けになれるであろう。『マーク』と『リコール』の呪文を使うのが賢明であろう。再びそこに行く時に、ダンジョンを抜ける苦労をしなくて済む」




「よし、とりあえずデスパイスに行ってみよう」


 タイムロード

「さらばだ、アバタール。汝に幸運があらんことを」


タイムロードは、既にガーディアンによって、この空間に囚われていたようであった。
ブリタニア全土を覆う魔法やムーンゲートの障害も、おそらく、このジェネレーターという物が原因であろう。
彼の助力を得るために、取り急ぎデスパイスへと向かう。









船でユーの付近まで行き、そこから川を昇り、途中からは徒歩で移動する。
このブリタニア中央に位置する巨大な山脈サーパンツスパインに、デスパイスの入口があるのだ。


 





「やれやれ、やっと到着した…。ん…?入口に何かあるぞ…?」






「何だ、これ?乗物か…?」

これは、魔法の絨毯であった。
海も山も越えて移動できるという、RPGではお馴染みの空飛ぶ乗物である。 
以前にコーブの町の魔術師ルディオムから少し話を聞いたが、どうやら彼が紛失してしまった物のようだ。
これがあれば、今後の移動が飛躍的に楽になるであろう。








そして、デスパイスに入る。
ここは、炎の罠やテレポーターが所々に仕掛けられており、なかなか探索が難しいダンジョンだ。









中はかなり広く、多くの死体が置かれている部屋や、何者かが生活しているような部屋など、不気味な場所もある。










奥に進むと、巨大な黒い球体らしき物が置かれている部屋があった。
スフィア・ジェネレーターと表示されるので、これこそがタイムロードの言っていた物であろう。





しかし、このジェネレーターの前にある赤いゲートに遮られ、中に入ることができない。
タイムロードの言っていた防御装置とは、このことだろうか。
成す術がないので、一旦戻って彼の助言を受けることにした。





「デスパイスの奥で、巨大なスフィアを見つけたぞ。あれが、あんたの言っていたジェネレーターなんだな?」


 タイムロード

「ガーディアンの世界から送り込まれた魔法のジェネレーターだ。ムーンゲートを使えなくすることを目的としている。外部の防御装置を突き破って中に入り、そこに浮いている小さなスフィアを取らなくてはならぬ。それは後に役立つから、大切にしておくのだ」




「なるほど、あの物体がムーンゲートを阻害していたのか…。だが、あれでは近づくことができないから、とても破壊なんてできないな…」


 タイムロード

「スフィアの外部防御装置は、汝のパーティーを特定の空間へと押し戻すものだ。防御装置を壊さないことには、ジェネレーターに辿り着くことはできぬ。汝、ニカデマスの砂時計を探すのだ。私の仮説が正しければ、スフィアの内部防御装置は、ムーンゲートに関係しているはずだ。この謎を解くため、視覚パターンを探し出すのだ」




「ニカデマス…そういえば、まだ会ってなかったな。すっかり忘れていた…。彼から砂時計を借りるんだな?」


 タイムロード

「魔法をかけられた砂時計だ。スフィアの見える所で使用すれば、汝の助けとなる。私がジェネレーターの力から解放されれば、汝は砂時計を使用することで私を召喚できるであろう」




「確か、ユーの町に家があったな。もう開錠の魔法も使えるから、ちょっと行ってみるか…」









 



 ニカデマス

君の古い友人ニカデマスは、遠くを見つめている。

「誰だ?」
ニカデマスが尋ねた。

「おお、思い出した。思い出した、思い出したぞ!ハッハッハッ!」




「やあ、ニカデマス!久しぶりだな、元気だったか?」


 ニカデマス

「実に良い質問だ。いつの日か、思い出すことだろう。それは…そう…今日だ!私はニカデマス!ニカデマス!ニカディマス!ニカ…ニク…ククォダマスだ!ハッハッハッ!」




「…元気じゃなさそうだな…」


 ニカデマス

「完全に狂ってしまうのだ!そうだ、何が起こっているのだ!我が魔法が機能しなくなってしまった!何かをドレイクに変えようとしても、イモリにしかならん!ああ、イモリー、ヤモリー、スコッチ、ブーティ!」
彼は、隣にいる空想の生物に語りかけた。

