Ultima 7 プレイ記録 28 ガーゴイルの島

ニューマジンシアの町を出て、ターフィン島へと向かった。
ここは、かつてのロード・ブラックソーン城のあった島であり、現在はガーゴイル達が暮らしている。







「ようやく着いた…ここがターフィンか。本当にガーゴイルばかりが暮らしてるみたいだな」




「とりあえず、ドラクシヌソムを探したいところだが…どこに居るのか分からないから、町の人に話を聞いてみるか」





 ベトラ

ガーゴイルが掌を広げて振り、君を歓迎するような動作をしている。




「やあ、こんにちは」


 ベトラ

「ベトラという名だ。"小さき勇気"という意味だ。ターフィンに来たのは初めてか?」




「ああ、200年前には、なかった町だからな」


 ベトラ

「町の情報を知りたいなら、賢者テレグスと話すといい。あるいは、酒場の主人フォーブラクだ。建物の位置や住民について教えてくれるだろう」




「じゃあ、そいつらを探してみようかな…。この町は、どうだい?過しやすいかい?」


 ベトラ

「独自の文化を持つ我々ガーゴイルが暮らす、打ち捨てられた町だ。我々の種族は、ユニークなものを多く持っている…我々の外見以上にな。それゆえ、我々と人間は区別されているのだ。異なってはいるだけでなく、平等でもない」




「打ち捨てられたって…穏やかじゃないな」


 ベトラ

「人間達によって、ここに置かれた。ここを離れたり、他の場所で暮らすことは認められているが、多くの人間は我々のことを嫌っている」




「……」


 ベトラ

「皮肉なものだ。人間とガーゴイルが同数暮らす唯一の町では、最も種族闘争が起こっている」
彼は肩をすくめた。

「これだけ多くが異なっている者達を一緒に置くというのは、賢いやり方ではないだろう。悲しいことだ」




「(一緒に暮らしている町というのは、ベスパーのことか…)」




「とりあえず、酒場を探してみるとしよう。どうもありがとう」


 ベトラ

「人間よ、安全な旅を」




「やれやれ、人間とガーゴイルの共存には、まだまだ時間がかかりそうだな…」












「ここが酒場だな」





 フォーブラク

「ご機嫌よう、人間」
ガーゴイルがデュプレに言った。

「勉強は、はかどっているか?」



 デュプレ

「ああ、いい感じに進んでいるぜ、フォーブラク」




「ここでも顔馴染みとは…!」


 シャミノ

「勉強…?何のことだ?」


 デュプレ

「ああ、うん、ブロマーが編集する有名な旅行ガイドのことさ。知ってるだろ?」


 シャミノ

「おう、知っているさ。だが俺には、あらゆる種類の酒を飲める酒処があれば、そこにべったりだね」


 デュプレ

「そうか。そりゃ、まあ、何と言うか新しいな。じゃあ、飲もうか!」


 シャミノ

「新しい?そうさ、俺のケツのように新しいぜ…」
シャミノが呟いた。




「やれやれ、マスター、とりあえず酒を出してくれよ」


 フォーブラク

「フォーブラク。ガーゴイルの言葉で"強い腕"という意味だ」

彼は空いた手で部屋の周囲を指した。
「『ホール・オブ・リフレッシュメント』で食事と酒を出す」




「あんたは、ここの町に詳しいらしいな」


 フォーブラク

「この町の多くの住人について、そして問題事について知っている」




「何か問題事が起こってるのか?」


 フォーブラク

「2つしか知らない。神殿派とフェローシップ派との衝突、そして、無翼の者達の争いだ」




「神殿派?フェローシップ派?」


 フォーブラク

「昔の思想と新しい思想との間に、不一致があるのだ。暴力は起こらないでほしいが、おまえもトレーナーとヒーラーを探しておいた方がよい。彼らは目ざといから、何か知っているだろう。フェローシップのメンバーにも、話しておいた方がいい」




「そういえば、ここにもフェローシップの支部所があるんだったな…。無翼の者達の争いってのは?」


 フォーブラク

「無翼の友人が、自らの運命に不満を抱いているのを見た。何故かは分からないが、それは尋ねていない。ヒーラーとトレーナーに話してみるんだ。理由があるとしたら、彼らが何か知っているのではないかと思う」




