Ultima 7 プレイ記録 04 救貧院

引き続き、ポウズの村で起こったシルバーサーペントの毒液盗難事件の調査を進める。
次は、フェローシップの経営するシェルター(救貧院)へと向かった。




「お?そこにいる少年は、もしかしたら…
おーい、ちょっといいかい?」


 


ギャリット

陽気な少年が、君に親しげに挨拶をした。
「僕はギャリットです。フェリドウィンとブリタの息子です。
シェルターを経営している両親の手伝いをしています」




「やはり、そうだったか。ということは、フェローシップの…」


ギャリット

「いつかはフェローシップのカウンセラーになりたいと思っています。もしくは、ホイッスル・パンパイプのプロ奏者ですね。
僕は小さい頃からパンパイプを演奏しているんです。自分で言うのもなんですが、今や大したものですよ!
パンパイプはベッドの傍に置いて、毎晩寝る前に練習しています」




「小さいのに、やけに賢そうな子だなぁ…。家族でシェルターの仕事をしているのかい?」


ギャリット

「父はポウズで、貧しい人々の手助けをしています。彼らを勧誘しようとしていますが、断られてばかりですね。
僕の父は、ここに異動させられるまでは、ブリテインのリクルート部長でした。ここに来て、いかにフェローシップが時間の損失をしているかという話を、かつて母にしているのを聞いたことがあります。
僕はこの町が全然好きではありません。ここの人々は皆貧しいし、僕と同じ年頃の子供はトビアスしかいません」




「確かに、貧しい人の手助けは、なかなか大変な仕事だろう。このポウズの村には他に何もなさそうだし、子供にはつらそうだな。
そのシェルターについて、ちょっと教えてくれないか?」


ギャリット

「シェルターに入居をご希望ですか?ベッドはまだ十分にありますよ」
彼は見下すような口調で言った。




「いや、そういうわけじゃないんだ。まあ、詳しい話は父親にでも聞いたほうがいいかな…。
ところで、同じ年頃の子供のトビアスとは、仲良くしてないのか?」


ギャリット

「彼と、彼の母親はフェローシップを拒みます。彼らは愚かです。僕は彼らのことは好きじゃないですね。
父はこう言っています。『内なる3つの力』には個性の力が求められるから、貧しい人々はフェローシップを拒むのだと」




「どういうことだい?」


ギャリット

「父はこう言っています。貧しい人々は個性の力が弱いから、貧しいのだと。彼らは単に怠け者だから働かないだけです。
あなたも、そう思いませんか?」




「いや少年、そう決め付けるのは良くないぞ。まあ、中には、そういう人もいるかもしれんが」


ギャリット

「フン、あなたはフェローシップのメンバーですが、認識不足のようですね。フェローシップの教えをよく理解していないようです。あなたも個性の力が弱い人のようですね」




「……その、フェローシップについて教えてくれないか?」


ギャリット

「僕はメンバーであり、フェローシップのために勧誘活動をしていることに誇りを持っています。
あなたが知るべき事の全てを、教えてあげますよ。思想については、僕はとても詳しいですよ。
我々は『内なる3つの力』に従って、失敗を気にせず、少しずつ減らしていくのです。
あなたも加入したいですか?」




「……加入するには、どうしたらいいんだ?」


ギャリット

「また勧誘したぞ!」
彼は喜んだ。

「今すぐ、僕の父と話してきてください!」




「……では、彼の父親からも、話を聞いてみようか」








「ここがシェルターだな。中にベッドがいっぱい置いてある」


フェリドウィン

斜めに傾いた姿勢の小男だ。
彼は君に話しかける前に、ジロジロと見回した。

「フェリドウィンと申します。
妻のブリタと、息子のギャリットと一緒に、このポウズでフェローシップのシェルターを経営しています。
アバタール様、我らが謙譲の町にようこそお越しくださいました。フェローシップが、ブリタニアの不幸をどれほどに軽減しているかを、存分にご覧になられるでしょう」




