Ultima Martian Dreams
09 希望と絶望
最初に入ったオベリスクでは、いきなり4人の火星人との戦闘となった。
持っていたドリームパウダーを使うとサーベルが具現化されたので、こいつを手に果敢に戦う。
4対1はさすがにキツかったが、レベル8アバタールの必殺の攻撃力によって見事に勝利。
しかし…
倒した火星人達をよく見ると、現実世界にいるはずのスペクターやネリー達であった。
アバタールは夢遊状態で仲間を殺してしまったのか!?
しかし、様子が少しおかしい。
彼らの死体を調べてみると、いくらかのドル紙幣が見つかった。
部屋を出ると夢の世界の空間が続いている。
これは、やはり夢なのだ。
先に進むと2人の男と3頭の馬がいた。
どうやら、ここで馬のオークションをしているらしい。
馬の前に立っているのは、アイク・クラントンという男である。
彼はここに目ぼしい馬を探しに来たそうだ。
肝心の3頭の馬はと言うと、精悍で逞しい黒馬ピストル、普通の茶色馬スミス、品の無さそうな灰色の馬マーシャル、といった顔ぶれである。
よくよく見ると、茶色馬のスミスは、ウルティマシリーズでおなじみの喋る馬スミスである。
こんな火星の夢にまで出演するとは大した奴だ。
黒馬ピストルは全く喋れないようだが、灰色の駄馬マーシャルは何故か喋ることができた。
こいつはアイク・クラントンを非常に嫌っており、彼の手に落ちる前に何とか自分を競り落としてほしいと頼まれる。
先ほどスペクターやネリーを殺して手に入れた金が50ドルほどあるので、これを元手にオークションに参加することにした。
オークショニアに話し、マーシャルの競売に入札する。
そして、ギリギリのところで落札に成功。
マーシャルはアバタールの物となった!
すると、マーシャルがお礼を言って夢が醒める。
そう、この灰色の馬は、西部保安官ワイアット・アープだったのだ。
アイク・クラントンとは、アープがオーケー牧場の決闘で倒した相手である。
彼はライバルに馬として買い取られるという悪夢を見ていたようだ。
ちなみに、黒馬ピストルは高額すぎて落札できず、スミスを落札しても憎まれ口を叩かれるだけで何もおこらない。
続いてのオベリスクは、真っ暗な星空の中で、奇妙な四角い台の上で男と2人きりというシチュエーションであった。
彼はマーク・トウェイン、『トム・ソーヤーの冒険』などの著者として有名な人物である。
アバタールを見るなり、いきなりパイロット帽子を手渡す。
彼によると、この星空はミシシッピ川で、奇妙な四角い台はボート、そしてアバタールがボートの運転手だそうだ。
せっかく書き上げた原稿を風に飛ばされて川に撒き散らしてしまったので、運転手のアバタールにボートを操縦して回収してほしいそうだ。
まったくもって唐突な話だ。
とりあえず船を動かしてみて、目に付いた原稿を集めていく。
船の真ん中にある操縦桿のようなスティックで方角をコントロールして進むようだ。
だが、この星空の川には見えない障害物が至る所に浮かんでいるらしく、なかなか思うように進めない。
超能力で透視したところ、こんな感じになっている。
ボートは直接動かせるわけではなく、何ターンか待機すると指定した方向へ1マス進むという操作方法のため、実にまどろっこしい。
かなりの時間をかけ、苦心して合計25ページの原稿を探し出す。
全部集まったところでトウェインに渡すと、彼はそれをたちまち本に変えてしまった。
タイトルは『アバタールの冒険』。
これを川の終点にある郵便ポストに投函すれば任務完了のようだ。
次なるオベリスクは狭い密室である。
ドア付近に立っているのは写真家であり映画監督でもある、ジョルジュ・メリエスだ。
彼はこの部屋から出たがっているが、扉が錆付いて動かないとのこと。
部屋をよく見てみると、反対側の隅にドリームパウダーが落ちている。
あれを使えば何か有用なアイテムが出てくるかもしれない。
だが、彼はここから動けないのだ。
この部屋の床を踏むと、両側の壁が少しずつ狭まってくると言うのだ。
試しに歩いてみると、なるほど、壁が1マス分迫ってきた。
これでは、ドリームパウダーを取って戻ってくる頃には壁に押し潰されてしまうだろう。
彼が動くに動けないのは、こういった理由だ。
しかし、よくよく見てみると、この部屋の床には、白と黒の2種類のパネルがある。
