Ultima7 Serpent Isle プレイ記録01 プロローグ




サーペントの柱の間を潜った船は、光に包まれて姿を消したかと思うと、不意に砂浜の上に出現した。
どうやら、不思議な力でサーペントアイルに辿り着いたようだ。


「ここは…?」

イオロ
「何が起こったんだ?」

デュプレ
「みんな無事か?」

イオロ
「恐ろしい水路だったな。誓ってもいいが、あのサーペントの柱の間を通った後、俺達は空を飛んでいた…。 だが、この通り我々は船の上にいる。記憶喪失にでもなってしまったのか…」

デュプレ
「俺達は船の上には居るものの、船は大地の上だ!あんたの言うことが正しいと思うぜ、イオロ。俺達は空を飛んでいた!」

イオロ
「ブルブル…空気が冷たいと思わんか?ここは故郷よりも、ずいぶんと寒い。 グウェノが暖かい服を持っていればいいんだが…」

シャミノ
「心配するな。あんたの奥さんは、すぐに俺達が見つけ出すさ」

デュプレ
「そして、あの悪魔バトリンもな!」

イオロ
「見ろ!奇妙な嵐が近づいてきている。こんなのはブリタニアでは無かったぞ!」




「嵐か…。とりあえず、風雨を凌げる所を探さないとな。船がこんな状態じゃ航行できないから、歩いて行くか」

シャミノ
「ここはどこなんだ?」

デュプレ
「バトリンを探そうぜ!」

イオロ
「グウェノのことも忘れないでくれよ 」


こうして、いつものメンバーで冒険が始まった。
旅立つ前にロード・ブリティッシュから強力な装備品を授かっているため、マジックシールドやマジックボウ、スワンプブーツなどで身を固めており、皆非常に頼もしい。





「うむ、ここまで万全な状態ならば、どんな敵でも怖くない。こんな辺境の島なんて、簡単に攻略できるだろう。バトリンなんて瞬殺よ、瞬殺」


「しかし、さっきから雲行きが怪しいな。雨も降ってきたし、何やら雷も…うわっ!」




「近くに落ちた!みんな、大丈夫か!…って、もう一発!これはちょっとヤバイ嵐だぞ!」


嵐は止むことなく、激しい落雷が次々とアバタール一行を襲う。
そして…


「ふう、やっと止んだか…。ん?気付いたら誰もいなくなっている…」




「イオロ?シャミノ…?デュプレ…?いったいどこに…」


「島に降りて5分と経ってないのに、何でいきなりこんな目に…」


「と…とりあえず歩いてみよう。あいつら頑丈だから、きっと大丈夫だろう。その辺から、ひょっこりと現れたりするものさ…」

ソクサ
「ああ、預言の通りです!あなたに会うために、とても長い旅をしてきました」


「うわ!まったく別の人間が現れた!」




「びっくりするから急に現れるなよ。何者だおまえは」

ソクサ
「私はソクサと言います。でも、ちょっと待って!話を急ぎすぎました。あなたは約束の英雄じゃないかもしれない…間違って助けるといけないから、あなたにテストをします」


「テ…テスト?」

これは、恒例となっているマニュアルプロテクトというやつで、マニュアルを読んでソクサの質問に答えないとゲームを進めることができません。
内容については省略いたします。


ソクサ
「あなたは、私の探していた方で間違いないみたいです!この運命の砂時計を肌身離さず持っていてください。これを通して、ゼンカのモンクがあなたに助力してくれます」


「いや…ちょっといきなり過ぎてワケが分からんのだが…。預言とか砂時計とかゼンカとか…」

ソクサ
「私はゼンカのモンク僧、ゼンカの預言を学ぶことに人生を捧げています。そこに書かれていることは明白です。最後の日に3人の仲間と共に英雄がやってきて、この地の悪と戦うというものです。そして、その英雄は虚無空間にある力によって導かれるのです」


「預言…3人の仲間と共にやってくる英雄…まさに俺のことじゃないか。こんな辺境の地でも、アバタールの名は健在のようだな」

ソクサ
「この地は英雄を必要としています。世界の終わりが近づいているのです! 魔法の雷を落とす嵐が起こり、奇妙な病気が罪無き人々に蔓延しています。最近では、この地で何か悪しき気配が育ってきているのです…」


