Ultima7 Serpent Isle プレイ記録02 葬儀



「ここがモニトーの町か…。ご立派な城壁だな。とりあえず門を探してみるか」



フリッケン
「止まれ!何者だ?そして何の用だ?」


「おお、人がいる!俺はアバタールだ。この町に人を探しに来た」

フリッケン
「誰だそりゃ?聞いたことないな」


「知らんのか?えーと、異世界から来た約束の英雄なんだけど…」

フリッケン
「また別の旅人だ!信じられん、最近ではここに来る旅人は多くはないというのに」


「また別の…?他にも誰かが来たのか…?」

フリッケン
「色の付いた嵐とゴブリンが人々を封鎖している。だから、このモニトーの町で旅人を見かけるのは普通のことじゃない。ちょっと前にここを通っていった嵐を見ていないのか?たとえ騎士だって、あの自然の怒りからは逃げ隠れてしまうぜ!あの雷に気付かなかったのか?そいつは様々な色をしていて、不吉な魔法の力を帯びていたんだ!」


「そうそう、その嵐だ。俺達もそいつに巻き込まれて大変な目に遭ったんだ」

フリッケン
「どうも怪しいな…。 多分、おまえは町の真ん中に突然姿を現した呪術師の仲間だろう!我々は即座にそいつを牢にぶち込んだ。だが、その騒動で葬儀が中断されてしまったんだ」


「突然姿を現した呪術師だって?もしや、雷に打たれて姿を消したイオロかデュプレか…?」

フリッケン
「やけにその男に興味を示すな。ロード・マーステンと話すといい。このことについては、これ以上私から話すべきではない」


「おい、もう少し教えてくれ!葬儀が中断されたとか言っていたが…」

フリッケン
「悲しいことだよ。我らの警備の一隊がゴブリンから待ち伏せを受け、ほとんど全員が殺されてしまったんだ!テンプラーのみが生きて帰ってきた。さらに悪いことに、警備隊はチャンピオンナイトに率いられていたんだが、彼女は依然として行方不明だ。殺されたと想定するべきだろう。そして、モニトーの兜も持ち去られてしまった」


「そんな事件があったのか…。で、その葬儀の最中に突然現れてしまったということか。しかし、この島には凶悪なゴブリンがいるもんだな」

フリッケン
「ムカつく生き物さ!あいつらは我々の悩みの種だよ。我々は何世代もの間、ゴブリンどもと戦争をしている。もし槍兵達が道を警備していなかったら、どこにだって行けやしないさ! 」


「その行方不明になったチャンピオンナイトとかいうのは?」

フリッケン
「我らにはアストリドがいないとダメなんだ。彼女は戦士の中の戦士だからだ!最も勇敢な騎士のみがモニトーのチャンピオンにになることができる。我々は絶えず選手権を競っており、このことがゴブリンの大群との戦いにも活かされている。 アストリドは我らの中でも無比の者であり、この3年間の選手権保持者だ。北方では、女性は弱いと言われているが、このモニトーでは違う」


「ふーん、そのアストリドという女が、町で一番の戦士だったということか」


「おっと…それはともかく、門を開けて町の中に入れてくれないか」

フリッケン
「おまえは味方か?敵か?」


「ん…?そりゃまあ、味方だ、うん…多分」

フリッケン
「おまえが味方かどうかは分からないが…中に入れよう。だが、ロード・マーステンと話すまでは付き添わせてもらうぞ。火葬場で死者を悼んでいる彼を見つけられるだろう。道に従って北に行くんだ。 だが覚えておけ、我々はいつでもお前を見ているぞ!」


「町には入れてくれるが、衛兵が同行するのか。じゃあ、とりあえずそのロード・マーステンとやらに会いに行けばいいんだな」




「えーと、道に従って北に進んで…と。この建物かな?」


「おい、ここが火葬場かい?」



レンフリー
「なんだ!わしは火葬人レンフリーだ。今ここでは葬儀が行われておる。ロード・マーステン、スペクター、ブレンダン、そしてキャラディンが、聖堂で最後のお祈りをしておるぞ」


