Ultima 7 プレイ記録 23 フェローシップ入会

久々にブリテインに戻って来たので、城に立ち寄ってみた。







「『そのゲームは知っている!』」


 チャクルス

「じゃあ、プレイしよう!」




「『何について喋る?』」


 チャクルス

「何をお望みなんだい?」




「『君』」


 チャクルス

「なんで、あんたは僕とお話したいんだい?話してて、もっと楽しいモノはないのかい?」




「『食べ物』」


 チャクルス

「酒場には、美味しい食べ物(フード)があるよ!そして僕は、自分の部屋の床(フロア)を食べるのが好きなのさ!」




「『ブルーボアはどこ?』」


 チャクルス

「そこで美味しい料理を食べられるよ!でも僕は、美味しいヒントを持ってるよ!」




「『ヒントとは?』」


 チャクルス

「ゲームをするつもりかい?じゃあ、僕とお話して証拠を見せてよ」




「『ハーイ、チャック!』」


 チャクルス

「ハーイ!あんたは、何を考えてるの?」




「『沢山』」


 チャクルス

「ああ、あんたの考えてる事は知ってたよ!あんたは助けが必要だ。そうだろ?」




「『そうだ』」


 チャクルス

「フーム、あんたにヒントをやれるよ」




「『そうしていただけるのなら』」


 チャクルス

「ヒントの代わりに、あんたは何をくれるんだい?」




「『金』」


 チャクルス

チャクルスは腕を組んだ。
「正しくないな。ヒントはタダであげるよ。このスクロールに書いてあるよ」




「やった!!ついにゲームに勝ったぞー!!このくだらない会話に延々と付き合わされて苦労したが…ようやく終わった!さて、こいつの言うヒントとはいったい…?」







「えーと…

『アバタールを、ヒント探しに忙しくさせるための方法…(スクロールは続きます)

アバタールを、ヒント探しに、とても忙しくさせるための方法…(スクロールは続きます)

アバタールを、ヒント探しに、とてもとても忙しくさせるための方法…(スクロールは続きます)

アバタールを、ヒント探しに、とてもとてもとても忙しくさせるための方法…(スクロールは続きます)

アバタールを、ヒント探しに、とてもとてもとても大変に忙しくさせるための方法…(スクロールは続きます)

アバタールを、ヒント探しに、とてもとても、およそ信じられないほどに、とても忙しくさせるための方法…(スクロールは続きます)


もし、君が忙しくなかったら、ミノックのジプシー・マーガレタを探してみるといい。
彼女が君の未来を話してくれる。  チャクルス』」




「…もう知ってるっつーの!!」


チャクルスとの4択会話は非常に面倒なものだった上に、このヒント…。
最後まで腹立たしい奴であった。
馬のスミスと違ってヒントは正しいものの、もう少し早く貰っておかないと意味がなかったようだ…。





「くそ…とんだ無駄手間だった…。せっかくここまで来たんだから、ついでにロード・ブリティッシュにでも会いに行くか…」





 ロード・ブリティッシュ

「どうした、アバタールよ」




「お久しぶりです陛下。ちょっと、立ち寄ったもので…。あ、そうそう、騎士として召抱えられたのに、各地を放浪していたサー・デュプレを連れてまいりました」


 ロード・ブリティッシュ

「いったい、今までどこにいたんだ?サー・デュプレよ」


 デュプレ

「おお、あちらこちらでございます、我が君よ」
この戦士は答えた。


 ロード・ブリティッシュ

「このブリタニアで、我らが故郷からの友人は非常に少ないのだ。忘れずに、もっと足繁く訪れるように!特に、おまえは騎士なのだぞ!」


 デュプレ

「我が君が、そうお望みでございましたら」
デュプレはお辞儀した。




「特に、お咎め無しか…やれやれ、この寛大な社風が羨ましいよ。あ、そうだ!陛下、例の地震の件なんですが…」


地震というのは、ウルティマ7の追加シナリオ、Forge of Virtureをインストールすると起こるイベントです。
今回は最初からインストールされていたので、ゲーム開始と同時に地震が起こった描写がありました。
この後のロード・ブリティッシュとの会話の内容は、一番最初にロード・ブリティッシュに出会った時に、その地震について話したものです。
本編と大きく関連しないため、当時のプレイ記録では省いていましたが、そろそろ頃合なので掲載いたします。


