Ultima Savage Empire
01 アバタールの目覚め




ウラリ族の長のバカデカ・ダーデンに打ちのめされて気を失っていたアバタールは、シャーマンの家で目を覚ました。

シャーマンの名はインターニャ。
倒れていたアバタールを介抱してくれたらしい。
しかし……一緒にいたラフキン教授とジミー・マローンの姿が見えない。
どうやら、彼らとははぐれてしまったようだ。

ここは、さらわれたアイエラの部族、クーラック族の村であった。
アイエラはここの族長の娘らしい。

とりあえず聖者アバタールとしては、ぶちのめされた借りもあるので、ダーデンを探してアイエラを助け出さねばならないだろう。
まあ教授とジミーは、ついででいいかな。




アバタールはちょっと前まではこんな格好だったが、
現代的なアメリカンらしい外見になっている。
一応ちゃんとした社会生活を送っているようである。


このイーオドンの谷は非常に危険なので、インターニャがシャーマンの弟子をお供に付けてくれると言う。
こいつはありがたいぜ!名前はトリオロというらしい。



……ってイオロじゃん。あんた何やってんの?

このトリオロ、記憶を失ってジャングルをフラフラしていたところをインターニャが見つけて弟子にしたらしい。
トリオロという名前もインターニャが付けたそうだ。
アバタールの顔をみると何かを思い出しそうになっているので、彼もまたムーンストーンの影響でブリタニアから飛ばされてきたのだろうか。
朋友イオロと原始世界で出会うとは、世の中何が起こるか分からないものだ。

アバタール、トリオロとも、いきなりレベル6とレベル7という非常に高いレベルでのスタートである。
以前の経験が生きているということだろうか?



そしてインターニャの家を出てトリオロと共に村を歩き、族長のアロロンと、その養女トリスティアに話を聞いた。

アロロン

クーラック族の酋長にして、さらわれたアイエラの父。
クーラック族は勇敢な戦士で、現在は東に住むヨーラル族と、西に住む恐ろしい虫の種族ミルミデックスと争っているらしい。
アイエラを溺愛しており、なんとかして救出しようと部族をあげてウラリ族の村を探している。
養女のトリスティアについては一切言及がない。

トリスティア

幼い頃に火事で両親を亡くしたため、アロロンが養女とした。
その頃の影響か、火遊び好きであるらしい。
アイエラの義妹であるが、彼女を良くは思っていないようだ。
族長の娘ということを鼻にかける高慢な性格だが、実はこの時代にしてツンデレな一面を持つ。


他にも部族の民が多く暮らしているが、名前はそれぞれ違うものの、顔が皆同じである。
顔ばかりでなく、話す内容まで皆同じでなので、今までのように躍起になって人々に話しかける必要は無い。
うん、まあ同じ部族だしな。似た人が多いんだろう。
今回は冒険メインだから人々の話は比較的どうでもいいのだ、多分。


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そんなワケで、俺はアロロンの旦那に挨拶をすませて集落を後にした。
今度の冒険はちょっとばかりハードになりそうだ。
なんせ、この未開の地では、俺のオハコである話術がどれだけ通用するか分からない。
ブリタニアでしつこく聞かされた徳の教えなんて、このジャングルでは恐竜のクソよりも役にも立たない代物だろうさ。
すっかり原始人になっちまった親友のイオロが、奇妙な骨と木の実をいじりながら怪しげなマジナイの真似事ばかりしている姿を見るにつれ、俺はこの世界で上 手くやっていく自信がどんどん無くなっていった。

だけど、さらわれた美女を救出するっていうシチュエーションは悪いもんじゃない。
俺はアバタールと呼ばれるだけあって、過去には色々な冒険をしたものだが、こういった色恋沙汰にはトンと縁が無かったもんだ。
いや、大昔の事だが、城の牢獄に囚われている姫を救ったことが、あったことはあった。
だが、あの頃の俺はわりとヤンチャな性格だったから、結局のところ恋愛よりもバイオレンスな事の方が好きだったんだ。
そんな俺の姿を見てか、彼女も次第にそっけなくなっていって、お互いに何事もなく終わってしまった。
まあ、俺も彼女も若過ぎたのかもな。

