Ultima Savage Empire
09 古代都市


いよいよ、地下都市コトルに潜入する。
ジェムの指した入口の場所は、転送装置の集合地帯のすぐ近くであった。



やはり、このジャングルに似つかわしくない転送装置は、高い文明を持っていたという古代コトル人の発明した装置なのであろう。


準備を整えて階段を降りてみると、すぐに閉ざされた扉に当たり、進めなくなった。
扉の傍らには、首の無い黄金の像が置いてある。



この像を調べてみると、『フリッツの見つけた黄金の頭部は、この体と同一の材質のようだ、フリッツにも教えてやらねば……』と書かれた書置きを見つけた。
フリッツとは、谷の北の洞窟に住んでいたスペクターの元助手のことであろう。

ということは、この書置きを書いたのはドクター・スペクターであろうか。
そういえば、以前フリッツに会った時に、彼が『脳』と呼んでいた水晶を貰った。
彼も用途が分からなかったみたいだが、おそらくこの像の脳のことではないか?
だが、水晶の脳だけを使ってみても何も起こらないので、やはり頭部の部品が必要なようだ。





ということで、一度転送装置でナフアトラに戻って、このことをスペクターに聞いてみることにした。

しかし、スペクター本人に聞いてみても何も教えてくれない。
仕方ないので、彼の部屋をはじめ、王宮内を隈なくガサ入れしてみる。
もはや窃盗行為がすっかり板についてしまったな。

そして、宝物庫のような所で『金属の頭』というアイテムを見つけた。



これが先ほどの像の頭部であろうか。
白昼堂々と宝物庫から盗み出し、再び転送装置を使って地下都市へと向かった。


そして、首なし像に頭をセットする。
すると……像が喋りだした!



像はユナポトリと名乗り、このコトルの都の管理のために造られたオートマトンだと語った。
彼は、この都の主人であるコトル人たちが去ってしまった後にも都を守っていたのだが、最近になって都に入った人間によって頭を持ち去られてしまったのだと 言う。
都の中の機能は今だに健常だということで、アバタール達が町の中に入るために、パーティーに加わってお仕えしましょう、と言い、本当に7番目のメンバーと して仲間に加わってくれた。
そして彼に水晶の脳を手渡すと、失われていた記憶を取り戻したらしく、目の前の閉ざされた扉を開いてくれる。


ということで、ユナポトリと共にコトルの都の中へと入って行く。



中には見慣れない近未来的なオブジェクトが並び、そこらをロボサウルスという機械の恐竜徘徊して襲い掛かってくる。
あまり安全な所ではなさそうだ。


入口からすぐの所には転送装置があり、傍に1人のリザードマンが立っている。



彼の名はカタルコトル。
このコトルの都市に繁栄をもたらした功労者だと言う。
しかし、この姿は実体ではなくホログラムのようであった。

カタル・コトルのホログラムは、このイーオドンの谷の部族とコトル族、そしてミルミデックスについての真相を語ってくれた…。


彼らコトル族は、かつて巨大な黒い石を発見し、そこからもたらされるエネルギーを用いて、高度な機械文明を築き上げた。
そして、機械人形オートマトンをも造るが、それでも補いきれない労働力不足を解消するために、更に生物型の奴隷を造った。
それが、勤勉な習性を持つ蟻を元として造られたミルミデックスであった。
しかし、ミルミデックスは蟻の攻撃性も継承していたため、やがて叛乱を起こしてコトルのエネルギーの源である黒い石を持ち去ってしまう。
しかし、黒い石は遠くに持ち去られても、遠隔でエネルギーを引き出すことができたので、コトルの都市は存続することができた。
カタル・コトルは、新たな奴隷を得るために世界中を旅して、様々な人間達を連れて来て、その労働力によってコトルは再び栄える。
そして、やがてコトルから独立していった人間達が、今のイーオドンに住む11の部族となった。
その後、ミルミデックスがコトルの都市に侵攻して多くのコトル人が殺されてしまったため、彼らは都を捨てて去って行った……。


といった話であった。
なるほどね〜、深い歴史があったもんだ。
かつてスペクターも言っていたが、このミルミデックスが持ち去ったという黒い石を取り戻せば、そのエネルギーを使って元の世界に戻れそうだ。
アバタールやスペクターがこの世界にやってきた原因も黒いムーンストーンであった。
これらは同一の物なのであろうか?


