Ultima 7 プレイ記録 21 蜂の洞窟

ユーの町を全て見回ったが、肝心の魔術師ニカデマスが見つからない。
1つ怪しい家があるのだが、魔法で扉を施錠されている。
おそらく、ここにいるのであろうが、現状では開錠できる呪文を使えないので、ここに入ることはできない。



 




また、この家の近くには、巨大なチェスのボードのような謎のオブジェがある。
ボードには、『ナイツ・ブリッジ・ピース』と表示されるが、何のことであろうか?
黄金のプレートには、『The Game of Knights Bridge』とあることから、やはりチェスのようなゲームと思われるが…。
これも、ニカデマスが知っているのかもしれない。


  









仕方がないから町を出て、ユーの広大な森を探索することにした。
ここでは、町の中だけでなく、森の中でも人々が暮らしているのだ。




「ん…?森の木陰に何かいるぞ…ハイウェイマンか…?」





 サド

その男は、君を注意深く凝視しながら、優位な位置を確保しつつ君の前に立った。




「この身のこなし、そしてこの服装…いったい何者だ!」


 サド

彼は君をしばらく見つめた。
「俺の名はサドだ」




「野盗ではないみたいだな…こんな所で何をしているんだ?とても、まともな社会人には見えないぞ」


 サド

「俺には仕事をする時間などない。俺は、この国を蝕む疫病を駆除するための旅をしているのだ」




「…なんだ、そりゃ?」


 サド

「この旅に、人生の全てを捧げている。誰も俺の旅路は邪魔できない。バトリンでさえもな」




「もしかして…フェローシップのことを言っているのか?」


 サド

「あんたも、フェローシップのことは聞いたことあるだろう。最も汚らしい悪の組織だ。この愛しいユーの森にすら、奴らは蔓延している」




「この森に詳しそうだから色々聞きたいんだが…」


 サド

「俺は、この土地のことは知っているが、人々のことは知らない。あんたにお話できる事で、有用なものはないぜ」
彼はしばらく考え込んでいるように見えた。

「いや、少しだけ助けになれる。この地域に、時々現れる2人のハンターがいるんだ。1人は槍を抱えた女で、もう1人はアーチャーだ。あんたに話せることは、これが全てさ」




「ハンターか…そういえば、森には何件か家があったな。ところで、あんたフェローシップと何かあったのか?」


 サド

「奴らの行いについては少ししか知らないが、正しきモラルの外に住まう者達だ。奴らは、俺の愛する妹、ミリーをさらって行き、魅了の呪文をかけたんだ。今、妹は奴らのような生活をしている。俺は、この邪悪な呪文を解くと誓った。そして、組織の全てを叩き潰す!あんたも、似たような動機を持っているんじゃないかと思うんだが、どうだ?」




「妹が、誘拐されて…魅了の呪文をかけられた…?俺も何度か勧誘されたが、さすがにそこまではされなかったが…」


 サド

「ないって?」
彼は本当に驚いているようだ。




「そもそも、今って大気がおかしいから、誰も魔法を使えないんだろ」


 サド

「あんた、何とも悪党のような奴だな?あんたみたいな浅ましい奴をブン殴る前に、俺の前から立ち去りな!」




「…行ってしまった。妹のミリーか…確かブリテインに、そんな名前の女性がいた気がするな…」




「そういえばツェラメッド、最初に会った時に、俺達がフェローシップかどうか聞いてきたが、おまえも、奴らに何か因縁があるのか?」


 ツェラメッド

「私はフェローシップを信じていません。特にエリザベスとエイブラハムをです。
彼らは当初、多くの輝かしい若者を惹き付けて熱中させました。その中には、私の愛するレディー・Mもいました。賢い女性だったので、彼らの中でも傑出せざるを得ませんでした。そして、彼女の直接の上司がエリザベスでした。ある夜、彼女は重病にかかりました。私の友人によると、エリザベスは彼女がヒーラーに行くのを禁じたそうです。私がそれを知った頃には、すでに彼女は亡くなっていました。
彼女は今、ユーの墓地で安らかに永遠の眠りについています。私は、エリザベスとエイブラハムを探すために国中を旅していますが、我が標的は未だ見つかりません。実際には、獲物に近づいてはいるみたいなのですが、いつも彼らは消えてしまうのです!私の旅が終わることはないでしょう」