 ロード・ブリティッシュ

ロード・ブリティッシュは、重々しく君を見た。
「島の隆起により、ブリタニアの地盤が揺るがされた。この出来事は、偶然の災害ではない。魔法的な力の一種だ」




「島の…隆起ですって!?」


 ロード・ブリティッシュ

「そうだ、アバタールよ。その島が海から現れた時、余は大気に巨大な振動を感じた。この島は『炎の島』に他ならない。汝が、あの地獄の子・エクソダスを倒した島だ」




「エクソダス!!あの、恐怖のエクソダスですか!?」


 ロード・ブリティッシュ

「アバタールよ、聞くのだ。余は徳の神殿を建てた時、この島にも3つの偉大なる神殿を建てたのだ。それらは、真実・愛・勇気の原理のためのものだ。
それらは、炎の城の城壁の内側に建てた。汝には、この神殿のことは話していなかった。炎の島が波の下に沈み、それらも永遠に失われたと思っていたからだ。
この神殿は、アバタールのみが使用できるものであり、そのためにはタリスマンが必要であった。タリスマンは、試練により守られている。汝が、それらの賜物を欲するのであれば、試練は問題なく通過できるであろう」




「3つの原理の神殿…!8徳の神殿だけでなく、3原理の神殿というものも存在したのですか!しかも、よりによって、エクソダスの島とは…!」


 ロード・ブリティッシュ

「かの奇妙な、機械と霊の混成物との戦いは、今や伝説となった。島に行くのならば、気を付けるのだ。今でも、炎の城の一室には彼の者の残骸がある。
汝が、その島を探すと言うのならば、余の船を使うといい。今はベスパーの南岸に泊めてある。ゴールデンアンク号という船だ。必要な時に、自由に使ってよいぞ」
ロード・ブリティッシュは、君に船の権利証を手渡した。

「また、余は魔法の水晶玉で炎の城の入口を見てみた。その城は、汝とエクソダスとの戦いの後に、余が改装したのだ。これを持って行くがよい。何らかを見ることができるであろう。だが、気をつけるのだ。これは完全に安定していないし、合わせられた場所の付近をメチャクチャにしてしまうかもしれん」
ロード・ブリティッシュは、君に水晶を手渡した。




「エクソダスが…生きているということか…?」


そんなわけで、ロード・ブリティッシュから船と、遠視の水晶をいただいた。
突如としてブリタニアに姿を現した、伝説エクソダスの島と、そこに建てられた3原理の神殿の謎…
これが、ウルティマ7の追加シナリオ、Forge of Virtureのプロローグです。














「ふぅ〜、やっぱ食事は王宮の料理に限るな。ここのタダメシを覚えてしまったら、もう庶民の食べ物など口にできんよ」




「それにしても、この城は贅の限りを尽くしてるなぁ…。庶民は苦しい暮らしをしているってのに、こんな託児所まで完備されてるだなんて…」







「ありゃ、このネズミは…」


 シェリー

高い知性を漂わせた、とても大きなネズミだ。

「アバタール!」
彼女は驚きの声を上げた。
「あなたが、ここにいるだなんて、信じられないわ、アバタール!」




「おお、シェリーじゃないか!まだ生きていたとは驚きだな。相変わらず、この城で駆け回ってるのか?」


 シェリー

「日中は主に、王立託児所でナンナのお手伝いをしているわ。夜、ナンナが夕食とフェローシップのミーティングに行っている間は、私が1人で子供達を見ているのよ。その他の時は、城内でネズミの餌を探して走ってるわ!」




「子供の世話…って、おまえが!?」


 シェリー

「子供達は、とっても楽しいわ。この子達のお気に入りの物語を読んであげるのが好きなの。これは、ロード・ブリティッシュのお気に入りのお伽話でもあるのよ!もう、ずっと昔に、私も彼に読んでもらったわ」




「へ〜、確かにシェリーなら、人件費はチーズくらいのものだからな…。この城も、意外なところで倹約しているもんだ」


 シェリー

「チーズは大好物なの。あなたがチーズをくれると言うなら、喜んで食べるわ。でも、私は普段は何だって食べるわよ。チーズを持っている?」




「いや、残念ながら持ってないな」


 シェリー

「あら残念!もし見つけたら、私のことを思い出してね!」




「ああ、余程飢えてなければ、食べずに取っておくよ」




「…で、こっちの婆さんが…」


 ナンナ

優しさの溢れた、労働者階級の老女だ。
「ええ、皆さんは、単にナンナとお呼びになりますわ。王立託児所のお世話をしております。ここの素敵な子供達のベビーシッターなのです」




