Ultima Martian Dreams
12 アバタールの夢


どこからどう見ても人間になったチュシェケトを連れてオリンパスのジャック・セガールを訪ねると、彼は喜んで協力を約束してくれた。



アバタールが夢の世界に行ってフロギストナイトを取り戻す間に、彼らが機械の体を増産して火星人達を転送しておくそうだ。
やっぱ、人間は見た目で決まるんだな。
異種族との共存共生なんて所詮は夢物語なんだと言わんばかりの19世紀のリアリズムだ。






あとはフロギストナイトを取り戻すだけだ。
ラクサチュクと決着をつけるべく、再びアルギレの町へ行く。
しかし、何か様子がおかしい。



なんと、町の住民達が全員殺されているのだ。
いったい何が起こったのか?

ラクサチュクの家へ行ってみると、エマ・ゴールドマンが生き残っていた。
ラクサチュクは町の全員を殺した後、エマにドリームマシンを操作させて夢の世界へと逃げたと言うのだ。
そして、入れ替わるように本物のラスプーチンの意識が戻ってきていた。



ラスプーチンの話によると、彼はラクサチュクの強大な超能力によって、地球にいる時に既に体を乗っ取られていたそうだ。
彼は政敵達に暗殺されて冬の川に投げ入れられるという悪夢を見続けていたらしい。

ラクサチュクが夢の世界に行ってしまった今、いつ物質が現実に転送されて大破壊が引き起こされるか分からない。
一刻も早く夢の世界に行き、フロギストナイトを取り戻さなくてはならない!





エマ・ゴールドマンは、アバタールがラクサチュクを追えるように、アルギレのドリームマシンを起動したままの状態にしてくれていた。
最後の決着をつけるため、アバタールは再び夢の世界に入る…!

 







そして再びやって来た夢の世界、今度はどんな悪夢が襲ってくるのか?
周囲を見ると、さっそく目の前に何者かが立っている。
どこかで見たことがあるような暗闇のローブとおぼろげな顔…。



なんと彼はシャドウロードであった!
かつてウルティマ5の時代にロード・ブラックソーンを操り、ブリタニアを暗黒に陥れた3人のシャドウロードの1人、偽りのファウリネイだ。



そう、ここはアバタールの悪夢だったのだ。
ライキュームの真実の炎の前で完全に消滅させたと思っていたファウリネイは、アバタールの心の中に生き続けており、ここで悪夢となって現れたのだ。
彼らの三原理、偽り・憎しみ・臆病は、アバタールの徳の三原理、真実・愛・勇気と対になっており、両者とも完全に捨て去ることはできない。
それゆえ、彼らは滅びることはないと言う。
偽りの心は人間に不可欠なもの、他人を偽るだけでなく自分自身を偽ることで、ついに現実も偽りと同じようになって幸福を得ることができる、というのがファ ウリネイの教えであった。

そして、ファウリネイは目の前にオベリスクを出した。



このオベリスクの中にアバタールの友人スペクターがいるが、同時にファウリネイの造り出した偽りもあると言う。
これは試練であり、アバタールが真実の心を持っていれば突破できるはずだとのことだ。

他に進める道は無い。
先に進むには、この試練を通過しなくてはならないようだ。


オベリスクの中に入ると、そこにはファウリネイから聞いた通りスペクター博士がいた。




それも2人だ。



どちらが偽物なのかを言い当てれば、本物のスペクターが扉を開いてくれるのだそうだ。
しかし、それぞれ見た目は寸分違わず、話す内容も全く同じだ。
見分ける方法などあるのだろうか…?
しばらく両者を見比べてみたが、全く分からない。

その時、この部屋に鏡が置いてあることに気付いた。
もしかしたら、これでスペクターを映せば何かが分かるかもしれない。



右のスペクターは、そのままの姿で映っている。
そして左のスペクターは…



緑色の火星人が映っていた!

