Ultima 7 プレイ記録 10 愛と情熱

ブリテインから東へ向かい、コーブの町を目指す。
ブリテインを出てすぐに、いつもの場所にムーンゲートが見つかったが、光が歪んでいて正常な状態でないことが分かる。



とりあえず、今はムーンゲートを使う必要もないので、そのまま道を東に進むことにした。





「お、町が見えるぞ!コーブに着いたみたいだ」







「さて…とりあえずは人探しだな。小さい町だから、そう時間はかからないだろう」




「じゃあ、まずはここに入ってみるか。ごめんくださーい」





 イアナ

古き仲間のイアナを見て、君は驚いた。
最後に訪れた時から、ほんの少しだけ年を取ったように見える。




「うわっ!イアナ!?イアナか!?」


 イアナ

「ええ、私はイアナよ。思い出して!」




「なんで、コーブの町に居るんだ?」


 イアナ

「今は、時々このコーブでヒーラーをしています。あなたにもヒーリングのサービスをいたします」




「そうか…誰かさんと違って、ちゃんと働いてるってのは偉いな。他の皆と会うのも久し振りなのか?」


 イアナ

「私達の旧友…イオロ、シャミノ、そしてデュプレね。ロード・ブリティッシュの名の下に、悪と戦う男達!
イオロは昔のままね!でも、昔よりウエストが少し……いえ、長い冒険に出れば、何とかなると思うわ!」


 イオロ

「どういう意味だ?ウエストが少し…ってのは!」


 イアナ

「悪気はないのよ、イオロ!」


 イアナ

「シャミノ、あなたは、とても『少年』には見えないわ!いったい、何があったの?立派な30代になってしまったの?」


 シャミノ

「フン、心はまだ少年だ」


 イアナ

「それなら安心ね」
彼女は生意気に笑った。




「イアナはあまり変わってないな。すっかりオバサンになってるかと思いきや…」


 イアナ

「魔法には頼れなくなってしまいましたが、古い友達のあなたの冒険のパーティーに加わりたいと思っていました。もうすっかり、昔の生き方を失ってしまいましたから!」




「おお、一緒に来てくれるのか?そりゃ大歓迎だ!ようやく、このむさ苦しいパーティーに彩が加わる」


 イアナ

「アバタール、あなたにの仲間に加わることを名誉に思います!」




「そういえば、魔法に障害が出ているが、イアナは大丈夫なのか?今は国中の魔術師達がヤバイんだろ?」


 イアナ

「私の魔法は、大気中の何かしらによって影響を受けています。でも、意識はまだ残っているようです。国中の魔術師達が、頭を苛まれていることにお気付きですか?非常に心配なことですが、私は少々の呪文であれば何とか使うことができます」



思わぬところで、かつてドルイド僧だった仲間、イアナがパーティーに加わった。
戦闘能力は低いが、ヒーラーということで、話しかけるとタダで治療や解毒などをしてくれるようだ。
一度治療してもらったら、しばらく時間を置いてからでないと再度はできないようだが、現状では、回復魔法もポーションもロクに無いので、この能力は非常にありがたい。
本来のドルイド僧らしい能力を活かしてるのは、今回が初めてだ。

また、初期装備になぜかhawk(鷹)がある。
ペットで飼っているのだろうか?










「この見るからに怪しげな家は、もしかして…」




 ルディオム

この年を取った魔術師は、君が最後に見た時よりも老けており、そしてボケているようだった。

ルディオムが尋ねた。
「誰だ?…おお、思い出した」




「あんたが魔術師ルディオムか?」


 ルディオム

「確か、我が名はルディオムだ。
かつては、偉大な魔術師であったが、今は働いていない。魔法が、こんがらがっているんだ!欲しいのなら、秘薬と呪文をお売りしよう。そうだ、思い出した、動かなくなってしまったが、絨毯もある!」




「あんたの魔法店で、よく呪文や秘薬を買ったのを覚えているよ。部屋の中でドレイクを飼っていたから、後ろから炎を吐きかけられて鬱陶しかったもんだ…。あんたも、魔法を使えなくなってしまったのか?」