「こっちが本職のベビーシッターか」


 スパーク

「うひゃ!何か臭うよ、アバタール!」


 イオロ

「小僧、それはオムツの臭いだな。いつか、お前が父親になった時、この臭いが実に良いものだと分かるようになるだろう」




「なるほどね、こんな託児所が王座の近くにあったら、ロード・ブリティッシュも渋い顔をするわけだ」


 ナンナ

「とっても可愛いと思いませんか?この子達は、毎日のように新しいことを学んでいきます。ほとんどの時間は楽しんでいますよ」
ナンナは含み笑いをして君に囁いた。
「楽しんでない時間は、私がこの子達を浴槽に投げ入れている時ですわ!」




「よしよし、君たち、お名前を言ってごらん」


 ニコラス

幼児へと育っている途中の子供だ。
「うー!よー!」


 ナンナ

「彼の名前はニコラスよ」


 ニコラス

「にく・らす」




「ははは、ニコラスくん、ちょっと顔が怖いぞ」


 ナンナ

「ええ、この子の仕事は、オムツを濡らすことですわ!そうでちゅよね、ニコラス?」
ナアナは赤ちゃん言葉で言った。


 ニコラス

「うぇーん!おむつー!」


 ナンナ

「ニコラスは孤児の1人です。ある朝、彼はお城の前に置き去りにされていたんです。このような事が起こるのは、とても悲しいことですわ」


 ニコラス

「うぇーん!おむつー!」




「捨子なのか…可哀想にな…」


 ナンナ

君は、ニコラスのオムツが濡れていることに気付いた。
「あらあら、お漏らししちゃったのね?悪いけど、この子のオムツを交換してくださると、助かるんだけど。オムツは、そこのテーブルの上に置いてありますわ。ニコラスに使ってやってください…」


 ニコラス

ニコラスはテーブルの上のオムツを指差した。




「う…しかたないな…。ほら、早く立派な大人になるんだぞ」


 ニコラス

「いえー!おむつ!げー!」
ニコラスは幸せそうに言った。




「こっちの女の子は、何して遊んでるのかな?」


 クリスティ

赤ん坊の人形を抱いた、可愛らしい幼児だ。
「くうぃすてぃ」


 ナンナ

「クリスティは、ニコラスと同じく、孤児なんです。大評議会のメンバーの1人が、彼女をポウズの廃屋で見つけたのです」




「この子も捨子なのか…」


 クリスティ

クリスティは混乱しているようだ。
「お歌。お馬。ローサ。勝った」




「馬…?ああ、その木馬のことか」


 クリスティ

「お馬、大好き!」
彼女は木馬を激しく揺さぶった。




「ローサってのは?」


 クリスティ

クリスティは赤ん坊の人形を強く抱きしめた。
「ローサ!」




「ああ、なるほどね」


 クリスティ

「あたしが勝ったの!」
彼女は高らかに宣言した。


 ナンナ

「彼女はそう言い続けているんです。私には意味は分かりません。何か競争に関係してるんでしょうか」




「いつも子供達が外で鬼ごっこをしてるのを見かけるから、そのことかもな」


 ナンナ

「最近、このブリタニアでは非常に多くの子供が産まれています。ですから、ロード・ブリティッシュはこの託児所を設立されたのです。上流階級の男女は、このような贅沢ができ、日々の仕事に打ち込めるのです」




「確かに、こんな豪華な所で子供を預かってもらえるなんて、結構な金がかかりそうだな」


 ナンナ

「そうです、これは本当に贅沢なことだと思います。ブリタニアの貧しい人々は、子供を預けるなんていうサービスは受けられないと思いますわ。上流階級は、とても有利です」
君は、彼女の声から皮肉を感じ取った。

「愚痴を言っているわけではありませんのよ。私は、この仕事が大好きです。でも反対に、多くのお金持ちの人のことを考えると、このブリタニアの階級構造は、以前にも増しているように思いますわ。税金を払うこともままなりません。富める者が富み、貧しき者は貧しく、と言うやつですわ。ブリタニア税金評議会は、私達を干乾びさせています。特に、低・中産階級からですね」




