Ultima 7 プレイ記録 16 ムーンゲート

フェローシップに正式に加入する前に、もう少しブリタニアの各地を回ってみることにした。
行ってない町もまだまだあるし、会うべき人物も多くいる。
まずは、フェローシップ幹部のエリザベスとエイブラハムの2人、そしてクラウンジュエル号を追うため、彼らが向かったと言われているジェロームが目標だ。
フェローシップへの加入は、色々な事が分かった後でも遅くはない。




「出発前に、この町をもう一回りしてみよう。まだ話してない人物も多くいるからな」




「まずは、ここで食料でも仕入れるか。見たところパン屋のようだが…」





 ウィリー

とても清潔感があり、太った若い男が、君に一生懸命手を振っている。




「こんちは。ここはパンを売ってるのかい?」


 ウィリー

「私の名はウィルヘルム。でも、誰もそうは呼ばないから、ウィリーと呼んでください。
ここブリテインでパン屋をやっています。味わったこともないほどの美味しいパンを作りますよ!ちょっと試食してみますか?」




「お、いいのかい?じゃあ遠慮なく…ムシャムシャ…」


 ウィリー

「どうです、とても美味しかったでしょう?」




「うむ、これは美味い!…と思う」


 ウィリー

「おお!そうですか!皆、そう言ってくれるんですよ!よく寝かしてありますからね」


 スパーク

「もっと欲しいな!」


 ウィリー

「どうぞ、坊や」
ウィリーはスパークにパイを手渡し、少年は一口で貪り食った。


 スパーク

「んんん!アバタール、道中には、これが沢山必要だと思うよ。ねえ、買っていこうよ!」


 ウィリー

「食パンだけでなく、パイ、ケーキ、ロールパンも販売しております。最高の味を、あなたのお口に!お買いになりますか?」




「じゃあ、パイとケーキを人数分買うとしよう」


 ウィリー

「私のパンはブリタニアで最高ですよ。素晴らしい味と、お手頃な価格で知られております」




「パン屋は他の町では見かけなかったが、あんた1人で店をやってるのか?」


 ウィリー

「絶えない需要に間に合わせるためには、いっぱい働かなくてはなりません。どなたか、手助けしてくれる人を探しています」




「手助けって…何をするんだ?」


 ウィリー

「この店でパンを作るのを手伝ってください。もしくは、あなたから小麦袋を買い取りますよ。ポウズの水車小屋で買えるものです。袋1つにつき4ゴールド、お支払いいたしましょう」




「パン作りを手伝えるのか?」


 ウィリー

「食パン5つを作るにつき、5ゴールドお支払いします。
まず、小麦粉からパン生地を作ります。単に、テーブルの上に小麦粉を広げ、水を加えてこね粉にしてください。そして、こね粉をオーブンに入れて焼いてください。しばらく待つと、ほら!パンの出来上がり!」




「手伝うというか、俺が全部作るんじゃないか!面白そうだが、今はパンを捏ねてるヒマはないんだ。いよいよ食い詰めてきたら、頼むことにするよ」


 ウィリー

「お手伝いいただけないのは残念です。あなたはキッチンでの立ち振る舞いを知っている人だと思ったんですがね」




「でも、あんた1人で、これだけのパンを作ってるってのは凄いな」


 ウィリー

彼は頷いた。
「はい、父と母から秘密のレシピの数々を受け継ぎました。私をパンの達人と呼ぶ人もいらっしゃいますよ!」




「ご両親もパン屋だったのかい?」


 ウィリー

ウィリーは涙を拭った。
「2人とも、亡くなりました。空の向こうの大いなるキッチンにいる、私の祖先達に加わったのです。私は、彼らのような料理人にはなれないでしょう。家族の名をこの世に残すため、ずっとコツコツとやっております。これが私がパン屋になった理由です。ただ、理由はこれだけではありませんがね」




「理由って…他に何かあるのか?」


 ウィリー

「事実、私がパン屋となったことには理由があります。
女性の心を射止めるためには、その胃を掴まなくてはなりませんからね。今、私のことを好いてくれている女性が2人います。どちらにするかは、まだ決めかねています」




「ほう、女を射止めるために…なかなか勉強になるな。で、その相手は誰なんだい?」


 ウィリー

彼は溜息をついた。
「ご存知かもしれませんが、ジャネットとゲイです。
ジャネットは楽しい女性です。しかし正直に言ってしまうと、私は酒場女と一緒にはなれないと思います。彼女は、私がまだ彼女の好意に気付いていないと思っています。彼女には、私のことは放っておいてもらいたいと思っています。
服飾店を営むゲイは、より私に好意を持ってくれています。しかし、彼女はフェローシップのメンバーであり、私はそこに加入したくはないのです。フェローシップが、私達の求愛の妨げにならなければ良いのですが」