「そう、そのフェローシップなんだが……」


フェリドウィン

「加入をご希望ですか?
では、ブリテインのバトリンにお会いなさい。彼はフェローシップの創設者です」




「なんだ、結局ブリテインに行かないと、詳細は分からなそうだな。
では、この村で起こった盗難事件について、何か知っているか?」


フェリドウィン

「泥棒は、いまだに逮捕されていませんので、気をつけてください!
何故あのような品を欲しがるのかは、私には分かりません。健康には良くない物だと思いますが」




「うーん、こっちも、あまり情報は無しか……
そういえば、さっき、息子さんに会ったよ。奥さんも、ここにいるのかい?」


フェリドウィン

「妻のブリタは素敵な女性ですよ。是非、お会いになってください」


ブリタ

「うちの亭主は、お世辞が上手だわ。フェローシップでの仕事が、私達を引き合わせてくれたのです」


フェリドウィン

「ありがたいことに、私達はフェローシップの教えを守っていたことで、ちゃんと子供を授かりました。ギャリットは、周囲の貧困に染まることもなく、賢く、多感で、道徳的にも優れている子供です。才能もありますよ!
ギャリットは、彼くらいの年の子供にしては、ホイッスル・パンパイプを大変上手に演奏します。私もブリタも大変誇らしいことです。成長したら、ブリテインの音楽院に進学できるでしょう」




「そうか、順調そうで何よりだ。最近は仕事の方は、どうなんだい?」


フェリドウィン

「ここは全ブリタニアで唯一の、救貧の場所です。つらい仕事ですが、人は報われたいと思うことには努力するものです。
私達家族は、この小さな町では権利もプライバシーも少ししかありませんが、この町の皆さんが、とても良い人達ばかりだということを知りました。
ここの人々については、よく知っています」




「そういえば、この夫妻は、村の住民について詳しいって、屠殺場のモーフィンが言ってたな…。
盗難事件の調査も兼ねて、情報を聞いておこうか」



フェリドウィン

「どなたについて聞きたいですか?


**ババーレア :
彼女は、ほぼ盲目の年老いた女性です。川の東側でアンティークショップを経営しています。

**アリーナ :
彼女の夫は、現在はブリテインのどこかにいます。私は詳しいことは知りません。彼女には小さな子供がいます。

**サーストン :
サーストンは水車小屋のオーナーです。彼は、もう少し利益を考えて商売をすれば良いと思うのですが。

**カミル :
彼女は哀れな女性…未亡人です。彼女は過去の風習に生きています。幸運なことに、彼女の夫は、稼ぎになるような農場を残していきました。

**メリック :
フェローシップにて人生を好転させた、すばらしい事例です。現在、彼は我々のシェルターで暮らしています。

**モーフィン :
モーフィンは、賢く熱心なフェローシップメンバーです。彼は屠殺場を経営しており、また毒液を盗まれております。

**アンドリュー :
アンドリューは、とても幸福な若者です。彼には悩み事や問題事はありません。

**トビアス :
この地域の悪童です。普段は、私は息子のギャリットに、あのような問題児との関わりを持つことを禁じています。しかしフェローシップでは、あの子の寛大なる親のようになれと教わっています。あの悪童も、私の息子と関わりを持つようになれば、いくらかマシになるかもしれません。まあ、どうなるかは分かりませんがね。