「そう、その嵐と雷だよ。あれにやられてから、一緒に来た仲間がいなくなってしまったんだ。どうすればいいんだ?」

ソクサ
「嵐は、世界の終わりが近づいていることの兆候の1つです。それらがどうして起こっているのか、どうやったら止まるのか、私には分かりません。港に停泊していた船は嵐の直撃を受け、ほとんどが航行を中止しています。その雷には力があり、当たると死ぬかテレポートします。そして、時として、当たった物の性質を変えることもあるのです」


「なるほど、仲間達は魔法の雷に当たってテレポートしてしまったということか…。死んでないといいけどな」

ソクサ
「預言では、疫病が流行して、温厚な者、罪無き者が病になると言われています。死にゆく鳥達に気付きましたか?彼らは最初の犠牲者です。まず最初に野生の種族が、そして最後に人間が病気に倒れてゆくのです」


「この嵐や疫病の原因は分からないのか?」

ソクサ
「これ以上は、私も説明できません。あなたには感じませんか?何か…正しくないものの気配を。ゼンカは、このことを『不均衡の時』と言っています」


「そのゼンカってのは何なんだ?俺は宗教は信じない主義なんだが」

ソクサ
「ゼンカについて、どうやって手短に説明しましょうか。ゼンカは虚無空間の彼方から英知を授かる預言者です」


「ちょっと手短すぎるだろ。まあ、いいや…。で、その預言ってのに、俺と仲間達が世界を救うと書かれているわけか」

ソクサ
「ゼンカの書には、あなたと共に旅をする3人について書かれています。彼らがいなくては、あなたの旅は成功しないでしょう。彼らは、あなたの最も古く信頼できる友人で、あなたと共に旅をすることが彼らの役割です。英雄よ、彼らを探さなくてはなりません!そして、決してあなたの傍から離さないように…」


「まあ、彼らは言われなくても探すさ。あ、そうだ。さっき貰った、この砂時計は何なんだ?」

ソクサ
「砂時計を持っていれば、もしあなたが殺されたとしても、モンク島で復活できます。 そして、あなたの仲間が殺されたとしても、砂時計を使うことで、我々を召喚して復活させられます。 安全な場所にいれば、モンクはすぐに来ます」


「なるほど、お助けアイテムってやつだな。まあ、ありがたく頂いておくとしよう」

ソクサ
「運命の砂時計の中には時の砂が入っています。全ての砂粒が落ちた時、次の瞬間には私達は破滅へと追いやられます」


「(なんか思ってたより、重い感じのアイテムだな…)」

ソクサ
「あなたが旅に失敗した時、私達の世界は終わります…。すぐに大地震が広まり、全てが引き裂かれるでしょう」


「いや…そんなにプレッシャーかけないでくれよ…」


「そうだ!そもそも、俺を探してどうするつもりだったんだ?助けてくれるんじゃないのか?」

ソクサ
「私があなたと一緒にいられる時間は短いので、私の助言を注意深く聞いてください…。広大な赤き叢林の遥か南に洞窟があります。その入口は見えません。中に入る道を見つけたならば、更なる手掛かりを得られるでしょう。大きな町を見つけるまで、海岸線沿いに行くのです。その町の名はモニトー。あなたの古き友人が、そこで待っているでしょう」


「それそれ、そういう有益な情報をくれよ。虚無空間とか預言とかいいからさ」

ソクサ
「私はもう行かなくてはなりません。敵対する者に、私がここにいると知られる前に」


「敵対する者…?」

カルナクス
「運命に干渉するべきではないと分かっているだろう、ソクサよ。英雄と話しただけであっても、我々の咎を受けることになるであろう」




「うわ!また別の奴が現れた!何なんだよ、おまえら!」

ソクサ
「カルナクスを阻止しなくてはなりません。宇宙のタペストリーを織り成す生地は、それにかかっています」

カルナクス
「愚かな小娘だ…。 ゼンカの教えは明瞭だ…英雄を助けし者には大きな災難が降りかかる! おまえが我らを破滅させる前に阻止してやる!」

ソクサ
「Flam Mas Flam」

ソクサ
「英雄よ、この炎の輪は戦いの間あなたを守ってくれます。我々はあなたに危害を加えるつもりはありませんが、戦いの中で誤ってしまうかもしれません。この輪の中にいてください!」