「本命は、そのゲイという女なんだな。服飾店ってのは…ここの隣の店じゃないか。ちょっと様子を見てみるか…」


 ウィリー

「さようなら、アバタール。たくさん召し上がってくださいね!」 




「さて…じゃあ隣の店に…」


 ゲイ

ところどころ親しみやすさが滲み出ているような女性だ。




「こんにちは。ここは服飾店かい?」


 ゲイ

「言わなくても分かってるわ!レイモンドから言われてアバタールのコスチュームを探しに来たのね!30ゴールドになりますが、いかがですか?」




「え!?ああ…そういえば、前に劇場のディレクターに話をした時、ここでアバタールのコスチュームを買ってオーディションを受けるように言われたっけ…。
まあ、ついでだから買っておくか」


 ゲイ

彼女は君を隈なく見回した。
「はい、あなたに合うのが見つかると思いますわ」

そして数分の間、ゲイは店中をかき回して探した。
「こちらです!在庫はあまり残ってません。最近、苦労して入荷したんですよ!」




「このファッション、そんなに人気なのかな…」


 ゲイ

「偉大なるアバタール、あなたに買っていただいて大変嬉しいですわ!」
彼女はニコッと笑って君にコスチュームを手渡した。

「あら不思議!あなたは俳優みたいだわ!」




「そうかい。まあ、本物なんだから似合って当然なんだがな」






「ところで、隣の店のウィリーのことなんだが…」


 ゲイ

「ええ、彼はとても愉快な仲間です。私は彼に惹かれていて、ついつい彼のことを見てしまいます。ですが、彼はフェローシップに加入する気はないようです。フェローシップは私の全人生です。他に彼に相応しい場所があるとは思えません。ですが、まだ決心はできません」




「相思相愛なら問題ないとは思うが、信教上の問題ってやつか…。こいつは、俺が何とかできるようなものでもなさそうだな…。
じゃあ、買う物も買ったし、そろそろ行くとするよ」


 ゲイ

「さようなら、アバタール」




「ついでに、更に隣の店にも寄ってみよう」







「こっちが弓店で、更にその隣は武器屋か…武器屋の店主グレイソンとは、以前酒場で話したことがあるから、こっちの弓店に入るか」


 コープ

細いけどがっしりした10代の若者だ。


 イオロ

「よう、小僧!この方はアバタールだ。そしてアバタール、こいつは、俺の弟子のコープだ。調子はどうだ?」


 コープ

「悪くはないですよ。今朝、トリプルクロスボウが売れました」


 イオロ

「よしよし!いつも言っているように、その金で品物を入荷しておくんだ」




「なんだ、ここはイオロの弓店だったのか」


 コープ

「コープを申します。『イオロ弓店』の管理人をしています!師イオロは、僕にこの仕事を任せてくれたんです!弓矢のことで、何か必要な物がありましたら、どうぞお尋ねください!」




「店主は丁稚に店を任せて放蕩三昧…気楽なもんだな」


 コープ

「イオロは、もうずっと前にこの店を開店しました。最近は、サーパンツ・ホールドに『イオロ南支店』を開店しましたよ。彼は企業家となりつつあります!」




「そんなに儲けてるなら、少しくらい俺にも金を出してくれてもいいのに…。ところで、君も、弓を扱えるのか?」


 コープ

「僕はここで商品を売っています。また、弓の名手となって、イオロの名声を不朽のものにするつもりです!イオロは、僕に良く教えてくれました」


 イオロ

「そうなんだ、この小僧は筋がいい。俺が教える前から、なかなかのものだった」


 コープ

「僕が、あなたに加わって冒険に行ってしまうと、この店を見る人がいなくなってしまいます。だから一緒に行くことはできませんが…でも、いつの日か、きっと…。まあ、とにかく、今は毎晩、楽隊で歌うことを楽しんでますよ」




「歌?」


 コープ

「僕のグループは…そう、『ザ・アバタールズ』と呼ばれています。お気を悪くしないでいただきたいです」




「また随分、売れなさそうな名前を付けたもんだな…」


 コープ

「僕の他には、音楽院の2人がバンドメンバーです。ブルーボアで毎晩演奏していますよ。僕が歌詞を書いて歌い、他の2人は楽器を担当しています。ぜひ、聴きにいらしてください!」