 ルディオム

「何が起こっているのかは分からない。とにかく、我が魔法はうまく機能しなくなってしまった」




「あんたが、魔法やムーンゲートの不具合を解明するために、何か研究をしていたと聞いたが」


 ルディオム

「困ったものだとは思わんか?ブラックロックが、問題の手がかりだと思っているんだ。このように精神が失われていなければ、研究を続けられたのに…」




「そのブラックロックってのは、何なんだ?」


 ルディオム

「あの腐れ鉱石の名前を口にするな!あれのせいでイライラするのだ!精神が失われる前に、私はあの忌々しい鉱石の調査をしていた。だが今となっては、あれが何だったのか、私が何をしようとしていたのか、全く思い出せんのだ。
調査の結果は、我がノートに書き記してある。ここらの何処かにあるはずだ。自由に探してくれ。だが、その忌まわしい変容器には近づくな。そいつは危険だ!」




「このノートのことか…では、ちょっと借りていくぞ」







「ふむふむ…

『ブラックロック観察記 ― 魔術師ルディオム

神秘の物質ブラックロックは、完全に不滅の物質であり、魔法によってのみ、形を変化させることができる。ブラックロックは、地中で僅かな量を採取することができ、鉄鉱石や鉛鉱石の付近で見つかることがある。ブラックロックは、通常の手法でも彫ることができるが、溶かして鍛えることは、魔法を除いては不可能である。私は、電力と磁力を組み合わせることによって、この物質に劇的な変化が起こることを発見した。この特性を用いれば、ブラックロックには浸透性が生じ、あたかも水のように、手で触れて物質を通過することができるようになる。

更なる研究の結果、魔法、電力、磁力、そして素晴らしき肉体を、この物質に作用させれば、ブラックロックは転送装置のようになる可能性があることが分かった。この理論には、更なる試験が必要である。私が古いワンドから作った、ブラックロック変容器は、正しく動作しない。これは、ブラックロックに電力と磁力を放つものであるが、どうやっても爆発を引き起こしてしまうのだ!(この変容器が悪しき者の手に渡らないよう注意を払う。大量のブラックロックに、この変容器を向ければ、壊滅的な大爆発が起こるであろう!)

今日は安静にしなくてはならない。私を蝕む頭痛が、酷くなってきた。次々と物事を忘れていく。恐ろしいことだが、近いうち、単純な呪文すら使えなくなるだろう。魔法のエーテルに、何かが作用していると思われる。だが、私にはもう…』

……
ブラックロック変容器ってのは、あんたが作ったのか?」


 ルディオム

「ワンドに似た物だ。ブラックロックを引き付け、魔法的に変質させると思われる。だが、正確に動作しないのだ。それをブラックロックの破片に差し向けてみよ。私の言った意味が分かるであろう。だが、近くには立つな!」




「そこのテーブルに置いてある棒だな。ノートには、爆発するって書いてあったが、一体どの程度の…」 







「うおお!!こ…これは…!!これがブラックロックの力か…!!」




「確かに、これは危険だが…この変容器、何かに使えるかもしれないな…。そこら辺に落ちてるブラックロックの破片と一緒に借りていくぞ」


 ルディオム

「破片が欲しいのなら、好きなだけ持って行ってよいぞ!」




「そういえば、さっき絨毯がどうこう言っていたが、もしかして魔法の絨毯のことか?」


 ルディオム

「大きな青い絨毯、これは空飛ぶ絨毯だ。だが、ちゃんと動かないのだ」

ルディオムは、周囲を見回して頭を掻いた。
「変だな。さっきまで、ここにあったのに……おお、思い出した!何週間か前に、冒険者達が借りていったのだった。サーパンツスパインでの付近で無くしてしまったと、戻って来た時に言っていたな。ロストリバーの周辺のどこかだ。もし、それを探して見つけ出したのなら、そのままにしておけ。ちゃんと動かないからな。だが、おぬしなら直せるかもしれん。何にせよ、私はあの色が好みじゃなかったんだ!」




「そうか…旅を続けていれば、どこかで見つかるかもしれないな。じゃあ、そろそろ行くとするか」


 ルディオム

「おやおや、こんなに早く行ってしまうのか?また来た時、おぬしのことを覚えていられるといいんだがな」


魔術師ルディオムを訪ねても、魔法やムーンゲートの障害の原因は分からなかった。
だが、この強大な力を秘める物質・ブラックロックが、何かの鍵であることは間違いなさそうだ。










