Ultima 7 プレイ記録 06 首都ブリテイン



「うむ?どこからともなく、ルール・ブリタニアが聞こえてきたぞ。ということは…」







「ブリテインに着いた!ポウズの北は、すぐブリテインに繋がっていたのか!ということは、ポウズの村は本当にブリテインの一部として取り込まれてしまっていたんだな……」


ようやくブリテインの町に到着した。
ここに来るだけでも長いことかかってしまったものだ。
もう目的を忘れかけているが、トリンシックの殺人事件の手がかりとなっている船、クラウン・ジュエル号を探すことと、フェローシップの本部を探すこと。
そして、もちろんロード・ブリティッシュに会うことも忘れてはならないことであろう。





「さて…とりあえず町を散策してみるか……やっぱブリタニアの首都だけあって、かなり広いな。
ん?どうしたイオロ、もう腹減ったのか?ポウズの村でブドウとニンジンを食べただろう」




「あんなのじゃ足りないって?仕方ない奴だな……お、ここは市場かな?ちょうど良かった、ここで食料を仕入れよう」


 




「やあ、ここは食料を売っているのかい?」


 ケリー

丈夫そうな農家の妻だ。
彼女は仕事に付く前に、親切な笑顔で君をもてなした。
「ケリーと申します、アバタール。夫のフレッドとファーマーズ・マーケットをやっております」


 フレッド

親しげな農夫だ。
君が近づくと、手を振ってきた。


 ケリー

「フレッドは、ブリテインで最も尊敬される商人ですわ。ブラウニーとマックの所の野菜と卵、そして外来の輸入果実を売っています。
ブリテインのほとんどの人が、このファーマーズ・マーケットで食べ物を買っていきます。ポウズからも、卵や野菜を買いに来る人がいるんですよ。フレッドは、数年前に開店してから、一度も商品の値上げをしていないんですよ」




「ゴクリ…肉に野菜に卵か…」


 ケリー

「野菜は、年を取った人ばかりが買っていきますわ。子供は野菜が嫌いですからね。果物を家に置いておくと虫が寄ってくるからと、嫌う人もいます」


 フレッド

「最高に美味しい肉だよ。ちょっと食べてご覧よ。ポウズの屠殺場から仕入れているよ」




「屠殺場ってことは…あのモーフィンの屠殺場か?手広い商売をしてるな」


 フレッド

「モーフィンは、あまりいないタイプの人間だね。知らない人からは、闇の商売に手を染めてるかのように見られるかもしれないね」




「まあ、実際その通りだったが…」


 フレッド

「ポウズは、物を安く買うにはいい所だよ。こう言っちゃなんだが、多くの人は貧しいからね。産業も活発じゃない。ポウズでは、他人と密接に関わっていかなくてはならない」


 ケリー

「ポウズの人々は、いつも困窮して、本当に可哀想ですよ。買えないものだから、いつも一番安い物を探してるんです」


 ケリー

「ブリテインでは、人々は上質な物を求めています。買い物客は、卵にヒビが入っていないか、野菜が腐っていないかを観察していくんですよ」


 

「こんなに近くにある町なのに、人々の暮らしは全然違うんだな……さっき言ってた、ブラウニーとマックってのは、この町の人かい?」


 ケリー

「ブラウニーは、とってもいい方です。もう一度、市長選に出馬して欲しいわ。もし出馬したら、あなたも彼に投票してね」




「なんと、元市長か!それで野菜を作ってるってのは、何だか凄いな」


 ケリー

「マック老人は、もう随分長いこと養鶏をしておりますわ。いい人なんですが、彼のお話を、あまり真に受けちゃいけませんよ。彼は、夜中ずっと空を見て過ごしているので、ほとんど寝てないんです。
もちろん、夜明けには彼の雄鶏が鳴きますし、農家の人は夜明けには起きていなくてはなりません。ですから彼の頭は、ちょっとくたびれているんです」