**フェン :
フェンは、フェローシップからのあらゆる援助を拒む乞食です。痛ましいケースですね。以前に彼の友人であったメリックでも、彼を救えません。

**コモル :
コモルは、私が出会った中で最も忌み嫌うべき人物です。彼は皮肉の塊ですね。いつだって、コモルは私に口を聞こうともしません。ちんけで薄っぺらな侮蔑ですよ」






「色々ありがとう。じゃあ、他の人とも話してみることにするよ」


フェリドウィン

「あなたがフェローシップと共に歩まれますように」




「あそこにいるのが、フェリドウィンの奥さんだな」


ブリタ

厳格な表情の女性が、笑いもせずに君を見つめている。

「こんにちは、アバタール」
ブリタがそう言ったのが聞こえた。




「やあ、旦那さんから、だいたい話は聞きました」


ブリタ

「夫は素晴らしい人です。無私無欲で身を捧げて町の貧民を助けています。彼らは良く分かっていないようですがね。
夫はまた、熱心なフェローシップメンバーでもあります」


フェリドウィン

「妻の自慢を真に受けないでくださいよ、アバタール。私は、出来る事をやってるだけの人間ですよ」




「いやいや、仲睦まじいようで結構ですな。やはり、仕事は大変かい?」


ブリタ

「私にとっても、夫にとっても、シェルターの経営は大変な仕事です。しかし、我らより不幸な者を救済する努力は、価値あるものです」




「最近の村の事情については、何か知っているか?」


ブリタ

「私達は、ポウズで起こっている出来事を、全て聞き知っています。私が知らない事でも、夫が知っています。誰について知りたいですか?」




「そうか、じゃあ情報収集させてもらうとするか」


ブリタ

「他人について知ろうとすることは、良いことですよ。


**ポリー :
彼女は庶民の居酒屋を経営しています。彼女は孤独を感じており、彼女のことを必要としている人などいないと思い込んでいます。彼女のことを思うと悲しくなります。フェローシップに加入したならば、彼女の求める仲間が得られるというのに。

**カミル :
カミルは農場の未亡人です。彼女は8つの徳という過去の風習を信望しており、フェローシップのやり方に疑念をいだいています。ご存知の通り、こういった田舎町は迷信深く、彼らの法認識は誤っているものです。彼女は自分の息子のトビアスが、ならず者に育っているということも知りません!私の息子のギャリットとは大違いです。

**トビアス :
惨めたらしい男の子です。いつも、ふくれ面をしています。しかし、それは彼を正しく躾ける父親がいないからだということに、皆気付くでしょう。

**ギャリット :
ブリタは顔を輝かせた。「ギャリットは素敵な息子です。あの子はフェローシップの価値に従って育っています。あの子の素晴らしさは、報いを受けたものなのです」

**アリーナ :
可哀想なアリーナは、赤子と一緒にシェルターで暮らしています。彼女の夫は泥棒で、今は投獄されています。しかし私達は、彼女の人生を矯正し、フェローシップへの加入を認めるべきでしょう。ご存知のとおり、彼女はあまり賢くないので、自身の利益に気付いていません。注意深く指示していかなくてはなりません」






「ありがとう、色々参考なったよ。
アリーナというのは、あそこにいる女性のことかな」


アリーナ

農民の女だ。彼女の顔には悲しみが刻まれている。




「やあ、話は聞いたけど、ここで赤ん坊と2人で暮らしているんだって?」


アリーナ

「幸運なことに、私達はフェローシップの恩恵のおかげで生きてゆけています。ですが、ここに居るのを許される期間は分かりません…」  
このシェルターは、フェローシップのメンバーのためのものだと言います。私がメンバーに加入しないのであれば、ここから立ち去るように言われるでしょう。
でも、私には他に行く所がない…」 




「あんたはフェローシップのメンバーじゃないらしいな?」


アリーナ

「私達は、夫のウェストンがブリテインから戻って来るのを待っています」




「その…旦那さんは、いったいどうしたんだい?」


アリーナ

「夫は、王立果樹園で果物を盗んだ罪で、ブリテインで投獄されています…。
ああ、アバタール、夫は泥棒ではありません。彼は果物を買いに行ったのです。私は確信しています、夫は不当に逮捕されたのです!」




「なに?そりゃ、どういうことだ?」


アリーナ

「私の夫を告訴したのは、フェローシップのメンバーでした。彼らは今、私をメンバーに加入させたがっています。
私には分かります、夫は無実です!彼は果物を買いに行くつもりでした。どうして、私の言葉を聞いてもらえない組織に入らなくてはならないのでしょう…?」