「ロード・マーステン!そいつだ。じゃあ、ちょっとお邪魔するぞ」


「この奥が納骨堂になっているんだな…」




「あそこの骨壷の前に人だかりが!おーい、ちょっと取り込み中失礼する」

ロード・マーステン
「ようこそ、旅人よ。私はロード・マーステン。ずいぶんと嘆かわしい時に来たものだな。我々は、この勇敢な槍兵グロートの遺灰を埋葬するため、そして、行方不明のチャンピオンナイトを悼むために、ここにいるのだ」

キャラディン
「アストリドは、かつてモニトーにいた中で最も素晴らしい騎士だった!」

ロード・マーステン
「ゴブリンどもが彼女の警備隊を待ち伏せした。奴らは1人の槍兵を除き全員を殺し、アストリドの死体を持ち去ったのだ…。そいつで宴をして、気分の悪いトロフィーでも作るためだろうな!援軍が駆け付けた時には、もう時は遅かった。何とかグロートを救助したが、彼の傷は致命傷で、我らのヒーラーのハーンナでも彼を救うことはできなかった」

ブレンダン
「クソッたれのゴブリンどもめ!奴らは滅びるべきだ」


「な、なんか威勢の良さそうな奴らが勢揃いだな…」

ロード・マーステン
「旅人よ、私に何の用があって来たのか?」


「えーと、その、葬儀の邪魔をした呪術師とやらを探しに来たんだが…」

ロード・マーステン
「あの呪術師がやったように、我々の記念式典を邪魔するようなことは、実に無礼なことだ。あの白髪の魔術師は、式の最も敬虔な時に火葬場の上に現れおったのだ!私は奴を牢獄に入れるように命じた。ここモニトーは、非常に厳格なのだ」


「白髪の…やはりそいつは…」

シャミノ
「そいつは我々の友人イオロじゃないのか?」

ロード・マーステン
「そいつを訪ねたいのならば牢獄に行けば会えるだろう。我々はゴブリンのことで手一杯だから、そんな悪ふざけには構ってられんのだ!」


「なるほど、では後で牢獄に行ってみるとしよう。ところで、ゴブリンがあんたらの警備隊を襲撃したという話だが…」

ロード・マーステン
「私は世界が終わるまでゴブリンどもと戦うと誓おう!ゴブリンどもに私の復讐が終わることはないだろう。 奴らは何世紀も前に我々の祖先がここにやって来た時以来ずっと、我々の人民から強奪し、略奪し、そして殺した。奴らは女性をさらい、生きたまま喰らうことを喜びとしている。 つまるところ、人間かゴブリンかだ。ここで共存はできない」


「ゴブリンなんてブリタニアでは、ひょうきんな生き物だったのに、ここでは随分と凶悪なんだな。すると、やはり行方不明の女戦士はもう…」

ロード・マーステン
「生きながら貪り食われる恐怖が、そなたには想像できるか!?彼女は名うての戦士だ。もっと名誉ある死を授かるに値する…」

ブレンダン
「旅人よ、マーステンとアストリドはベッドメイトだったのだ」

ロード・マーステン
「彼女の代わりはいない。そして、ゴブリンからモニトーの兜を取り戻せる者もいないだろう」


「ベ、ベッドメイト?というと、同じ布団で寝る仲だったというわけですか」

ロード・マーステン
「そうだ、アストリドと私はベッドメイトだ。我々は戦士であり戦友同士だ。いつ戦場に行くか知れないから、共に会うのが最後になるかもしれないことは、承知していた。私は彼女を愛していたが、恋人ではない。彼女のことは忘れないだろう」

ブレンダン
「私も…」

ロード・マーステン
「どういう意味だ、ブレンダン!」

ブレンダン
「ええ!?い、いや、我々は彼女という存在を失ってしまった、という言葉以上の意味はないさ。彼女は素晴らしい戦士だった」


「ふーむ、そのアストリドという女性は、この町にとって非常に重要な人物だったみたいだな…。で、モニトーの兜というのは一体?」

ロード・マーステン
「それは、かつてはゴブリンが持っていた神聖なアイテムだ。彼らの古のリーダー、グルノルディアに与えられた物で、その力でゴブリンの大群を作ったのだ。我らの祖先がグルノルディアを殺し、その兜はモニトーにもたらされた。それ以降、兜はチャンピオンナイトが身に纏っている」