カタル・コトル

古代コトル族。
人間をコトルの都市に連れてきて繁栄させた功績として、ホログラムでその姿と知識を永遠に残される栄誉を受けたという。
おそらく、本人は既に死んでいる。

ユナポトリ

古代コトル族の造ったオートマトン。
召使役の彼が人間の姿をしているのは、人間がコトル族の奴隷だったことに起因している。
彼のみは、他のオートマトンと違って高い知能を持ち、コトルの都市の門番をしている。







都市はかなり広く、各所にある転送パネルでエリアを行き来するため、まるで迷路のようだ。
所々に、オートマトンの残骸と共に、用途不明の装置や、コトル族の武具だったと思われる黒い杖や水晶のような盾が落ちている。



これらの装置は使うと爆発を起こしたり、傷を全回復したりと、何かと便利そうだったので可能な限り集めておいた。
武器防具もちゃんと装備できる。
特に、稲妻のようなものを放出するブラックスタッフはなかなか強力だ。


そして奥に進んでいくと、橋の上にドクター・スペクターが立っていた。



彼は時折この都市に来て研究をしているようであった。
どうやら彼の話によると、この都市の奥にあるジェネレーターを操作して、例の無敵のフォースフィールドを身に付けているらしい。
スペクターの野望を阻止するためには、そのジェネレーターを操作し直して、彼のフォースフィールドを無効化する必要があるだろう。

しかし、多分この先にジェネレーターがあるのだろうが、彼が邪魔して通してくれず、無敵なので斬り倒していくこともできない。
どうやら、別のルートを探すしかないようだ……。


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そんなワケで、俺は命知らずの4人の野郎共とアイエラとユナポトリを連れて、こ の地下都市を探検した。
このユナポトリってのは随分とユニークな奴だ。
なにぶん、こんな体だからか頑丈この上ない。
俺も今までに色々な奴を見てきたが、まさか人間じゃないどころか、生物ですらない奴と一緒に冒険するとは思ってもなかった。
当初は、彼をどう扱っていいものかと少し困惑してしまったが、結局のところ、いつも通りに自然体で接することにしたんだ。
そうして何だかんだ喋りかけているうちに、このゴールデン野郎も意外と話せる奴だってことが分かってきた。
世の中は広くて色々なことがあるけど、よく言われているように、そこに人種の垣根ってのは存在しないってことを改めて実感したものさ。

それはそうと、この地下都市は本当に広い。



襲ってくるロボット共も、やけに固くて強いものだから、俺達は随分と消耗してしまった。
さっさとジェネレーターってやつを見つけたいんだが、こうも複雑な構造だと、どこに何があったかなんて、すぐに忘れちまう。



俺はジミーの小僧に、その大事そうに持ち歩いてるノートを使ってマッピングをするようにと、いつも口をすっぱくして言っているのだが、この小僧はトリオロ のマップ表示の魔法に頼ってばかりで人の言うことを聞きゃしない。
まったく、最近の若い奴は楽する事ばかり覚えやがってロクなもんじゃねえな。
そのトリオロの魔法だって、マップの範囲は狭いわ、照明の効果はすぐ切れるわで、本当にロクなもんじゃねえ。
こんなロクデナシ共よりも、ユナポトリの方が何倍もタフで役立っているって話だ。

その後、どこをどう歩いたか覚えてないが、何度もワープ装置を抜けた先に、ようやく怪しげな装置を見つけた。



どうやらこいつがジェネレーターのようだ。
こいつを操作して、スペクターのフォースフィールドを取っ払っちまえば、ミッション・コンプリートってわけだ。

だがしかし、どうやって操作したものか、俺には皆目見当もつかない。
こういった事に詳しそうなラフキンの奴に聞いてみるも、またダンマリを決め込んでしまった。
まったく、とんだ大先生だよ。

仕方ないから俺が何とかするしかないが、どこをどういじってもウンともスンとも言わない。
家にあるポンコツラジオでも、もうちょっと愛想がいいってもんだ。
途中で拾った色々な装置を試してみても、結果は同じだった。
いつだって俺は時代から取り残されないように努力をしていたつもりだったが、さすがにこんな物をいきなり操作しろってのは無茶な話だ。

そうこうしているうちに時間だけが無情に過ぎ、後にいるアイエラが失望の眼差しで俺を見ていることに気付いた。
俺はいたたまれなくなってしまい、この不名誉な事態を何とかすべく、つい強行的な手段を取ってしまった。
そう、思わず手に取った黒曜石の剣で、装置を思い切り殴りつけちまったんだ。



家にあるポンコツは、こいつで大抵なんとかなったもんだが、今回はそうはいかなかった。
この装置はブン殴られた途端に激しい火花を発して爆発しちまったんだ!