「是非、そのうち聴きたいもんだな。じゃあ、何も買わなくて悪いが、店番頑張ってくれ」


 コープ

「さようなら!」











「せっかくコスチュームを買ったから、劇場でオーディションを受けてみるか。なんせ、本物のアバタールが演じるわけだから、あの大根役者どもより遥かに高いクオリティで演じられるだろう。一躍スターになってしまったら、どうしようかな」






 レイモンド

「はいはい?何か用?忙しいんだがね!」




「相変わらずだな。そういえば、あんたの奥さんに会ったぞ。大評議会のミランダの旦那だろ?」


 レイモンド

レイモンドは深く溜息をして笑った。
「ああ、愛らしい女性さ。彼女が舞台よりも政治に興味があるのが残念だ。だが、僕らはきっと有名になるさ!」




「子供にも会ったぞ。マックスくんだっけ?」


 レイモンド

「彼は凄い個性だよ。そう思わないかい?」
レイモンドの顔が誇りに満ちた。




「けっこう親バカなんだな…まあ、それよりも、前に言ってたオーディションを受けに来たんだ。ほら、コスチュームも準備してある」


 レイモンド

「よし、じゃあ舞台の中央へ行ってくれ」

レイモンドは君に台本を渡し、君は舞台の中央に立った。
君の顔に当たる照明が熱く感じる。
君は少し緊張していたが、喉を整えてページのセリフを読み始めた。




「えーっと…このセリフを読むのか…

「私はザ・『アバタール』!」
「私は『ザ・』アバタール!」
「私『は』ザ・アバタール!」
「『私』はザ・アバタール!」

どうやって読んでも、あまり変わらない気もするが、こう読むか…「私はザ・『アバタール』!」


 レイモンド

「ノー、ノー、ノー!全然ダメだ!あんたは『アバタール』なんだ!アバタールの気持ちになるんだ!アバタールみたいになるんだ!アバタールに『成る』んだ!もう一回!」




「私はザ・『アバタール』!」


 レイモンド

「いいよ、さっきよりいい・・・だけど僕が思うに、君には支えが必要だ。
ジェシー、君の杖を渡してやってくれ」


 ジェシー

「これをどうぞ」


 レイモンド

レイモンドは君に杖を手渡した。

君は杖を手に握り締め、もう一度セリフに挑戦した。
この時、君は本当の役者になったかのように感じた。
あたかもアバタールが本当に言っているかのように、セリフが君の口から流れ出た。
君は、これまでに感じたことのないような興奮を覚え、この『演技』というものが好きになった。

もっとやりたい!
そして君は、不安を覚えながらレイモンドの批評を待った…。


レイモンドは杖を取って言った。
「フム…いいね、とてもいい。ありがとう、実に良かった。連絡先を教えてくれ。ああ、来てくれてありがとう。続きがあっても、そのへんにしておこうか。じゃ、どうも」




「……」


以上でオーディションは終わり。
本物のアバタールだというのに、彼の劇のアバタール役の代役にすらなれませんでした。
演劇の道は厳しいものなのです。











続いては、トレーニング場へ行ってみた。







「あ、おまえは…!」


 セントリ

流行の服を着た、とても粋でスレンダーな男だ。
「俺を覚えていないのかい?セントリだよ!昔、一緒に冒険したじゃないか!」




「セントリか!こんな所にいるとは、思いもよらなかったぞ」


 セントリ

「俺は、この地で暮らすのに疲れてきた。中産階級市民は気付いていないが、苦しみは増してきている。上流階級の人々のように平穏ではない。
そう、例えば、ポウズのような小さい町に行ってみるといい。あそこは悪臭の漂う貧民街だ。ブリテインの町の境界の、ほんの先にあるのにだ。首都に新しい建物を建てるだけでなく、もっと国全体のために金を使わなくてはならないだろう。ロード・ブリティッシュが、何をお考えなのか、俺には分からん!」




「ふーむ…お前も薄々感じているようだな。確かに、この国は何かがおかしくなってきている。ロード・ブリティッシュも気付いていないがな…」


 セントリ

「彼には長いこと会っていない。いつも城の中に居て、外には出て来ない。間違いなく、この国で何が起こっているのかを知らないと思うぜ」




「そうだ、皆に会うのも久々だろう」


 セントリ

「友よ、元気かい?なんだか、独自にトレーニングをしてたように見えるぜ!」


 イオロ

「どういう意味だ?みんな、俺の体型を笑いやがる!」


 セントリ

「笑ってないよ、イオロ。俺は大真面目さ!」
セントリは笑った。


 セントリ

「よう、シャミノ、女物の服でも着て過してるのかい?」


 シャミノ

「何だって??」


 セントリ

「もしくは、ヒーラーにかかって衰えちまったから、そんな中年みたいになっちまったのかい?」





「友よ、口の利き方に気をつけろ。その言葉は喧嘩を売っているのか!?」


 セントリ

セントリは、シャミノをやさしく叩いた。
「親愛のしるしさ!会えて嬉しいよ!」




「おまえは8徳の仲間ではなかったけど、昔から随分世話になったよ。今は、ここで何をしてるんだ?」


 セントリ

「昔の友人と冒険に出かけていない時は、ブリテインでトレーナーをしている。剣術での戦闘が専門分野だ。あんたも覚えているだろう、俺は非常に得意だよ。
だが、お邪魔でなければ、すべてを投げ打って、あんたの旅に加わるよ」