「階級構造ねぇ…各地で聞いたような言葉だな」


 ナンナ

「ええ、周りを見てご覧なさい!上流階級が豪華なお城で暮らし、郊外では貧乏な人々が、あばら屋で暮らしています。有羽のガーゴイルと、羽の無いガーゴイルがいることは、ご存知でしょう?ええ、人間の種族も、まさに分けられようとしているように思えます。この国には、もはや協力というものはありません。それが、私がフェローシップに加入した理由です」




「!…あんたも、フェローシップのメンバーだったのか…」


 ナンナ

「多くを知りたいのでしたら、ミーティングにお越しください!」




「フェローシップのミーティング…そうだ、俺は任務を達成したから、そこに出席したら正式にメンバーに叙任されるんだ…」


いよいよ、フェローシップに加入する時なのかもしれない。
各地を歩き回って見聞してきた結論としては、フェローシップは悪である。
しかも、おそらく、各地で起こっている連続殺人事件の黒幕であるかと思われる。
だが、ミノックで出会ったジプシーの占師マーガレタも言っていたが、アバタールはフェローシップに加入しなくてはならないだろう。
そこに隠された真実を見極めるために。











「やあ、バトリン…。ジェロームまで行ってきたよ。エリザベスとエイブラハムは、また行き違いだった…」


 バトリン

バトリンは笑って首を振った。
「あなたは彼らとの巡り合わせが悪いようですね。彼らは、ジェロームで仕事を終えてここに戻っていました。ですが今は、ベスパーの新しい支部所の設立を見に行っています」




「今度はベスパーか…分かった。ところで、俺がフェローシップに加入する件だが…」


 バトリン

「ともかく、あなたは探索を成し遂げました。何故ダスタードの箱が空っぽだったのかは、私には分かりません。ですが、そのことはもう忘れましょう。よろしいですか?」




「ああ…腑に落ちないが、分かったよ」


 バトリン

「夜のミーティングで、あなたを正式に叙任いたします。どうぞ、いらしてください。そしてメダリオンを受け取ってください。もう一度、御礼を申し上げます。どうもありがとうございました、アバタール」




「…ミーティングが始まるまで、まだ少し時間があるから、その辺で時間を潰してくるか…」









まず、ブリテインの町でトレーナーをしていたセントリを仲間に加えた。
セントリはパーティー人数が6人以上だと仲間になってくれないので、一度5人まで人数を減らし、彼を加えた後に、その場で一時別れた仲間を再度加える。
こうすることで、8人パーティーを維持できる。
留守番メンバーは、ユーで加えたツェラメッドだ。


 セントリ

セントリはお辞儀した。
「あんたの旅に加われて嬉しいよ」




「よろしく頼むぞ。じゃあ、ツェラメッドは、ここで待機な」


 ツェラメッド

「分かりました、あなたが戻って来るまで、ここで待っています」





セントリは、パーティーにいる間は、無料でトレーニングをしてくれる。



とはいえ、各地のトレーナーによって、上昇するステータスが違うので、彼にばかりトレーニングを頼むのも能力が偏ってしまう危険がある。





「じゃあ、セントリとの再会を祝して、ブルーボアで一杯やりますか」





 ミリー

「協会に努めよ!兄弟を信じよ!報酬は後から来る!」




「向こうから歩いてくるのは…フェローシップの信者か…」


 ミリー

キュートな女性だ。
君の視線に気付くと、にっこりと笑った。




「やあ…どこかで会いましたっけ?」


 ミリー

「ミリーです」
彼女は、はにかんで笑った。




「ミリー、ミリー、どこかで聞いたことあるような…。何の仕事をしてましたっけ?」


 ミリー

「仕事はしていませんが、いけないことかしら?私はフェローシップのメンバーで、人々と一日中、そのことをお話しています」

ミリーは不機嫌そうに顔に皺を寄せた。
「あなたは、フェローシップが何かご存知ですか?」




「え?ああ、もちろんだとも…」


 ミリー

「おお、あなたは本当に知っているわけではないようです!
お望みならば、今夜フェローシップのホールで開催されるミーティングに、ご出席なさってください。9時丁度から始まります。私のお客だって言ってください。そこでお会いできることを願っていますわ」
ミリーは笑って、恥ずかしそうに視線をそらした。