同時に、周囲の照明が消えて真っ暗になった。
どうやら、このジェネレーターが壊れたことによって、都市の機能が全て停止したみたいだ。
動き回っていたロボットの恐竜達も、一斉にストップする。
そしてそれは、この都市の動力で動くオートマトンであるユナポトリも例外ではなかった。
次第に動きが弱まっていき、最後に『あなたと知り合えたことを名誉に思う……』と呟き、彼はその機能を完全に停止した……。
俺たちは彼の体を修復しようと試みるが、もう二度と動くことはなかった。

そして、いつの間にか俺達の傍にはスペクターが立っていた。

  

彼は涙を流して自分の非を侘びる。
どうやらジェネレーターが壊れたことによって、スペクターのフォースフィールドも消えて正気に返ったみたいだ。
彼は狂気のジパクトリオトルではなく、人類学者ジョアン・スペクターに戻ったんだ。

しかし話し込んでいるヒマはない。
機能が停止した地下都市は、間もなく崩壊してしまいそうだ。




俺達は動かなくなったユナポトリをその場に残して、スペクターと共にコトルの入口に向かって走った。



こうして俺達はまた、かけがえのない友を失ってしまった……。
心なしか皆の視線が冷たい気もするが、俺は悲しみを吹っ切るかのように、ひたすら全力で走ったんだ……。



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ということで、スペクターを連れて地上に生還。
ユナポトリの代わりに、彼がそのまま7人目のパーティーメンバーとなった。
同時に地下都市コトルは完全に崩壊して、入口も塞がれてしまった。
ちなみにジェネレーターは、本当に殴って壊すしかなかったようです。
さらばユナポトリ……。


だが、これでスペクター同様にナウアトラの暴君・ヴィトラパクティのフォースフィールドも消えているはずなので、彼を王位から下ろすことも可能なはず。
まだ地上の転送装置は作動するようだったので、これを使ってナフアトラにワープする。
そしてナフアトラの王宮へと行ってみると、なんと、既に先王のモクタポトルが王座に着いていた。



投獄されていたシャーマンのワシュテパクもいる。
どうやら、あっという間に王位を取り戻したようだ。
話を聞くに、暴君ウィトラパクティも、あっさりと処刑されていた模様。
合掌……。
王位を取り戻したモクタポトルは、喜んでアバタールの連合に加わってくれました。

これでようやく、イーオドンに暮らす11の部族が全て連合に加わった。
いや〜長かった、このナフアトラ族を連合に加えるのが一番苦労したな……。





<番外編>

フリッツの暮らす洞窟の近くに、グレネードで爆破して橋にすることの出来る木があり、ここを先に進むと廃墟の集落に着く。

ここはかつてミルミデックスによって滅ぼされた村である。
転送装置の集積地帯の中で1つだけ作動しないものがあるが、本来はこの村に通じていたもののようだ。
中はミルミデックスだらけで大変危険であるが、ここには謎の人物がいる。



彼の名はセガリオン。
そう、ウルティマ5・6でも登場したセガリオンが、何故かこの世界にもいるのだ。


トリオロやドゥクライと違ってアバタールのことは全く知らない様子で、話しかけてもダイヤモンドを探していると言って全然相手にしてくれない。
村の中には、セガリオンが使用しているのか分からないが、ライフルの弾やグレネードボムなどの貴重な品が沢山あるので、決戦の前に最後の補充をした。

セガリオン

何故かダイヤモンド集めに熱中しており、彼の小屋には、彼が集めたと思われる大量のダイヤモンドがある。
実は、彼はウルティマ以外のオリジンのゲームにも登場しているようです。


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