「ここは市庁舎かな。そういえば、大評議会から法案を届けてくれるように頼まれていたな」






 ロード・ヒーター

この威厳のある紳士は、いかにもモテそうな政治家の典型であった。
「こんにちは!あなたが我々を訪ねて来るかもしれないという知らせを、ロード・ブリティッシュからいただきました。コーブへようこそ、アバタール!」




「やあ、こんにちは!」


 ロード・ヒーター

「ロード・ヒーターです。あなたのことは存じております、アバタール!
私はコーブの町長です。慈悲の神殿の郷ですよ。コーブは、このとおり小さな町です。住民の多くは大きな町、特にブリテインへと移って行きました。しかし、我々は忠実なるコーブの民であるという、小さな核を持ち続けています」




「そうか、ここには慈悲の神殿があるんだったな」


 ロード・ヒーター

「我らは神殿に誇りを持っています。住民の1人が、神殿の管理を良くしてくださっています。まだ行っていないのでしたら、是非とも訪れてみてください。あれは、この町の恋人達のためのモニュメントです」




「こ…恋人?」


 ロード・ヒーター

「ブリテインは慈悲の町ですが、コーブは情熱の町になりました。ここでは皆、お互いが簡単に恋に落ちます。あなたも、皆が誰かを愛しているのを見かけることでしょう。ほとんど全員が、です」




「全員ってのは、町の人の全員ってことか…?」


 ロード・ヒーター

「ええ、見てください、私はヒーラーのイアナと恋に落ちています。そして、もちろん彼女も私のことを愛してくれています。そして、エメラルドの酒場を経営するジナイダは、この地のバードのデ・マリアに興味を持っています。トレーナーのレイバートは、宿屋のパメラに言い寄っています」




「な…なんだってー!!」


 イオロ

「まるで三文芝居のようだな!」


 スパーク

「僕と同じくらいの年の女の子はいないの?」


 ロード・ヒーター

「愛しき人よ、しばらくコーブを離れると聞いたが?」


 イアナ

「はい。しかし、必ず戻ります。お約束いたします」


 ロード・ヒーター

「あなたを心配させるべきではありませんが、きっと困難が待っていますよ」


 イアナ

「ご心配なく。アバタールと共にいれば、きっと安全です」


 ロード・ヒーター
「私も、そう望みます」
町長はイアナを抱きしめた。




「な…なんという町だ…こんな所をジジイや子供やオッサンと一緒に歩いてたら、惨めな気分になるだけじゃないか…!
おい町長!大評議会から預かった法案だ!さっさとイアナから離れろ!」


 ロード・ヒーター

「ロック湖から来る酷い悪臭について、そろそろ政府が何か手を打ってくれる頃だと思っていました!この法案には、喜んでサインしましょう!これを早く大評議会へ持ち帰ってください!」
ロード・ヒーターは法案にサインし、君に手渡した。




「ロック湖ってのは、そんなに酷い有様になってるのか?」


 ロード・ヒーター

「腐ったような悪臭を放っているので、暑い夏などは窒息しそうになります。ミノックのブリタニアン・マイニング・カンパニーが問題の根源だと思います。鉱業の廃棄物が、湖に投棄されているのです。もうすぐ冬なのは、喜ばしいことです!」




「そうか、後で湖の様子も見てくるとするか…じゃあ町長、俺達は行くとするよ。イアナのことは心配せず、ちゃんと仕事するように」


 ロード・ヒーター

「またお越し下さい、アバタール!」 










「ちょっと酒場で休んで行くか」








「ここは小奇麗な店だな。ブリテインのブルーボア酒場は、いつも混雑してるからな〜」


 ジナイダ

40代くらいの、素朴で美しい女性が、親しげに微笑んだ。

「ジナイダと申します」
彼女は会釈しながら言った。

「『エメラルド』のオーナーで経営者よ。食べ物か飲み物が欲しかったら、お申し付けになってください。お客様を満足させなかったことは、ありませんのよ」




「じゃあ、一杯やりながら、色々話を聞くとしようか」


 ジナイダ

「エメラルドでは、最高のワインとエールをお出ししています。お水は、お勧めできません。ロックレイクのせいですわ。
あの悪臭は、私達の水を酷い味にしています。あの鉱山会社は、あのかつての美しい湖に汚水を注ぐのを止めるべきですわ!」 




