Ultima 7 プレイ記録 02 プロローグ 後編



「じゃあ、殺されたクリストファーの息子とやらを探してみるか。
北西って言ってたから、この辺だと思うが…」





スパーク

10代前半らしき少年だ。
彼は薄汚れて、だらしない服装であった。
泣いていたかのようだったが、すっと立ち上がって、君を鋭く見つめた。

「誰だ、何の用だ?」
君は、この少年が手にスリングを持っていることに気付いた。




君は、この少年に向き合って、自分が何者なのか告げた。


スパーク

「で?何か凄い人なの?」




「凄いもなにも、かくかくしかじか…」


スパーク

「あ、前に聞いたことがあるよ!イーオドンの谷からやって来た、原始時代の生物でしょ!」


イオロ

「おい坊主、この人はアバタールだ!この通り、君を助けに来たんだぞ!」


スパーク

少年は目を細め、君を観察した。
そして、それが罠だった時に備えて、ゆっくりと武器を下ろした。
君は、この少年が見知らぬ人と相対することに手馴れていることに感嘆した。

君とスパークは、お互い見つめあった。
彼がどんな意図なのかは分からない。
最後に、彼は頷いた。

「分かった、あなたを信じます。あなたは、僕が見たことのある肖像画みたいだ。申し訳ありません、アバタール」




「ふう、なかなか精悍な少年だ。君が、ええと…」


スパーク

「僕はいつもはスパークと呼ばれてるよ」




「そうか、スパークくん。お父さんについて、ちょっと聞きたいことがあるんだ。鍛冶屋だったらしいね?」


スパーク

「父さんはブリタニアで一番の鍛冶屋だった。いつだって、色んな人が、色んな所から色んな物を造ってもらいに来てたよ」




「君はここで何をしてるんだ?」


スパーク

「僕はまだ14歳だから、仕事はしてないんだ。でも、鍛冶で父さんを手助けできるように勉強しているんだ」

彼は誇らしげに言った。
しかし突然、恐ろしいことに気が付かされた。

「父さんは死んでしまった…僕は孤児なんだ!」




「お母さんはいないのか?」


スパーク

「母さんは、ずっと前に死んだ。母さんのことは、ほとんど覚えてない…」




「そうか……気の毒だが、事件について何か知ってることとかあるかい?」


スパーク

「父さんとイナモが死んだなんて信じられない。奇怪すぎるよ。何かの事故だったらって思うよ。
でも、とにかく…昨晩、僕は父さんの悪夢を見たんだ。夢の中で父さんが叫んで、そして目が覚めた。
家の中を探したけど、父さんはベッドにいなかった。それで、僕は完全に目が覚めて、父さんを探しに行ったんだ」




「悪夢というのは…どんな夢だい?」


スパーク

「馬鹿馬鹿しいと思うよ。でも、こんな夢だった…巨大な赤い顔の男が全てを見下ろして、それで…そいつが父さんに気付いたんだ…。
これが、僕が覚えてること全部だよ」




「巨大な赤い顔!それは……!いや………

…それで、その時、お父さんは見つかったのか?」


スパーク

「いや、父さんは見つからなかった。でも、少なくとも僕は何かを見た……。
僕は厩の前に行ったんだ。そして、建物の裏から、男と羽の無いガーゴイルが走ってくるのが見えた。埠頭の方に走って行ったよ。
そして、僕は中に入って…父さんを見つけた…」

スパークの声は途切れ、少しだけ泣き始めた。 




「オーケー、分かった。その男とガーゴイルが怪しい、そうに違いない!どんな奴だったんだい?」


スパーク

「その男は右手が鉤爪だった。僕が見たのは、それが全てだ…。
ガーゴイルは、僕には見分けが付かない。翼が有るか無いかを除いてはね」




「ふむ…右手が鉤爪の男か。なかなか目立つ特徴だな。そいつの目撃情報を集めてみるか」


スパーク

「鉤爪の男を探しに行くの?僕も手伝わせてください!」

少年は嘆願した。
彼の涙は止まり、決意と力強さが顔に現れた。

「お願いです!連れて行ってください!父さんの仇を討ちたい!あなたが連れて行かなくても、後をつけて行きます!」

少年は完全に興奮していた。

「僕はスリングの名人だ!ドブネズミにだって全弾命中させることができる!それに、僕は小さいから…食事も少なくて済む!
どうか、連れて行ってください!どうか仲間に加えてください!」