「だったら、何故こんな所に…」


アリーナ

「私達はとても貧しいのです。どこにも行く当てがないから、このフェローシップのシェルターで生活しています。
でも、加入しなかったのならば、私と赤ん坊は、ここに居ることを許されないでしょう…
私は、夫を裏切ったという気持ちを持って、フェローシップに入ることはできません。どうして、夫を不当に告訴したような連中と一緒になれましょう?」

彼女はすすり泣き、手で顔を覆った。
「卑劣だわ、飢えか裏切りを選ばなくてはならないなんて…。ウェストンがいてくれたら…私には、どうしていいか分からない…。
彼らは、私が加入するのならば、夫の解放を試みると言っています。しかし、夫を不正に告訴したのは、彼らなのです。彼らのことは信じられません。
でも、私には選択の余地がない…」




「そうか…ブリテインへ行ったら、彼女の夫を探してみる必要がありそうだな」




「もう1人、このシェルターで暮らしてる人がいるんだったな。あの男か…」


メリック

しきりに瞬きをする神経質そうな男だ。苛立っているかのように君を見て言った。
「誰だ?」




「俺はアバタールという者だ」


メリック

「あんたは、とても悲惨な虫けらだな。意味もなくアバタールだなんて言うのは、気を引くための惨めな口実以外の何でもないぜ」




「な…なんだと、こいつ!」


メリック

「おっと、心からお詫びするよ、アバタール。あんたも気付いているだろうが、あんたが最後に訪れてから、自分こそが真のアバタールだと名乗る者が何人も現れたんだ」




「そういえば…町の人の反応に、いくつか心当たりがあるぞ……」


メリック

「俺はメリックだ。かつてはポウズの農民だった。今は、フェローシップのために働いている。彼らのシェルターで暮らしているんだ」




「あんたは、外の路上で暮らしている元農民の浮浪者達と友人らしいな」


メリック

「7年間の干ばつの時、コモルとフェンと俺は、貧困に陥ったんだ…

コモルは、かつてはブリタニア全土で有数の大農場を持っていた。裕福な家庭に生まれたんだ。農場を失ってからは、道端で寝るようになった。
ある夜、ゴロツキが奴から金を盗もうとしたが、奴は金を持っていなかったものだから、足が不自由になるまで打ちのめされた。とても悲惨な奴だよ。悲劇だな。
フェンは農場の労働者だった。そして、コモルの親友だ。農場が無くなって、フェンは行き先も生活する当ても無くなっちまったんだ。

コモルとフェンと俺が、他人のゴミを漁り、道端で眠るようになってから1年経った時のことだ。俺はフェローシップによって、人生が大きく変わったんだ。
俺はこの幸運を友にも分けてやろうとした。だが奴等は俺のことを嫌っているようだ。俺が奴等より上手いことやってるのが気に入らないんだろうな」




「彼らには、そんな経緯があったのか……
ところで、この村で起こった盗難事件について、何か知らないか?」


メリック

「モーフィンの毒液が、いくつか盗まれたらしいぜ。あの農民の未亡人のとこのガキ意外で、そんなことをするような奴は想像できねえな。たしか、トビアスって名前だ」 




「そうか……色々とありがとう。そろそろ行くとしよう」


メリック

「さようなら、アバタール」


たしかに、この救貧院シェルターを経営するフェリドウィンとブリタの夫婦からは善意を感じる。
しかし、色々と引っかかる点はある。
町の外で出会った2人の乞食からも聞いたとおり、フェローシップのメンバー以外には、敵意に近い感情を持っているように見られた。









「次は、この酪農場の隣の家へ行ってみるか」





アンドリュー

陽気でハンサムな若い男だ。君が進み出ると、親しげに手を振った。
「こんにちは、アバタール」




「あんたが、ここの主人かい?」


アンドリュー

「アンドリューといいます。このポウズの、酪農場のオーナー兼経営者です」




「シルバーサーペントの毒液盗難事件について、何か知らないか?」


アンドリュー

「なくなった毒液のことで、町中のみんながピリピリしていますよ。
毒液は、どこかに隠されているはずです。非常に隠しやすいので、町中のどこでも有り得ます。
その物質について、私は詳しいことは知りませんが、モーフィンなら、どんな効果をもたらすのかを知っているでしょう」




