Ultima 7 プレイ記録 07 フェローシップ本部

 




「やれやれ、老人と子供と中年(無職)との冒険の旅とは、また色気がないものだ…。
ところでシャミノ、最近のブリタニアでの出来事を教えてくれないか?」


 シャミノ

「ああ。あんたが気付いているかは分からないが、魔法やムーンゲートのことで、多くの問題がある。
まず、ムーンゲートの機能がちゃんと働かなくて困っているんだ」




「ムーンゲート?だが、俺がこの世界に来たのは、あのゲートを通って…」


 シャミノ

「また、ブリタニア全土で、魔法の力が不安定みたいだ。グレートフォレストに住んでいたニカデマスを覚えているか?彼は狂ってしまい、恐ろしくバカになってしまった。彼の元にも行ってみるべきだろう」




「ニカデマス…確かユーの森に住んでた魔術師だっけ?まあ、そろそろボケてもおかしくない年頃だろうからな……」




「む…この建物から、何やら聞き覚えのある旋律が聞こえる……」



 




「この雰囲気……フェローシップの建物か?確かブリテインに本部があると聞いたが、もしかして……」


 バトリン

丸々とした年寄りの紳士だ。
一見して控えめだが、威厳に満ちている。
その紳士的な目からは、彼の同士に対する優しさが溢れている。
彼の目が、君の首にかけられたフェローシップのメダリオンに注がれた。
「友よ、あなたは不正にフェローシップのメンバーを装っている!そのメダリオンを外すのだ!」




「クリストファーのメダリオンが、何故分かったんだ!?とにかく、これを外そう…」


 バトリン

「友よ、我が名はバトリンです。そして、実物のアバタールにお会いできて、非常に光栄です」




「バトリン…聞いたことがあるぞ!あんたが、フェローシップの創設者か?」


 バトリン

「私はかつてドルイド僧でした。今は、フェローシップのリーダーであり、創設者です。フェローシップはブリタニア全土で急速に成長したため、ご想像のとおり、非常に忙しくなってしまいましたよ。
フェローシップは、20年前にロード・ブリティッシュの全面的な承認と支持を得て設立されました。人間の高い次元へと到達し、その知識を全ての人々と分かち合うための努力をする魂の探求者のための協会です」




「ここに、エリザベスとエイブラハムというメンバーはいないか?トリンシックの支部で、彼らの名前を聞いた。殺人事件の重要参考人なんだ」


 バトリン

「おお、我が良き同士、エリザベスとエイブラハムは、ここに居ました。彼らは今朝、フェローシップの仕事でミノックへ行きました。彼らは、基金の分配と徴収を行っているのです」




「そうか…一足違いだったみたいだな」


 バトリン

「多忙な人ですから」




「…俺は、フェローシップについて、色々思うところがあるんだが、少し話を聞かせてくれないか?」


 バトリン

「フェローシップは、『楽観的認識』という思想を推し進めています。それは、『内なる3つの力』を通して、肯定的な思考を人生に取り入れる方法です。
我々は、時が始まった頃より続いている、神秘や賢人の教えの中の誤りを避けるように努めています。彼らは、例えば徳のような過去の慣習を現代に適用していますが、これらの事について、正しく認識しておりません。我らは、自身の言葉の上に成り立つ現代生活を調べ、世界の在り方を探しているのです。




「内なる3つの力…これが、フェローシップの教理の中心にあるようだな」


 バトリン

「『内なる3つの力』とは、単純に3つの基本的な価値観です。協会にて、これらを実践すれば、人はより創造的になり、満足のいく成功した人生を送ることができるでしょう。3つの価値観とは、『協会に努めよ』、『兄弟を信頼せよ』、『報酬は後から来る』です。

我々が『協会に努めよ』と言うのは、ブリタニアの人々が皆、共に協力して働くということを、表現したものです。非常に価値ある気持ちです。あなたも同意見だと思います。

『兄弟を信頼せよ』が意味するところは、全ての人は皆同じだということです。そして世界とは、話し、支援し、育む場所だということです。お互いに信頼を置くということは、歯車が、お互いの社会を一緒に回しているようなことです。そうではありませんか?

