Ultima Martian Dreams
02 酸素を求めて

ニコラ・テスラから聞いた座標へと向かうと、そこには鉄の塊のようなものがあった。
よくよく見ると、アバタール達が乗ってきたものと全く同じ形状の列車だ。



これこそが、1893年の先発隊が乗ってきた列車砲!
しかし…中には散乱した荷物が点々としているだけで、誰一人として見当たらない。
何故か運転席にエレファントガンが置きっぱなしになっていたので取っておくが、果たして皆はどこへ…?

 



列車の外に出ると、付近の地面にも木箱や樽、イスなどが点在しているのが目に付いた。
列車に積んできた家具を外に出して、そこで暮らしていたのであろうか?
そこら中に置かれたアイテムを漁りながら、手掛かりを調べて行く。

目ぼしい物をを懐に詰めていると、イスに腰掛けて本を読んでいる男が目に付いた。



生存者!ついに発見した!

駆け寄って彼に話しかける。
彼も救助隊を待ち焦がれていたらしく、興奮して出迎えてくれた。
いったいここで何があったのか?
他のメンバーはどこへ行ってしまったのか?
彼に詳しく話を聞いてみることにした。


まず、彼の名はディブス。
英国王室親衛隊の兵士であり、コロンビア万博では式典の警備をしていたらしい。
1893年の探検隊は火星に着陸した後、地球に戻るために再びこの地で宇宙砲を建造することにしたそうだ。
しばらくの間は全員列車の中で行動していたが、大砲の材料である鉄が足りなくなったため、メンバー達は4つのグループに分かれて火星中に探しに行った…と いう経緯のようだ。
さすが、稀代のリーダーや発明家・技術者達が揃ってるだけあって、こんな状況だというのに大した行動力だ。
このディブスは、ここに留まって救助隊を待つという役目だったようだ。
しかし、この火星でどうやって2年間も生き延びていたのか?


ディブスによると、ここには酸素石と呼ばれる石があり、それを口に含んでいると酸素が満たされて呼吸ができるようになると言う。
あるメンバーが酸素石を採掘するようになり、またあるメンバーが交易所を開いてそれを火星中に供給するようになったおかげで、バラバラに別れた4つの探検 グループにも酸素が行き届いて生存が可能になったそうだ。
君達、もうずっとここで暮らせるんじゃないの?


さらに驚くことに、この火星で古代に築かれた都市が見つかったという。
それぞれ、エリシウム、オリンパス、ヘラス、アルギレという地名の場所にあるそうだ。
しかし、そこに知的生命体はおらず、かなり昔に滅んでしまったとの見解である。
4つのグループは、それぞれがその4つの都市に滞留しているのだが…
ここで問題が起こっている。

この先発隊全体のリーダーでもある、パーシヴァル・ローウェル率いる第1グループが、エリシウムの都市でドリームマシンと呼ばれる火星の古代遺産を発見し たらしい。
ローウェルは、この機械を使うことで地球とコンタクトが取れると考えたが、逆にこれによって自身の気が触れてしまったと言う。
彼らは自らを火星人だと思いこむようになり、まともに会話もできなくなってしまったそうだ。
さらに、第3グループを率いるラスプーチンも怪しげに動き回っており信用できない。
こんな調子では、とても地球に戻ることなんてできない…といった現状だそうだ。
いやはや、とんでもない展開だ。


話が終わると、ディブスはパーティーに加わってくれた。



彼は話にあった酸素石をいくつか持っており、アバタール達と違って酸欠によるステータス減少状態にはなっていなかった。
酸素石は一定時間で消費してしまうものなので、常にいくつかストックしていなくてはならないが、彼の持っている石も残り僅かである。
今後のためにも、まとまった数の酸素石が必要となるだろうから、ディブスから聞いた交易所に行ってみることにした。
この列車から、さほど遠くはない座標だ。







列車から北東に向かった山には小屋が建っていた。




そして、中にいたのはバッファロー・ビルとカラミティー・ジェーンの2人のカウボーイ。

 

彼らがここで交易所を開いているそうだ。
服や靴、コート、弾丸などを売ってくれる。
何と言うか逞しすぎる。
探検隊からも外れて勝手に商売するとか、あまりにアウトローすぎるだろう。