こいつが偽物だと告げると、死にゆく姿の火星人が正体を現し、アバタールが試練に打ち勝ったことを告げた。



彼は一体何者なのか…。







本物のスペクター開けてくれた扉に入って先に進むと、またしてもシャドウロードが現れた。



彼は憎しみのシャドウロード、アスタロスだ。
先ほどのファウリネイと同じく、アバタールの心に残る憎しみの中に生き残っていたのだ。
人は憎しみを持つことによって力を得ることができ、敵を倒すことは大きな喜びにつながることである、と彼は言う。

そして、アスタロスも同じく試練のオベリスクを呼び出した。



愛の心があれば、この試練に打ち勝つことができるだろうということだ。
いいだろう、愛の戦士アバタール、己の心が作り出した試練に挑む!


オベリスクの中にはドリームパウダーが大量に落ちていた。
それらを拾い集めて先に進むと、そこには傷ついた火星人と、3人の人間がいた。
彼らはアバタールの仲間のネリー、ディブス、シャーマンであった。



この火星人は、ネリー達に酷く傷つけられたから、復讐してやるつもりだと言う。
だが、ネリー達に話しかけても何も答えない。
アバタールがこの火星人の心を鎮めてやらなくてはならないということだ。

拾い集めたドリームパウダーを使用してアイテムを具現化すると、斧、銃、砲弾などの物騒な物と一緒に、『マジカル・ヒーリングエリクサー』なるアイテムが が出現した。



効果は不明だが、絶対これだろう。
アバタールはクスリを傷ついた火星人にふりかける。
すると、瞬く間に彼の傷が癒えた。



火星人タープチは、思わぬ慈愛を受けて目が覚める。
苦しみと憎しみで盲目になっていた彼の心は救われたのだ。

これで憎しみの試練は終わり、アバタールは次の部屋へと進む。







次に待ち構えていたのは、臆病のシャドウロード、ノスフェンターだ。



臆病とは安全であること、楽であること。
人は他者のために危険を冒して戦うのではなく、自身の安全と安楽のために戦う。
というのが彼女の提唱する臆病の概念だ。

この3人のシャドウロード達は共通して、人間には徳の反対の概念も必要だということを述べている。
これらは光と影のように1つのものであり、完全なる善というものは存在し得ないということだ。
彼らの話す内容は、ウルティマの最後の三部作につながる深いテーマである。




ノスフェンターの呼び出したオベリスクは、もちろん残る1つの原理、勇気の試練であった。
中には一本の道がある。
試練の内容は、この先にいる仲間を助けよとのことだ。



ここをしばらく歩くと、道の脇に1人の火星人が現れた。
この道にはシャドウロードが罠を仕掛けていったから、先に進むと必ず死ぬ、死にたくなければこの扉に入るのだ、と彼は言った。
もちろん、そんな言葉にビビッてたら試練は突破できないので、気にせず先に進む。

すると、突如熱線がアバタールを焦がして大ダメージを受けてしまった。
罠が仕掛けられていたのは本当だったようだ。
さらに、前に進んだはずが元の場所に戻っており、道の脇には先ほどの火星人もいる。



もう一度先に進むと、同じように罠でダメージを受ける。
そして、またしても最初の場所に戻っていた。
火星人に話しかけても、この扉を潜って引き返せとしか言わない。

ここから先に進むことはできるのか?
扉に入るのが本当の道なのではないか?
とも思ったが、やはりこれが試練なのだ。
罠のダメージを受けつつも先に進み続けた。




どんどんダメージは大きくなり、ついに残りHPが2になった時、前方に部屋が見えた。
中には大蛇の怪物と2人の人間がいる。
1人はデュプレイ少佐で、もう1人は血まみれで倒れているデヴィッド・イェリンだ。



デュプレイはアバタールを見ると、こっちに来て助けてくれるようにと頼む。
共に武器を取って怪物と戦い、イェリンを救うのだと。
アバタールの残りHPは2で、相手はサンドリヴァイアサンという見たこともない怪物だ。

しかし、ここは退くわけにはいかない。
部屋の前に落ちていたドリームパウダーを具現化すると、一本のサーベルが出てきた。
これを手にして戦えということか。

意を決してサーベルを装備し、部屋に踏み込んだ。



気付いたらアバタールの傷は癒え、別の部屋に立っていた。



どうやら試練は終わったようだ。
アバタールは己の中にある悪しき心、偽り・憎しみ・臆病に勝利したのだ!

そして、この隣の部屋にいるのは、狂人ラクサチュク…!
ついに決着の時だ。



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