「へー、町で一番の戦士に与えられる兜ってのは、かつてはゴブリンが持っていた物だったのか」

ロード・マーステン
「チャンピオンナイトは、モニトーでは領主よりも崇められる資格だ。チャンピオンナイトになるには、この地で最も素晴らしい戦士になるということだ。我らの騎士達は日々リストフィールドで槍を持ち技を磨いている。このようにして、彼らは肉体的な力を証明しているのだ。トーナメントで勝ち抜けばチャンピオンナイトとなり、その者にはモニトーの兜を身に纏う栄誉が与えられる」


「リストフィールド?」

ロード・マーステン
「リストフィールドが見つからないということは無いだろう。町の南にある、壁に囲まれた部分だ。午前でも午後でも、そこで相手に不足することは無い。そなたのような強者は槍を取るとよい。騎士道の試験のための、良い心構えとなるだろう」


「なるほど、訓練場のようなものか。騎士道の試験というのは何だ?」

ロード・マーステン
「誰しも騎士として生まれることはできず、金や威信でそれを授かることもできない。価値ある戦士のみが騎士となるのだ。騎士道を探し求める者の価値をテストするため、特別なダンジョンを用意してある。モニトーの騎士となることは名誉あることだが、それには重い責任も伴う。この地には敵も多いからな」


「ここは騎士の町なんだな。そういえば、さっき何世紀か前にこの町にやってきたと言っていたが、あんたらの祖先は以前はどこに住んでいたんだ?」

ロード・マーステン
「邪悪なる暴君が王国を連合し、その哲学を押し付ける力を求めていた時に、我々の祖先はそこから逃げ出した。我らは、エルスタンという名の魔術師に導かれ、ソーサリアを出航してサーペントの柱を越え、サーペントアイルに辿り着いたのだ。その時は、この地は砂漠であった。そこにはゴブリンと、謎の古代サーペント文明の遺跡しかなかった」


「ほうほう、邪悪なる暴君ねえ。まあ、どこにでもロクでもない君主はいるよな」

ロード・マーステン
「彼は邪悪な男だったので、騎士と魔術師はその暴政に反逆した。そして、我らの祖先はここに逃れ、3つの町を見つけたのだ。ブリティッシュというのが、そいつの名前だ。彼は自身をロード・ブリティッシュと呼んでいたが、我々はこう呼ぶ。ビースト・ブリティッシュとな!」


「ほうほう、ブリティッシュねえ……あれ、どこかで聞いたことがあるような…」

ロード・マーステン
「暴君から逃れた人々により、3つの偉大な町が発見された。ムーンシェイド、ファウン、そしてモニトーだ。ムーンシェイドは魔術師の町、ファウンは美が崇拝される町、そしてモニトーは今そなたがいる町で、勇気を根幹としている」


「その…ブリティッシュとかいう暴君なんだけどさ…」

ロード・マーステン
「暴君ビースト・ブリティッシュは、『徳』という捻じ曲げた哲学を、我らの祖先に強いた。魔法というものが幻や錯覚によるところが大きいように、ムーンの魔術師達は真実の価値を忘れてしまった。ファウンにいる美の崇拝者達は、無条件の愛というものに、あまり重きを置かなかった。そして、我らモニトーは、勇気というものは他の徳より上にあるものだと考えている」


「うーむ、やはり俺の知っているブリティッシュ王のような気がする…」

ロード・マーステン
「この新しい地は、元々はニューソーサリアと呼ばれていた。しかし、多くの遺跡と、神秘の古代サーペントに関する記述が発見されてからは、サーペントアイルという名前で知られるようになった。ここに記されている種族については、我々はほとんど知らない」


「ソーサリア…そうだ!このモニトーという名前、どこかで聞いたことがあると思ったら、確かエクソダスの時代のソーサリアに同じ名前の町があった。それから地殻変動が起こった時に、ブリタニアと離れてしまったんだな。それで、三つの原理も形を変えて伝わって、それぞれの町で信望されているというわけか」