『報酬は後から来る』という意味を説明させていただくと、我々は皆、人生において欲するものを探し、それらを得る価値のある者となるために努力をするべきだということです。あなたも、このことに否定はできないはずです」




「この思想が悪しき物でないことは、俺にも分かる…。だが、ブリタニアには8つの徳の教えがあるだろう。今までも、それで皆平和にやってきたんだ」


 バトリン

「理由は何であれ、いまだにこれを必要と感じている者にとっては十分なものです。しかし誰もが…アバタールである、あなたでさえも、徳を完璧に成すことはできません。それゆえ、徳というものは、究極的には失敗の上に根ざす思想ということになります。我々の教えが、徳の代用になるとは考えておりません。しかしながら、我らの思想は成功の上に根ざしております。失敗ではないのです」




「まあ、確かに分からないではない。徳の教えは窮屈なものだからな。分からないではないが…しかし…」


 バトリン

「行動的、あるいは潜在能力のあるフェローシップメンバーのみが、『内なる声』の概念に通じています。あなたがフェローシップのテストを受けたら、もっとお話しましょう」




「もっと詳しく教えてくれないのか?」


 バトリン

「おお、しかし、物事には順序があります。あなたには、真にフェローシップの教えを必要としているのかを判定するテストを受けることをお勧めいたします。テストをお受けになりますか?」




「(この集団について見極めなくてはならないし、何より情報を集める必要がある……)
ああ、加入しよう。そのテストを受けさせてくれ」


 バトリン

「これからの質問は、すべて仮定です。混同したり、怒ったりしないでください」




「分かった」


 バトリン

「質問1:あなたは今、憂うつな気分です。それはきっと…A:あなたが友人に失望しているから。 B:友人があなたに失望しているから」




「??…じゃあ、Bかな…」


 バトリン

「この答えから分かることは、あなたは人を信じているということです。彼らが取るに足らない人物であるという行いを見た後でさえも、更なる機会を与えたいと、しばしば思うでしょう」
バトリンが笑って頷いた。


 バトリン

「質問2:あなたは地元のとても由緒正しい饗宴に招かれました。しかし、あなたの注文した料理は、いささか不味く、他の客人も同じように感じていたようです。そして、主人が食事はどうだったかとあなたに尋ねてきました。あなたは…A:真実を言う B:彼に嘘をつく」




「Aだ。アバタールとして嘘はいかんだろう」


 バトリン

「この答えは、あなたが無愛想で正直な人間だということを示しています。高貴な振る舞いをしているつもりであっても、時として、人が聞きたくないようなことを話すでしょう」
バトリンは手を払う動作をした。


 バトリン

「質問3:あなたは宿屋で最後の1つの部屋を取りました。しかし中に入ってみると、そこは散らかっていました。もう夜中なので掃除人はいませんし、他に行く所もありません。あなたは… A:休む前に自身で部屋の掃除をする B:部屋に入った時の状態のまま眠る」




「Aだ!(本当はBだけど、アバタールとしてはAだろう)」


 バトリン

「あなたは、間違った事柄について厳格に責任を感じる人だと分かりました。それゆえ、全世界を正しくしようという考えに陥るでしょう」
バトリンは嘆息した。


 バトリン

「質問4:楽しい集いの際、あなたはユーモラスな奇談を話しました。そして、それは大いに皆を楽しませました。あなたが、何故そのような話をしたかと言うと… A:聴衆からの反応を楽しみたかったから B:友人達を楽しませたかったから」




「うーん…どっちも当て嵌まる気がするが…どっちかというとBかな」


 バトリン

「この答えから、あなたは、友人を持つことに価値を感じていない人だと分かります。あなたは、彼らを楽しませて注意を引き続けなくてはならないでしょう」
バトリンはわずかに顔をしかめた。


 バトリン

「質問5:もし、あなたが時間も有り余り、途方もない富を貯えた人だとすると、それは… A:絶対に失敗しないで、他者から金を盗む方法を発見したから B:禁制ではあるが、絶対に失敗しないでコインを複製する方法を発見したから」




「まだ続くのか?これはBだな。しかし、どっちも選びたくないな…」


 バトリン

「質問5からは、あなたは成功することができないと、自然と決めてかかっている人だと分かります。良くても、成功の幻影を作り出すくらいです」
バトリンは、ゆっくりと首を振った。


 バトリン

「質問6:旅の途中、あなたは激しい苦痛を受けている人を見つけました。彼の腕は、ひどく傷ついています。ヒーラーは、彼の腕を切断するために手を貸してほしいと言っています。しかし男は、傷は治るからヒーラーには切断させないでくれと、あなたに頼みます。あなたは… A:ヒーラーの言葉に従う B:傷ついた男の意思を尊重する」