「こういう郊外の町が、環境汚染で一番被害を受けるものなんだよな。まったく、世の中間違ってるよ。
…じゃあワインを貰おうか。あと、食べ物は…」


 ジナイダ

「エメラルドでは、ブリテインのこちら側の地方で最高の料理をお出しいたします。特製のシルバーリーフを、お試しになってください」




「シルバーリーフ?トリンシックの酒場でも聞いたな」


 ジナイダ

彼女は君にウィンクした。
「ある方は、強力な媚薬だとおっしゃいます…言うまでもなく、とっても美味しいものですわ。ブリタニアの何処かに生息している、珍しい木の根から取れるんです」




「でも高いからなぁ…まあ、さっき干し肉を食べたばかりだし、ワインだけでいいや。じゃあ、イアナとの再開を祝して、乾杯ー!」




「ふ〜…それにしても、イアナがあの町長と付き合ってるとはねぇ…やっぱ地位とステータスってやつですか。だがね、男はそれだけじゃない、金や身分よりも大切な物もあるものさ。覚えておくんだぞ、スパーク」




「なあ、そこの兄さんも、そう思わないかい?」


 デ・マリア

派手なバードが華やかな雰囲気を放っている。
「あなたのために、多くの歌を歌います!あなたは本物だ、すぐに分かりました!」
男はお辞儀した。

「ようこそ、アバタール!私はデ・マリア、バードです」




「おっと、俺の事を知っているのか。あんた吟遊詩人かい?」


 デ・マリア

「物語を話し、歌を歌います!私はこのコーブの住民についても詳しいですよ」




「何だか、気分が憔悴してるから、ひとつ愉快な物語か歌を頼むよ」


 デ・マリア

「3つ全てを合わせるのは、どうでしょう?コーブに住む人の物語を歌いましょうか?」




「ほう…器用なことをするな。じゃあ、そいつを頼むよ」


 デ・マリア

「よいでしょう、それでは!
…このコーブで、ただ1人の不幸なる者…ナスターシャの物語を、お話ししましょう。彼女はこの町でただ1人、恋人がいません。求愛する者がいないのではありません、彼女はとても美しいのです!彼女が思うことは、慈悲の神殿のことのみ。今そこに行けば、あなたは彼女を見つけることができるでしょう」
デ・マリアはリュートを爪弾いて歌った。


「かつて、ここにはアリアナという少女がいました。彼女は神殿をとても愛しく思っていました。彼女の子も、何年も何年も、同じだろうと言いました…
彼女の息子ミカイルは町長になり、この町の古い習慣を守り続け、ここを愛と情熱の町として知らしめることを目標としました…
ミカイルの年老いてからの子供はマグダ。彼女は、『ラバーズウォーク』という素敵な公園を建てました。コーブの恋人達は、老いも若きも、この公園の暗がりで求愛するのです!…
ああ、しかし不幸という名の雲が、公平なる太陽の輝きを隠します。哀れなナディアは、マグダの娘、不幸は彼女に分け与えられます!…
ナディアが結婚したことが始まりです。相手はジュリアス、貧しき若者。彼は彼女と子供を残し何処かへ去りました。悲しいかな、哀れなナディアの心…
ある日、ユーから運命の知らせが届きます。ジュリアスが獣に殺されたという知らせが。子供は早産で、困難な誕生でした。そしてナディアの魂は凍えました…
手にダガーを取り、腕に子を抱き、ナディアは神殿へ行きました。そして、彼女は自分の胸にダガーを突き立てました。彼女は、二度と太陽を見ることはありませんでした…
ナスターシャは孤児として育ちました。誰も愛さず、誰も求めずに。今、彼女はクロークで身を隠しつつ歩き、彼女の運命の声を待っているのです…」