ロード・マーステン
「かつて、この地に住んでいた悪しき生物によって残された遺跡を、いたる所見つけられるだろう。クライグの奴が、より多くを教えてくれるだろう。彼は遠くの場所まで歩いて行くのが好きで、しばしば奇妙な光景を見に行っている」


「モニトー、ムーンシェイド、ファウン…どれもソーサリアの時代にあった町だ…。それで、あんたが、この町を治めているんだな?」

ロード・マーステン
「私は、騎士の町モニトーの領主だ。この町には3つの騎士団がある。司令部が他の全てより上ということはなく、全ての戦士は平等だ。レオパルドのリーダーとして、今年は私がモニトーを統治している」


「レオパルド(豹)…?レオパルドって、あの動物の豹のことか?」

ロード・マーステン
「この町の全ての市民は、モニトーの騎士とならなくてはいけない。さもなくば、15歳に達した時に追放される。騎士達は、3つの戦闘集団によって構成されている。それが、ベア、ウルフ、レオパルドからなる司令部だ。そなたも、我らの司令部に従って刺青が印されているのに気付くだろう」


「なるほど、確かに刺青がある。ベア(熊)にウルフ(狼)にレオパルド(豹)ね…。なんとなく、それぞれの騎士団の性質が分かるな」

ロード・マーステン
「ベアは町を何度も救った。我々は城砦の下で生活していることを忘れてはならない。ゴブリンがいつ攻撃してきてもおかしくないのだ。町の城壁はベアが建設している。彼らは頑丈で、強く、力ある戦士なのだ。キャラディンが彼らのリーダーだ」


「ウルフとレオパルドは、どんな役割なんだ?」

ロード・マーステン
「モニトーの繁栄は、ウルフの先見の明によるところが大きい。彼らは我々を仲間同士、心を通わせようと働きかけている。また、ウルフは古代の主幹道路を修復し、3つの町へつながる新しい道も加え、防衛塔も建設した。ブレンダンが彼らのリーダーだ。ウルフは賢く、獣的な力強さよりも狡猾さを好む」


「それで、あんたがレオパルドのリーダーというわけか」

ロード・マーステン
「我々は調停者だ。ベアとウルフは常に反目しており、我々がお互いの首根っこを抑えて阻止しているのだ。我々が社会のバランスをもたらしている。レオパルドには、いつも栄光があるわけではないが、その責務には誇りを持っているよ」


「なるほど、ベアが壁を守り、ウルフが道路を守り、レオパルドが内政的なことをしている、ということかな」

ロード・マーステン
「ところで、そなたは何故この町に来たのだ?ここに何の用だ?」


「え?いや、それは…」

キャラディン
「おそらく、こやつはゴブリンどものスパイだろう!」

ロード・マーステン
「我らのただ中にスパイが現れるなどとは、私には賛同しかねる。そういった噂を町中に振りまかないでほしいものだな、キャラディンよ」

ブレンダン
「しかし、あの太った賢者のように、他にも疑わしき旅人がいたことだし…」

ロード・マーステン
「そいつは私が町から追い出した…」

ブレンダン
「それに、あの女学者もだ。体型は良かったが、ちょっと歳を食いすぎていたな…」


「歳を食った女学者…そいつはもしかして…」

シャミノ
「彼はイオロの妻、グウェノのことを話しているんじゃないのか?」

キャラディン
「そして、我らが槍兵の葬儀の真っ只中に現れた、あの呪術師のことを忘れてはならん!」

ロード・マーステン
「戦士達よ、落ち着くのだ!モニトーの中にスパイはいない、私はこれ以上そんな話を聞きたくない!」


「うーむ、どうにも信用が得られんな…」


「ん?向こうから誰かが槍兵に連行されてくるぞ」

デュプレ
「アバタール!もう会えないかと思ったぜ!」


「デュプレじゃないか!」



デュプレ
「あの奇妙な嵐に打たれた時に、周囲が光ったんだ。そして、気付いたら俺は荒野にいた。森を警備しているゴブリンどもに殺されるかと思ったが、この壁に囲まれた町を避難所にしたんだ。だが、ここの槍兵は、俺をリーダーの所に連れて行くとか言いやがる!

