Ultima Martian Dreams
03 火星人の遺産

体力を回復するためには、最初の列車まで戻るのが一番だ。
ここまで結構な距離を歩かなくてはならず、移動するだけで酸素石を消費してしまって勿体ないので、全員の分を一箇所にまとめて保管しておき、息を止めて ダッシュ!
道中で多少ダメージを受けても、ブラッド博士が一気に全回復してくれるから問題ない。



というか、ブッ壊したドアはちゃんと閉めていけよ。
これじゃ列車の中の人死ぬだろ。


ちなみに、この火星では気温が急激に下がってしまうからか、夜に野外を歩いていると凍えてダメージを受けてしまう。



このダメージはテントを張ってキャンプをすることで回避できるが、携帯式のテント程度で零下数十度の冷気が防げるものなのだろうか…。
酸素といい冷気といい、冒険には非常に厳しい環境だ。



パーティーメンバーは、この時点で全員レベル6くらいになった。
最高レベルは8なので、間もなくカンストだ。
しかし、スペクター、ネリー、ディブス共にSavage Empireやウルティマ6の仲間達に比べると低めの能力値なので、当面はアバタールが引っ張ってやらなくてはならないだろう。

出現する敵では、おびただしい数で襲ってくるスライムのような敵、クリーピングカクタス(サボテン)が手強い。
こいつらと戦う時には、複数攻撃ができるショットガンを使用する。



いくらショットガンとはいえ範囲が広すぎる気もするが、魔法攻撃のできないこのシナリオでは非常にありがたい武器だ。
よく範囲を見定めないと仲間にも当ってしまうのがちょっと危ないが…。
レベルアップと酸素石のおかげでステータスの不安も無くなったし、弾薬のストックも増えてきたので、そろそろ全員に銃を持たせて距離を置いた戦闘スタイル へシフトするのも良い頃合かもしれない。




さて、続いてはクーターから聞いた酸素石貯蔵庫の地図を探しに行く。
クーターをさらったと思われるラスプーチンのグループも気がかりだが、まずは目先の宝だ。
彼が地図を埋めたと言っていた場所は、コープレート・カズマの目印の下らしい。



この目印は、クーターが囚われていた洞窟のすぐ近くにある。
1893年の先発隊の中から3人の探検者が星中を歩き回り、こうやって各地に目印を付けてくれているそうだ。
ちなみに、その3人はシャーマン、イェリン、デュプレイ少佐という名前らしい。
えーと、どこかで聞いたような3人だ…。


目印の下をショベルで掘ると、クーターの話の通り地図が見つかった。

 

見た感じ、地図に描かれているのは、この付近の地形のようだ。
点線の矢印を辿れば、主鉱脈と書かれた赤印に辿り着くのだろう。







地図に従って歩いて行くと、そこには建物があった。



見た感じ、これは人間が建てたのではなく火星文明の建物のようだ。
いったい何のための施設なのか?
階段を降りて、そのまま地下へと入っていく…。

降りてすぐの部屋を出ると、そこには巨大な帯状の装置があった。

 

もちろん、今は停止しているようだが、ここは何かの工場のような所だったのだろうか?
と、周囲を観察しなが進んで行くと、トロッコを担いだ金属っぽい男を見つけた。



こいつが火星人か!
と思ったが、見るからにロボットですといった外見である。

コンベアは止まっていたが、こいつは動いており、話しかけるといくつかの質問に答えてくれた。
彼は火星人が作ったメカであり、ここで石炭をコンベアに乗せる仕事をしているらしい。
向こうにも同じようなロボットがいるとのことなので、見に行ってみた。




微妙に顔が違うけど、こちらも同タイプっぽいロボットだ。

彼はコンベアで運ばれた石炭を炉に入れてジェネレーター動かし、電力を起こしていると言う。
なんと、この施設は火力発電所だったようだ。
ここで発電した電力を、地上にある送電塔で地表に送り込めば、地上にある閉ざされた扉や動かないスイッチ、移動チューブといった文明施設が再び動くとのこ とだ。
あれらを動かすことができれば、一気に行ける所も広がるだろう。