「これは悩む…しかし、本人のためにはAが一番いいのだろう」


 バトリン

「この答えから、あなたは親切を信じている人だと分かります。たとえ、それが物事にとって容易ではないことだとしてもです。信念と勇気を持って、それを成そうとします」
バトリンは、知ったように君を見た。


 バトリン

「質問7:あなたは、石を投げて小さな犬を殺しました。それは… A:犬があなたに攻撃しようとしたから B:犬が誰か他の人に攻撃しようとしたから」




「(この質問…さっきから妙だ…)Bだ」


 バトリン

「この質問で、あなたが過剰に攻撃的な人だと分かりました。あなたは、あらゆる問題を暴力で解決しようとするのを止める必要があります」
バトリンは思慮深げに顎をさすった。


 バトリン

「質問8:あなたは、婚約者と母親と一緒にボートに乗っています。しかしボートが転覆しました。波の中では、あなたは自身ともう1人しか救えません。あなたが救うのは… A:婚約者 B:母親」




「(どちらを選んでも間違いではないのか?)…Bだ」


 バトリン

「自身を危険にさらし、母親の命を救うことは尊敬できます。しかし、あなたの婚約者を溺れるままにしたことに見られるように、異性に対して問題を抱えていることには、疑問を感じずにいられません」
バトリンは肩をすくめた。


 バトリン

「アバタール、あなたは、強い個性の力を持った人のようです。しかし、個人的な問題に悩まされ、真に偉大な可能性を成し遂げることを妨げられています。端的に言えば、あなたはまさに、フェローシップによって作られるようなタイプの人間です。
あなたを歓迎いたします。3つの内なる力を知ることは簡単ではありませんが、その報酬は十分に得られるでしょう。もちろん、私は休息の時間などは放棄しております。メンバーになには勉学が必要なのです。あなたは、あのアバタールなのですから」




「(質問は全部で8つ…これは……)」


 バトリン

「しかしながら、我らの教義の1つに定められているように、『報酬は後から来る』です。適正に入会してメダリオンを授かる前に、あなたはフェローシップのために仕事を成さなくてはなりません」




「まだ試験があるのか?」


 バトリン

「この封をした包みを、封を切らないで、ミノックのフェローシップ支部長のエリノールに届けてほしい。エリノールは、きっと君に報いてくれるでしょう。頼まれてくれますかな?」




「ミノックか…エリザベスとアブラハムが向かったんだったな…いいだろう。どうせ、そこにも行く予定だから、ついでに届けよう」


 バトリン

「素晴らしい!これが包みです。さあ、それでは汝の道を行くのです!」


そんなわけで、フェローシップ創設者のバトリンと出会った。
さすがに教祖なだけあって、彼の話には説得力があるが、やはり何か、いかがわしいものを感じてしまう。
そして、入団のためのテストは、ウルティマシリーズ恒例の、キャラメイク時のジプシーの質問を彷彿とさせるものであったが、これもまた、いかがわしい。
何を選んでも結末は同じのような気がする。

ちなみに、セーブ&ロードして、預かった包みをで封を破り中を見てみると、文書が入っていた。



『石の祭壇は4フィートの高さ、3フィートの幅、2フィートの深さにせよ。
3つの祭壇の頂上には、3つの容器 ― テトラへドロン スフィア キューブ を置け。
これら、入口の防衛装置のための道具は、既にトリンシックの鍛冶屋が製造した』


…とのことだった…。
トリンシックの鍛冶屋とは、殺されたクリストファーのことだ。
いったい、どういうことであろうか…?










「えーと…今は午後8時だから、フェローシップのミーティングが始まるまで、まだ少し時間があるな。もうバトリンからたっぷり話を聞いたから十分な気もするが、一応覗いてみるか」




「とりあえず、近くにある建物に入って時間を潰そう」


 


 ジェシー

「名前!」「仕事!」「はい!いや、いいえ!」


 スチュアート

「我が君よ、私はイオロです!」「東の方から気配を感じる!」「デスパイスのダンジョンだ!」「弓を構えろ!」


 アンバー

「ライオンのヒュバートは…」「何で、こんな事言わなくちゃならないの?」「コスチュームが大きすぎるわ」「こんなセリフは嫌い!」


 レイモンド

「もっとハッキリ!聞こえないぞ!」「舞台の右へ、どうぞ」「さっきのシーン、もう一度」「上手から、どうぞ」




「ははあ…ここは劇場だな。みんなで演劇をやってるってわけか」




「やあ、今は練習中かな?何の劇をやってるんだい?」


 スチュアート

呻るような声の、実に舞台に適した風貌の役者だ。
「私の本当の名前はスチュアート。舞台での名前はローレンス、私は、かつてなく偉大な俳優だ」
彼は一切の謙遜もなく宣言した。
「新しい劇で、『イオロ』の役を演じている」