「まあ、どこの町にも、ちょっと頭のアレな人ってのはいるものだよ……じゃあ、こちらの肉を買おうかな」


 フレッド

「今日はいい品揃えだよ、アバタール」




「マトンにビーフにハム…やはり、どれも高価だな……お、その中でも、この燻製肉はやけに安い!こいつを貰おうか」


 フレッド

「1つ2ゴールドになります」




「よーし、しばらくは、こいつを主食にするか。それじゃあ、邪魔したな」


 フレッド

「さようなら、アバタール」 


 ゴードン

「アツアツのフィッシュ&チップス!」「フィッシュ&チップース!」




「ん?こっちにも店があるのか」


 ゴードン

「ゴードンです。出店でフィッシュ&チップスを売ってます」




「フィッシュ&チップス!」


 ゴードン

「ブリタニアで一番美味いフィッシュ&チップスだよ。うちのは1つ8ゴールドです。いかがですか?」




「8ゴールドか…さすがにちょっと高い…さっきの燻製肉で済ませることにするよ」


 ゴードン

「お腹が減ったら、また来てくださいよ。きっと考えが変わりますから」




「ああ、すまないね。商売はどんな感じだい?」


 ゴードン

「最近、出店を黄色く塗ったんです。注意を引くためにね。おかげで、商売は繁盛してます。私は、バッカニアーズ・デンへ行くために、お金を貯めているんですよ」




「バッカニアーズ・デンと言えば、海賊の巣窟じゃないか!なんでそんな危険な所に?」


 ゴードン

「バッカニアーズ・デンで、勝ちたいものです。海賊達のリゾート地で、うわさの『ハウス・オブ・ゲーム』があるのです。
ご存知かと思いますが、バッカニアーズ・デンは、かつて盗賊やならず者達の巣窟でした。そのような冒険の香りを求める人々にとっては、とてもロマンチックな場所なんです。恥ずかしながら、私もその1人でして。あなたも出店でフィッシュ&チップスを売ってるような人生を過ごしてたら、こういう刺激が欲しくなりますよ。海賊達は、自分達が密かに羨ましがられてることに気付いて、彼らの島をスリリングな娯楽施設へと変えてしまったんですよ。
そこでは、いくつかの賭け事ができるらしいです。上手いこと賭けに勝てば、お金が増えます」




「ふーむ、何事もビジネスになってしまったんだなぁ。まあ、賭博場があるってのは、あの町らしいと言えばらしいが……」


 ゴードン

「私がフェローシップのメンバーになってから、売り上げはどんどん増えていきました。魚の衣の調理方法を改良したら、ブリテインの皆さんの大好物になりましてね。私のフィッシュ&チップスは、ロード・ブリティッシュに献上したこともあるんですよ」




「あんたもフェローシップか…各地に、かなりの数のメンバーがいるんだな…」


 ゴードン

「あなたもメンバーなんですね。お会いできて嬉しい。次のミーティングで、お会いできますかな?」




「ミーティング?なんだそりゃ?」


 ゴードン

「あなたは、より厳格にフェローシップの道を学ばなくてはなりません!ミーティングは9時からです。ご出席された方がいいですよ」




「そうか…そういえばトリンシックでも、フェローシップのメンバーは毎晩ホールに集まってミーティングをしていたようだったな。一度様子を見てみるか…」









「それにしても、収入が全く無いのに食費ばかりかかるから、このままだと、いずれ路上で行き倒れになってしまうぞ。この樽に入ってる食料を勝手に持って行けば、どれだけ楽になるか……」


 




「…と、変な気を起こしてはいかん。アバタールがタンスや樽の中の食料を漁っているなんて知れたら、俺の伝説は終わってしまう。盗みってのは、ここ一番でやるものだ」




「そういえば、ここは港か。クラウン・ジュエル号の手がかりが何か分かるかもしれないな……おーい、ここの管理者は、誰かいないか?」


 クリント

年老いた船乗りの男だ。
幾多の嵐によって、毅然とした表情が刻まれている。
「俺に何か用かい?」




「あんたが、この造船所の店主かい?」


 クリント

「クリントだ。
若い頃は、でかい船に乗って海を駆け回る船乗りだった。だが、それも過去の話だ。俺が思うに、世界中の何もかもが、少しずつ退屈になってきちまっている」




「へえ、そりゃ、どういう意味だい?」


 クリント

「じきに、モンスターは全部死滅して、世界中が信頼と価値と協力の元に一緒になっちまうのさ。フェローシップの奴等が言うようにな。
ケッ!俺は、お互いに戦い合ってた過去の世の中の方が、マシだったと思うぜ」




「あんたは、波乱万丈を求めるタイプなんだな。まあ、その気持ちは分からんでもないよ。何事もなかったら、俺もこのブリタニアに居られないからな。
そうそう、ところで、船について聞きたいんだが…」