イオロ

イオロが君に囁いた。
「アバタール、我らの旅に子供を連れて行くだなんて、考えられないぞ」


スパーク

突然、スパークのスリングが宙を舞った。
弾はイオロの頭上を飛んでいたハエに命中した。
イオロが叫び声を上げて飛び跳ね、悪態をつきながら髪を手で掻き回している姿を見て、君は笑った。

「凄いって言ったろ?仲間に加わってもいいでしょ?」




「よし、じゃあ一緒に着いて来るんだ」


スパーク

「バンザイ!」
少年は喜び飛び跳ねた。




「おっと…そういえば、君の父さんが持っていた、この鍵…何か心当たりはないか?」




スパーク

「その鍵は、父さんの箱の鍵に似てる。どこにあったっけ…」 




「じゃあ、部屋に上がらせてもらうぞ……
む、2階に箱がある!きっとこの箱の鍵だろう…(ガチャ)」






「中にはメダリオンと、スクロールと、100ゴールド…これはいったい?」


スパーク

少年の目が大きく開いた。
「父さんが、こんなにお金を隠していたなんて、思いもよらなかったよ!
……父さんを殺した奴を探しに行くつもりなら、そのお金はあげるよ」




「え?いいの?本当にいいんだな?男に二言は無しだぞ!勝手に持っていくと徳が下がるんだからな!」




「このスクロールは……『お前は報酬を受け取った。今夜のうちに届けよ』……なんのことだ?」


スパーク

「同じ物かどうかは分からないけど、父さんが昨日か一昨日に、そんな巻物を持っていたのを見たよ。
父さんは、誰かに何か特別な物を造ってたみたいだった。確か店で造ってたんだと思う」 




「このメダリオンは何か分かるか?」


スパーク

「父さんはフェローシップのメンバーだった。何で箱の中にメダリオンが入っていたのかは知らない。
父さんは、いつもそれを身に着けていた」




「フェローシップって…なんだ?イオロ、知ってるか?」


イオロ

「ブリタニア暦で20年前に結成されたこと以外は、よく知らない。
彼らは、良い行いをして、皆から好意を持たれている。そして、ブリタニア全土に支部組織を持っている。
個人的には、彼らとは特に関わりを持っていないな」 


スパーク

「僕が知る限りで、父さんに敵はいなかった。フェローシップを除いては…」 




「な  に  !?」


スパーク

「そう、最初に、彼らは僕や父さんの所に来て、仲間に加わるように言い寄ってきたんだ。
彼らは良い行いをしてると思うよ。皆は彼らに好意を持ってる。
だから、父さんは、結局グループに加わることにして、彼らのテストを受けるためにブリテインへ行ったんだ」




「何だか怪しい組織だな」


スパーク

「テストについては全然知らないよ。フェローシップ支部のクログに聞けば、分かるんじゃない?」




「クログ?」


スパーク

「トリンシックのフェローシップ支部の支部長だよ。先週、クログと2人の友達が父さんと話をしに来て、言い争いになったんだ。
それが何だったのかは知らない。多分、クログに聞いた方がいいよ」




「よし、それじゃあフェローシップとやらに聞き込みに行くぞ。あ、金は本当にいいんだな?」


こうして、孤児となったスパークを連れて調査を続けることにした。
どうやらクリストファーはただの鍛冶屋ではなかったようだ。
フェローシップとは、いったい何の組織なのか?









「これがフェローシップの支部所とやらか…なかなか立派な建物だな」








「この人が支部長かな?どうも、こんにちは」


クログ

親切さと温情が、にじみ出ているような男性だ。

「おお、アバタール!すぐに、あなただと分かりました。町中に噂が広まるのは早いもので、あなたが、こちらに来ていることを伺いました。
私はクログと申します。フェローシップのトリンシック支部の支部長をしております」




「その…フェローシップってのは何なんだ?」


クログ

「フェローシップは近年になって、ブリタニアの人々の中で非常に人気を得ている組織です。
表面的には、その思想を学術的に勉強する協会ですが、その教えはブリタニアの社会を永久的に変えてしまうほどの力があります。その儀式は、まさに感動的な経験です」




「ふーん…思想ねえ…」


クログ

「フェローシップは、『希望的認知』という思想を推し進めています。それは、確信の掟と、3つの内なる力の思想を人生に当てはめることです。
この3つは基本的な原則で、これを協会にて活用すると、より創造的な、満足な、成功した人生を送ることができます。
それらは、『協力に努めよ』『兄弟を信頼せよ』『報酬は後から来る』という教えです。
『協力に努めよ』とは、人々はお互いに力を合わせて働くべきだという意味です。
『兄弟を信頼せよ』とは、我々は皆同類であるから、お互いを嫌ったり恐れたりしてはならないという意味を含みます。
『報酬は後から来る』とは、我々が人生において求める価値ある物のために努力せよ、というものです。