「『イオロ』の役だって!?じゃあ…」


 ジェシー

膝が瘤だらけの、背が高く、痩せた役者だ。
「私はジェシー。王立劇場で役者として働いています。これまでの経歴で、あらゆる大役を演じました。そして今、人生最大の役を演じるチャンスなのです。それは…アバタールの役!」




「アバタールって…ええー!?あんたが!?ちょっと待てよ!名誉毀損で訴えるぞ、おい!」


 ジェシー

「この役は、とても演じ甲斐があります。セリフも多いし、要求される数多くの演技に備えるため、何週間もトレーナーにつかなくてはなりません。この役は、『ジェシー』の名を有名にしてくれるでしょう」




「うわ〜、まさか自分が演劇になってるだなんて、思ってもなかったよ」


 ジェシー

「人々は、英雄の冒険譚や、甲冑に身を包んだ騎士、美しい姫、賢明な王、魔術師、邪悪なモンスター、といった物語を好みます。
野望を持った劇団の多くが心に抱くのは簡単ですが、この劇の上演時間は100時間を超えます。これは、観客にとっても長い時間です」




「100時間って…」


 ジェシー

「一番大きなセリフは、『名前!』『仕事!』『さらば!』です」




「そのセリフだけで100時間持たせるってのも、ある意味凄いな…」


 スチュアート

スチュアートの羽飾りは、明らかにくしゃくしゃになっていた。
「またしても3枚目の配役だよ!俺にはアバタールの役の方が適してるのに、なぜレイモンドはそうしないんだ?くっそぉ〜〜!!」


 イオロ

「だが、あんたは全然俺に似ていないぞ!」


 スチュアート

「そう言うあんたは誰だい?」


 イオロ

「俺が本物のイオロだ」


 スチュアート

「そうかい。そしたら、俺は本物のロード・ブリティッシュだ。もっと信じられるような話を、そのケツで考えな」


 イオロ

君の友人は囁いた。
「ここいらの役者は、怒りっぽい三流役者の典型だぜ。なあ?」





「いや、彼の言うとおり、配役を逆にするべきだ!」


 アンバー

可愛らしい女優が、ネズミのコスチュームを着ている。




「おや?この女優……」


 アンバー

彼女は泣き出した。
「バカ、このバカ!」

そしてシャミノに飛びついて目いっぱいキスした。
シャミノは真っ赤になって、足がよろめかせた。


 シャミノ

「おい、バカ!よせよ、アバタールの前で!」


 アンバー

「アバタールなんて怒ればいいわ!」
彼女はまたキスをした。

「アバタールだけが、あなたを留められる人なのね!」




「あの…もしかして、このエキゾチックな女優がシャミノくんの彼女かな…?」


 シャミノ

「こいつは、俺が冒険に行かなくちゃならないことを理解してくれないんだ!身を固めてなんかいられるか!
…だけど!きっと、すぐに落ち着くさ…」
シャミノは心配そうに見えた。

「俺は大人になったんだ。少しだけな」




「そ…そうか…。おまえ、本当にフラフラと冒険なんかしてていいのか…?」 


 アンバー

「私はアンバー、王立劇場の女優よ。新しい劇で、ネズミのシェリーの役を演じるの。
この劇が、私の劇場公演のデビューになるの。酒場で働いていた私が、劇場に立てる初めてのチャンスよ」




「ま…まさかのシェリー役!?」


 アンバー

「こんなナンセンスが想像できる?シェリーが存在しただなんて、私には信じられないわ。ネズミが話すだなんて、聞いたこともない!しかも、こんなセリフを!私は女王の役がよかったわ。自分で言うのもなんだけど、そっちの方が似合ってると思うの。
このことをレイモンドに話してみたら、彼は腹を立てたのよ!それは歴史的に正しくないって。フン!そんな重要なことみたいにさ!」