「…熱心なことだな」


 ミリー

「私は、自身の時間の全てを費やして、勧誘をしています…ああっと…フェローシップの言葉を広めています。仕事をするよりも良いことですわ!瞑想静修所で、このやり方を学びました。
そこは、南ブリタニアの島に位置します。サーパンツ・ホールドの近くです。新しいフェローシップのメンバーの多くは、そこでしばらく過して教義を学びます。静修所では、『声』を聞くことも学びますよ。
フェローシップのメンバーは、彼らに語りかける内なる声を持ちます。私には、まだ聞こえませんが、それを目標に働いています。そのためには、もう少し瞑想静修所で過さなくてはならないかもしれません。ですが、バトリンは、落胆するなと言ってくれました。私自身が価値ある人間となれば、声も聞こえるようになる、と言っていました」




「そうだ…思い出したぞ!この娘は、ユーの森で出会った、謎のハイウェイマンの妹だ!確か、妹をフェローシップにさらわれて魅惑の魔法をかけられたとか何とか言っていた…!」


 ミリー

ミリーは目を丸くした。
「私の兄に会ったの?可哀想に!彼は本当に、保護施設送りの候補者よ!彼は、フェローシップが私を誘拐して、彼らに従わせるように魅了したと信じているの。
ええ、私は自分の自由意志で、先入観もなく加入したのよ。やってられないわ!誰も私を強制してないのに!サドなんて、くたばっちゃえばいいのに!ママも、いつも言ってたわ。彼は家族で一番直情的だって!」




「まあ、確かに、あいつもちょっと変な奴だったが…」



とはいえ、やはり妹が怪しげな施設にしばらく篭って瞑想をして、その後戻ってきたら、働きもせずにフェローシップの勧誘ばかりしていては、不安になるというものであろう。
彼女のようなフェローシップメンバーは全国各地に存在する。





「さて…ブルーボアに着いたぞ」







「ん…?何か騒がしいな。あ!この酒場で歌ってる男は…イオロの弓店の小僧じゃないか。そういえば、毎晩酒場で歌ってるって言ってたな」


 コープ

コープは『ザ・アバタールズ』のステージ中だ。
彼は君を見て言った。
「うーん、今夜はスペシャルなお客さんが来てくださいました。次の曲は、彼のために歌いましょう」


 コープ

彼がメンバーに合図すると、彼らは演奏を始めた。
「国中を駆け回り〜戦いが始まる〜!徳のための果てしなき戦いに〜少女は〜ときめく〜」


 ネノ   ジュディス

ネノとジュディスがコーラスに加わった。
「おお、アバタールは僕ら、そして徳を成す!」


 コープ

「気をつけろ、オーガに魔物、次なる町でひと時の休息!」




「なんという歌だ…」


 コープ

「美しき少女を救い、海賊共と勇敢に戦え!悪のリッチに怯えるな!僕らは勝てる!」




「……」


 コープ

「僕らはアバータールズ!僕らはアバータールズ!僕らはー、アー!バー!タールズ!!」
拍手が騒然と巻き起こった。


 イオロ

「ふむ。アバタール、彼らは、あんたが入って来たのを見ていたみたいだな」


もちろん、彼らの歌の歌詞は英語なので、本当はもうちょっと語呂がいいです。
内容は、こんなもんですが…。











「…時間になった。そろそろ、フェローシップのホールへ行くか…」







「毎晩毎晩、ここには凄い人の数が集まるな…。ここブリテインは、他の町に比べても圧倒的にメンバーの数が多い…」


 バトリン

セレモニーが始まった。
ブリテインのフェローシップメンバー達の集いの前にバトリンが立ち、説法を始めた。

「友よ、私はブリタニアと、その人々の未来を手出すけするため、フェローシップを創設しました。今日、一つの偉大なる過去の象徴が、我らフェローシップに加わることとなりました。今日は素晴らしい日となりましょう。我らの過去と現在が織り合わさりました。
ここで我らは、ブリタニア全土に浸透するようなメッセージを投げかけるべきでありましょう。間もなく、全ての人々は協会のために努めることになりましょう」
聴衆は拍手と歓声に包まれた。

「アバタールがフェローシップのメンバーとなったことが知れたら、当初に我らのことを信じなかった者達も、我らの真実に気付くこととなりましょう。我らは、ブリタニア全土が豊富な報酬を受けるに値する日をもたらしたのです」


