Ultima 7 プレイ記録 05 窃盗犯人



「一向に手がかりが掴めないから、モーフィンの家も調べてみるか。あいつは盗難事件の被害者だが、どうにも怪しいんだよな…。
ん…?タンスの中に、文書が入っているぞ」








「『ブリタニアをキレイにしよう ― ― ガーゴイルを送り返せ! ブリタニア清浄連盟』……」 




「む、植木鉢の下に、鍵が落ちていたぞ。これはきっと、アンドリューが言っていた、屠殺場の鍵だな。事件の手がかりが見つかるかもしれないから、一応持っておくか。徳が下がらないか心配だが、イオロもスパークも何も言わないから大丈夫だろう」


イオロからは、ガーゴイル族はブリタニアの社会に溶け込んだと聞いたが、やはり、そう上手くはいっていないようだ。
そもそも、見た目があれだけ違うのだから、人間には簡単に受け入れられないとは思うが、こういった形で目の当たりにしてしまうと、より切実に感じる。
とりあえず、手がかりになりそうな鍵も手に入れたので、もう少し調査を続けてみることにした。






「さて…それでは、他の住民の所持品も改めてみるかな……。シルバーサーペントの毒液は、どこにでも隠せるような物って聞いたし、意外な所からブツがみつかるかもしれん」





フェリドウィン

「おお、アバタール!お知らせがあります!」




「ど…どうしたんだ?俺が鍵を失敬したのがバレたか…?」


フェリドウィン

「我が息子ギャリットから、トビアスがシルバーサーペントの毒液を所持してるということ聞きました。そして私は調べに行き、トビアスの部屋で毒液を見つけました」




「なんだって!?」


ブリタ

「本当ですよ!フェリドウィンの言うことが真実だということは、私も目撃しました!」


フェリドウィン

「常日頃から言っていますが、トビアスは不良です。ここに証拠があります。彼は、我々の正しき商人を食い物にした泥棒です!
私は、彼を息子と引き合わせるつもりです。フェローシップの道を踏み外した若者が、正しき礼儀を学んでくれれば、と思っています」




「あの農場の子供が…!」


フェリドウィン

「一度、彼の母親と話してみてください。あの女、カミルは、自分の子を厳しく躾けるべきです!」


ギャリット

「トビアスが毒液を盗んだことは、言うべきではなかったのかもしれません。ですが、彼は良くない事を企んでいるようです。
まあ見ていてください、彼はきっとロクな結末になりませんよ」




「とりあえず…トビアスにも話を聞いてみるとしようか…」


 



カミル

「アバタール!私の息子トビアスが、何かの間違いで告訴されてしまいました!息子は泥棒ではありません!
彼の持ち物から毒液の小瓶が見つかっただなんて、信じられません!これは、何か仕組まれた計画だと思います!
お願いします、どうか息子の汚名を晴らしてください!息子は悪事など働いたことがありません!」




「まあ、落ち着いて、話を聞かせてくれ」


カミル

「トビアスが、父親がいないことで苦しんでいたことは知っています。私は持てる全てを尽くしてあの子を育てたつもりですが、農場の経営には多くの労力が要るから、あの子に十分な時間を割けなかったのかもしれません。ですが、あの子が泥棒などしないことは、心から分かっています!
もう一度、モーフィンとお話してみてくださいませんか?彼なら、あの汚らわしい物を使用した時の兆候を知っています。村の中で、誰が使用したのかが分かるかもしれません」




「トビアス…お前は本当にやっていないのか…?」


トビアス

「僕は盗まれた毒液なんて、何も知らない。なにかの間違いだ!
そうだよ、ギャリットがやったんだ!そうさ、別の日に僕が外に出ている時に、あいつが僕の部屋に入ったんだ。あいつはボールを探しに来たって言ってたけど、僕は信じない。
あなたが僕を信じようが信じまいが、そんなことは気にしない。でも、あなたが本物のアバタールなら、僕が真実を言っているってことが分かるはずだ」




「(確かに、この親子は嘘をついているような素振りはない…とすると、カミルの言うように、一度モーフィンにも確認した方が良さそうだな。
あの薬には、強い副作用があるって聞いた…何らかの兆候が出ている人がいるかもしれない…)」