あなたも加わりたいですか?」




「い…いや…仕事中なんでちょっと…」


クログ

「おお!そのメダリオン!まさに今気付きました。あなたは既に全て分かっていらっしゃった!あなたは我々の一員!失礼をお許し下さい!」




「(ん?クリストファーの部屋で見つけたメダリオンのことか…)ところで、そこの馬小屋で起こった殺人事件について、何か知らないか?」


クログ

「ええ」
彼は素早く言った。

「私は一晩中家に居ました。妻のエレンが証言してくれるでしょう。
しかし、フェローシップの言葉で言うなら、『報酬は後から来る』です。
クリストファーは、きっと何か良くない行いをしたのでしょう。そして、哀れなガーゴイルのイナモも!ああ、悲しいことです」




「……クリストファーは、このフェローシップのメンバーだったって聞いたが……」


クログ

「クリストファーは、かつてフェローシップのかけがえのないメンバーでした。不幸なことに、我らは先週、ささいな事で言い争いました」




「言い争いってのは、どんな内容だったんだ?」


  クログ

「先週、クリストファーが、フェローシップを脱退すると言ったのです。想像できますか?もちろん我々は、彼の決意を変えさせようと話し合いました。
しかし、あの男は私と私の仲間を、理由も無しに非難したのです!」




「仲間か…あなたと2人の友人が、クリストファーと言い争ったと聞いているが…それは、どこの誰なんだ?」


クログ

「彼らはブリテインのフェローシップ執行部へ行きました。ここにフェローシップの基金を届けに来てくれたのです。
彼らの名は、エリザベスとアブラハムです」 




「クリストファーも、ブリテインの執行部で入団テストを受けたと言っていたな」


クログ

「ブリテインのバトリンが、喜んであなたのテストを執行してくれるでしょう。受けてみるべきです。あなた自身の中で、改善が必要な物を見つけられるでしょう」




「ところで、クリストファーの家の箱から、こんな巻物とゴールドを見つけたのだが、何か心当たりはないか?
あと、鉤爪の男ってのを見なかったか?」


クログ

「そのことについては、全く知りません」




「そうか…じゃあ、他の所へ聞き込みに行くか。どうも、お邪魔しました」


クログ

「アバタールよ、何かお手伝いできることがございましたら、また教えてください」



クリストファーの部屋にあったメダリオンは、フェローシップのメンバーの証だったようだ。
フェローシップは、ブリタニアではかなりポピュラーな組織のようで、その思想も、カルトと言うよりは、極めて一般的で普遍性のあるものだろう。
帳簿係をしているクログの妻のエレンにも話してみたが、特に怪しい様子はなかった。
だが、支部長クログの言い方には引っかかるものがある……。









「市庁舎の前にある台座に、かつて名誉のルーンが置いてあったとか言ってたっけ……
なんか見覚えがあるんだよな〜、この台座」







「まあいい、今はそれどころじゃない。早く調査を進めないとな。
次は、犯行現場付近で襲われたっていう衛兵に話を聞いてみるか」




「このヒーラーで治療中とか言ってたっけ…」

 


ギルバート

頭に血だらけの包帯を巻いた気難しそうな人物だ。
「何か用かい?」




「あんたが、東の門の衛兵かい?」


ギルバート

「ギルバートだ。埠頭の門の夜間の見張りをしていた」




「突然殴られたらしいが、殺人事件が起こった時の事を覚えているかい?」


ギルバート

「それは、私が打ちのめされる直前に起こったに違いない。
ちょうど夜明けくらいだった。私は海を見ていた。すると突然、後頭部に衝撃を受けたんだ」

彼は苦痛に顔をしかめた。
ギルバートは少しふらふらしていたが、助けはいらないといったジェスチャーをした。

「まだ骨が軋むんだ。だが、すぐに良くなる…。
それで…殴られた後は、地面に倒れていた私を、次の見張り番のジョンソンが揺すり起こした。
大体10分くらい倒れていたようだ。そのことは、太陽がちょうど完全に水平線から出ていたから分かる。
そして、『クラウンジュエル号』が出航した」