「ああ、それなら聞いた。麻薬のような物質らしいな。
それにしても、どうして屠殺場の主人が、そんな物を扱っているのやら……」


アンドリュー

「彼は四六時中、常に忙しそうです。時折、何かを運んでいるようですね。
2,3年前、彼はフェローシップに加わってからすぐに、あの屠殺場を買い取りました。私は、その前のオーナーを知っています。

子供の頃、初めてあの古い屠殺場に行き、オーナーの老人が私に貯蔵庫の中を見せてくれました。そこの扉は施錠されていましたね。
モーフィンの家のどこかに、その鍵があると思いますよ」




「やはりモーフィン自身も、ちょっと怪しいんだよな…。
まあ、何かと参考になったよ。どうもありがとう」


アンドリュー

「お役に立てたのなら光栄です、アバタール」




「さて…あとは、この店に行けば、ポウズの村は一通り見回ったことになるな」





ババーレア

年老いた女性が、祖母のように優しく微笑みかけてきた。
彼女は目が不自由だということが、すぐに分かった。
「こんにちは、アバタール。お会いできて光栄ですじゃ」




「シェルターで話は聞いたが、あなたは目が不自由らしいな」


ババーレア

「ババーレアと申します。ここポウズで、ハウス・オブ・アイテムズを経営しております。アンティークや、昔使われてた物を売っているお店ですじゃ。
お店をやってることで、若さと活動力を保っております。この町の貧しい人々に物を売るのは、元気付けられることですじゃ。
中古でないと、彼らには手にできないような品ですからの」




「どんな物があるんだい?」


ババーレア

「あたしのお店には、珍しいものが沢山置いてあります。こんなにお買い得は、ブリタニア中で、どこにもありませんよ。
ご覧になってくだされ…。揺りかご、木馬、鐘、砂時計、たんつぼ、リュート、六分儀…。
最近では、あたしがあんまり動けなくなってきたから、お客さんに、自分で欲しい品物を取ってもらっとります。
もちろん、最初にお金をいただいていますがの。あたしはほとんど目が見えませんが、村人達はちゃんと正しい金額を支払ってくれると信頼しております」




「目の見えない商人というと、ブリタニア黎明期の、盲目の秘薬売りを思い出すな…。まあ、俺は誠実の権化のような男だから、そのへんは心配しないでくれ。
しかし、見たところ、あまり旅の役に立ちそうな物はないなぁ…」


ババーレア

「この古い揺りかごは、ゴーン・ザ・バーバリアンが赤ん坊だった頃に使っていたものですじゃ。この側面に亀裂があるでしょう。ゴーンが腕白小僧だった証ですよ。
10ゴールドでお売りしますが、買いますかの?」




「いや…うちのスパークも、もう揺りかごは要らない歳だろう…」


ババーレア

ババーレアの顔に、すっぱそうな皺が入った。
「そうですか。他の物がお気に召すかもしれませんのう…」




「この鐘は、何だい?」


ババーレア

「これはユーの高等裁判所の鐘ですじゃ。法廷の時間になると鳴らされとったんです。
この興味深い逸話の鐘は6ゴールドで、どうですかの?」




「ふーむ…興味深いが、使い道がないな…」


ババーレア

「鐘って気分じゃないのかえ?」
彼女は唇に皺を寄せて笑おうとした。
「きっと他の物なら、あんたの胸に直撃じゃ」




「そうは言ってもなぁ……お、これは六分儀じゃないか」


ババーレア

「これは世界的な有名船大工、ミノックのオーウェンが持っていた物ですじゃ。彼の銅像を立てるべきだと、あたしは思います。
まあとにかく、これを売りに来た船乗りは、海で大変な困難を経験しておりまして、彼があたしの所に売りに来た時には、もう引退すると言っておりました。
彼は、この道具の価値を分かっていなかったみたいですじゃ。ですが、あんたには、これを20ゴールドでお売りしますじゃ。いかがですかの?」




