Ultima Savage Empire
07 火の山の民

イーオドンの谷には全部で11の部族が暮らしている。
これまでに9の部族に出会い、クーラック、ヨラルー、ディスキキ、ピンディロ、バラコ、ウラリの6部族がアバタールの連合に加わった。
ナフアトラ、バラッブ、サックラーの3部族の連合条件は既に聞いているので、先にまだ出会っていない2部族の集落を探すことにした。
おそらくワープ装置でも行くことができるだろうが、とりあえずはまだ行っていない谷の南東地域へ向かって歩いてみる。


ナフアトラの町から南東に歩くと、道中で1人の男がウロウロしていた。
どうやら正気を失っており、自分の名前も思い出せないようである。



彼はピーバーという名のジュカリ族の勇敢な戦士であることを、トリオロが教えてくれた。
かつてドクレイと共にミルミデックスと戦ったが、それ以来正気を失ってしまったらしい。
深い憎しみだけは覚えているのか、ミルミデックスのことを話そうとすると激高して襲い掛かってくる。不憫なものだ……。


ピーバーのうろついていた場所から更に南東へと進むと、ジュカリ族の集落へと辿り着いた。
この部族も他の部族達が争っているのと同様に、北に住むハークールー族という部族と争っているらしい。
どうやら、ここで全ての部族に出会えそうだ。


ここの族長ジュムーは、先代の族長の死後にその座を継いだばかりらしく、まだ若々しかった。



どうやら先代は、ここの付近にある火山の溶岩で焼け死んでしまったらしい。
そればかりか、このジュカリ族のシャーマンも火山弾に当たって死んでいるとのこと。

彼に色々と話を聞くと、この火山の中に彼らジュカリ族の聖地というべき洞窟があり、そこに安置されている聖なる毛皮から精霊の神託を授かっていたと言う。
だが、ここ最近の噴火による溶岩で、洞窟へ行くことができなくなってしまったらしい。


で、この洞窟へ行って聖なる毛皮を回収してくることが、彼らが連合に加わる条件というわけだ。
話を聞いたラフキン教授が、ジェームズ・ワイルドマンという男が燃え盛る船のデッキの上を消火器を使って渡ったという話をし、ラボにあった消火器を使えば 溶岩を固めて上を渡ることができるかもしれない、と呟いた。
あそこにあった消火器は、何か役に立つ時が来るだろうと思って既に持って来ている。


ジュムー

ジュカリ族の族長。
先代族長もシャーマンも火山で死んだが、よく部族を治めている様子。
彼らの聖洞にある聖なる毛皮は、そこに神託の文字が浮かび上がってくるという代物らしい。

ピーバー

ジュカリ族の戦士。
かつてドクレイと共にミルミデックスと戦ったらしいが、よほど恐ろしい目に遭ったのか正気を失っている。
ドクレイがパーティーにいると、ドクレイは涙を流して復讐を誓う。







集落の東へと行ってみると、一面が溶岩に包まれていた。



どこかに、その聖地に通じるピンポイントがあるはずだと思って周囲をぐるっと回ってみるが、この火山はかなり広い。

一向に見つからないままに延々と歩くと、岩壁に洞穴を見つけた。
ここは溶岩で遮られてないから違うだろうと思って中に入ってみると、そこには人の姿がある。



かなり怪異な容貌ではあるが、このネアンデルタール人達こそが、ジュカリ族と争いを続けるハークールー族であった。

見ての通りの生粋の原始人であり、ほとんど会話ができない言語能力だ。
彼らに部族連合という概念が通じるかも怪しかったが、族長は何とかコミュニケーションが取れるようだった。



で、彼に連合の話を持ち出すと、やはり条件を出してきた。
どうやら、近くに巨大な蜘蛛が住む洞窟があり、ハークールー族が襲われるらしい。
以前に族長の息子が討伐に行ったのだが、おそらく殺されてしまったらしく戻ってこないそうだ。
そこで、その蜘蛛の洞窟に行って奴らを退治して、息子の形見の盾を見つけて持ってきて欲しいと言う。

なるほど、どうやらジュカリ族もハークールー族も、連合の鍵は火山の中にありそうだ。

グルゴール

ハークールー族の族長。
巨大な蜘蛛によって息子を失っているらしい。
蜘蛛の巣は、松明の火で焼き払うことができると教えてくれる。
だが、彼らハークールー族の知能では火を使うことができないようだ。



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そんなワケで、俺は命知らずな4人の野郎共とアイエラを連れて、巨大な蜘蛛が生 息するという洞窟へやってきた。



この洞窟中に張られた蜘蛛の巣ってのは中々のもので、俺達の手足に絡まって身動きを取れなくするのに十分な粘着力だった。
アイエラは、特大のテディベアほどのサイズの大蜘蛛を見て眉をしかめている。
俺は彼女を安心させるため、手に持った松明に颯爽と火を灯し、順番に巣を焼き払っていった。
どうだいアイエラ、これで明るくなっただろう?