「そうか…。平和そうな町に見えたが、色々あるんだな」


 フォーブラク

「多くのガーゴイルのことを知っている。知りたい者がいるのか?」




「じゃあ、知ってるだけ教えてくれ」


 フォーブラク

フェローシップリーダー : 「とても親切だ。クゥアンと呼ばれている」

フェローシップ書記 : 「とても暴力的だ。ルネブという名だ。"赤い霧"という意味だ。彼が敵と戦った後に残るものだ」

トレーナー : 「インフォーレムという名だ。とても強い」

ヒーラー : 「インマニレムという名だ」

学習センター : 「知識と鍛錬を得るための素晴らしい場所だ。クェヴェンというガーゴイルが経営している。クェヴェンはとても教養がある。また、無翼のシラモもそうだ」

シラモ : 「山の東に住んでいる庭師だ」

テレグス : 「賢者だ。クェヴェンのように、非常に教養がある。ここで長いこと暮らしている」

冒険用品店 : 「ベトラと呼ばれている。2人の店屋のうちの1人だ。もう1人はサープリングだ」

サープリング : 「彼のことは、あまり知らない。それに、店にも行ったことがない。だから、彼が何を売っているのかは話せない。名前は"蛇の舌"という意味だ」




「意外と大勢暮らしているんだな。じゃあ、あんたの言った通り、まずはヒーラーに尋ねてみるよ」


 フォーブラク

「元気でな、人間」


ガーゴイルの古くからの思想というのは、コデックスを中心とした3原理の思想のことで、かつてのアバタールの8徳3原理の教えと、ほぼ同一のものである。
ウルティマ6の時代、ガーゴイルが3原理の思想と共に暮らしていた頃は、支配階級の有翼ガーゴイルと、労働者階級の無翼のガーゴイルは相互共存していたものだが、ここでも歪みが起こっているようだ。













「…ヒーラーに着いた」





 インマニレム

親しげなガーゴイルに挨拶された。
「インマニレムと呼ばれている。ガーゴイル語で"治療する者"の意だ。人間よ、ターフィンの情報を知りたいか?」




「え?ああ、教えてくれ」


 インマニレム

「人間よ、ドラクシヌソムかフォーブラクを探すのだ。ターフィンについて、よく知っている」




「さっき、フォーブラクに会ってきたんだ。この町の争い事のことは、あんたに聞けって言ってたぜ」


 インマニレム

「不満に思うガーゴイルが1人いる。いつも問題を起こし、今は敵対的で攻撃的な行為をしている。名前はシラモ、庭師だ。シラモと話してみることを勧める」




「シラモか…覚えておこう。あと、ドラクシヌソムに会いたいのだが、彼はどこにいるんだ?」


 インマニレム

「我々のリーダーだ。『知識の殿堂』の近くに住んでいる」




「知識の殿堂?」


 インマニレム

「そこには3つの統一性の祭壇が祀られている。『情熱』、『統制』、そして『勤勉』だ。我らの存在の鍵として、ほとんどのガーゴイルが価値を置いている」

彼は強調して頷いた。
「人間の徳の概念と、とても似ている」




「ほとんどってのは…」


 インマニレム

「今は敵対者がいる…フェローシップだ。彼らが良いのか悪いのか分からないが、私は従わん!」




「ふむ…ここでも溝は深いようだな…。分かった、とりあえずドラクシヌソムに会ってこよう」


 インマニレム

「人間よ、おまえの健康を願う」




「やっぱ、この町も、すんなりと済みそうにはないな…。どこもかしこも、フェローシップか…」




「それにしても、ドラクシヌソムは神殿の近くに住んでるって聞いたが…それっぽい家が見当たらないぞ…。この家は、王が住むには小さすぎるしなぁ…」





 ドラクシヌソム

腰が曲がり、しわがれていたが、堂々たる物腰の年老いたガーゴイルだ。




「あら?もしかして、こいつが…」


 ドラクシヌソム

「長い年月になるな、アバタールよ。おまえの古き知己、ドラクシヌソムだ」




「ドラクシヌソム!こんな狭い家に!あんた、ガーゴイルの王じゃなかったのか?」


 ドラクシヌソム

「仕事のことを聞いたのか?今は、そのような物は持っていない。若者は、もはや私を指導者として見なしていないことが分かったからな。彼らは、テレグスをそう見なしている。あるいは、フェローシップの者達を、一層そう見なしている」