「シェリーの役を人間にやらせるのも、どうかと思うけどな…。というか、他にもイアナとかマリアとか、重要な役があるだろうに…」




「レイモンドってのは、あそこに立っている男か…」


 スチュアート

「彼は優れたディレクターだと思うよ。俺には日の当たる配役をしてくれないがね。それに、俺は彼と一緒に学校で学んだんだ。俺達は、劇団の設立メンバーだったのさ!」




「ふーん、ちょっと話してみるか…」


 レイモンド

この者から、文字どおり湧き上がるような想像力を感じ取ることができる。
彼は君を興味深げに見て、つっけどんに返事をした。
「はいはい?何か用?忙しいんだがね!」




「あんたがレイモンドさん?」


 レイモンド

「ああ、僕の名は全国に知れ渡ってるんだが。あんた、聞いたことないのかい?
本当?驚きだなぁ!考えられないけど…。僕は、このブリテインの王立劇場のディレクターさ。劇作家でもある。楽曲の編曲もやってるし、時には自ら演じる。だが、指示する人間が演技をするのは、賢いやり方じゃないな」




「この演劇の台本を書いたのかい?」


 レイモンド

「僕が書いた『アバタールの試練』って代物さ。こいつはブリタニアの歴史の伝説的な人物についての劇だ」
彼は、君をジロジロと見た。

「フーム。なかなかイイ物を持ってる…舞台で演じたことがあるのかい?そうかい、まあ、そんなことは重要じゃない。あんたなら、すぐに慣れると思うよ。
公的には、オーディションは終わってキャストは決まっているんだが、アバタール役の人の代役が必要なんだ。オーディションを受けてみるかい?」




「え…?俺が…舞台でアバタール役を…?」


 レイモンド

「よし!それじゃあ、ゲイの服飾店へ行って、アバタールのコスチュームを買ってきてくれ。適切な衣装を着てきたら、オーディションをしよう。さあ、早く行った行った!走れ!僕は忙しいんだ!」




「……せわしない奴だな。まあ、ヒマな時にオーディションを受けに来てみるか…」


 ジェシー

「私のお気に入りは、レイモンドが私のために書いてくれた『3つの股袋』です。私が舞台に立って観客を招き、一緒に下着を細切れに破り捨てるように呼びかけるんです。その後、骨壷に入れて、小麦粉と混ぜるのです。服の切れをですよ、観客をではありません。そして観客は、私の体の好きな所に、その布切れを貼り付けるのです」




「なんという前衛的な演劇だ……」










「いつの間にか9時になっていた。もうフェローシップのミーティングが始まっているはずだ!急がなくては!」




「うわっ!ホールには人がいっぱいだ!」








「バトリンが教壇に立っているぞ…これから始まるみたいだ…!」





 バトリン

バトリンが集ったフェローシップのメンバーの前に立ち、セレモニーが始まった。
ホールは、割れるような喝采に包まれた。聴衆は、畏敬と尊敬の念が混ざった視線で彼を見つめている。
バトリンは、しばらくの間、暖かな歓迎を浴びて立ち、意気揚々とした笑みを顔に浮かべた。
そして、彼が少し手を動かすと、群集は静まった。

「今宵ここに集まった皆さん」
バトリンが言った。

「私が、誇り高く愛すべきフェローシップの名を呼ぶ一員となれたのは、あなたのおかげです」

別の拍手が起こった。

「フェローシップと共に歩む、あなたの心は幸いです!ブリタニアの人々は、病んだ思考と行動で熱に冒されている状態です。しかし、今夜私が見ている者達は、この世界における善と真実の探求者です!真実を認識するための道を歩む者です!しかし、どのようにして、その道を見つけたのか?
それはフェローシップのメンバーに尋ねなさい、彼らは答えてくれるでしょう!完全なる認識の道を探すことは簡単です。『内なる3つの力』を、その人生に取り入れるのです!

『内なる3つの力』は3つの価値観です。それによって、思考には完全なる『楽観的認知』の状態がもたらされるでしょう。

最初の価値観は、『協会に努めよ』。世界中の全人類が何かを成し遂げようとしたら、それは成されます。このように、世界の人々が皆、同じ目的に向かって努力をしたならば、不可能はありません。このことを考えてみるのです!世界にはあらゆる夢が満ちており、それらは成し遂げることができるものです。しかし、我らの悲しき社会を見てみると、人々は皆協力しておらず、何かを成し遂げるなどは奇跡だということが明白に分かるでしょう!