「クラウンジュエル号??」


ギルバート

「言い忘れたかな?一晩中埠頭に泊まっていた船だ。確か、ブリテインへ向かったのだったと思う。
船大工のガーガンに尋ねてみるといい。どにかく、私を殴った奴の姿は見ていない」
衛兵はブツブツと言った。




「全く見てないのか?右手が鉤爪の男とか、いなかったか?」」


ギルバート

衛兵は少しの間考え込んだ。

「いや、鉤爪の男を見たかどうかは分からないな。
犯人の奴等は、船に飛び乗ったんじゃないかと思うんだ。今はブリテインへ向かう道中ってとこかな」




「そうか、ありがとう。じゃあ行くとしよう」


ギルバート

「さようなら。背後には気をつけて」



少しずつ、犯行当時の様子が分かってきた。
次は、このギルバートの後の見張り当番だった、衛兵ジョンソンに話を聞いてみる。




「やあジョンソンさん、こんにちは!」


ジョンソン

警戒態勢を取り、無駄口を喋らない衛兵だ。




「あなたが、ここの門を見張っているのかい?」


ジョンソン

「私は朝の見張り番だ。全ての船の出入りの許可をしている」




「じゃあ、事件について何か知らないか?」


ジョンソン

「事件のことは聞いた。私が夜明けに持ち場に着いた時、ギルバートが地面に倒れているのを見つけた。
何かを見たのかと尋ねるならば……私は何も見ていない。私が埠頭に到着してからは、誰もここを通していない」




「鉤爪の男とかは見なかったか?」


ジョンソン

「鉤爪の男?いや、夜も朝も、そのような者は見ていない」




「そうか…彼が来た時には、犯人は既に船まで逃げた後だったのかな……」


ジョンソン

「クラウンジュエル号は、夜が明けた後に出航した。確か、ブリテイン行きだったはずだ。船大工のガーガンに聞いてみるといい」




「そういえば、フェローシップについては、何か知ってるか?」


ジョンソン

「私もメンバーだ。加入したいかね?」




「え!?あ、そう……いや、俺は間に合ってるよ、ほら、メダリオンもあるし…
…じゃあ、そろそろ行こうかな、うん」


ジョンソン

「ごきげんよう」 




「ふう、驚いたな…これは、うかつに詮索はできないぞ……」




「ついでに、クリストファーが働いていたとかいう店にも寄ってみるか…何か分かるかもしれない」




「…ここが武器屋かな?店に人がいるぞ」


 


デル

昔は戦士だったかのような、いかつい店員だ。
「どなたですかな?」




「アバタールという者です(エヘン!)」


デル

「本当ですか?あんたが、そんなに沢山いるだなんて知りませんでしたな。
ちょうど先週にも、ここに『アバタール』がやって来ましてな。彼は20ゴールドもくすねていきましたよ。たいした名人でしたよ!」

デルは君を見回した。

「私はアバタールは好きじゃない。だが、気にしないでくれ。私はデル、何をお求めで?」




「……あ、いや…(俺のほかにもアバタールを名乗る者がいるのか?)ちょっと聞き込みに…その…こちらのご主人で?」


デル

デルはむっとした。
「武器、鎧の販売をしています。フェローシップで働いていない時はね」




「え、あんたもフェローシップ!?そんなに浸透してるのか!」


デル

「何も買う気がないなら、私の視界から出て行ってくれないか!」




「い…いや、すまない。殺人事件について、何か知らないか?」


デル

「申し訳ないが、私は何も知らない。外で起こった事件だろ?私に聞かないでくれ。
何も買う気がないなら、これ以上時間を煩わせないで、出て行ってくれ」


イオロ

イオロが囁いた。
「愛想のいい奴だな」



この店主デルからは、クリストファーに関する情報は得られなかった。
それにしても、彼もフェローシップとは…かなり町中に浸透してるようだ。
次は、船大工のガーガンという男に会いに行き、クラウン・ジュエル号について聞くことにした。







ガーガン

タバコをふかしている、潮の匂いがする船乗りだ。
「どうしたい?」
ガーガンは咳をしながら尋ねた。 




「あんたが船大工のガーガンさんだね?色々聞きたいのだが…」


ガーガン

「船や六分儀のことを知りたいんだったら、聞いてくれ」
ガーガンは咳をした。




「そう、船について聞きたいんだ」


ガーガン

「船が欲しいのかい?」
老人は微笑みながら尋ねた。(最近では船を買う客は少ないのだろう)
「俺の船は丈夫でいい造りだ。オーウェンの作品じゃないが、良い船だぜ!まずは証書を買ってくれ」
ガーガンは鼻水を袖でぬぐった。