「これが哀れなナスターシャの物語です。あなたならば、彼女を元気付けられるかもしれません。お願いします、彼女を探し出してください」




「アリアナという少女…聞いたことがあるぞ。昔、俺がブリテインで慈悲のルーンを借りた少女だ。そのナスターシャという女が、その子孫だというのか…」










「ここが、さっきのデ・マリアの歌にも出てきた、ラバーズウォークとかいう公園か…」







「恋人のためのベンチがあったり、アーティスティックなオブジェがあったり、胸クソ悪くなる場所だぜ…。
ブリタニアは、いつからこんな嘆かわしいことになってしまったのだろう?
神殿と瞑想の聖地だったコーブの町は、何処に行ってしまったのだろうか?
剣を振るい、怪物と戦って傷ついた戦士達は、いったい何処へ行ってしまったのだろうか?」




「公園の真ん中にあるのが、慈悲の神殿か…そこに立ってる人が、話に聞いたナスターシャかな?」






 ナスターシャ

魅力的な若い女性だ。悲しそうに見える。
この悲しげで美しい女性を見たいという気持ちに、君の心はたちまち鷲掴みにされた。
彼女は君が自己紹介をすると、顔を上げた。




「あ、えーと、君がナスターシャさんかい?ずっと、この慈悲の神殿にいるのかい?」


 ナスターシャ

彼女はしばらく考え込んだ。
「慈悲の神殿を綺麗に保つのが、私の仕事だと思います。あまり公的な仕事ではありませんけどね。
慈悲の神殿は、ブリタニアの他の神殿と同様に、何世代もの間、この場所に建っています。私の遠い祖母アリアナは、自分の子孫はこの神殿の世話をするように、という意思を残しました」




「いやいや、神殿を大事にするのは、良い心がけだぞ」


 ナスターシャ

「多くの神殿は、崩れ落ちて使用されなくなったか、あるいは、その所在が見失われてしまっています。とても悲しいことです。
申し訳ないことですが、他の神殿は酷い状態で見つかるでしょう…。私は、この神殿の手入れをして保っています。遠い祖母からの伝統を守って行っているだけではなく…他の理由もあるのです。
若者が、このような古い伝統を守るのは滑稽だと思う人もいるでしょう。しかし、これは私に安らぎを与えてくれるのです。この世界の中に私の居場所がある、という気持ちにさせてくれるのです」




「アリアナというのは、かつてブリテインの音楽院に通っていた少女だな」


 ナスターシャ

「はい、私の遠い祖母です。彼女は、実際にアバタールに出会い、その人生において強い衝撃を受けたと聞きます。不思議ですね、あなたは、私が見たことのあるアバタールの肖像画に似ています」




「…それはそうと、君がこの神殿にいるのには、何か深い理由がありそうだな」


 ナスターシャ

「…言いたくはありません。どうか…そのことは尋ねないでください」




「…酒場の詩人から聞いたのだが、君の亡くなった両親のことか…?」


 ナスターシャ

「あなたは父を知っているのですか?町の人が、またお話したのですね。私は、彼のことを知りたい。どんなものであれ、彼の手がかりを求める何か、私の中にあるのです」




「父はジュリアス、母はナディアという名前だったらしいな」


 ナスターシャ

「彼女は自身の手により、恐ろしい死に方をしました。これが、私が神殿に敬意を払っている本当の理由です。いつの日か、彼女に安らぎを与えたいと望んでいます。
父はグレートフォレストで死にました。野生の動物か何かに殺されたのです。あなたは、ユーに行くのですか?」




「そうだな…そのうち、あの町にも行くだろう」


 ナスターシャ

「ああ、アバタール、私の父に関するものを、何か探し出してください。彼はどうやって死んだのでしょうか?何が起こったのでしょうか?どうか、お願いします!真実を探し出し、私に教えてくださいますか?」




「いいだろう、俺もアリアナの子孫のことは気になるからな。見つけられたら、君にも教えよう」


 ナスターシャ

「あなたに祝福あれ!私は、ここであなたを待ちます」
不意に、ナスターシャは君の顔を自分の顔に近づけて、その唇にキスをした。




「……コーブに来て…よかった…」



すぐにでもユーへ行きたいところであるが、まずはミノックへ行かねばならないので、ナスターシャの頼みは少し後回しとする。
ちなみに、このナスターシャとは何度もキスすることができ、いきなり相思相愛かのようなメッセージも出てくる。
さすが愛と情熱の町。





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