「ひゃあああ!!火が!火が!もうちょっと安全そうなバリアは無いのか!」

カルナクス
「Mas Ort!」

ソクサ
「くっ…!」


「や…やばい!ソクサがやられる…!」

ソクサ
「同士よ、そう簡単に私は倒せないわ」

ソクサ
「In Frio Grav! Mas Frio! これを喰らえ!」



カルナクス
「うおお!」


「えげつねえ…!こんな爆発に巻き込まれたら、俺なら即死するぞ…」

カルナクス
「英雄よ、私が炎に焼き尽くされる前に聞くのだ!おまえの友人達に気を付けるのだ。彼らがお前にもたらすのは破滅のみだ!」


「何だと…?俺の仲間が…?」

カルナクス
「この魔女め、覚えていろ!ぐあああ!」

ソクサ
「じゃあね… 」


「ソクサが勝った…。この小娘、只者じゃないな…」

ソクサ
「英雄よ、カルナクスは倒しました。私も体力を使い果たしたので、もう行かなくてはなりません…。仲間を探すことを忘れないでください。彼らはあなたの傍にいなくてはなりません!ゼンカの書には、あなたと共に旅をする3人について書かれています。彼らがいなくては、旅は成功しないでしょう。彼らを探し出さなくてはなりません。そして、決して傍から離さないでください」


「は、はい。分かりました」

ソクサ
「また、指輪、ネックレス、イヤリングの3つのアーティファクトを探さなくてはなりません。 それら古代のアイテムを通して、力が語りかけてくるはずです。これ以上のことは私には分かりません」


「わ、分かった。えーと、指輪とネックレスとイヤリングね」

ソクサ
「別の地からあなたが持ってきた、あの悪魔を閉じ込めたブラックソードを探すのです。旅を終わらせるためには、それが必要になります」


「あ…消えてしまった…!」


「ブラックソード…あの悪魔アルカディオンを封じ込めた剣…そういえば、俺の装備は…」

シャミノ
「アバタール!」




「シャミノ!おお…無事だったか!俺がいったいどれ程に心細い思いをしたか…!」

シャミノ
「大丈夫か?火山が爆発したかのような音が聞こえたぞ。それに、ここら一帯は炎に焼かれたかのようだ…。ずっと、おまえを探していたんだぞ!あの嵐にやられてから、ひどく混乱している。イオロもデュプレも見つからないし…」


「まあ、色々あってな…。ちょっと死にかけたよ。しかし、お前が見つかったのならば、イオロもデュプレも近くにいそうだな」

シャミノ
「それに、もっと悪いことには、ロード・ブリティッシュから授かった装備が何も残っていないんだ!どれもが、見覚えの無いような奇妙なアイテムに入れ替わっている。おまえの装備も確認してみた方がいいぜ!俺達の持っていた物のリストを作っておかないとな」


「装備…そうだ!何か変だと思ったら、俺の装備が…!」




「何だこれは!?持っていたはずのブラックソードも魔法書も無い!鎧も何か違うし、それに、こんなファーの付いた帽子、いつの間に被っていたんだ?」


「シャミノにいたっては、何故かブラシと熊の頭蓋骨なんて持って、サンダルを履いてるし…。なんというマヌケな姿だ…」


「とりあえず、こんな荒野で佇んでいても仕方ない。さっきソクサから聞いたとおり、モニトーの町とやらを探そう」


「えーと、確か海岸線沿いに歩けとか言っていたな。近くだといいんだが…」

シャミノ
「あれは、俺が魔法の嵐で無くした弓に似ているぞ!そして、あの嵐の後から手にしている動物の頭蓋骨…これは、俺の弓と入れ替わったに違いない!」






「ん…?あの動物の骨か。本当だ、何故かあんな所にマジックボウが落ちている…!」

シャミノ
「アバタール、こいつは手掛かりだぜ!この変なアイテムがどこから来ているのか分かれば、無くした持ち物が見つかるかもしれない。あの骨の大きさを見てみろ!持っている頭蓋骨とピッタリだぜ」


「ソクサから聞いた話だと、あの魔法の雷に打たれたら、テレポートしたり場所が入れ替わったりするらしいな…。とすると、雷に打たれたアイテムが、この島にある物と入れ替わっているわけか」

持って来た強力な装備は、ほぼ全て失われてしまった。
しかし、入れ替わったアイテムから推測すれば、どこにあるのかが分かるかもしれない。
ちなみに、これらの無くなったアイテムは、シャミノがスクロールにリストアップしてくれている。






「仲間を探して、失ったアイテムを探して…。まずはそこから始めないとな。金も食糧も無いから、早く何とかしないと…。余裕のある冒険だと思っていたが、かなり厳しい状況になってしまった…」


「む、東に城壁が見える…!あれが、ソクサの言っていたモニトーの町か?」




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