そうと決まればさっさと動かしたいところだが、色々と問題がある。
まず、ベルトコンベアが壊れているため修理しなくてはならないらしい。
ディブスによると、オリンパスにはコンベアの修理をできる者がいるそうなので、まずはそこへ行かなくてはならなそうだ。


せっかく来たので、工場の中にあるアイテムを物色しておく。
ハンドドリルとか、後々何かの役に立ちそうだ。





さらに奥は坑道のようになっており、細い道を進んで行くと、開かない扉で行き止まりとなった



どうやら、ここがクーターの言っていた酸素石の貯蔵庫のようだ。
扉が開かないせいで中の鉱石を持ち帰れなかったとか言ってたっけ。
ここに来るのは発電に成功した後だな。







そんなワケで、俺は命知らずの3人の冒険家を連れてオリンパスの都市へ向かった。
あのクーターとかいう男も、発電所なんていう重要な施設を見つけたんなら、早いところ皆に教えてやってれば今頃は地球に帰れてたかもしれないのに、まった く知恵の回らない奴だ。
おおかた、例の酸素石とやらを独り占めしようとでもしていたんだろう。
俺達は、あいつがいかに浅はかな男かということを議論しながら道中を歩いたもんさ。

そうこうしているうちに、オリンパスの町が見えてきた。
ここに例のコンベア技師ってやつがいるらしい。
俺はさっさと町に入って一杯やろうと、門の前に立っていたハゲ頭の男に軽く手を上げて中に入ろうとした。



しかし、こいつは慌てて俺達の前に立ち塞がって、中に入るのを阻止した。
よくよく話を聞いてみると、どうやら俺達がドリームマシンとやらを使用して頭がイカレちまってるかもしれないから中に入れることはできない、ということ だ。
同じように頭がイカレちまったパーシヴァル・ローウェルのグループとトラブル続きになっているから、こういった対策を取っているらしい。
あまりに馬鹿馬鹿しすぎて、スペクターもネリーも薄ら笑いをしながら俺の後ろで肩をすくめていた。
ディブスの奴も憤然と抗議し始める。

だが、このハゲ野郎は、ディブスも長い間1人でいたから信用ならないと言って、その態度を変えようとしない。
おいおい、ディブスを1人で見張りに置いておいたのは、そもそもあんたらじゃなかったのかい?
と、俺もなるべく穏やかに諭してやったが、結局は交渉は平行線で終わった。
こいつの言い分では、せめて俺達が安全だという証拠として、信用できる3人から署名を貰ってくれば中に入れてくれるそうだ。
署名だってさ、まったくバカにしてるんじゃないか?

この門番のハゲ野郎ときたら、俺達が誰のためにこんな星まで来たのか考えたことがあるのかね?
昔の俺だったら、銃でもって野郎にお似合いの赤色のカツラでもプレゼントしてやっていたところだ。
世の中には、たった1本の鍵を手に入れるためだけに平気で人を撃つような奴がいるということを、こいつはまるで理解していない。

まあしかし、そんな真似をしてしまったら、俺はテスラの旦那やネリーに何を言われるか分かったもんじゃない。
『遭難者にショットガンを発砲、これが未来の挨拶か』なんて見出しで、ニューヨークタイムズの一面を飾られちまうことだろう。
そうなってしまったら俺はご先祖に申し訳が立たないので、不承ながらこのハゲ野郎に従うことにしたんだ…。


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…という経緯があり、オリンパスの町に入るためには3人の署名が必要ということになった。
その3人というのが、火星中を探検して鉄を集めているというシャーマン、イェリン、デュプレイである。
こいつらだって長い間セガール達のグループと別れて行動してるんだから、条件は変わらないんじゃないかと思うんだが、まあゲスト出演的な意味合いだろう か。
やれやれ、仕方がない…。







シャーマン、イェリン、デュプレイの3人が最後に向かったのは、大シルチスという所だそうだ。
オリンパスの都市は最初の着陸地点からずっと東に行った地点だが、その大シルチスの座標は真逆の西方向で、かなりの距離だ。
赤い荒野を一昼夜以上歩くこととなった…。