「誰に話してるのだ?あっちへ行け!」
彼は君に振り向いた。

「すまない。このクソッたれイモリが、私の会話を邪魔しようとしてくるのだ。とにかく…秘薬やポーション、呪文を売ることができるぞ。生活のカケを稼がなくちゃならんからな。糧と言ったのだぞ!そりゃカケだった!ハッハッハッ!」




「こいつも、他の魔法使いと同じく、頭をやられてしまったか…」


 ニカデマス

「魔法?魔法とは何だ!?この世界の全ての魔法は、完全にメチャクチャになってしまった!ああ、ムチャクチャのメチャクチャだよ!ハッハッハッ!馬鹿げた言葉だと思わないか?哀れなことに、もう魔法ではないのだ!ハッハッハッ!」




「さっきタイムロードに会ったんだ。魔法の砂時計が必要なんだが、持ってないか?」


 ニカデマス

「タイミーレイミーロード?フーム、そんな奴は知らんな。おっと!知っておる。黒く立派な口髭で、パンツを3枚履いている奴か?いや!彼が何者かは知らない。いつか私の日時計を直しに来てくれる奴だろう、違うか?」




「違うよ。誰だよ、その変態は」


 ニカデマス

「違うのか。フーム。では、私が思いもよらない男なのだろう!…待て!思い出した!彼は私のナイトブリッジの対戦相手だ。我々は、家の北にあるナイトブリッジの庭で遊んでいるのだ」「もう何ヶ月も、タイムロードとは話しておらん!あの偏屈ジジイはどうしたというんだ?彼によろしく伝えてくれ。ナイトブリッジの対戦相手がいなくなってしまったと伝えてくれ!」




「ナイトブリッジ?」


 ニカデマス

「それは、等身大のボードゲームだ。ルールを書いた本が、どこかそこら辺にあったはずだ」


しかし、彼の家の北に、巨大なチェスのようなオブジェがある。




それがナイトブリッジのゲーム台らしい。
ニカデマス著作のルールブックも、ちゃんと彼の部屋にある。





「そんな事より、砂時計だ。持ってるのか?持ってないのか?」


 ニカデマス

「このタイムロードが何だって?砂時計か!クソッたれ砂時計なんて持っていないぞ!グラッシー、ワッシー、アワースプラッシー!ハッハッハッ!ちょっと待て、魔法の砂時計だと!?そいつは鐘を鳴らす。カンカンカン!ハッハッハッ!ちょっと待て!思い出した。私は砂時計を持っていた。だが売ってしまった。ジプシーに。いや、アンティークショップだったかな?」




「そこは肝心な所だ、思い出せ!」


 ニカデマス

「たしか、ブリテインかポウズの、ジプシーのアンティークショップに売ったのだ。この国のどこか片隅だ。だが、私の記憶が確かなら、その砂時計には魔法がかけられていた。だから売ったのだ。エーテルが回復したら、それにもう一度、魔法をかけることができるだろう。そいつを私の元に持って来るのだ。何ができるのかを見よう。そうだ!景気付けにチェスでもやらないか!いつでも付き合うぞ。だが、おまえは信用できんな」




「確か、ポウズにはアンティークショップがあったな…。分かった、でも、あんたの頭が元に戻らないことには、魔法を使うのは無理そうだな…」


 ニカデマス

「魔法?そのお粗末な物に魔法をかけてほしいのか?おまえはカエル並みの知能だな!トーディ、ウォーディ、ブローディ、コーディ!ハッハッハッ!頼む、ミスター・アバタール。このクソッたれなエーテルを戻してくれないか?そうすれば、ナス時計を直してやれる。そう、バス時計と言ったんだ。砂時計とな。そのように"タイムロード"に伝えてくれ。あと、奴に風呂に入れとも伝えておいてくれ」