「お、仲間に加わってくれるのか?そりゃ願ってもない。お前は昔から強かったから、頼もしいよ」


 セントリ

セントリは剣を払った。
それは雷光のように素早かった。
そして、華麗な動きで空を斬った。

「こいつを喰らって、立ってられる奴はいないぜ!」




「ようやく、アバタール一行に相応しい仲間ができたな。よろしく頼むぞ!」


 セントリ

「俺は少人数が好きなんだよ、アバタール。あんたは大所帯で旅をしているようだから、道中で誰かがいなくなった時に、また来てくれ。喜んで仲間に加わるよ」




「って、なんだよ!自分から言っておいて!」


パーティーは8人まで組めるが、人によっては一定以上の人数だと加わってくれないようだ。
また、しばらく旅を続けてから彼を仲間に加えることにした。
ちなみにブリテインには、彼の他にも2人もトレーナーがいる。
競争過多にならないのだろうか…。











「音楽院か…ここも随分と懐かしいな」






 ジュディス

その目に音楽を宿した、中年の魅力的な女性だ。




「やあ、こんにちは」


 ジュディス

「私はジュディスです。あなたのことは存じておりますわ!
この音楽院で音楽を教えております。『ザ・アバタールズ』の演奏活動でも、少しばかり小銭を稼いでいますわ」




「今は、あんたが音楽の教師をしているのか。ケネス卿は、もういなくなってしまったんだな…」


 ジュディス

「何年か前に、ロード・ブリティッシュは私を音楽教師に任じました。とても素敵な仕事です!
音楽は私の生活です。私は、決して有名なバードとなることはないでしょうが、音楽を演奏することで、多大な喜びをいただいております。教えることでも、同様に楽しんでおります」




「そっちの優男が生徒か」


 ネノ

ハンサムで、けばけばしいミュージシャンだ。

ミュージシャンは君に向かって頷いた。
「私はネノ。ブリタニアでかつてなく偉大なバードとなるために勉強しております。私は今も、かつてなく偉大なバードなのかもしれませんがね」

君は、ネノが全く謙遜していないと感じた。




「自信過剰な若者だな。まあ、結構なことだ」


 ネノ

「バードとなるのは、非常に名誉なことです。あなたは、自身の内での創造的な衝動を満たすことで、他人に喜びを与えることが出来る人間でしょう。それは本当に魔法のようなことです。私は、『ザ・アバタールズ』での演奏経験を通して、そのことを知りました」




「『ザ・アバタールズ』ってのは、イオロの弓店の小僧がボーカルをやっているとかいうバンドだったな」


 ジュディス

「毎晩、ブルーボアで演奏をしております。どうぞ、聴きにいらしてください!資金が貯まったら、来年には全国ツアーをしたいと思っています」




「へえ、そんなに売れてるのか。凄いもんだな」


 ネノ

ネノは囁くために寄りかかってきた。
「ですが、近々、私は1人で公演する計画を立てています。あのグループのメンバーの中では、明らかに私が一番才能がありますからね」




「……」


 ネノ

「音楽院は、素晴らしい教育環境を提供してくれます。ジュディスは素敵な教師ですし、ここでの機会は最高のクオリティです。いつか、私は世界を旅して、その地域の人々や貴族達を楽しませたいと思っています。
国中に名が知れ渡るほどに有名になるのが、私の夢です。毎年世界ツアーに出かけ、あらゆる町の酒場で演奏をするのです」

彼はウインクした。
「女性達を口説くことも請け合いですね。そう思いませんか?」




「先生、こんな生意気な生徒でいいのか?教育が不十分なんじゃないのか?」


 ジュディス

「他人に教えることは、私の生活を満たしてくれます。お家に帰る時間をも忘れてしまいます」




「そうやって家庭のことも顧みないような女が、まともな人間を育てられるわけないだろう、まったく!」


 ジュディス

「ああ、私のお家のことは、あまりお話したくありません。夫と私は…ええ、私達は…幸せではありません」




「な…なんだ、突然…?夫ってのは誰だ…?」


 ジュディス

「彼のことは知っていると思います。市長のパターソンです。彼は知的で誠実な男性です。でも私達は食い違いを感じています。ああ、何故、私はこんな事を、あなたにお話しているのでしょうか!」