 クリント

「船が必要なら、いいのを持ってる。こいつで漕ぎ出すなら、六分儀も必要になるぜ。
『ザ・ビースト』号の権利証は800ゴールドだ。買うかい?」




「そこに泊まってる、タコの足みたいな船首像の船のことか…?奇抜なデザインにも程があるだろう」







「残念だが金が無いし、聞きたいのはそのことじゃない。クラウン・ジュエル号という船が、ここに来なかったか?」


 クリント

「『クラウン・ジュエル』号がブリテインに来たかって?いや、ここんとこでは来てねえな…確かに来てねえはずだ。俺が覚えてるかぎりで、『クラウン・ジュエル』号は、長い間ブリテインには来ていなかったと思うぜ」


クラウン・ジュエル号は、まだブリテインの港には来ていないようであった。
アバタール達がトリンシックの町を出る前に出航したはずなのに、まだ着いていないというのは、何かおかしい気がする。
とりあえず、来てないものは仕方がないので、他に有力な手がかりを探すことにした。








「さて…どこに行ったものかな…これだけ色々あると迷ってしまう」




「しっかし、ここには相当な数の住民が住んでそうだな。皆、このアパートみたいな狭い部屋に暮らしてるのか…。本当に、ただ寝るためだけの部屋って感じだ」







「うーん…先にロード・ブリティッシュに会いに行くべきか、この町の住民と1人1人話してみるべきか……」




「考えるのも面倒だから、適当な建物に入ってしまおう」







「あれ?ここは何の店だ?」


 キャンディス

実際の年齢よりも、かなり若く見える、輝かしい女性だ。
「ああ、お噂は聞いております!アバタールご本人ですね!あなたがブリテインへ来ているという話が広まっております。
私はキャンディスと申します」
彼女は明るく言った。

「アバタール、あなたにお会いできて光栄です」
彼女は会釈をした。




「えーと…あなたは一体…?」


 キャンディス

「王立博物館の館長をしております。展示品について、お気軽にお尋ねくださいませ。残りの時間は、フェローシップで働いております」




「あ、ここは王立博物館か!懐かしいな」


 キャンディス

「ずっと昔からブリテインにある施設です。中には歴史的な遺物や、芸術的な工芸品などが展示されています。
ただいま、あなたも興味を持たれるような特別展を開催しております。『アバタールの遺物』展です!」




「ほう…俺の遺物展とは…なんだか複雑な気分だ」


 キャンディス

「ええ、あなたはきっと、全てご存知のはずですわ。正真正銘の本物と見られています。中には銀の角笛に8つの石などがあります。この石は転送の際に用いられていたようです」




「うわ〜、ウルティマ4の時代の遺品じゃないか!よくそんな物が残ってたな」







「正面にあるのが、ガーゴイルとの調停に使った2枚のレンズで、横に並んでるのが8徳のルーンか…
お、奥の部屋には俺の石像とアンクも置いてあるぞ。でも、ここにレンズがあるってことは、もう誰もコデックスを見てないってことか?」









「こっちには8つの石か?これをダンジョンから見つけ出すのに苦労したこと…」


 キャンディス

「もし、魔術師達が今日のように気が変になっていなかったら時代、彼らも『リコール』のスペルを唱えてブリタニアの特定の場所にテレポートしていたでしょう。彼らは『マーク』のスペルを唱えて、テレポートの場所を指定できたようです。ですが、そのような力は、もう無いかと思われます」


 イオロ

イオロが君に囁いた。
「おい、アバタール、俺が盗みを許さないってことは知ってるよな。だが、この石は俺達にとって有用な物だと思う。博物館が閉館してから、もう一度来るべきだろう。俺の言ってる意味が分かるかい?つまるところ、これらのアイテムは建前的には、あんたの物だってことさ!」




「…え?それってつまり……おいおい、困るなイオロ君。建前はそうでも、実際そうはいかない事もあるじゃないの。
まあ、お前がどうしてもって言うんなら、俺も仕方なく行動に及ぶけどさぁ…」


 キャンディス

「ブリタニアの誇る芸術家が、博物館に作品を寄付してくださっています。ワトソン、リチャード・フォックス、ランディ・フランク、グレン・ジョンソン、デニス・ロウバー、などのブリタニア全土の芸術家の作品をご覧になれるでしょう」




「おっと、聞かれたらマズイ…。そういえば館長さん、あんたフェローシップに入ってるって言ってたっけ?」


 キャンディス

「毎晩、ホールで会議をしています。あなたも、お越しになってください!
あなたは、これより全てを知るべきです!夜のミーティングにて、あなたにお会いしたいと思います」