ロード・マーステン
「よく分かった。ここにいる者の友人ということであれば、私と話す必要は無い」


「よかった、とりあえず投獄されることは無さそうだな」

デュプレ
「アバタール、どこか遠くへ行く前に、俺達の持ち物を取り戻した方がいいと思うぜ。 あの忌々しい嵐が、俺の装備を全部役立たずのガラクタに変えちまいやがった!俺の盾もだ!ちゃんとした装備が無いと、長く生き延びられる望みは無い。このガラクタが何処から来たのかが分かれば、俺達の装備も見つかるかもな。リストを作る準備をしておくぜ」

シャミノ
「もう俺がやっている」

デュプレ
「じゃあ、俺がそれに足していこう」

シャミノ
「これが現状分かっている全てだ」

デュプレ
「分かった」


「デュプレの装備もほとんど残っていないのか…。剣は変な青いタマゴになってるし、盾も…。いや、この盾はモニトーの兵士が持っているのと同じ盾だな。この町のどこかに手掛かりがあるかもな」




「せっかくだから、他の奴にも話してみるか。 この納骨堂にいるのは、どうやらこの町の首脳達らしいな」

ブレンダン
「旅人よ、私はブレンダンだ」


「さっき話に聞いたけど、あんたもリーダーの1人のようだな」

ブレンダン
「私はウルフ司令部のリーダーだ。他のウルフと同様、私も力と機知の戦士さ。しかし、君がモニトーの騎士になるまでは、この話をするべきではないな。そのことについては、マーステンと話してくれ」


「なんだ、そっけない奴だな…。じゃあ、もう1人の熊みたいな奴に話しかけてみよう」

キャラディン
「ようこそ、何か手助けが必要かね?」


「やあ…えーと、あんたは確か…」

キャラディン
「俺は祖父の名を引継ぎ、キャラディンと呼ばれている。祖父はチャンピオンナイトだったのさ!祖父の骨壷を持っている奴を見つけ出したら、そいつの首を絞めてやる!死者の遺灰を盗む奴がいるなんて、信じられるか?」


「骨壷なんて盗む奴がいるのか。大した価値もないだろうに」

キャラディン
「いいかい、俺は迷信深くは無い。だが、人の遺灰というのは聖なるものだと信じている。その人の魂を、心を、そして名誉を象徴しているものなのだ」


「まあ、尊敬する爺さんの骨壷を盗まれたら、騎士としては黙ってはおれんよな。俺も旅の道中で探すのを協力しよう」

キャラディン
「名誉より大切なものは無い!俺は勇敢な男だ。おまえに3つのことを約束しよう。俺は敵に対して決して剣を降ろし降伏しない。約束した言葉は決して破らない。そして、恐怖は俺の支配下だ。悪臭を放ち這いよる恐怖には、俺の精神は汚させない。俺は常に恐れ知らずだ」


「この男は、分かりやすいタイプの戦士だな」

キャラディン
「俺はベア司令部のリーダーだ。ベアはモニトーで最も勇敢で、最も男らしい戦士!勇気こそが我らの名前だ。にやにやするな!ベア司令部は平静であれ。ゴブリンどもはモニトーを襲撃しようとはしない!それは、我々がいることを知っているからだ。また、俺はこの地で最も優れた戦闘教官でもある。必要があれば手助けしよう」


「ベアの騎士団が、実質的な戦闘を受け持っているようだな」

キャラディン
「ベア司令部は防衛の戦略を取っている。我々が携わっている仕事は、祖国を守備し、強固にし、それによって、あらゆる軍事作戦を遂行させるための完全な基地とすることだ。


「ゴブリンとの戦いは、どんな感じなんだ?」

キャラディン
「あの卑劣な獣め!おまえも、ファウンの塔での奇襲のことは聞いたであろう。奴らは正々堂々と戦わない! 哀れなアストリド…勇気を与える戦士であり、強壮な女であった。しかし、クソッたれ!彼女はゴブリンどもに殺された…。ウルフとレオパルドはこのような危機においては役立たずだが、ベアであればゴブリンに的確な復讐ができる。誰があの警備隊を裏切ったのか、そいつが分かればな…」