「…ということで、トビアスの持ち物からサーペントの毒液が見つかったらしいんだが、あんたはどう思う?」


モーフィン

「トビアスが毒液を盗んだのかは分からない。俺は毒液を使った時の兆候に詳しいが、見たところトビアスには兆候が全く見られないんだ。
だが…今にして思うと…最近、ギャリットが著しく疲れた様子だった。彼は、一時期は落ち着きがなかったが、次は健康を損なっているみたいだ…」




「やはりか…」


モーフィン

「ギャリットの所持品を調べてみてくれ!思い起こせば、彼が屠殺場の近くで遊んでいたのを見たことがある。
これは、彼が落とした鍵だ。多分、何か手がかりになるものを開けられると思う」




「ギャリットが落とした鍵か……これがあれば、ギャリットの部屋にあった箱を開けられそうだな」










「箱が開いた……中に袋が入っているぞ!」


 



「あった…ベノム(毒液)だ…!ギャリットの持っていた鍵でしか開けられない箱の中に入ってるということは、他に犯人は考えられん……
彼を問い詰めてみるか……」






ギャリット

「ニャー、ニャー …… つかまえた!おまえが鬼だ! …… 僕は捕まらないぞ! …… 捕まえられるものなら捕まえてみろ!」




「おい、ギャリット…少し話がある…おまえの持ち物の中から、この毒液が見つかった……」


ギャリット

「……見つかっちゃったのか!…そうさ、トビアスに毒液を仕掛けたのは僕だよ。あいつは報いを受けるべきだったんだ!
ねえ、お願いだから、僕の両親には言わないでよ!」




「…なぜ、こんな事をしたんだ?」


ギャリット

「トビアスを責めるために、モーフィンから毒液を盗んだんだ。
どうしてモーフィンが、これを持っていたのかは知らないよ。僕が知ってたのは、これが貴重な物で、盗まれたら皆が困るだろうってことだけさ」

ギャリットは君と目を合わせようとしなかった。
君は、彼が真実を話しておらず、毒液を使用した可能性が非常に高いことが、直感的に分かった。




「……」


ギャリット

ギャリットは足をそわそわと動かし、しかめ面をした。
「うん…一回だけ試したんだ。ごめんなさい…もう二度と使わないよ」




「なぜ、トビアスに罪をなすりつけた?」


ギャリット

「トビアスが窃盗の容疑をかけられたら、皆が気付くと思ったんだ。あいつの母親も、あいつもフェローシップに入った方がいいってね。そうすれば生活が改善さ
れて、自身について真実を知ることができるからね」




「そうか…今回のことは、君の両親にも話しておくからな」


ギャリット

「両親に話すつもりかい?
だけど、僕はあなたと同様に、フェローシップのメンバーだ。僕がしようとした事に『協力』するべきじゃないのか!?」




「残念ながら、俺はフェローシップのメンバーではない」


ギャリット

「おまえは個性の力が弱い奴だ!そうでなければ、僕のしようとした事を理解できるはずだ!」




「……先にシェルターへ行ってるぞ」







フェリドウィン

「ギャリットの所持品から毒液を見つけたですって!?そんな!馬鹿な!」




「これが、彼の部屋の鍵のかかったチェストから見つかった毒液だ。ギャリット本人も認めていた」


ブリタ

「ギャリットが、毒液の瓶を盗んだことを認めたですって!信じられません!あなたの言うことなど、聞きたくもありません!」 


フェリドウィン

「あなたは、私の息子が毒液を盗んだことを認めたとおっしゃるのですか!?何と言ったらよろしいのか……。
アバタールよ、真実を暴いてくださり、ありがとうございます…。
あなたは機知に富んだ方だ。だが不幸なことに、あなたの発見で、私の心は大変に乱されてしまった…」




「ギャリットのことだが…あんたは、どうするつもりなんだ?」


フェリドウィン

「息子に、この地域の下層民から物を盗むというような悪習を二度と起こさせないよう、厳しい躾をすることを、お約束します」


ブリタ

「私の息子が嘘つきで泥棒だと言うのですか!?そんなことを信じるものですか!」




「しかし、それが真実なんだ。これで、トビアスにかけられた容疑も晴れて、この事件は全て解決だ」


フェリドウィン

「トビアス自身が毒液を盗んでいないということは、問題ではありません。彼から受けた堕落的な影響によって、息子は泥棒などしてしまったのです。
トビアスの行いは、まさに犯罪です。私はトビアスを許しません」