2つ目の価値観は、『兄弟を信頼せよ』。あなたは、恐怖に、偏見に、驚きに屈しなくてはなりません。自身をよく見てみるのです!疑問に思う前に、疑問その物を見るのです!この世界において、あなたは自然のバランスによって毎秒のように守られていますが、あなたはそれに気付いていません!この世界で、兄弟に疑念を抱いて過していて、何を成し遂げられましょうか!?彼は自分と同じくらい働いているのか?彼の真意は何か?あなたが、このように思索してエネルギーを消費している間に、彼もあなたのことを同様に思索し始めるでしょう。これは全く、世界の損失です!

3つ目の価値観は『報酬は後から来る』です。欲の無い人間はいません。世界中の悲惨の大半は、欲望を満たせないことに起因しています。しかし、少し考えてください!どうして、あなたが欲する物に見合っているのですか?得ることのできる人の大部分は、価値ある人生を送っている者です。あなたが、欲望に見合った価値のない人だったら、欲望が満たされずとも驚くことはありません。あなたが価値ある者になってはじめて、欲望は満たされるのです。欲望とは奇妙なものです。多くの人はを渇望していますが、それらは本当に欲していないのです。本当の欲望とは、価値あること、それ自体なのです!

今、お話した事は、あなたが『内なる3つの力』に従うために必要なことの全てです。教えはシンプルです。あなたがこれらを人生に取り入れることによって、真に理解することができます。あなたは今、必要なことの全てを知りました。死にゆく技術である魔術の不可解な知識は必要ありません。ヒーラーの得体の知れない技や、限られた知識は必要ありません。あなたに必要なのは、自身にとっての最善を探し続けることと、同じ志を持つ者の中で暮らすことです。そうしてはじめて、あなたは真にフェローシップと歩むことになるのです。

今、我らがフェローシップのメンバーの声を聞きたいと思います。彼らの生活に、フェローシップがどれほど良い変化をもたらしたのかを、我らで聞いて共有しましょう!」


 キャンディス

「私は自身を恐れていたため、人生の経験のために自己を開放しなくてはならないということを、フェローシップによって知りました」


 パターソン

「フェローシップは、私がより誠実な人間となることを助けてくれました」


 バトリン

「ご意見ありがとう、パターソン」


 フィグ

「フェローシップは、王立果樹園の管理人としての義務を、より良く行う方法を教えてくださいました!」


 ゲイ

「フェローシップは、なによりも、人に対して敬意を持って接するようにと教えてくれました」


 グレイソン

「フェローシップに加入してから、男の中の男になるための方法を学びました」


 ゴードン

「私はフェローシップによって、個人的、経済的な忘却から助けられています」

 バトリン

「兄弟よ、その通りだ!」


 ショーン

「フェローシップは、私を平凡ということの錯覚から解放してくれました」


 ミリー

「フェローシップで、私は特別な目的のために人生を捧げる必要があるということを学びました」


 バトリン

「この会の全て、そして参加した皆が、私に感動を与えてくれました!」


 スパーク

「こんなに多くの人が、この怪しげなリーダーに盲目的に従わないと良い人生を送れないだなんて、悲しいことだね」


 イオロ

「このフェローシップのような団体が顕著になるほどに、ブリタニアが堕ちてしまったのが悲しいよ」


 シャミノ

「この退屈なセレモニーに目を開けてられなかったのが、悲しいことだぜ!」



― バトリンや他の者達を見るに、フェローシップのセレモニーは夜中まで続きそうであった。今なら、他者の気を引くことなく抜け出せそうだ…。




「これが…フェローシップの本部か…!」


フェローシップのセレモニーは、一種異様な雰囲気だった。
ブリテインの市長や大商人などの、社会的身分の高い者も参加しているが、非常に不気味なものを感じる。
本当に、ここに加入してしまって良いものだろうか…?














「街灯も消えて、外はすっかり暗くなってしまった。これ以上探索するのは無理そうだから、今日のところは眠るとしようか…」








「宿代がないから、民家のベッドを勝手に使わせてもらうか…徳が下がったりしないか不安だな……」


ベッドがあれば、そこで睡眠を取ることができ、寝袋を持っていれば路上でも眠ることができる。
今回借用したのは、昼間に訪れたファーマーズマーケットの老夫婦の家である。
何故か夜中でもベッドが1つ空いていたので、勝手に眠らせてもらった。
なお今回は、眠ってる人の近くをウロウロすると、目を覚まして苦情を言うことがあるようだが、この行為は徳的にはどうなんだろう…?



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