「ファウンの塔?裏切り?いったい、どういうことだ?」

キャラディン
「モニトーの槍兵はサーペントアイルの守護者だ。3つの塔はサーペントの主幹道路を守り、ゴブリンの襲撃を防衛している。ここにある塔の他に、第2の塔がスリーピングブルにある。ファウン付近にある第3の塔は、ゴブリンに侵略されてしまった」


「警備隊が襲われたっていう話だろ。しかし、裏切りがあったなんて証拠はあるのか?」

キャラディン
「俺の考えは公にするべきではないのかもしれないが、俺は黙っていられるタイプではないんでな。ファウンの塔は裏切られたんだ!ゴブリンどもが、どうやって警備隊全員を奇襲できるんだ?アストリドは馬鹿ではない。誰かが彼女を裏切ったんだ」


「裏切り者に心当たりは?」

キャラディン
「アストリドの警備隊を裏切ったのが誰にせよ、そいつは騎士に違いない。他にそんなことはできる者はいない!ベアは配給係のクライグを疑っているが、ウルフの連中は勿論否定している! 誰かあの弱虫に問いただしてみて、自責心を見せるかどうか試してみるべきだ。」


「しかし、あんたはウルフとレオパルドに対して、随分と敵対的なんだな。同じ町の騎士だというのに、役立たずだの裏切り者だの…」

キャラディン
「役立たずよりも酷い!レオパルドどもは、一日中座って過ごしているような戦士様に率いられているんだぞ!マーステンは老いぼれだし、スペクターは…本ばかり読んでいやがる! ウルフもそうだ。ブレンダンが弱いことは皆が知っているだろう。言わせてもらえば、あいつは色遊びばかりしていて、剣や斧を全然手にしていないからな」


「うーむ、この町の人間関係も、なかなか複雑なようだな…。とりあえず、こんな薄暗い所からは出るか。まずは、牢獄にいるのがイオロなのか確かめてこなくては」

キャラディン
「俺はよそ者とは滅多に話をしない。この町で、よそ者を歓迎する者は、ほとんどいないだろう! アドバイスをやろう。このモニトーで受け入れられたいのであれば、騎士道の試験を受けることを考えておけ。 騎士でない者は、何者でもないのだ!」


こうして、ゴブリンに壊滅させられた警備隊の葬儀は終わった。
このモニトーの町は、勇気を信条とした騎士の町で、それぞれの騎士達はベア、ウルフ、レオパルドの3つの騎士団のいずれかに所属していることが分かった。
現在の領主であるロード・マーステンは、レオパルドのリーダーで、それぞれの騎士団は険悪とまではいかずとも、あまり仲の良い関係ではなさそうである。



「ここが牢獄かな…?おーい、誰かいるか?」




「いた!やっぱりイオロじゃないか」

イオロ
「旧友よ、ここから出してくれ!これは酷い勘違いだ、アバタール!あの嵐が、俺をこの奇妙な町に転送したんだ。俺はよそ者だから逮捕された。奴ら、俺のことを呪術師だなんて言うんだ!」