「オーウェンを知らないのか?国で一番の船大工だ。ミノックに住んでるぜ」
ガーガンは咳をした。

「売り物の船は、『スケアリー・エール(恐ろしきウナギ)号』だ。600ゴールドで、どうだい?」




「いやいや、買うんじゃない。そんな金は無いよ。
あんたに、クラウンシップ号という船について聞きたいんだ」


ガーガン

「おう、その船は一晩中、埠頭に泊まっていたぜ」
彼は台帳を調べた。

「夜明けにブリタニアへ出航した。誰が乗り降りしたかは、思い出せねえが」
ガーガンは何度か咳をして鼻をすすった。




「じゃあ、殺人事件については、何か知らないか?」


ガーガン

「その話は聞いた。恐ろしい事件が起こったもんだ。俺に、何か見聞きしなかったか、と聞きたいんだろ」
ガーガンが大きく咳払いをし、唾がはねた。


スパーク

「うわっ!汚ねえ!」




「ああ、右手が鉤爪の男が怪しいだが…見なかったか?」


ガーガン

「おいおい、義足や鉤爪の海賊や船乗りなんて、俺はいつも見てるぜ。誰のことだか分かったもんじゃねえ」

しかし、突然彼は顔をしかめた。

「フム…だが、お前さんの言うとおり、昨夜遅くに鉤爪の男を見た。店を出る時に、外で見たんだ。そいつと一緒に、羽の無いガーゴイルもいた。
そいつらは、東に歩いていったぜ」

ガーガンは鼻をすすり、何度か咳をした。


スパーク

「僕が話した男だよ!」




「そうか…とすると、やはり容疑者は既に……
よし、市長の所へ行くぞ!おやじ、邪魔したな!」


ガーガン

「よき航海を…」
船乗りは言いかけたが、咳こんで喋れなかった。















「市長!この私が事件について調査したレポートを報告いたします!」


フィネガン

「よろしい」




「まず被害者は男性、名前はクリストファー、職業は鍛冶屋です。

犯行現場で無残にも引き裂かれていた彼の死体から見つかった鍵で、彼の部屋にあった箱が開きました。
箱の中には、100ゴールドとフェローシップのメダリオン、そしてスクロールが入っていました。
被害者の息子であるスパーク少年の証言によると、被害者はフェローシップのメンバーであり、事件当日の一週間ほど前に、支部長らと口論をしていた模様です。

また、犯行の前後と思われる時間に外出したスパーク少年は、容疑者と思われる人物を目撃しております。
その男は右手が鉤爪であり、羽の無いガーゴイルを連れていたとのことです。

犯行当時、現場付近に居合わせた東門の見張り番のギルバート氏は、おそらく犯行直後に馬小屋から出てきたと思われる犯人に後頭部を殴られて気絶させられています。
その隙に、犯人達は門を抜けて埠頭まで行ったと思われます。

埠頭には、その日の夜明けにブリテインへ向けて出向する予定の船・クラウン・ジュエル号が停泊しており、犯人達は、それに乗り込んだものと見られます。
つまり、既に彼らは町を脱出しているということです!」


フィネガン

市長は満足した。
「真剣に、誠実に調査をしていたと見えます。あなたはブリテインへ行くべきでしょう。そして、鉤爪の男を見つけるのです。
これは報酬の半分です。あなたが、殺人犯を正義の下に捕らえられることを証明したならば、残りを差し上げましょう」
市長は、君に100ゴールドの金貨を手渡した。

もはや、あなたが真のアバタールであることに疑いはありません。
おっと!忘れていました!
町の入口を出る合言葉は、『ブラックバード』です」




こうして……
アバタール達はトリンシックの町を出て、不可解な殺人事件の行方を追うことになった。

しかし謎は深まるばかりだ。
謎の団体、フェローシップとは?
そして、かつてのブリタニアは、いったいどのように変わってしまったのか?








ちなみに、ここでは触れていないけど、この町のコンバットトレーナーからレッスンを受けて、アバタールのコンバットスキルを2ポイント上げてもらった。
コンバットというステータスは、今回で初めて加わったステータスだ。
純粋に戦闘にのみ影響する能力なのだろうが、どの程度変わってくるのだろうか?
といっても、今のところ戦闘は起こってないので、あまり上げる必要も無かったりするのだけど。

しかし、今回のアバタールは弱いなぁ……。
子供や老人と大差ない能力だぞ。
この男が、かつて宇宙を荒らしまわった伝説の勇者ってのが信じられない。




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