「相変わらず、1を尋ねれば10を答えるかのような饒舌だな…。そうか、恋人の恨みか…」


 ツェラメッド

「彼女の若さは永遠です」




「エリザベスとエイブラハム…彼らの行方も早く追わなくてはならないな…」











「こんな森の中に家がある…」





 ペンニ

君の前にいる女性は心配そうな表情をしており、まるで上の空である。
「ペンニと申します、アバタール」




「やあ、こんにちは。ここで…きこりでもしてるのかい?」


 ペンニ

「職業は無いわ、アバタール。少なくとも、仕事と呼べるものは持っていないわ。だけど、接近戦の技術を教えているの」
彼女はしばらく考え込んだ。

「その質問には、『はい、仕事は有ります』と答えるべきだったわね」
彼女は笑った。

「私はトレーナーだけど、楽しすぎて仕事とは呼べないわ」




「女性のトレーナーか!ミノックにもいたが、珍しいものだな」


 ペンニ

「私は、最初に槍を持てる年齢になった頃から、接近戦が大好きなの。私がユーに移り住んだのは、そのためよ」




「さっきハイウェイマンから聞いた、槍を抱えた女のハンターというのは、あんたのことだったんだな」


 ペンニ

「槍は私が選んだ武器よ。槍は、優れたレンジと威力を併せ持った武器で、狩りの武器としては完璧ね。もちろん、狩りをするために、ここに移り住んだのよ。森は遊びで一杯だから、もう他の所で暮らすなんて考えられないわ!」




「他にもアーチャーの狩仲間がいると聞いたが」


 ペンニ

「ええ」
彼女はニッコリ笑って頷いた。

「ブラッドマンのことは知ってるわ。私達は一緒に狩りに行くの。もちろん、彼の爪楊枝みたいな武器じゃ、滅多に獲物は捕まえられないけどね」


 イオロ

「そいつは聞き捨てならんな。弓やクロスボウは、巧みに使えば致命的な効果があるんだぞ」


 ペンニ

彼女はイオロに頷きながら笑った。
「多分、あなたの言うとおりね、アーチャーさん。でも私は、もっと体を使って挑戦するのが好きなの。彼のことは親友だと思ってるし、名誉ある仲間だと思うけど、彼の腕前には疑問があるわ」




「ふーん…なるほどね…。じゃあ、その男にも会ってみようかな」


 ペンニ

「良い旅を、アバタール」




「確か、こっちにも家があったな…」









「お、いたいた。こんな所で弓の練習をしているぞ」


 ブラッドマン

ロングボウに寄りかかっている男だ。




「やあ、こんにちは!」


 ブラッドマン

「私はブラッドマンです。ユーを訪れた多くの人をトレーニングし、より機敏にすることが、私の仕事です」




「あんたも、町じゃなくて森の中で暮らしているみたいだな」


 ブラッドマン

「私は森が好きです。とても美しいものです」
彼は弓を持ち上げた。

「私がここに移り住んだのは、2人の偉大なアーチャーが近くにいるからです。それはイオロとツェラメッドです」


 イオロ

イオロが赤面した。
「恐縮ですな。この分野で尊敬されているなど、思いもよらなかった」
イオロとブラッドマンは、お辞儀をし合った。


 ブラッドマン

「ご親切に、ありがとうございます。いつか、一緒にやりましょう」


 イオロ

「至極光栄ですな」




「弓の達人が森に暮らしているってのは、古今東西の伝統なのかね」


 ブラッドマン

「森は、多くの人々を惹き付けます。彼らは、ミノックやブリテインのような大きな町から出て、しばらく過したいと思っているのです。だからユーへやって来るのです。そして、木というものは、人々の探検心をくすぐる何かを持っています。森には、見ていて楽しい物が数多くあります。私が面白い物を見ないで過す日などありませんよ。新種の鳥、綺麗な蝶、そして…見事な鹿」
彼は弓を置いた。

「弓は、森で生きるための道具です。そして私は、」
彼は親指を胸に当てた。
「弓が上達するよう教授いたします」




「最近トレーニングをしていないから、ここらで鍛えてもらおうかな。でも、さっきの女性とどっちにしようか…」


 ブラッドマン

「ペンニにお会いになったのですか?彼女の所でトレーニング受けてないことを期待しますよ」
彼はウィンクした。

「彼女は大切な友達ですが、彼女は草刈のように狩りをしますし、牛のように不器用です。彼女は戦いの何たるかを分かっていないのではないかと思いますね」




「うーん、どうしようかなー…」

結局、このアーチャー・ブラッドマンの元で、全員のトレーニングをしてもらった。
彼のトレーニングでは、DEXとコンバットスキルが上昇した。
しかし、まだトレーニングポイントは余っていたものの、金にあまり余裕がなかっため、トレーニングは1回ずつしか受けられなかった。










そして、奥へ広がる大森林へ足を踏み入れる。
森を歩いていたモンク僧タイラーの話によると、ウィスプとコンタクトを取るためには、ここに住むインプを探す必要があるそうだ…。
しかし、この森は非常に広大で、かつ危険であった。至る所にモンスターや野盗が潜んでおり、皆かなり手強い。
特に、魔術師がいるパーティーは、油断すると死者が出るほどだ。
イアナの治療の技が、かなり役立った。








また、所々に、不可思議な祭壇や、森で行き倒れたと思われる死体などが散見される。
平和になった時代とはいえ、この大森林には、未だに危険が多い事を物語っているかのようだ。









しかし、よくよく注意して周囲を探すと、マジックシールドや、マジックレギングといった防具も落ちている。
魔術師の野盗がキャンプしていた場所でも、ライトニングワンドや秘薬などが見つかり、その他の数々の戦利品とも合わせ、アイテムもかなり充実してきた。