トリオロが勢いよく燃える炎を見て喜び、そこかしこを指差して火を付けるようなジェスチャーをする。
どうやら、巣穴全部を燃やしてしまったらどうかと言っているようだ。
そんなことをして、お目当ての盾まで炭になっちまったらどうするんだい?
…って、たしなめるように聞いてやったら、トリオロはキマリが悪そうにうつむいた。
まったく、こんな簡単な知恵も回らないのだから困ったもんだぜ。

俺が意気揚々と蜘蛛の巣を焼き払っていくと、開けた視界から突然何者かが襲い掛かってきた。



どうやら、蜘蛛の巣の中にはミルミデックスの巣まであったみたいだ。

この蟻のような種族−ミルミデックスは、とにかくクレイジーな奴らで、獰猛で攻撃的な上に死を恐れずに集団で襲ってくるイカれた蟻野郎だ。
人間の背丈ほどもある巨大な蟻の戦士だと言えば、どんな『おニブさん』でも恐ろしさを想像できるだろう。
こいつらには、俺達も苦労させられている。

だが俺は、ここでもアイエラにいいところを見せるため、果敢に斬り込んで行った。
リーダーが誰よりも前に立って戦う姿を見せれば、アイエラでなくとも惚れるってものだろう。
しかし、そんな俺の頭の上や脇の下を、ライフルの弾丸や毒矢なんかが勢いよく飛んでいく。
常々思っていたが、どうも俺の仲間たちは、戦闘に乗じて俺もろともターゲットを撃ち抜こうとしているフシがある。
この戦いが終わったら一度彼らと真面目に向き合って、このことについて話してみるつもりだ。

そして何とか蟻公共をやっつけて周囲を調べると、クールなデザインの盾が死体の傍に落ちているのを見つけた。
これこそが、あの族長の息子の盾だろうか、存外簡単に見つかったものだ。
これで目的の物は手に入れたので、さっさと洞窟を引き上げて日なたぼっこでもしよう、と俺はみんなに呼びかけた。

しかし、誰も返事がない。
後を見ると、どいつもこいつも、そこら中に転がっている死体から剣や鎧を剥ぎ取るのに夢中になっていて、俺の声が聞こえていないみたいだ。
俺としては彼らの行動を咎めるつもりは毛頭ないが、こうやって客観的に眺めてみると、なんとも浅ましい姿だ。
俺はタバコでも吸いながら連中の行為を待ってやることにした。


そして洞窟を出たら、お次は真夏のアリゾナよりも暑い溶岩地帯へと歩いて行った。
この広大な溶岩を越えた先にジュカリ族の聖洞ってのがあるらしいが、この溶岩を渡ってこいだなんて、いくらなんでも無茶にも程がある。
俺がアバタールじゃなかったら、今すぐにでも族長を張り倒しに行くところだ。

しかし、怒っても仕方ないので、何とかして渡る方法を考えなくてはならない。
ここでラフキンの奴が、さも得意そうなツラをして、消火器を使えばいいなんて言い出す。
ドロドロの溶岩に消火器を吹きかければ、固まって上を歩けるようになる、って理屈らしい。

俺は思わず言ってやったね。
おいおい、ラフキン、あんたは確かに自然史博物館の館長だなんてインテリな職業だが、ちょっとばかし常識ってやつが足りないんじゃないのかい?
この溶岩が、いったい何ヤードあるのか数えられるかい?
こんなチンケな消火器一本使ったところで、あんたのタバコの不始末を消せるのが精々だろうさ!
…ってね。

だけど、俺がこんなに諭しても、ラフキンの奴は持論を取り下げない。
まったく、こんな奴が教授なんて呼ばれてるんだから、世も末ってもんだ。
だが、呆れ顔の俺をよそに、ジミーの小僧が溶岩に向かって消火器を猛然と噴出させはじめた。
すると、どうだ?
見る見る間に溶岩が固まって、少しずつ足場が出来ていくじゃないか。



俺は目を疑ったね。
足場はどんどん前方に出来上がっていくのに、消火器は依然として空っぽにならず、際限なく煙を吹き続ける。

こうして出来上がった足場を渡って、俺達は例の聖洞にあった毛皮を回収できた。



消火器で溶岩を固めたラフキンとジミーの小僧は、アイエラから目いっぱい賞賛されて良い気になってやがる。
俺はと言えば、ラフキンの奴の持論を強く否定した手前、バツが悪くて終始無言だった。
これはジミーとラフキンが、俺を陥れてアイエラの気を惹くために仕組んだ罠なんじゃないのか、とも思ったくらいさ……。


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さて、長くなりましたが、これでジュカリ族とハークールー族も連合に加わりました。





消火器は本当に無限に使用できてしまい、その気になれば、1本で全てのマグマを凝固できてしまいます。
物理法則完全に無視です。
ただ、時間が経つと再び溶解してマグマに戻るみたいだけど。


蜘蛛の洞窟には、何故か白骨の傍にカメラとライフルとナイフが落ちていて不気味だった。



こんな物が落ちているということは、ここに来た現代人が他にもいるということだ……。


また、最初は気付かなかったが、ハークールー族の中にはアバタールの仲間に加わってくれる猿人もいた。



名前はウグヤック
最初から最高レベルの8で、STRも最大値。
非常に頼り甲斐のある奴だが、これ以上成長しないので、今のところはパーティーに加えない。

さて、これでアバタール連合完成のための部族は、残り3部族となった。


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