Ultima Savage Empire
03 シャマップの槍


ラフキン教授とジミー・マローンを見つけた次は、さらわれたアイエラを助け出す。 ディスキキ族の村を出て、ムーンゲートのような装置で一度クーラック族の村に戻り、そこから北へと向かうことにした。
まずは、川を渡ってずっと北に進む。



何度か話に聞いた元ウラル族のシャーマンのトプルという男がこの北の島にいるというので、彼からウラリ族についての手がかりを得なくてはならない。
しかし、北の島といっても広いので、このジャングルの中から探し出すことができるのだろうか?

何か目印があるわけでもないので、トリオロの魔法を頼りに、北へ北へとガムシャラに進んでいくと、道中で洞窟を見つけた。




少し様子を見てみようと中に入ってみると、何とそこには人が暮らしていた。
しかも、この谷の原始の部族ではなく、我々と同じくような格好をしている。



彼はフリッツと名乗った。

フリッツといえば、ドクター・スペクターのところにいたオウムが、しきりにその名を叫んでいた。
どうやらスペクターの助手だったようだが……。


フリッツ

ミュンヘン出身の考古学者で、ドクタースペクターの元助手として共にムーンストーンの研究をしていたと言う。
一緒にこの世界に飛ばされた後、次第に暴走するスペクターを抑えていたのだが、遂に追放されて逃げてきた。
ボクシングができるおかげで、この谷の部族からは戦士として一目置かれているらしい。


彼は小さなクリスタルをアバタールに手渡す。
これはスペクターが『脳』と呼んでいた装置であったが、何に使うのかは全く分からないが、アバタールが持っていた方が役立つだろうとのこと。
きっと何かの鍵となるアイテムであろう。

フリッツから近くの部族の集落の方角を聞いたので、この後はそちらに行ってみることにするか。
フリッツの洞窟に置いてあった、なけなしの食料や弾薬等をバックパックに詰め込み、アバタールは洞窟を後にした。





ここらでキャンプをするとジミーが夢を見た。
どうやらレベルアップしたみたいだ。



今回は経験値を満たした時にキャンプをするとレベルアップとなる。
この時に見た夢で動物を追いかけるのだが、そこで熊を追えばSTR、ジャガーならばDEX、猿ならINTが、それぞれ1上昇し、それに加えてHPが数ポイ ント上昇する。

ここでジミーをレベル4にし、熊を2回追わせた。
やっぱこの時代、力さえあれば他はどうでもいいと思うんだ。
魔法とか使わないのにINTとか果たして必要?

今回はアバタールをはじめ、みんな初期レベルが高いのでレベルアップの機会は少なそうだと思っていたが、得られる経験値が結構高いので、最高レベルの8ま で上げらるかもしれない。
まあ、最高レベルまで上げたところで大して戦闘力は変わらないだろうが。





さて、フリッツからピンディロ族とバラコ族の集落の場所について聞いたので、ついでにそこにも行ってみる。

洞穴から南東に歩くと、程なくピンディロ族の集落へ到着した。



彼らは狩と漁をして生活している、ネイティブアメリカンのような容貌の部族だ。
西に住むバラコ族と争っているらしい。


漁で暮らしている部族だけあって、北の湖には漁に使っているイカダがあった。
これで川や湖を自由に移動できるか?
と思いきや、当然パドルがないとイカダは漕げない。



このパドルというのが、あのディスキキ族が上手に作るらしく、もっぱら彼らと取引して入手していると言う。
あのニート族にそんな特技があったとは驚きだ。


この村の住人に話を聞いていると、ドクレイという名の謎の戦士に出会った。
彼は、このイーオドンの谷を旅している冒険者で、なぜかアバタールのことも知っていた。



なぜか…と言うか、一目瞭然ではあるが、彼はかつてブリタニアで共に冒険した、名誉の騎士デュプレである。
トリオロと違って彼は記憶喪失などではなく、この世界にもすっかり馴染んでいるようだが、間違いなく別世界ブリタニアからやってきたはず。

ドクレイは凶悪な蟻の部族ミルミデックスと戦うためにイーオドンの谷を旅しており、そのためには全部族が連合を組んで戦う必要があることをアバタールに 説くが、自分がそのことを族長に話しても全然取り合ってくれないと嘆く。

なるほど、前にもそんな話をヨラルー族の女戦士サーリーから聞いたものだ。
やはりここは人心掌握に長けたアバタールが音頭を取って全部族をまとめなくてはならないようですな。

そしてこのドクレイ、やはり仲間に誘うとパーティーに加わってくれた。



ステータス値もかつてのデュプレと同一。
これはもう間違いないだろう。



そして、族長に謁見する。
ピンディロ族の長・イナーラは女性であった。



彼女に挨拶をして部族の連合について話すと、最初は一笑に付されたが、ちょっと考えた後に、もう戦いには疲れたから、それも良いかもしれない、と言って連 合加入を約束してくれた。

おい、簡単に説得できたじゃねーか。
どうなってんだドクレイ!?