「葬式の真っ最中に突然降ってきたら、そりゃ逮捕されるだろう。まあ、元気そうでよかったよ」

イオロ
「ロード・マーステンと話して、俺を解放してくれ!こんな所に置き去りにしないでくれよ…」


「じゃあ、もう一度マーステンに会いに行くか」




「…というわけで、あの牢獄にいる男は、俺の友人なんだ。見た目はいかがわしい奴だけど助けてやってくれよ」

ロード・マーステン
「あの悪党と話したようだな。では、そなたの友人の行動を説明してもらおう。彼は魔術師なのか?」


「いやいや、しがない吟遊詩人ですよ。 昔はちょっと魔法も使えたけど、今や全然ダメっすわ」

ロード・マーステン
「では、彼はどうやって葬儀の真っ最中に現れたんだ?彼は空でも飛べるのかね?」


「それは、あの奇妙な嵐に巻き込まれて、雷に打たれて…」

ロード・マーステン
「ふむ。あの嵐には、当たった者を移動させる魔法があると言われている」


「だから、決してワザとやったわけじゃないんだよ。ということで、牢から出してやってくれ」

ロード・マーステン
「そなたが騎士でさえあればな!そうであれば、そなたに友人の保証をさせることで、牢から出してやるのに。 だが、そなたは一介の旅人にすぎぬ…」


「そんな!騎士じゃないとダメって…!」


「ということは、俺がこの町の騎士になればいいのか。そういえば、キャラディンが騎士になるための試験がどうこう言っていたな…」

このモニトーの町は、全市民が騎士というだけあり、騎士でなければ話もロクにしてもらえない。
スムーズに情報収集する上でも、まずは騎士として認められる必要がありそうだ。







「ここが訓練場、リストフィールドか。みんな元気にやっとるねぇ。お、キャラディンもいるな」


「おーい、さっきの騎士道の試験について、詳しい話を聞かせてくれ」

キャラディン
「小僧、いい根性をしているな。嬉しいぞ!騎士道とは、気弱な少年から真の男になった者に与えられるものだ。モニトーの騎士になるためには、まず最初にモニトーの領主から許可を得なくてはならない。そして、騎士の試験と呼ばれているダンジョンへ行くのだ。その苦難を生き残ることができれば、騎士道を授かるであろう」


「ダンジョンだと?それはどこにあるんだ?」

キャラディン
「騎士の試験は、この町の北にある山の中だ。サーペントの主幹道路に沿って北に行き、最初の小道を西に曲がれば、簡単に見つかるだろう。道に標識が立っている。しかし、行く前にロード・マーステンと話しておくのだ。彼のみがパスワードを教えてくれる。それが無ければシュメドはダンジョンに入れてくれないだろう。 このエリアにはゴブリンが沢山いるから気を付つけるのだぞ! 」


「そうか、分かった。シュメドっていうのが、そこにいるんだな」

キャラディン
「彼は騎士の試験の管理人だ。シュメドはウルフに属しており、俺に言わせれば軟弱な奴だよ。あいつをリストフィールドで見たことは、ほとんど無いな。俺は大嫌いな奴だが、試験の管理人としては公正な仕事をする」


「相変わらず、他の所属には辛らつだな…。で、その試験はどんな内容なんだ?」

キャラディン
「それは大爆発!凶暴な野獣!くらくらするような謎解き!理解を超えた神秘!…まあ、いくらかは大げさに言ったけどな。試験は難しいぞ。何人も命を落としている。だが、ダンジョンの秘密を知っていれば、そこまで大変な冒険ではない。とにかく、ほとんどのモニトー人は15歳になった時に試験を受けるのさ!キャントラがもうすぐ受ける。一緒にトレーニングすれば、おまえも上手くいくだろう」


「おいおい、何だか厳しそうだな…。キャントラってのは誰なんだ?」

キャラディン
「小娘のことを知らないとは驚きだな。明るくて好奇心旺盛で、いつも来訪者を困らせている。キャントラは、この町のヒーラー、ハーンナの娘だ。父親はもう何週間も行方不明だ。彼女は父のことが大好きだった…。とても誇り高く、野心に燃え、騎士道に熱心な男だったよ」


「分かった、探して話を聞いてみよう。他に何かアドバイスは無いか?」

キャラディン
「3つのヒントを教えてやろう。最初の部屋では、スピードがヒントだ。決して振り向くな。さもなくば死体になるぜ。次に、見えない物を探せ。そいつを見つけるのは難しいかもしれん。勝利するためには、鉤爪とグルノルディアの骨壷を見つけなくてはならん。鍵爪を使い、自身の血を流せ。そして、その血を骨壷の遺灰に混ぜるんだ。そうすれば、おまえの運命が分かるだろう」


「なるほど、よく分からんが覚えておこう」


「しかし、ゴブリンに騎士の試験に派閥争いか…。来た早々だが、色々ありそうな町だな…」



←プレイ記録01へ   プレイ記録03へ→