「そうだな、砂時計の前に、そっちを先に何とかするか…」


 ニカデマス

「バイバイ、ブービー、バイバイ!ハッハッハッ!」










魔術師達を元に戻すためには、大気のエーテル波動の乱れを元に戻さなくてはならない。
以前に魔女ピナンブラから聞いた話だと、その原因はデシートのダンジョンにあるそうだが、強力な波動から身を守るために、エセリアルリングという物が必要らしい。
この指輪の探索は途中で切り上げていたが、ガーゴイルの王ドラクシヌソムが、スペクトランのスルタンという者に譲渡したということは分かっている。




「ふう、慌しい…。ここがスペクトランかな?大きい建物が建っているが、ここに、そのスルタンという奴がいるのか…?」







「こんな孤島には似合わない家だな…。まあ、入ってみるか」





 マーティンゴ

目に狂ったような輝きを宿した貴族だ。

「おまえは誰だ!?」
男が尋ねた。
彼の態度は、何かしら重大な事をしていたのを妨げられたかのようだった。




「なんだか、いきなりヤバそうな奴が出てきたな…。俺はアバタールだ。ここにいるスルタンという者に用があるんだが…」


 マーティンゴ

彼は君に向き直って笑った。
「おまえだったか!余は、モンデインの悪しき霊魂である。ブリタニアに復讐の大破壊をもたらすため、戻って来たのだ!だが、奇妙なことに、おまえはアバタールに似ていないな…おまえは愚か者に見える」




「何言ってるんだ、こいつ…」


 マーティンゴ

彼は右を向き、誰もいない所に放しかけた。
「何だって?おお、本当か!おまえには、このアバタールが本物に見えるのか?私には信じられんよ、ルシンダ。まったくもって信じられんね」