そして、もう少し西に行けば目標の大シルチスの座標に到達しようかという時、目の前に障壁が立ち塞がった。
これは火星文明の運河である。



この運河はオリンパスの付近にもあったが、どうやら全土に渡って周囲を大きく囲むように掘られているようだ。
運河に沿って設置されているレバーを引けば、おそらく橋がかかって通行できるようになるのであろうが、発電所が止まっている現状では動作しない。
オリンパス付近の運河は、運よく橋がかかった状態で停止していたが、この付近ではいくら探しても橋が無いようだ。

発電所を再稼動するにはコンベア技師が必要。
コンベア技師のいるオリンパスに入るには3人の署名が必要。
その3人のいる地点に行くには発電所を稼動させなくてはならない。
という堂々巡りである。どうすりゃいいってんだ。



どこかに通れる場所がないかと、運河に沿って歩いていると、南西の方角に都市の廃墟らしきものを見付けた。



座標からすると、ここはヘラスの都市であろうか。
町は完全に廃墟のようで、この文明の先住民らしき者は誰1人として見当たらない。
所々に奇妙なアイテムや設備が見つかるが、その用途も不明である。





探検隊のメンバーが誰かいないものかと探していると、グリーンハウスのような建物の中で1人の男を見つけた。



だいぶ衰弱していたようだが、アバタールを見ると大声で呼びかけてくる。
ここで遭難していたのであろうか、人間に会うのはしばらくぶりのようだ。
しかし、他のメンバーは誰もいないのか…?


彼の名はマーカス、地球にいた頃は商社の経理をしていたらしい。
話を聞いてみると、彼は元々はオリンパスにいるセガール達のグループにいたそうだ。
しかし、そこにあったドリームマシンを使ったため、気が狂っていると思われて町から追放されてしまったらしい。
ここに流れ着いてからは、ずっと1人で暮らしており、人間と話すのが本当に久しぶりだと言っていた。
今までたった1人で火星で生き延びてきたなんて、彼も並大抵の男じゃない。


彼からは、ローウェルらのグループに起こった出来事やドリームマシンについて様々な情報を教えてもらった。
まず、そのドリームマシンという装置は、その名の通りに、いわゆる夢の世界に入ることができる装置だと言う。
目が覚めたままの状態で夢の世界に行ける、と彼は言っていた。

ローウェル達のグループは、最初は皆でそれを楽しんでいたそうだ。
しかし、その夢の世界には火星人達がいて、ローウェルはじめ他の者達は夢の世界の中に囚われてしまう。
そして火星人達は、そのままローウェル達の体を奪ってしまったと言うのだ!
つまり、気が狂ってしまったと思われているローウェル達は、実は火星人に乗っ取られている状態だということだ。
マーカスだけが途中で危険に気付いて脱出したので、この通り正常な状態なのだが、オリンパスにいるグループはそのことを信じてくれないとのことである。
滅んだと思われていた火星人は、意識だけの存在となって生き延びていたということか。

ローウェル達を救い出すためにはドリームマシンを使って夢の世界に入るしかないようだが、肝心のマシンはセガールが破壊してしまったらしい。
ただ、マーカスが言うには、このヘラスの都市の運河を越えた先の建物に1台あるかもしれないが、ここも橋が動かないので行くことができないとのことだ。

…なるほど、やはり何はなくとも、まずは電力の回復が最優先事項だな。


彼から、もう1つ重要な情報を聞いた。
この火星にある様々な種子を食べることでテレキネシスなどの超能力が一時的に身に付くことは前にも書いたが、その中にサイコメトリーの能力がある。
これは、物に付いている残留思念を感じ取るような能力のことで、具体的には特定の物と話ができるようになるらしい。
彼はこの能力を使って都市に残された火星のアーティファクトに話しかけ、寂しさを紛らわせていたと言うのだ。
何とも泣かせる話だ…。

しかし、種子を食べて色々話しかけてみたが、ここには何かを感じ取れるような物は無かった。
マーカスは話していたと言ってたんだがなぁ…。
まあいずれ、この能力が必要になる時も来るのだろう。


マーカスからの情報で、この2年間の間に先発隊に起こった出来事も、何となく分かってきた。
まずは、この星の電力を回復して、火星人に乗っ取られたローウェル達を救出し、鉄を集めて宇宙砲を再建して地球に帰る。
こんなところが、これからのミッションかな。



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