「ふう…かなり歩いたな…。なんだか、妙な色の木が見えるぞ…」







「この青白い木は…シルバーリーフの木じゃないか!あの名物料理のシルバーリーフは、こんな所に生えていたのか!」




「木の上の、変な建物みたいな物は何だろうか…」




猿のような生物は君を無視した。




「あ!こいつは、もしかして!おい!…行ってしまった…。もしかして、今のがインプか…?」


この奇妙な生物には、何度か話しかけてみたが、ことごとく無視された。
モンク僧侶が言っていたとおり、彼らと話すには、ある物が必要なようだ。











 …ということで、やはり、この洞窟に入るしかなさそうだ。
ユーの町の付近にある『蜂の洞窟』には、インプ達の大好物である蜂蜜があり、これを持っていけばインプ達が話をしてくれるかもしれないと、モンク僧タイラーから聞いた。









洞窟の中には、話に聞いた通りの巨大な蜂がウヨウヨしている。
…が、激戦を覚悟したものの、蜂達は一向に襲ってこない。
どうやら、こちらが手を出さない限りは無害なようであった…。







「ふ〜…、おっかねえ…あんなのに刺されたらショック死するって…」


 イオロ

「俺は年を取りすぎたよ」




「ん…?向こうに灯りが見える…」







「な…なんだ!?何かがいるぞ!」


 パパ

ワイルドな裸の男だ。
彼は服を着ていないことを微塵も気にしていない様子だ。




「に…人間か!?」


 パパ

「俺、パパ!」
男は、何本か抜けた歯を見せてニッと笑い、無頓着に背中を掻き毟った。




「パ…パパ…?」


 ママ

可愛らしい裸の女性だ。
彼女は服を着ていないことを微塵も気にしていない。




「うわ!女もいるのか!」


 スパーク

スパークは目を丸くし、口をあんぐりと開けた。


 イオロ

「口を閉じろ、小僧。虫が入るぞ。ついでに、目を頭の後にでも付けとけ。目玉が飛び出しちまうぞ」


 ママ

「わたし、ママ!」
女は誇らしげに言った。

「わたし、この洞窟で、パパと暮らす!」




「マ…ママ…。この洞窟で暮らしているだと…?」


 パパ

「俺、暮らす。俺、ここでママと暮らす。仕事いらない。洞窟で全て手に入る」


 ママ

ママは説明した。
「食べて、寝て、愛するの」




「と…とにかく何か着てくれ。ママはともかく、男は見るに耐えん」


 パパ

「服?」
彼は思い切り笑い、腹を叩いた。

「服、ない。服、ない」
彼は笑い声を立てながら君に言った。




「あんた達、こんな所で…いつから暮らしているんだ?」


 パパ

「ママと俺、この洞窟で赤ん坊の頃から暮らしてる」


 イオロ

「アバタール!彼らはここに捨てられたに違いない!兄弟姉妹がいるに違いないぞ!」




「なるほど…そうかもな。あんた、そこのママと2人だけで暮らしているのか…?」


 パパ

「ムム…ママ!俺、パパ。あれ、ママ。俺達、ズグズグする。多分、いつか男の子か女の子できる!」




「そういう問題じゃないんだ!なんで、こんな危険な所に2人だけで…」


 ママ

「洞窟、いい。暖かい。安全」


 パパ

「洞窟、俺達に良い。俺達、蜂から離れてる。蜂、俺達傷つけない。俺達、蜂傷つけない。蜂寝てる時、蜂蜜いただく。洞窟のネズミも食う。焚火で料理する。とてもウマイ!」


 スパーク

「吐きそう」


 パパ

彼はツェラメッドを指差した。
「こいつ、蜂のハンター!あっち行け!」
男は君に唾を吐きかけ、向こうに行ってしまった。


 ツェラメッド

「これはフリです!この人々は未開人ではありません!彼らはブリタニア市民です!」


 イオロ

「俺には、未開人にしか見えないぞ!」




「確かに蜂は襲ってこなかったが…。だからと言って、こんな…」


とにかく、この謎の住人は、ツェラメッドがいると話をしてくれないようだったので、放っておいて蜂蜜を探しに行くことにした。
しかし、ツェラメッドの言っていることも気になる。
前にも、この蜂の洞窟に隠者が暮らしていると言っていたが…。







そして、奥の部屋の隅に、蜂蜜が落ちているのを発見した。
だが、ここで蜂蜜に手を伸ばした途端に、これまで無害だった蜂が、突然襲い掛かってきた!





どうやら、先ほどのパパが言っていた通り、蜂が眠っている時に取らなくてはならなかったようだ。
しかし、襲われてしまったら、もう襲い。
幸い、モンク僧タイラーから、蜂避けの煙玉をもらっていたので、それを使って蜂を回避しながら洞窟から逃げ帰った。
少し刺されてダメージを受けてしまったが、蜂蜜は入手できたから一応任務は完了だ。
これを持って、再びインプの森へ行く…。



←プレイ記録20へ   プレイ記録22へ→