「ルシンダ…?誰に話しかけているんだ…?」


 マーティンゴ

貴族は、じれったそうに君を見た。
「私はマーティンゴ、スペクトランの皇帝(スルタン)だ。分かったかね?」

彼は目をパチパチし、右を向いて、空想上の人物に再び囁いた。
「どうやら、無学者のおでましのようだよ」




「スルタン(皇帝)ってのは名前じゃなくて自称だったのか」


 マーティンゴ

「私はスペクトランの皇帝だ!おまえの脳ミソは豆粒並か!?ああ、答えずともよい。修辞学的な質問であった」

彼は左を向き、誰もいない所に(再び空想上の人物に)囁いた。
「あいつの脳ミソは豆粒並だとは思わんか?」

彼は見えない友人と目くばせしてクックッと笑った。
そして、マーティンゴはバナナを取り出して皮をむいた。




「(さっきから、何に話しかけてるんだ…?)ところで、スペクトランってのは、ここでいいのか?地図にも無いような島だから、探すのに苦労したぞ」


 マーティンゴ

「おまえが立っている島のことだ!」

彼は左にいる見えない人の方を向き、囁いた。
「君の言った通りだ…あいつは、本物の馬鹿者だよ!」

マーティンゴは君に向き直った。
「言った通り、私はここの王だ。あらゆる物の主である」
彼は部屋の周囲を指し示した。


 イオロ

イオロが君に囁いた。
「こいつは、頭がおかしいぞ。気をつけるんだな」




「ああ、十分に分かっている…。ドラクシヌソムの話だと、かなり聡明な男だと聞いたんだがな…」


 マーティンゴ

「ああ、私の知性を辱めないでくれ。おまえは、スルタンとは何か分かっているはずだ!我がハーレムが見えないのか?」




「ああ、うん…。俺には、あんたしか見えないね…」


 マーティンゴ

マーティンゴは当惑しているようであった。
「おまえは、目の検査をしてもらうべきだな!私の周囲には…」
彼は素早く周囲を見回した。

「そう、11人もの美しい女性がいるのだぞ!」




「(…こいつは相当イッてるな…)」


 マーティンゴ

「毎日、違う女と楽しんでおる。スルタンが、いかに楽しいものか、おまえには想像もできんだろうな!」
彼は見えない人物に寄りかかり、頬にキスをした。

「今日は、ルシンダと楽しんでおるのだ」
彼は大きく笑った。

「彼女は美しいと思わんか?」
マーティンゴは存在しない者に寄りかかり、その耳に舌を入れた。




「…(なるべく穏便に済ませよう…)あんたがエセリアルリングという指輪を持っていると聞いたんだが、まだあるか?」


 マーティンゴ

マーティンゴは疑わしげに君を見た。
「私のエセリアルリングを盗もうというのか?」

彼は空想上の人物に振り向き、囁いた。
「君の言うとおりだったよ。この客人は泥棒みたいだ」

彼は君に向き直り微笑んだ。
「ああ、私はエセリアルリングを持っている。ガーゴイルの王から買い取ったものだ。彼の名は何だったか?」

彼は右にいる見えない仲間の方に傾いた。
「何だって?ああ、そうだった、ドラクシヌソムだ。分かっていたとも」

彼は君に向き直った。
「それは私の金庫室にある」




「金庫室?」


 マーティンゴ

マーティンゴの目が明るくなった。
「私の金庫室は、全ブリタニアで最も強固なものだ。誰1人として、もう一度言おう、誰1人として、私の金庫室から盗みはできん。そこには、私の素晴らしい宝が数多くある」
彼は"ルシンダ"の方を向いて、その見えない耳たぶを噛んだ。




「そういえばドラクシヌソムからも、少し聞いたな…」


 マーティンゴ

「金庫室の警護は秘密だ。自由に入ってよいぞ。敢えて言おう!もし、おまえが中に入ることに成功したら、何でも持って行ってよいぞ!」




「おお、本当か!略奪許可宣言とみなしていいな!?よーし、そういうことなら頑張っちゃうぞ!」


 マーティンゴ

マーティンゴは笑った。
「おまえに必要な物は鍵だ!」
彼は、空想上のハーレムと共に笑った。

「それは見つけられると思うぞ!」
彼は笑いころげた。
あまりにも激しく笑ったため、彼の頬には涙が伝っていた。




「じゃ、ガサ入れさせてもらうぞ。そこでゆっくりしててくれ」


 マーティンゴ

「ああ、じゃあ行け。それがいい!」




城の奥には、話に出て来た金庫室らしきものがあった。
どうやって開けるものかと近づいてみると、傍にあったハーピーの石像が動き出し、一行に襲いかかる!
こいつは普通のハーピーよりも強い、ストーンハーピーという敵であった。






…が、所詮は1匹なので瞬殺である。
もはやアバタールに敵はいない気がする。
こいつの死体を調べると、扉の鍵を持っていた。
スルタンの世界一強固な金庫は、こうしてあっさりと破られたのであった。







金庫の中には、いくつかの指輪が置いてあり、そのうちの1つが、探していたエセリアルリングであった。
他の指輪も、プロテクションリングや、リジェネレーションリングなどの貴重なアイテムだったので、根こそぎいただいておいた。
これにて任務完了!









さて、ようやくエセリアルリングを手に入れたので、これをムーングロウのピナンブラの元に持って行く。




「おーい、起きろピナンブラ!An-ZU!」






「おまえの言っていたエセリアルリングを持ってきたぞ」


 ピナンブラ

「エセリアル・リングを見つけたの?素敵!すぐに魔法をかけるわ!」
ピナンブラは君から指輪を受け取ると、魔法の言葉をいくつか、それに唱えかけた。
しばらく後、彼女は君にそれを返した。

「さあ、発生装置の所へ行くのよ。指輪を身につけるのを忘れないで!これで、あなたは精神攻撃から守られるわ。これは四面体の近くでしか機能しないから気をつけて。仲間には、範囲の外で待っているように話しておくのよ。発生装置には、あなた1人で入らなくてはいけないわ!」

ピナンブラが魔法を唱えると、エセリアルリングは力を取り戻して輝いた。
これで準備は万全のようなので、次回はデシートのダンジョンに潜る。



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