 イオロ

イオロが君に囁いた。
「アバタール、あんたは本当に、この者達に加わりたいと思っているのか?」




「ああ、俺は加わらなくちゃならないんだ」


 イオロ

「あんたが勇敢なのか、ただの愚か者なのか、俺には分からないよ」


 バトリン

「我らがメンバーに、どのように『内なる3つの力』を生活に取り入れているかを表していただく時間です。さあ、どなたが最初でしょうか?」


 ゲイ

「フェローシップは、他人の短所と共に暮らすよう教えてくださいました」
ゲイが言った。


 キャンディス

「私はフェローシップに入る前は、人生に対するあらゆる熱意を失っておりました」
キャンディスが言った。


 バトリン

「ご表明ありがとう、キャンディス」


 パターソン

「フェローシップは、私がより人に誠実になるよう助けてくれました」
パターソンが言った。


 フィグ

「フェローシップは、私を他人にこき使わせないように教えてくれました」
フィグが言った。


 グレイソン

「内なる3つの力は、私の技術を高め、より良い武具を造る手助けをしてくれます」
グレイソンが言った。


 ゴードン

「フェローシップは、私を富める道へと戻してくれました」
ゴードンが言った。


 バトリン

「その通りだ!ご表明ありがとう、兄弟達よ!」


 ショーン

「フェローシップは、成功を恐れないことを教えてくれました」
ショーンが言った。


 ミリー

「フェローシップは私の人生に全く新しい目標を与えてくださいました。まさに今日、私は後のメンバーとなる者を2人勧誘いたしました!」
ミリーが言った。


 ナンナ

「フェローシップは、悪しき階級構造について教えてくださいました」
ナンナが言った。


 イオロ

君は、イオロがシャミノに何か囁きかけているのに気付いた。
「俺は、アバタールがこの事の重要性に気付いていないと思うんだ。彼を止めることはできない。おまえからも何とか言ってくれ」


 シャミノ

「分かった。やってみよう」

彼は君を肘でこ突いて言った。
「アバタール、俺達はここから出るべきだと思う。後悔してからじゃ遅いぜ?さあ、この建物を出よう、いいな?」




「ダメだ。お前らには悪いが、これは俺の使命なんだ」


 シャミノ

「もう遅かったようだな。俺は、ここに来たことを後悔しているよ」


 バトリン

「我らの卓に座るフェローシップの新たなるメンバーを歓迎する時です」
バトリンは君を演壇に登るように促した。




「いよいよか…」


 バトリン

彼は水晶の杯にワインを注ぎ、それを一口飲んだ。
杯は会場に回され、それぞれのメンバーが、うやうやしく一口ずつ飲んだ。
最後に、杯は君の手に渡された。
君は部屋中の視線が注がれるのを感じながら、それを感慨深く見つめた。


 シャミノ

シャミノが君の後ろで、やけくそになってデュプレに囁きかけるのが聞こえた。
「デュプレ、俺達はアバタールが過ちを犯そうとしているのを止められなかった。お前が最後の希望だ」


 デュプレ

君は肩を叩かれたのに気付き、後ろを振り向くとデュプレが君の耳に囁きかけてきた。
「こんな所よりも、酒が飲めるもっといい場所を知ってるぜ。そこで、あんたの仲間と一緒に飲まないか?」




「さっき酒場に行っただろうが。また後で相手をしてやる」


 デュプレ

「あんたが、こっちの遊びで楽しめるように願うよ。あんたの仲間は1人で困っちまうさ」




躊躇いに震えながら、君は長い時間をかけて杯を飲み干した。


 バトリン

バトリンが君に近づいた。
「我らの新しいメンバーが、他でもないアバタールというニュースは、遥か遠くまでも広まるでしょう!」
他のフェローシップのメンバーも喜び喝采した。

「あなたにフェローシップのメダリオンを授けましょう」
バトリンは君にメダリオンを渡した。

「いかなる時にも、このメダリオンを身に着けるのです。これはシンボルです。これを見る者全てが、あなたがフェローシップと共に歩んでいることが分かるでしょう。すぐに、これを首にかけるのです!ああ、そして…フェローシップへようこそ、アバタール」




「これで…もう後戻りはできない…」


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