「ミーティングねぇ…まあ、一度行ってみるつもりだ」


 キャンディス

「フェローシップで、高いレベルに達したいと思っています。『声』を聞きたいのです。私の最終目的です。
ご存知ですか?フェローシップのメンバーとなって長い者には、『声』を聞くチャンスがあるのです。思うに、それは夢で見るような…何かに集中している時に聞くような男の声です。その声は、教え導いてくれます。私はまだ聞いたことがないので、私より先に進んでいる人から聞いたことを、お話しています」




「声…」


 キャンディス

「フェローシップは、私に人生の大いなる目的を授けてくださいました。新しい友人も見つかったし、恋も見つかりました!」
彼女は噛み締めたように笑った。

「あら…!秘密を喋ってしまいました!話すつもりはなかったのに。どうか、お忘れになってくださいませ」




「その秘密は聞き捨てなりませんな」


 キャンディス

「秘密ですって?私には秘密は…ございませんわ!口がすべったのです。このことは誰にもお話できませんわ。市長と私が…ということが知れてしまったら…きっと、いえ、おそらく…オホン、その…私が言ったことは忘れてくださいますか?」
キャンディスは赤くなって、そっぽを向いてしまった。




「えーと、もしかして不倫ですか……?なかなかやるなぁ……」




 




「そろそろ日が暮れそうだ。店も閉まってしまうから、探索はまた明日にして、ここらで夕食にしようか」




「じゃあ、さっき買った肉の燻製でも食べよう。パンは1つだけしかないからジャンケンな」







「飲物がないから、バケツで井戸水を汲んで…ほら、みんな座って」


 イオロ

「……」




「おいおい、冗談だよ、冗談。そんなに睨むなって。じゃあ、そこの酒場の中で食べよう。それでいいだろ?」


 スパーク

「……」




「やれやれ……しかし、野原で焚き火を囲んでの食事と、路上で街灯を囲んでの食事は、何でこうも違うものだろうか…」







「うお!凄い混雑だ!ちょうど夕食時だもんな〜」




「よいしょっと…隣、失礼しますよ」


 ショーン

幼い顔立ちだが、多くの物を見てきたであろうジロジロとした目を持つ男だ。




「どうも、こんばんは。お話でもしながら、一緒に飲みましょうや。えーと、お名前は?」


 ショーン

「ショーンと申します。
フェローシップの事をしていない時は、このブリテインで宝石職人をしております。お買い求めの際は、お申し付けください」




「へ〜、宝石職人か。大変そうな仕事だね」


 ショーン

「とても繊細な仕事です。少数の者のみが持つ特別なタッチが必要となります。どのようにして、高価な材料が扱われているのかを、まさに知るべきでしょう。優れた職人のみが宝石職人となることができ、高価な報酬を得られるのです。
特別な宝石を作るため、私はいつも新しい材料を必要としています。いつもはジェムを買うためにマーケットに行きます。これらを売ってお金にしたい時に、この事を思い出したら、私の所へお越しください」




「宝石商ってのは、そんなに儲かるのか。まあ、金持ちのための商売だしな」


 ショーン

「あなたにお話したように、優れた職人のみが宝石職人になれます。そして、私は優れた宝石職人です。お話しませんでしたかな?」
ショーンは鼻であしらった。

「私の仕事は、造幣所よりも儲かりますよ!」
彼は力強く笑った。




「…そういえば、あんたもフェローシップのメンバーなのかい?」


 ショーン

「フェローシップは、将来あなたを良くすると思っておりますよ」
彼は見下すように笑った。

「フェローシップに加入されるのなら、もっと詳しくお話しましょう。
お望みならば、フェローシップの思想をお話いたしましょう」




「ああ、あれか…トリンシックの支部で聞いたな…いや、今は結構だよ。食事中だし…」


 ショーン

「私は、ここブリテインに全ての商売を移しました。フェローシップの本部の近くに行くためです。私がフェローシップに入ってから、どれほどに商売が繁盛したか、ご想像もできないでしょう」




「へぇ〜、熱心なんだな、商売にもフェローシップにも……。
では、他の人とも話してみるとしよう。どうも、お邪魔しましたね」


 ショーン

「上手くいくことを願っておりますよ」
シーンは笑った。




「次は、こっちの人に話してみるか…やあ、はじめまして!」

 グレイソン

抜け目なさそうな男だ。
次なる客を見つけたかのように微笑んだ。

「私はグレイソンと申します。謙虚で正直な男です。
ここブリテンで、一番上質な防具と武器を販売しております。空いた時間はフェローシップのために使っております」




「(またフェローシップ!)へ…へぇ〜、ここはフェローシップのメンバーが多いんだな」


 グレイソン

「フェローシップは、私の人生で非常に有益なものです。加入する前、私の商売は崖っぷちでした。しかし今では、これまでよりも非常に繁盛しております。
私は、決して先行き十分ではありませんでしたし、商人として成功するほど積極的ではありませんでした。しかし、フェローシップが、私の全てを変えてくれたのです。
生活に『内なる3つの力』の考えを取り入れてからというもの、人生に設定した目標を成し遂げました。私の防具と武器の店は成功し、フェローシップという居場所も見つかりました。
ご覧のとおり、私の失敗は、全て私の悪い態度が原因だったと確信しています。私の思考を変え、正しい方向へ向かわせてくれたのは、フェローシップの教えです」