でも今となっては、休日は家でテレビドラマを見ていることの方が多いくらいだから、こういったチャンスはしっかりモノにするつもりだ。
おっと、こんな話はどうでもいいか……。



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そんなことを考えながら、ここらで集めた情報を集約すると、バカデカ・ダーデン率いるウラリ族は、ここから遥か南東にいるらしい。
誰もその住処は突き 止められないが、ただ1人、かつてウラリ族のシャーマンであった、トプルという名の少しイカれた男が知ってるかもとのこと。
彼は北の谷を越えた先の島に1人で住んでいるというので、とりあえずはそっちの方角に行ってみますか。


出発の前に、集落中の家を漁って旅に役立ちそうな物を掻き集めた。
武器になりそうな物はもちろん、秘薬、食物、装飾品、毛皮の敷物など、バックパックに詰め込んだ物は様々である。

そう、ここは徳や原理という概念もない太古の世界。
民家にある物を取ったところで、ブリタニアと違って誰が何を言うわけでもない。
手に取ることのできる物は全て自分の物。
外を歩く動物は全て獲物。
ここでは何をしても自由なのだ!

これまでブリタニアで聖者として振舞うことを余儀なくされたアバタールの野生が解放される!







ということでクーラック族の村を出て東へと向かう。



道中でジャガーに遭遇したが、アバタールはサバイバルナイフ1つで猛獣ジャガーを打ち倒す。
さすがにブリタニアで馴らしただけあるな。
このアバタールを打ち負かすなんて、ダーデンは相当強いのだろう。



ジャングルを東に抜けると集落があった。
原住民の話を聞くと、ここはヨラルー族の村だという。



クーラック族とは敵対関係にある部族だが、別にアバタールに襲い掛かってくるわけではなかったので安心した。


ここにはシュヴァイツァーと呼ばれる人物がいるらしく、彼は不思議な力で戦士達の傷を治すという。
シャーマンのようなものだろうか?
しかしシュヴァイツァーなんて、なんとも現代的な名前じゃないか、と思い問いただしてみると、その者はラフキンという名前だという。

おお!ラフキン教授のことじゃないか!ちゃんと生きててくれたのか。
早速彼の小屋を訪ねて、お互い再会を喜んだ。
ラフキン教授は、このヨラルー族の村で医者のようなことをしており、原住民からも崇められているらしい。
それで、自分を「密林の聖者」と称された偉人シュヴァイツァーになぞらえていたのか。
案外ずうずうしい奴だな。



こうしてラフキン教授がパーティーに加わる。
見ての通りRPGには非常に似つかわしくない仲間キャラだ。
教授の身体能力で、この大自然の中を生き残れるのか不安が残る。
前作までと違ってHPがレベルに比例しなくなったので、彼の虚弱さが一層目立つ。

しかし冒険映画の常として、博士というのは冒険の道標となるような重要な役割をするものであり、彼もその例外に洩れず多くの知識を持っている。
彼はアバタールが昏倒している間に、このイーオドンの谷に暮らす数多くの部族について調べ上げており、それぞれの特徴や住処を教えてくれるばかりか、この 原始世界で見つかる材料を使ってライフルとグレネードを作ってくれると言う。
すごいぜラフキン教授!


その後、ヨラルー族の族長アパトンと、シャーマンのモサガン、その娘のサーリーに会って話をしたが、アイエラについての手がかりは特に得られなかった。
しかし、サーリーが話してくれた勇者オロロの伝説は、この後に何かしら役立ちそうだ。


アパトン

ヨラルー族の酋長。
多くを語らず行動で示す男。
ラフキン教授に全幅の信頼を寄せている様子である。

モサガン

ヨラルー族のシャーマン。
額のペイントにはもう一工夫ほしいところだ。
ロクに挨拶もしてくれないが、娘のサーリーについては嬉々として話す子煩悩。

サーリー

シャーマンのモサガンの娘にして、ヨラルー族一番の戦士。そして、さらわれたアイエラとも親友だという。
恐ろしい虫の部族ミルミデックスと戦うためには全ての部族で協力しなくてはならないのに、皆お互いに争ってばかりだと嘆く。
かつて全ての部族をまとめて連合を組んだ、伝説の英雄オロロという人物について話してくれた。


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