「……」


フェリドウィン

「ありがたいことに毒液盗難の事件は解決いたしました。あなたの努力に感謝いたします。このことを息子と話します。これ以上、この話題を我々には持ちかけないでください」


ブリタ

「あなたが言うことは皆、私の息子を罠に嵌めようとする陰謀です。あなたがこの町に来なかったら、こんな出来事は起こらなかったのに!」




「…俺は、この盗まれた毒液をモーフィンに返してくるよ」







モーフィン

「泥棒を見つけ出し、サーペントの毒液を返してくれて、本当にありがとう。それじゃあ、ギャリットが犯人だったんだな?まあ、色々思い起こした今となっては、特に驚きはしないよ。これからは、毒液は近くで管理しておくことにしよう」




「ああ、危険な物だからな、もっとしっかり管理しておいた方がいいだろう。それと…」








「あんたの家に落ちていた鍵で、そこの扉を開けて中を調べさせてもらったが、金と毒液と一緒に帳簿が入った箱があった。
少し見させてもらったが、あんたは、この毒液を薬剤師以外にも売り流してるみたいだな」


モーフィン

君は、モーフィンに帳簿を見たことを話した。
「待ってくれ、アバタール!確かに、別の所で薬剤師以外にシルバーサーペントの毒液を売っていたことは認める。だが、俺の行為は、明確に法に触れるものではないぞ!」




「あんたは、この劇薬をどこから入手しているんだ?」


モーフィン

「ブツは、バッカニアーズ・デンの旧友から入手したんだ。彼らがどこで入手したかなんては、分かるわけないだろ?」




「法に触れないと言ったが、どういうことだ?」


モーフィン

「俺は、ブリタニアン・マイニング・カンパニーとの公な契約書を持っている。彼らは、ガーゴイル達を長時間働かせるために、それを使っているんだ。
ガーゴイル達は、シルバーサーペントの毒液に強い耐性を持っているみたいだからな。哀れな悪魔達だよ…」
彼は、自身の悪趣味なジョークに、ニッと笑った。




「ガーゴイルを強制労働させるために麻薬が使われているだと……」











カミル

君は、ギャリットが真犯人でトビアスは無実だったということを、カミルに話した。
「私達の町の泥棒を探し出し、息子の汚名を晴らしてくれたことに感謝いたします。アバタールが再び我らの前に現れ、ブリタニアの人々を、このポウズ地域の問題を解決してくれたのを見て、私の心は晴れやかです。もう一度、御礼を言わせてください。ありがとうございます」


トビアス

君はトビアスに、ギャリットが犯人だったことを突き止めた経緯を話した。
「ありがとうアバタール、僕が犯罪者じゃないと信じてくれて。あなたが本物のアバタールかどうかは分からないけど、あなたは確かにアバタールの道を歩んでいると思う」




「この村で生活するのは大変かもしれないが、これからも挫けずに頑張ってくれ。
……では、行くとしようか。この道を北に進めば、すぐにブリテインに着くはずだ」



これが、ポウズの村で起こったシルバーサーペントの毒液盗難事件の顛末であった。
しかし、盗難事件の犯人は判明したものの、根本的な問題は解決していないように思える。
このブリタニアの社会や人々に巣食う闇は相当に深い。
きっと、それを解決するのが今回の旅の目的なのだろう。

この街道を北に進むと、間もなく首都ブリテインに到着する。
まずはロード・ブリティッシュに会い、ブリタニアに何が起こっているのかを知らなくてはならない。













ちなみに、ソルティー・ドッグの酒場の女将ポリーに求愛をすると言っていた水車小屋のサーストンは、夜になると酒場に向かう。
しかし、入口付近をウロウロするだけで、なかなか店に入ろうとしない。
やっと入ってカウンターで1杯注文したと思ったら、すぐに店を出て、また入口をウロウロしだす。
彼が幸福になれる日は、まだまだ先のようだ。




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