ここ火星においては通貨というものが存在しないので、物資を買うためには金の代わりに酸素石を支払う必要がある。
酸素石は生活に欠かせない物であるだけに、貨幣と同等の価値があるということだ。
また、酸素石自体の販売もしており、これは火星の大地に生えている種子と交換してくれる。
後で説明するが、この種子もまた重要なアイテムなのだ。

しかし彼らの話を聞くと、現在はその酸素石を採掘して持って来てくれるクーター・マッギーという男がしばらく姿を見せておらず、彼等の扱う在庫も底を突い てきたと言う。
クーターを探し出して採掘を再開してもらわないと、この星の全員が酸素供給できなくなってしまう危険があるそうだ。

そこで、カラミティ・ジェーンはアバタールにクーターの捜索を依頼してきた。
こちらとしても酸素石は欲しいところだし、このクーターという男が何かの手掛かりを知っているかもしれない。
依頼を引き受けると、少しばかりの酸素石をビルから譲り受け、クーターの住処の座標も教えてもらった。
クーターの住処は、ここから東の「ノクティスの迷宮」という所にあるらしい。
名前からして容易な所ではなさそうだ。



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そんなワケで、俺は命知らずの3人の冒険家を連れて、行方不明のクーターとかい う男を探しに行った。
面倒な話だが、俺もさすがに酸欠で音を上げそうになっていたところだ。
早いところオツムに酸素を補給しないと、俺も火星人か何かになっちまいそうだ。
多少危険な冒険になろうが、こいつは何としても見つけ出さないとならない。

危険と言えば、ちょっと前に仲間に加わったイギリス野郎のディブスだ。
こいつは、このクソ寒くて息苦しい火星の大地にテーブルとイスを置いて、まるでオープンカフェで午後のひと時を過ごすかのように、そのまま3週間ほど読書 しながら俺達が来るのを待っていたいう、かなりクレイジーな奴だ。
こんな所で一晩だって過ごしてみな?
スラム街の路上に裸で寝る方がよっぽどマシだと思うぜ。
まったく19世紀人ってのは、俺達が思っていたよりもずっと荒くれで向こう見ずな連中なのかもしれない。
日頃、自分がどれほど勇敢で危険なことができるかなんてことを町で自慢しているような若い奴らに、この男を紹介してやりたいくらいだ。


まあ、そんな話はどうでもいいんだ。
俺達はバッファロー・ビルの旦那から貰った少しばかりの酸素石を口に放り込みながら火星の探索を続けた。
そこかしこで火星の不気味な生物が襲ってきたが、俺達は手際よく蹴散らす。

 

こいつらを地球に連れて帰れば世紀の大発見になるのかもしれないが、あいにく俺はそんなことに興味は無い。
火星のモノは火星に帰す、というのが俺のモットーだ。
見つけ次第、サーベルで片っ端からスライスしてやることにしている。
連れのスペクターは学者なので最初は躊躇していたようだが、今じゃ2本の鉈を巧みに操りながら率先して斬り込んでいくようになった。
人間、変われば変わるもんだ。

俺達が持って来た武器にはライフルやピストルなどの銃器もあるが、俺はなるべく銃は使わないで戦うように指示している。
弾薬の節約ということもあるが、酸欠で頭が朦朧としているネリーやスペクターでは、後方から俺の背中を撃ちかねないというのが実情だ。
俺は昔、イーオドンの谷という所で何度も同じような経験をして命を落としそうになったことがあるから、その辺については慎重に対処することにしている。
わざわざ自前のデリンジャーを持って来たネリーは不満そうだったが、こいつに銃はまだ100年早い。
女に銃を持たせるとロクなことにならないというのが俺の持論だ。

まあ、刃物を持たせてもロクなことにはならないのは変わりないんだがな…。


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というわけで、そのノクティスとやらに行くべく、小屋を出て東へと向かって歩く。
すると、不意に目の前一面に堀のようなものが立ち塞がった。
街灯のようなものまで建っている。



これが火星の古代文明の遺物というやつか?
ディブスの話だと、移動用のチューブや運河の橋なんてものがあったらしいが、これもその1つであろうか。
途中、堀に沿ってレバーのような物も見かけたが、操作することはできなかった。
これらの機械を動かすには、何か特別な力が必要となるようで、今はまだ何もできないようだ。