「な、なるほど……随分と苦労したんですな…。
そういえば、露店のフィッシュ&チップス売りも、フェローシップに入ってから商売が繁盛したとか言ってたな…。思い起こせば、今まで出会った人でも、商人層にメンバーが多い気がする…。
商人が少なく貧しい人の多かったポウズでは、メンバーは少なかった……ふーむ、これには何か関連があるのだろうか…」




「まあ、いいや。じゃあ次は……
ん…?おい、そこにいる男は……!」





 シャミノ

古き友人のシャミノが、君の前に立っている。
君は、彼がいわゆる「中年」と呼べるほどになっていることに驚いた。



「おい、えーと、お前は…!」


 シャミノ

君の友人は、慌てているのではないかといった感じで君を見た。
「シャミノだ。シャ・ミ・ノ」




「おいおい、こんな所で会えるとは…!それにしても、お前は随分と落ち着いてるな。イオロなんて取り乱してたのに…」


 シャミノ

「何があんたをここに連れて来たのかを、是非とも教えてくれないか?」




「ん?それは、まずトリンシックで、かくかくしかじか…」


 シャミノ

シャミノは、君の話を聞いた。
「俺は、あんたに加わって、この事件の調査を手助けしたいと思う」




「それはありがたいが…お前、今は何をやってるんだ?」


 シャミノ

「あんたと一緒に冒険に出たいと思っている。俺はブリテインをぶらぶらするのに疲れてしまった。我々が成さなければならないことは、多くある!そうだろう?」




「いや、そうだけどさ…その…何してるんだよ?」


 シャミノ

「俺は最近では、仕事を探すためにブリテインで暮らしているんだ。知ってのとおり、冒険なんてものは、そう頻繁には訪れない。そうなると、別の気晴らしを探さないとならないだろう。そうだ、思い出した。あんたの懐中時計を預かっているんだ。あんたが最後にブリタニアへ来た時に忘れていっただろう。これだよ」
シャミノは君に懐中時計を手渡した。




「あ、俺の時計だ!やった、これがあれば、いつでも時間が分かるぞ!
……いやいや、それより、お前その…無職なの?毎日1人で、こんな所で飲んだくれてるのか?」


 シャミノ

「昔の友人には、そう頻繁には会わないし、ロード・ブリティッシュも、俺に仕事探してくれることは稀だ。だが俺は、もう飲んで買っての毎日は過さない。俺は大人になったんだ、少しだけな」


 イオロ

「ほう、俺は女優の話を聞いたことがあるんだが…勘違いかな?」


 シャミノ

「なんで、あんたがその事を知ってるんだ!?」


 イオロ
「アバタール、こいつに『アンバー』のことを聞いてやってくれよ」


 シャミノ

「イオロ!このお下劣野郎め!」




「そういえば、そんな話を少し聞いたな…アンバーってのが彼女なのか?」


 シャミノ

彼女の名を口にすると、彼の目が輝いた。どうやら、すっかり惚れ込んでいるようだ。
「彼女は女優だ」




「わ…わかったよ……じゃあ、取りあえず一緒に行こうか…」


 シャミノ

シャミノは安心したかのように見えた。
「そう言ってくれて、本当に嬉しいよ!」
彼は道具を揃えて、君に着いて行く準備をした。




「でも、お前……昔は『森のように静かなレンジャー』だったはずなのに、随分と変わったというか何というか…
冒険の旅なんかより、働いた方がいいんじゃないの?彼女がいるんなら、なおさら…」



こうして、ブリテインのブルーボア酒場で、旧友のシャミノが仲間に加わった。
なんだか、すっかり駄目人間みたいになっていたが、これでもかつての英雄の1人である。

それにしても、このブリテインは本当に広く、とても一回の来訪では全ての住民と話しきれないだろう。
この町には、今後何度も来ることになるだろうから、少しずつ会話を進めていこうと思う。



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