「そうか…あんたも、いい歳のようだしな…。今は、この島で隠居してるのか…」


 ドラクシヌソム

「我らの必需に叶い非常に居心地がよい。しかし、人間から隔離する必要があると考えることは、とても不幸なことだ。我らの若い世代に怒りと緊張を覚える。友よ、彼らは過去の日々を、我々が共に生きるために働いた時の日々を知らないのだ」
彼は過去の追憶に微笑した。




「懐かしいな、まあ、皆が共に働いていた時には、俺は既にいなかったワケだがね」


 ドラクシヌソム

「我らがここに移り住んだことで、多くの物を諦めなくてはならなかった」




「何をだ?」


 ドラクシヌソム

「数多くのお気に入りがあったのだが、そんなに沢山持って行くことは難しかった」

彼は溜息をついた。
「特に、『エセリアル・リング』を売ってしまったことは後悔している」




「エセリアル・リングって…ええー!?売っちゃったのか!?そいつを、あんたに借りに遥々やって来たのに!」


 ドラクシヌソム

「ああ、そうだ。愛しい宝物であった。とても便利な物であった。それを売ってしまったのは、本当に残念なことであった。お気に入りであったのに」




「誰に売ったんだよ?」


 ドラクシヌソム

「我が宝物の大半は、この島へ移り住むことを尋ねられた時…そう言うべきだろうな…その時に売ってしまった。ほとんどは、スペクトランのスルタンに売った」




「誰だそりゃ…?」


 ドラクシヌソム

「人間にしては優れた者だ。そして、人間にしては少々頭がおかしい。ここからちょうど西にある島で暮らしている。少なくとも、私の素晴らしい宝は、彼の手にあれば安全だろう」

彼は頷いた。
「ブリタニア中で、最高に強固な金庫を持っていると噂されている。おそらく魔法によるものだが、詳細は知らない」




「ああ〜、何てこった…。面倒そうな奴の手に渡ってしまったな…。」




「仕方ない、そこにも行ってみよう…。ところで、フェローシップの奴らと上手くやってないと聞いたが、どうなんだ?」


 ドラクシヌソム

「彼らの思想も教義も知らない。危険ではないようだが、情熱、勤勉、統制の古き道には従わない。ここターフィンの、特に統制の神殿を信仰しているように偽っているが、本当に信じてはいない。彼らは静観しているが、服従の教義を信奉する強力なリーダーを擁している」
彼は肩をすくめた。

「どうだか分からないが、霊感を得ているかのようだ。フェローシップ派は、2人の有翼の会員によって仕切られている。ルネブとクゥアンと呼ばれる者達だ」




「そいつらは、どんな奴なんだ?」


 ドラクシヌソム

「ルネブは、おまえの言葉で、"赤い霧"という意味だ。彼と戦った者が全て、こうなることに因んでいる。フェローシップ派に転化する前には、非常に冷酷で危険なガーゴイルであった」


 ドラクシヌソム

「クゥアンは興味深い者だ。頑丈で強力な性格を持ち、我々の社会の中でも最も高貴な血筋の出自だ。常に利己的で、自身の地位と富を得ることにのみ努力していた。フェローシップに加入してから彼の様子が変わったが、彼の目的も変わったようには、私には思えない」




「ふーむ、どっちもロクな奴じゃなさそうだな…。さっき言ってた、賢者テレグスってのは、どうなんだ?」


 ドラクシヌソム

「とても素晴らしいガーゴイルの若者だ。最も賢明な者でもある。古き道、祭壇の道にも忠実に従っている。若者の中には、彼を尊敬している者も多いが、だが大部分は、フェローシップの魅力に口説かれてしまった」




「そっちは、まともそうだな。優秀な後継者がいるようで、よかったよ」


 ドラクシヌソム

「彼の子イナモは、今トリンシックにいる」




「イナモだと…!」


 ドラクシヌソム

「優れた若者だ。祭壇の守護者テレグスに育てられた。祭壇崇拝者とフェローシップとの間で緊張が高まったため、この町を出て行った。フェローシップに怒りを覚えており、疑念を抱いていたな。彼の知らせがあるのか?」




「……まあ、その…あると言えばあるのだが…」


 ドラクシヌソム

「素晴らしい!彼に会ったのか?どこにいるのだ?元気だったか?」




「元気では…ないな…」


 ドラクシヌソム

「それは残念だ。その知らせを、テレグスにも教えてやるか。だが、最近イナモのことを聞かないのは何故だろうな」




「…殺されてしまったんだ…トリンシックで、殺人事件に巻き込まれて…」


 ドラクシヌソム

「なんと恐ろしい知らせだ!彼は素晴らしいガーゴイルであった。テレグスは悲痛に暮れるであろう。彼が悲しむのを見たくはないが、直ちに彼に知らせてほしい。おまえから聞いた方が良いであろう」