仕方がないので謎の機械は無視して、そのままクーターの住処を目指して東へ向かう。
ノクティスの迷宮の座標は、この壁を越えたずっと先のようだ。



ちなみに、このゲームはウルティマ6やSavage Empire以上に敵がたくさん出現し、得られる経験値も多いため、あっという間にレベルアップしていきます。
レベルアップ後は、キャンプをすると好きな能力を1つ上昇できるというSavage Empire方式です。
ウルティマ6エンジンのバトルシステムが好きな者としては敵がたくさん出てくるのは嬉しいのですが、おかげでゲームの動作が少々重いです。



さて、そうこうしているうちに、周囲の地形が変わってきた。



細い道が複雑に交差していて、まるで迷路のようだ。
なるほど、これがノクティスの迷宮って名前の由来か。


早速ここで洞窟を発見する。



しかし、中に入るとすぐに行き止まりになっていた。
あれれ?ここじゃなかったのか?
座標からして、こいつがクーターの洞窟に違いないとは思うのだが…


仕方ないから、ノクティスの迷宮のさらに奥深くに進んで行くと、もう1つ洞窟を見つけた。
今度は中も広く、所々に箱やら松明やらが置いてある。
どうやら、こっちが本命のようだ。

 



注意して部屋を調べていくと、奥の小部屋の中にカウボーイ風の男が囚われていた。



彼こそが、クーター・マッギーであった。

一命を取り留めたクーターは、これで再び酸素石の採掘に戻れると言い、御礼として酸素石の貯蔵場所を示した地図の在り処を教えてくれた。
バッファロー・ビルから貰った酸素石は、ここに来るまでに全て消費してしまったので助かった。
彼は大きな鉱脈を掘り当てたらしいが、この火星にある妙な機械扉に邪魔されて手に入らなかったと言っていた。

しかし、いったい何故、彼はこんな所に閉じ込められていたのか?
話を聞くに、クーターは以前、貯蔵場所を記した地図を差し出すように書かれた脅迫文を受け取ったそうだ。
脅迫してきたのは、おそらくラスプーチンだと言う。
探検グループの1つを率いるラスプーチンは、酸素石のマーケットを牛耳ろうと目論んでいるらしい。
それを断ったため、さらわれて閉じ込められてしまったのだろう…とのことだ。

なるほど、先発隊はローウェルがおかしくなって、もう完全に統率が取れていないようだな。
とりあえず、クーター・マッギーは無事に確保したので、今後はカラミティ・ジェーンの取引所で酸素石が取引できるようになったみたいだ。







さて、上の方でも書いた火星の種子について、ここで用途が分かってきたので簡単に説明しましょう。
本当はマニュアルにも書いてあるんだけどね。
面倒なので読んでなかったってことでね。


火星のフィールドを歩いていると、所々で青色や緑色の植物の種(ベリー)が見つかる。



こいつを食べることによって、一時的に様々な能力を得られるのだ。

これは従来の魔法のような役割で、例えば茶色の種子を食べると透視ができるようになり、紫の種子を食べるとテレキネシスの能力(遠くにある物を動かすこと ができる)が使えるようになる、といった感じである。
この種子の能力を使うことで、通常では行けない所にも行けるようになるというわけだ。


例えば、ノクティスの洞窟にあるクーターの住居は、上でも書いた通り、入ってすぐに行き止まりになっているのだが…




テレキネシスで奥にある板を動かして梯子の代わりにすれば、段差を登って中に入れるようになる。

 

本来は、クーターを助ける前にこの洞窟の中に入るべきだったようで、彼が誘拐される直前に残したメモ書きなどが見つかる。
ラスプーチンが出したと思われる脅迫文も箱の中に入っていた。






このクーターの洞窟の奥には、除草剤や殺鼠剤などの役立ちそうなアイテムをはじめ、多くの酸素石の結晶が見つかった。



結晶をハンマーで叩き割ると、中から大量の酸素石が手に入る。
*ようやく一息つける!*
といった感じだ。

ようやく旅支度も整ってきたところで、クーターから教えてもらった地図を探すとしようか。


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