両方を踏んでみたところ、白いパネルは壁が動き、黒いパネルは何も起こらない、という法則が分かった。
ということで、一旦夢から出て再度入り直し、今度はなるべく黒い床のみを踏んで移動することにチャレンジしてみた。
斜め移動を駆使して黒い床を踏み歩き、反対側のドリームパウダーをゲット。
そのまま踵を返して、ギリギリのところで扉まで辿り着いた。
ドリームパウダーを使うと、オイルが具現化される。
これでドアの錆を落とすことができ、
アバタールとメリエスは迫り来る壁から危機一髪で外に脱出したのであった。
ちなみに、このメリエスが手がけた代表作『月面世界旅行』(原作:ジュール・ヴェルヌ)は、人間の入った大砲を月に撃ち込んで月面旅行をするという、この
マーシャンドリームの元ネタとも言える作品だそうな。
さて、これで残るは1人。
最後は今回の探検隊のリーダーである、天文学者パーシヴァル・ローウェルだ。
星を観る人が描かれたオベリスク、この中に彼がいる。
このオベリスクの中は宇宙空間であった。
降り立った場所に、天使の弓矢とウイングブーツ、そして手鏡なるアイテムが落ちている。
どうやら、このブーツで宇宙を歩くことができるようである。
周囲を見回すと、宇宙に浮かぶ赤い大地の上に奇妙な女がいた。
メタルウーマン、その名の通り金属の女性だ。
足元には火星人の死体が横たわっている。
彼女には名前が無く、また存在もしていないと言う。
「火星人を救うのが私の運命」、「ここには希望と絶望がある」、「希望がある故に私が存在し、絶望がある故に存在が終わる」、「既知は終焉する。私は未知
の始まりで、私はおまえの子」などなど、ともかく不可解なことを喋るのみで、何のことやら全く分からない。
まあ、夢の世界の話ですからね。
とりあえず、この女は放っておいて先に進む。
宇宙を飛び越えて進んで行くと、2つの星を見つけた。
それぞれの星には男と怪物がいる。
男はパーシヴァル・ローウェルであった。
彼は夢を叶えるためにヒーローを探していると言う。
その夢とは、この太陽系でまだ見ぬ最後の惑星を発見することであった。
隣の星には怪物がいるので、ローウェルはこれ以上先に進むことができない。
代わりにアバタールが宇宙の彼方にある惑星を見つけ出すのだ。
てなことで、隣の星にいた巨大ウォームを天使の矢で射って動きを封じ、そこから星空へと飛び立つ。
この宇宙空間の中にも、見えない障害物が多数配置されているようで、思うように進むことができない。
しかし、ミシシッピ川の夢の時と違って、今回は透視の超能力は使えない。
とにかくガムシャラに進むしかないのだ。
何度も行き止まりに阻まれ、進んだり戻ったりと繰り返す。
そして、もう振り返っても何も見えなくなった頃、前方に巨大な氷の星が見えた。
これこそが、ローウェルが探していた太陽系最後の惑星、冥王星であった。
アバタールは手鏡で光を反射させてモーリス信号を打ち、遥か後方にいるローウェルにこの発見を知らせる。
彼の夢は叶えられたのだ。
なお、史実ではローウェルは冥王星の存在を予想していたものの、遂に彼自身は発見することはできず、その死後に彼の建てたローウェル天文台で正式に発見さ
れることになります。
冥王星(Pluto)という名称は、パーシヴァル・ローウェルのイニシャルP.Lに因んでいるという意味合いもあるそうです。
こうして、夢の世界に囚われていた者達を全員救い出した。
あとは、彼らの意識を元の体に転送するだけだ。
夢から醒めた後、こちらの準備は終わったことをテカペシュに告げに行った。
テカペシュは、町にいる火星人の仲間達を呼び集めた。
テカペシュは、この肉体をローウェル達に返して、自分達は夢の世界に帰ることを皆に話す。
転送に反対する者もいたが、最後には全員がアバタールの誠意を認めることとなった。
そして、再びドリームマシンを使い、彼らは夢の世界へと帰っていく。
入れ替わりでローウェル達の意識が肉体に帰り、よれよれの格好だった彼らはすっかり元通りになった。
彼らは、これまで通りエリシウムの町の中に留まっており、普通に話しかけることができるようになった。
これで、この偉人達の知識や技術が甦ったのだ。
彼らの力を借りて成さなくてはならないことが、まだ数多く残っている。
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