こうして、ピンディロ族はアバタール連合に加わることになったのでした。
じゃあ次は、イカダも見つけたことだし、ディスキキ族の村へ行ってパドルを手に入れるとしようか。
ついでにあの酔っ払い族長を説得して連合加入を説得してみよう。


イナーラ

ピンディロ族の族長。
バラコ族との戦いに明け暮れて、次々と戦士達が死んでいく現状を鑑みて、連合入りを無条件で承諾してくれる。

クナヲ

ピンディロ族のシャーマン。
回復をしてくれる他、秘薬と亜麻糸とを交換してくれる。
本当はシャーマンとしか交換しないらしいが、アバタールには精霊の加護があるとのこと。






ピンディロの村にあったブーメランとステゴサウルスの盾をいただいて装備を整え、付近にあったワープ装置でディスキキ族の村へ向かう。
途中でミルミデックスの大群に襲われて死にそうになったが、辛うじて殲滅させた。



肉食獣でも近づかないと襲ってこないのに、こいつらは遠くからでも探知して襲ってくる危険な奴等である。



さて、そんなこんなで再びディスキキ族の村にたどり着いた。
まだ酒盛りをしている族長に尋ねてみると、パドルはその辺に転がってるから好きなのを持って行けとのこと。
さすが太っ腹!

で、ついでに部族連合に加入するようにも説得してみると、こちらは一筋縄ではいかない様子。


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チャフ ブルム
「ディスキキとほかの部族を連合させたいのか?ほかの部族に、アレされなくなるのか? あの……」

レレイ
「コーゲキ!」

チャフ ブルム
「……ディスキキはいつも攻撃される。よし、わかった。連合に加わろう!」

ラリフィン
「待った!その前に、商談をまとめるべきだ。伝統のしきたり。徳のテスト、勇気のテスト、技のテストを要求する」

チャフ ブルム
「ラリフィンの言うとおりだ。お前が3つのテストに合格しなければ、連合には加われない」彼はキミの顔を覗き込んでから、ラリフィンに顔を向けた。
「2つのテストだ。こいつでは、徳のテストには絶対に合格しない」

ラリフィン
「いかにも。2つで十分。勇気と技だ」

チャフ ブルム
「第一のテスト。勇気!」
彼は、どろどろの白い液体が入った水差しを持ち上げた。
「プラクタだ。この滑らかで、繊細な香がわかるか」
製紙工場と屠殺場が、明け方の廃棄物たれ流し合戦を繰り広げてるような臭いが、キミのところまで届いた。
「勇気のテストの時間だ。これを飲む勇気があるか?」

水差しを口に押しあてて、意を決して、舌に触る液体を一口飲み込んだ。まわりから拍手が沸き起こった。
ねばねばの毒性の液体が喉を通ると同時に、鳥肌が立った。
しばらくの間、キミは自分の名前も思い出せなくなってしまった。足と口が痺れている。目は開いたきり、閉じることができない。耳から蒸気が吹き出して、ピーピー音を立てているような感覚を覚えた。

そして、目が見えなくなった。
チャフブラムの声が聞こえた。
「今日のは、いいプラクタだ!」
間もなく、視力が戻ってきた。

チャフ ブルム
「技のテストは、何にしようかな?」

ラリフィン
「グオブラムと結婚させろ!」

レレイ
「ダメよ。それじゃ勇気のテストだわ!」

グオブラム
グオブラムは、両手いっぱいの果物をその女性に投げつけた。

チャフ ブルム
「待て! わかった。この男に、とんがり歯に音鳴る物を付けさせる」
拍手が沸き起こった。
「この附近には、大きなトカゲがいる。普段は村の南東にいる。我々は、それを、とんがり歯と呼んでいる。立つと家ぐらいある。ディスキキの戦士を食らい、よろよろと歩き回る。しかし、もっと戦士を食らうために、戻ってくる」

「技のテストは、とんがり歯に音鳴る物を付けてくることだ。そうすれば、ディスキキの戦士は、とんがり歯が来るのがわかる」

グオブラム
「お父ちゃん、意味ないわ。とんがり歯が来るのが聞こえたら、みんな怖くなって逃げちゃうわよ!」

チャフ ブルム
「娘は気にするな」
彼はしゃもじでグオブラムを叩いた。
「ラリフィン、この男に音鳴る物を渡せ」
ラリフィンは、キミに大きな銅のベルを渡した。牛の首に付けるベルのようだ。
「これを、とんがり歯に付けてこい。そうしたら、連合に加わろう」

グオブラム
グオブラムが鼻をすすって言った。
「いい男は、みんな食べられちゃうのよね。偉大な戦士だけが、とんがり歯 をおとなしくさせておいて、音鳴る物を付けることができるのよ」