「あんたは、あの市長の奥さんなのか!」


 ジュディス

「ええ、例えば、彼はあのフェローシップのメンバーです。他にも、彼はあまり家で過しません。彼がそんなに仕事をしているとは、私には思えないのです。
彼はいつも、遅くまで仕事をしていると言っています。夜明け前に帰って来ることもあります。一晩中帰って来ないこともあります。ええ、私はそのことを考えるべきでないのかもしれません。悲しくなるだけです。私は音楽だけに集中した方がいいかもしれませんね」




「あんたは、フェローシップのメンバーではないようだな」


 ジュディス

「彼らは、私達の生活を奪っていくように思います。私達の国を奪っていくように思います!」




「(市長のパターソンは、博物館の館長キャンディスと不倫をしているという話を聞いたな…。一度確かめてみるか…)」



そんなわけで、パターソン市長を調べてみることにした。
彼は、毎晩深夜0時に終わるフェローシップのミーティングに出席しているので、ホールの外で彼を市長を待ち伏せして尾行した。
すると、彼は真っ直ぐ自宅には帰らず、別の家に入って行く。
そこは、あの博物館長キャンディスの家であった。
ついに現場を目撃した!





「やあ、お二人さん。こんな時間に何をしているのですかな?」






 キャンディス

「キャンディスはバツが悪そうだ。彼女は君に小さく手を振ったが、何も言わなかった。
彼女はパターソンを見て、彼が何か言うのを待った。


 パターソン

「アバタール!ああ、うむ、その、お元気ですか?おお、王立博物館の館長のキャンディスをご存知ですか?彼女は、フェローシップの『兄弟』なのですよ。彼女の家で会っていた…ゴホン、ちょうど出会ったところです!」


 イオロ

「フム、あんたの奥さんは、キャンディスの家で会ってることを知ってるのかい?」




「昼間に、ジュディスさんと話をしたんだが…」


 パターソン

君は、ジュディスがこの事を知っているかもしれないと話した。
「彼女には知る必要のないことだ!重要なことではない!本当に何でもないことなんだ!」

市長は、おびただしく汗をかき、君をギラギラとした目で見た。彼は、既にバレていることが分かっているであろう。
彼は前かがみになり、決まりが悪そうに恥じた。
「私の…私達の秘密を見られてしまったのですね。どうか、ジュディスには言わないでください。このような事は終わりにします。誓いましょう。キャンディス…もう逢うのは止めにしよう。ああ…申し訳ありません」


この出来事についてを分からせるため、君はパターソンとキャンディスを残して立ち去ることにした。
そして、この市長に誠実の何たるかを学んでほしいと望んだ。




「(まあ、公的な人物とはいえ、個人を尾行してプライベートを詮索する我々も、あまり人の事は言えないがな。夜中に不法侵入してるし…)」



と、色々な人と話したが、キリがないので、そろそろ次の目的地ジェロームへと向かう。
これだけ話しても、ブリテインにはまだまだ多くの住民が暮らしているので、機会があったら少しずつ紹介していきたい。









ジェロームは大陸の南西の島にある都市なので、通常は船を使わないと行くことができない。
現状でも船は用意できないことはないが、海路を使ったとしても、大陸をグルッと大回りしなくてはならないため、非常に時間がかかってしまう。
しかし、ここで丁度良い方法が見つかった。
あのムーンゲートを使うのだ。









ロード・ブリティッシュによると、魔法がおかしくなって以来、このムーンゲートは正しく機能しなくなっているそうだ。
見ると、一定の周期で光が歪んで波打ち、明らかに異常な様相である。
しかし、何度か試してみて分かったのだが、上手くタイミングを見て歪みの無い時に飛び込めば、従来通りワープができるのだ。
だが光が歪んでいる時に飛び込むと、弾かれてダメージを負う。
このタイミングは、なかなかシビアなので、HPが低い時には飛び込まない方が良いだろう。










そして、以前は行き着く先は月の相によって変化したものだが、現在では決まった場所にワープするようになったようだ。
ブリテインのムーンゲートを潜った先は、六分儀で経緯度を計測するに、ジェロームの島である。










ムーンゲートから少し歩くと、程なくジェロームの町に着いた。
危険があるとはいえ、一瞬にして目的地に着くことのできるムーンゲートは、やはり非常に便利だ。
次は、この町を探索する。





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