「トリンシックで売ってた物より安いな。じゃあ買っておこう。これは、いずれ必要になりそうだしな」


ババーレア

「では六分儀をお持ちくだされ!順調な航海を!」




「他には……」


ババーレア

「たんつぼもありますじゃ。これは昔…多くの人に使われておりました。1ゴールドでどうじゃ?どうか、買ってくだされ!」




「んなもん、要るか!」


ババーレア

「あんたは1ゴールドも持っていないのかえ!?だったら、ちゃんとそう言いなされ!無駄な時間を費やしてしもうたわ!」




「このババア……ん?ここには、リュートもあるのか」


ババーレア

「このリュートは、旅のバードがサイコロゲームに負けて置いていった物ですじゃ。20ゴールドでどうかの?」




「イオロは吟遊詩人のくせに、何故か今回はリュートを持っていないから、買っておこうかな。
彼も俗っぽくなったものだよ。リュートの代わりに何故かソロバンを持ち歩いてるんだもんな」


ババーレア

「お買い上げ、ありがとうございますじゃ。ではリュートをお持ちになってくだされ。あんたは確かな目を持ったアーティストですじゃ」




「うむ。やはり、リュートの音を聞くと、ブリタニアって感じがするな」


イオロ









「じゃあ、買い物も済んだし、そろそろ行くとしようか。
この人は、盗難事件については知らないみたいだ。盲目じゃあ、目撃情報とかも期待できないだろう」


ババーレア

「さようなら、アバタール」


こうして、ポウズの村を一回りしたが、特に有力な情報は得られなかった。
しかし、浮浪者、フェローシップ、貧しい農民、怪しい商人、などなど、盗難事件を抜きにしても、この村は決して良い状態ではないみたいだ。









「ふう、捜査も難航してきたし、おやつでも食べて休憩にしよう」







「今日のおやつは、カミルの農園で買ったニンジンだ。ゆっくり噛み締めて食べるんだぞ」


イオロ

「……」




「(ボリボリ)パーティーの健康状態を気遣うのもリーダーの務めだ。今回は、定期的に食事を取らないと動けなくなってしまうからな」


スパーク

「……」




「あ、そういえば、女将のポリーさん!面白い話があるんだ。水車小屋のサーストンが、あんたにね……」


ポリー

君は、サーストンが彼女について言っていたことをポリーに話した。彼女は驚いて完全に上の空だった。
「サーストンは確かに、そう言ったの!?私はいつだって、彼のことが好きだった、でも本当のところは、私では彼と釣り合わないと思ってるわ!」




「あれ?これは、意外な反応…もしかして……」








「……って、ポリーが言ってたぞ」


サーストン

君は、ポリーがサーストンについて言っていたことを話した。彼は驚き喜んで君を見つめた。
「本当にポリーがそう言ってたのか!?俺が彼女にとって出来過ぎた人間だなんて、馬鹿げた話だ!」

彼は仕事を忘れ、興奮して周囲を歩き回った。
「何年もの間、俺は遠くから彼女に恋をしていた。すぐに、彼女に求婚しに行かなくては!
ポリーが俺の事を想っていてくれたことを教えてくれて、ありがとう!彼女のサインに気付けなかったら、俺は四六時中この汚らしい水車を回すような惨めな境遇だっただろうよ!これこそ、俺が欲しかったもの、人生を楽しむきかっけだ!」




「あらあら!どうやら、恋の橋渡しをしちゃったみたいだね!いや〜、こんなに善行ばかりしてて、いいのだろうか!」


多くの場合、こういった行為を現実世界で行うと、当事者の恨みを買うことになりかねません。
アバタールを目指す人は、注意深く観察して判断しましょう。



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