Ultima4
プレイ記録06 巡礼の旅 〜誠実〜



「…それで、次はどこへ行ったのですか?」


「パーティーの人数も多くなってきたし、物資にも余裕が出てきたから、俺達はダンジョンへ行ってみることにしたんだ」


「いよいよダンジョンですか!でも、この平和な世界でダンジョンなんか行く必要あるんですか?」


「うむ、このブリタニアにあるダンジョンというのは、それぞれが8つの徳に対応しているんだ」


「町だけじゃなくて、ダンジョンまで徳と関係があるんですか?」


「ああ、それも徳の反対の意味を持つ名前を付けられている。例えば、“慈悲”の徳に対応するダンジョンは“デスパイス(軽蔑)”で、“勇敢”の徳に対応す るダンジョンは“ダスタード(卑怯)”といった具合でな」


「へぇ、それは面白いですね。言わば悪徳というわけですか」


「その悪徳のダンジョンの奥深くに隠されている8つの石を集めるのが目的だな。旅を続けるうちに、アバタールを目指すのであれば、その石が必要だというこ とが分かったんだ」

 


「そんな石を、いったい誰が隠したんでしょうかねぇ…」


「まずはブリテインの近くにあるダンジョン“デスパイス(軽蔑)”へ向かった。このダンジョンは、それぞれ対応する徳の町の近くにあるんだ」

 


「ダンジョンでは魔法が必須だ。明かり、地図、回復、解毒、その他便利な魔法のために、秘薬を大量に用意しないといけないから、準備に金がかかるんだよ」


「やはり、地上よりも遥かに厳しい所なんですね」


「モンスターとの戦いも多いし、毒や落盤、エネルギーフィールドといった罠も各所に仕掛けられていたから、とにかく消耗したものさ」

 


「一気に出口までワープしたり、フロアを上下にテレポートする魔法まであったらしいですね」


「そう、だからMPの高いイアナが大活躍だったよ。魔法の使えない俺やジョフリーは肩身の狭い思いをしたものさ」


「まあ、大体予想は付きますが…」


「また、ダンジョンの中には宝珠も隠されていた。触れると能力値の高まる徳の宝珠だ」




「それぞれの徳に対応した能力が上がるんだ。このデスパイス(=慈悲の徳)に対応した職業は吟遊詩人の職業特性である、器用さが上昇するというわけだ」


「金では買えないものだけに、これはありがたい宝ですね」


「そして、モンスターのひしめく部屋をいくつも突破して道を探し、ついに黄の石を見つけた」




「広いダンジョンで石1つ見つけるってのは、並大抵の苦労じゃなかったでしょうね」


「ああ、それもダンジョンは1つだけじゃないからな…。デスパイスで石を見つけたら、次はダスタード、さらにロングへ行って、同じように石を探したんだ」

 


「ダスタード(卑怯)は勇敢の徳の反対で、ロング(不正)は正義の徳の反対ですね」


「まあ基本的に中でやることはデスパイスと変わらないんだがな…。とにかくダンジョンは疲れたよ」

 


「ブリタニアのダンジョンは、全てが地下8階層で構成されているそうですね。この中から1つの石ころを探すだなんて、よくやりますよ本当に」






「次に行ったのはムーングロウの町だ。ここも普通だと船が無いと行けないが、ムーンゲートを使えば町のすぐ近くまでワープできる」


「月が新月の時に移動できる町だからムーングロウ…ということですか」




「ムーングロウは魔術師達が暮らす町で、象徴とする徳は『誠実』だ」


「魔術師というと、あんまり誠実とか正直とかいったイメージが無い職業ですが…」




「誠実というのは、他人に対して偽らないというだけでなく、あらゆる物事に対しても偽らず、素直にありのままを受け入れるということだ。万物の仕組みを研 究する魔術師にとって、それらの意味を勝手に捻じ曲げるわけにはいかないからな」


「なるほど。嘘をつかず、ごまかさず…ということですね。気をつけていれば、そう難しいことではないですね」


「基本的なこととして、人の物を盗んだり、嘘をついたり、盲目の薬草売りから秘薬を買う時に相手の目が見えないのをいいことに価格より少ない代金しか払わ ないとか、そういったことは厳禁ということだ」


「最後のシチュエーションは何なんですか」


「ブリタニアでは何故か薬草売りは盲目なんだよ。魔法を使うために秘薬を買う機会は多かったから、ちゃんと間違いなく数えて支払うのが大変だったものさ」


「魔法を使うのに8種類の秘薬が必要という話は少し聞きましたが、あれはかなり面倒そうですね」


「魔法は確かに便利だが、必要な秘薬や数量を調べて、それを買い揃えて1つ1つ調合してようやく唱えられるようになるんだ。それも、たった1回使ったら秘 薬は無くなってしまう。魔術師というのは大変な職業だと思うよ」


「今までのパターンからすると、この町で魔術師の仲間がパーティーに加わったんですか?」


「そうだ、マリアという女性が仲間になった。彼女の魔法には最後まで世話になったものだ」




「おまけにマジックワンドを装備すれば、魔法を使わなくても俺のスリングより強力な遠距離攻撃ができたしな…。完全に立場がなかったよ…」


「そ…そうですか…」


「マリアを加えた後は船に乗って航海に出た。ムーンゲートは便利だが、やはりどうしても船でないと行けない場所があるからな」




「まだ見ぬ世界へ向けて果てしない航海!これぞ冒険の醍醐味ですね!しかし、船ってからには結構な値段がしたんじゃないですか?よく貧乏所帯でそんな物が 手に入りましたね」


「いや?船はタダだったよ。たまたま襲ってきた海賊を皆殺しにして奪い取ったんだ」




「え…?あの…ちょっと聖者にあるまじき行為だと思うのですが…」


「庶民を苦しめる悪党共を成敗して何が悪いと言うんだ!」


「もっと健全な方法で手に入れましょうよ」


「そいつらの海賊船も神聖な探求のために有効利用するんだからエコなもんだろう。律儀に金を払って船を買うよりも賢い方法だ」


「さっきの誠実の話とかは一体…」
(※ちなみに、ウルティマ4では船を売っている店はないので、こうやって手に入れる他に方法はありません)


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