「分かった…。じゃあ、テレグスって奴にも会って、知らせてこよう…」


 ドラクシヌソム

「古き友よ、さらばだ。私に何か出きる事があるのなら、厭わずに戻って来るのだ。年老いたガーゴイルが1人、ここで昔の道を歩むというのは、孤独なものだ…」




「ああ、またな、ドラクシヌソム」


旧友ドラクシヌソムは、すっかり年老いていた。
もう王でなくなってしまったのは寂しいことだが、ちゃんと引き際も心得ているあたりが、かつての名君だろう。
エセリアルリングは、もう少々探すことになりそうだが…。











「それにしても、イナモが殺されたことを、育ての親に話すってのは、酷だな…。ドラクシヌソムから話してくれてもいいのに…」







「ここが、知識の殿堂ってやつか。要は、3原理の神殿のようなものだな」


 テレグス

肉体的に最盛期の有翼のガーゴイルだ。
「よく来た、人間よ!祭壇の間へ歓迎する。何か助力が必要か?」




「…あんたが、テレグスか?」


 テレグス

「テレグスと呼ばれている。統制、情熱、勤勉の祭壇の管理をしている」




「国王ってわけではなさそうだが、あんたが実質上のリーダーのようだな」


 テレグス

「大いに責任のある地位だ特に、この問題事が起こっている時には重要だ。最近、町では多くの不調和がある。祭壇の原理の追従者と、フェローシップの信者との間に、大きな緊張が走っている。祭壇を脅かすような噂も聞いた」




「ああ、その話は少し聞いた。3原理の神殿とフェローシップは対立しているらしいな」


 テレグス

「フェローシップの思想には注意するのだ。彼らは協会を求めて祭壇を無視し、古き道への敬意を失っている。ここの支部所は、クゥアンとルネブが運営している。悪いことではない」




「祭壇を脅かすような噂ってのは何だ?」


 テレグス

「この町の何者かが、祭壇の彫像を破壊しようと計画していると聞いた。もちろん、基本原理の統制、情熱、勤勉を破壊するということにはならないが、言うまでもなく、我々にとっては悪いことだ。時間があれば、計画している者を見つけ出し、その行動の証拠を掴んだら、私に知らせてほしい。協力いただければ、とても感謝する」




「そのフェローシップのリーダーの、クゥアンとルネブって奴らが怪しいんじゃないのか?」


 テレグス

「人間よ、クゥアンがフェローシップに行ってしまったのは悲しいことだ。若い頃は、良いガーゴイルだったのだが、最近は、悪い仲間にそそのかされてしまった。ここ数年は、自己の権力と享楽主義にばかり傾倒している。恥ずべきことだ」




「ルネブの方はどうなんだ?冷酷な奴だって聞いたぞ」


 テレグス

「悲しいケースだ。彼のことは止めておきたかったものだ。彼は常に制御不能であったが、ここ数年で、更に悪くなった。彼は常に戦いを欲しているようだ。フェローシップに加入してから、その力を弱き者に向ける理由を見つけてしまったのだ」




「そうか…」




「…ああ、ところで、あんたがイナモの育ての親だって聞いんだけど…」


 テレグス

「彼には長らく会っていない。彼が卵の頃から、私が育てたのだ。彼は、フェローシップへの不賛同を遠慮なく述べていた。ここを去った方が、彼にとっては安全だっただろうと思う」