チャフ ブルム
「フム……娘の言うとおりだ。アバタールは死んだも同然。惜しいことをした」

レレイ
「シャマップのスピアがあるわ。シャマップのスピアよ!」

チャフ ブルム
「あ、そうだね。シャマップは、ディスキキの変り者だった。ほかの者とは違っていた。大きなトカゲの歯を抜くのが好きだった。シャマップはよく、プラクタを詰めた大きな皮袋をスピアの先に付けて、トカゲを刺していた。そうすると、トカゲは寝てしまう。そんなに 驚くことでもない。チャフブラムだって寝てしまうだろう。シャマップのスピアに付けるプラクタをやる。スピアを準備する前に、使ってしまうなよ」


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そんなワケで、俺は命知らずな野郎共4人を連れて、その『トンガリ歯』って奴を探しに行った。
『トンガリ歯』ってのは、ここの原住民がそう呼んでいるだけで、ちゃんとした名称があるんだって、ラフキンのやつが得意げに語るが、そんなことは俺の知ったこっちゃない。
俺としては、トカゲの首に鈴をかけるだけの仕事なんざ、昔ブリタニアで味わった地獄に比べれば、とりわけ大変な事とは思っちゃいない。
あの頃は、悪魔よりタフな衛兵がいる目の前で、殺人だの窃盗だのってのが日常茶飯事だったからな。

おっと、そんなことはどうでもいいんだ。
で、肝心のトンガリ歯の奴を探しに行くんだが、なかなか見つからない。
ジミーの小僧はちょっとブルッちまってるが、トリオロとドクレイは手馴れたもんで、しっかり隊列を組みながら周囲を警戒している。
頼もしい奴等だぜ。
鈴をかける前に間違って仕留めちまっても、それはそれでアリだよな?

なんてことを考えていたら、不意に目の前に大きな岩が見えたんだ。
だが少しおかしい…。
そいつは岩にしては、ちょっと茶色すぎた。
そして、わずかに動いているように見える。

そう、それは岩なんかじゃなく、トンガリ歯の野郎のケツだったのさ!



おいおい!
こりゃT・レックスじゃねえか!

ラフキンのやつが慌てふためいて説明しようとするが、こんなの俺でも知っている。
とんだ『トンガリ歯』だぜ!
こんなに近づいちまって見つかりでもすりゃ一巻の終わりだ。

さっきまで意気揚々としてたトリオロとドクレイはすっかり腰が引けちまって茫然としてやがる。
ジミーの小僧は多分チビッってたんじゃねえのか?
俺はといえば、この状況を何とかすべく色々考えていた。
考えに考え抜いて、やはりディスキキのオッサンから貰った、このクソッタレな酒を使わなくちゃならないと決意したんだ。
このプラクタとかいう酒を見ると、悪ノリで一気飲みさせられて危うくアッチの世界へ旅立ちそうになったことを思い出して胸糞悪くなるが、気付かれないうち に一発で野郎を眠らせるには、もうこれしかないみたいだ。

俺は意を決して、持っていた槍の穂先にこいつを塗りたくって身構えた。
そして、野郎が尻を向けてるところに、このシャマップの槍を思いっきり投げつけてやった!
俺はアバタールと呼ばれるだけあって、ロングソードやハルバードなんかの扱いはちょっとしたもんだが、この槍投げってやつは今までにあんまりやったことが なかったから、そりゃドキドキしたもんさ。
なんせ外しちまおうもんなら、俺達は明日の朝には仲良くT・レックスのクソになっちまうんだからな。

まあ、それで槍はちゃんとブッ刺さった。
俺も決める時は決めるもんさ。
すると、あの我が家のガレージを踏み潰すほどにデカいT・レックスの野郎が、バッタリと倒れやがったんだ。



奴が倒れるやいなや、俺は一目散に駆けて行って、尻尾を伝って体によじ登り、首元にちょうど犬か猫かのように鈴を付けたのさ。
ああ、もう、この時ばかりは本当に恐ろしかったよ!
なんせ、こいつの口の中だけでも、5人で組体操ができるんじゃないかってくらいのサイズだ。
ちょっとした弾みで眼を覚まさないもんかと、冷や汗垂らしながら付けたもんさ。

仲間達は見てるだけで何も手伝いやしねえ。
もっとも、何も手伝うことなんてなかったかもしれないが、少なくとも俺の奴らに対する信頼は、これを機に考えさせられるものになったのは確かだね。

それにしても、ちょっとカスっただけで、このクレイジーなトカゲ野郎を眠らせちまうような酒を、大ジョッキ並々と一気飲みさせるようなディスキキ族の奴ら は本当にイカレてるって思ったね。








というわけで長くなりましたが、無事にトンガリ歯に音の鳴る物を付けてきたので、ディスキキ族はアバタール連合に加わってくれました。



族長、最後はそっけない。


こうやって、イーオドンの谷に住まう多くの部族をまとめていくのが目的なんだろうな…。
いや違う、さらわれたアイエラを救うんだよ。
たまに忘れそうになるから困る。


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