Ultima4
プレイ記録02 聖者への道
「さて、占いが終わっていきなり荒野に放り出されたという話を聞きましたが、その後はどうなったのですか?」
「己の境遇に悲観しても仕方がない。とりあえず、近くに町が見えたから、そこに行ってみることにしたんだ」
「だが、何か様子がおかしい。町は荒れ果てていて人間の姿はどこにも見えなかった」
「ほう…いきなり無人の廃墟の町ですか。危険な雰囲気ですね」
「人間がいないどころか、そこには悪魔のような姿の男がいたんだ」
「悪魔のようなというか、まさに悪魔そのものじゃないですか。ブリタニアに着いた早々、とんでもない所に来てしまったんですね」
「俺は勇気を出して、その悪魔に話しかけてみた」
「そんなヤバそうな奴によく話しかけられますね…。その大胆さは凄いと思いますよ」
「そして、ここで俺は1つのミスを犯してしまった。まったく、俺としたことが油断していたと思うよ」
「その悪魔に襲われてしまったんですか!?それとも…」
「いや、ここの悪魔や亡霊達は特に危険な奴等じゃなかった。こちらの質問にもちゃんと答えてくれたしな。たとえ悪魔とはいえ、誠意を持って接すればコミュニケーションが取れるものだってことを、この時に実感したね」
「え…?じゃあ、なんだって言うんですか…」
「悪魔よりも、毒の沼が恐ろしかったんだ。間違って足を踏み込んでしまったら、何だか体調が悪くなってしまってな…」
「は?えっと…毒の沼ですか…。なんか、そんなに大した問題ではないように聞こえますが…」
「あの恐ろしさは、実際に踏み込んだ者にしか分からないだろうな」
「はあ、そういうもんですか…」
「とにかく、どんどん体力が減っていくんだ。早急に何とかしないとマズイと思い、俺はこの廃墟の町で毒を治療する方法を探して歩き回った。ああ、ここで死んだら天国に行けるだろうか、なんてことを考えながらね」
「いきなり絶体絶命の状況ですね…!」
「その時だ。俺は1人の少女に出会ったんだ」
「悪魔と幽霊ばかりの廃墟の町に、人間の少女がいたのですか?」
「そうだ。その少女はカテリーナと名乗った…」
「カテリーナさんですか!“アバタールコンパニオン”と呼ばれる後の8人の仲間達の1人ですね!なるほど、こうして最初の仲間に出会い、傷を治して共に廃墟の町から脱出したと…」
「いや?カテリーナは仲間になっていないよ。それから二度と会うことはなかったな」
「へ!?な…なぜ?」
「ひとしきり会話をした後、俺達はその場で別れたんだ。カテリーナはそのままマジンシアに残ったんじゃないかな」
「そんな危険な廃墟の町に女の子1人を残していくなんて、あなた何考えてるんですか!?」
「むしろ俺が助けて欲しいくらいだった。是非とも、一緒に安全な所まで俺を連れて行ってほしいと頼んだが、やんわりと断られてしまったんだ」
(*ウルティマ4では主人公の職業と同じの仲間はパーティーに加えられません)
「なんとも情けない話ですね…」
「そうこうしているうちに、ついに俺は体力の限界に達した。毒に蝕まれた体ではどうすることもできず、俺は意識が遠のいていくのを感じた…」
「はあ…。結局、何と戦ったわけでもなく、勝手に毒に冒されて、少女にも見捨てられて息絶えてしまったんですね…」
「気付いたら俺は城の中で、目の前にはロード・ブリティッシュ王がいた。どうやら、王が俺を助けてくれたらしい」
「そして、彼こそが俺をこのブリタニアの国に召喚した人物だった」
「そうだったのですか…。しかし、どうせ呼び出すなら城の中に呼んでほしいものですね」
(※主人公の職業と開始地点は占いの結果によって異なります。羊飼いとなった場合には、このように廃墟の町マジンシア付近からゲームがスタートするため、全滅してロード・ブリティッシュ城で復活した方がスムーズに進むといった具合です。)
「この国は、長い暗黒時代が終わったところだった。ようやく始まった平和な時代を磐石なものとするため、ブリティッシュ王は徳に基づいた教育を国民に施し、人々の内面から平和な国家を創ろうと試みた。そのために必要な人物こそが、あらゆる人や物事の規範となるべき聖者“アバタール”というわけだ」
「国家の発展のために、まずは国民の教育というわけですか。なかなか理にかなっていますね」
「まあ、そういったわけで俺はこのブリタニアに呼び出された理由を知ったんだ。過去に幾多の危機を乗り越えてきた俺も、正直言って成し遂られるかどうかは分からなかった。そう…こいつは今までの冒険とは違うって感覚を、漠然と胸の底に感じたものさ」
「これがアバタールへの道を歩むに至った経緯ですか。実に興味深いお話でした」
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