彼は溜息をつき、期待して君を見上げた。
「彼の知らせを聞いているのか?」




「う…その…まあな…」


 テレグス

「元気だったか?」




「げ…元気じゃなかったな…」


 テレグス

「元気ではない?何か助けが必要なのか?」




「いや…とても話しづらいことなんだが…もう手遅れなんだ…」


 テレグス

「手遅れだと?手遅れとは、どういう意味だ?何が起こったか教えてくれ!」
彼は、ひどく動揺していた。




「イナモはトリンシックで殺された。殺人事件に巻き込まれたんだ…」


 テレグス

「殺された?」
彼は後ろに後ずさり、その知らせにショックを受けた。

「殺されただと?信じられない!彼に敵はいなかった!」
彼は重い溜息をついた。

「教えてくれ、何が起こったのだ」




「それは…」


 テレグス

君は、イナモの死について彼に話した。
彼は再び嘆息した。
「ああ、何という無駄死にだ。こんな知らせは聞きたくなかった。誰が彼の死を望もうか」

彼は、しばらく黙り込み、落ち着きを取り戻していった。
「申し訳ない。悲しむ時間が欲しいのだ。また後で来てほしい」
彼は向こうを向いてしまった。




「…(無理もない、育ての親だもんな…)」


トリンシックの馬小屋で殺されていたガーゴイル、イナモは、現在のガーゴイル達の指導者テレグスの子供であった。
たまたま殺人事件の現場に居合わせて殺されていたように見えたが、実は彼も反フェローシップ派であったようだ…。 












「フェローシップの支部所にも行ってみよう。エリザベスとエイブラハムの行方も聞かなくちゃならないしな」





 クゥアン

有翼のガーゴイルだ。
君に気付くと、振り向いて言った。
「よく来た、人間よ。助けが必要か?」




「やあ、ちょっとフェローシップに用があって来たんだ。ほら、俺もメンバーだよ。あんたが、ここの支部長かい?」


 クゥアン

「クゥアンという名の者だ。ガーゴイル語の意味はない。これは私特有の、特別な名前だ」
彼は微笑んだ。

「ターフィンのフェローシップ支部所長だ。ブリタニアで唯一のガーゴイルの町だ。人間よ、おまえが最後にブリタニアに来た時よりも、ガーゴイルの数は少なくなっている」
彼は首を振った。




「え?なんでだ?」


 クゥアン

「近年ブリタニアを襲った、疫病と飢饉の影響で死んだ。ガーゴイルは、あまり出産をしない。だから、減少した人口を増やせなかったのだ。だが、新たなる希望がある」

彼は笑った。
「フェローシップだ。ガーゴイルと人間にとって恩恵あるものだ。あらゆる種のあらゆる生物が、高次元の潜在能力に辿り着けるよう助力する思想がある」




「…フェローシップ幹部の、エリザベスとエイブラハムを見なかったか?ここに向かったと聞いた」


 クゥアン

「ちょうど行き違いだ。あの人間のフェローシップの高官達は、ここに基金を集めに来たが、サーパンツホールド付近の瞑想静修所へ行った。申し訳ない」




「瞑想静修所…話には聞いたことがあるな…。内なる声を聞くために瞑想する場所だとか…」


 クゥアン

「内なる声の導きは、全ての生物にある。フェローシップと強く結びつけば、より明確に、頻繁に起こる」




「…フェローシップの思想は、あんたらの昔からの思想と、相反していないのか?」


 クゥアン

大喜びの表情が、彼の容貌に満ちた。
「統一性の祭壇と非常に似通っている。『内なる3つの力』と呼ばれる3原理がある。3つの原理を同時に取り入れることによって、より創造的で幸福となれる。似ていないか?統制、情熱、そして勤勉、かみ合わせて1つになると…統一性だ。内なる3つの力…『協会に努めよ』、『兄弟を信頼せよ』、『報酬は後から来る』…を同時に取り入れるのだ!」




「(…彼は、あまり3原理に敵意があるように思えないな…)」




「この島には、他にメンバーはいるのか?」


 クゥアン

「フェローシップ書記のルネブか、クェヴェンと話すとよい。私はターフィンにいる他者について知る必要のある仕事だが」
彼は申し訳なさそうに笑った。
「忙しくて、ターフィンの皆については知らないのだ」




「ルネブは…そこにいる男か。分かった、どうもありがとう」


 クゥアン

「あなたが協会を見つけることを望む」




「…てことで、あんたがルネブさんだな?ちょっと話を聞きたいんだが…」


 ルネブ

ガーゴイルは、君を威嚇的に睨みつけた。
彼の大きさから判断するに、敵いそうもない相手だ。

「ルネブだ。『忙しい者』という意味だ」
彼は皮肉をこめて言った。




「フェローシップのことなんだが…」


 ルネブ

「今は、もっと大事な事をしなくてはならない。人間よ、また後で尋ねよ」




「……」


ルネブは、そっけなく返事をしたきりであった。
他の者から聞いた話だと、彼は乱暴この上ないガーゴイルだったとのことだが…。
テレグスから聞いた、神殿破壊の噂についても、もう少し確かめなくてはならないであろう。



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