Ultima Martian Dreams
はじめに 〜 オープニング


はじめに



このMartian Dreamは、Savage Empireと同じくウルティマ6のエンジンを使って作られた、ワールド・オブ・ウルティマシリーズの第2作目となります。
こちらはSavage Empireと違って日本では発売されておらず、英語版しか存在しないため、「恐竜帝国」といったような邦題も付いておりません。
後に出たウルティマコレクションやコンプリートなどのパッケージにも含まれなかったタイトルなので、おそらく日本で最も知名度の低いウルティマだと思われ ます。
ウルティマ6やSavage Empireとシステムやゲームの進め方などはほぼ同じなのですが、その世界設定はSavage Empire以上にブッ飛んでおり、19世紀末の火星という、普通ではなかなか考えられないような場所が舞台となっています。
さらに、心理学者のフロイトや、発明王エジソン、鋼鉄王カーネギー、レーニン、セオドア・ルーズヴェルト、キュリー夫人などなど、その時代に本当に実在し た偉人達がゲーム中のキャラクターとしてアバタールと共演するという、非常にワクワクさせるようなシナリオなのです。
マニュアルを含めて全てが英語のため、これまたとんでもなく苦労しそうですが、ウルティマファンならば是非ともやっておきたいタイトルです。


なお、以下にゲーム中のオープニングとイントロダクションの全文を掲載しますが、断片的な描写で物語が分かりづらいので、マニュアル内の読み物『タイムトラベル』も合わせてご 参照ください。
両方を読むと登場人物や背景が補完されるかと思います。
ちょっと英語が難しかったけど、内容は大体合ってる…と思います。





オープニング・イントロダクション




1893年のコロンビア万博にて、天文学者パーシヴァル・ローウェルは宇宙大砲を公開。



この時代の偉人達を前に、彼は火星への使節団を提案した。



しかし事件が起こった!



大砲は1日早く発射されてしまったのだ!



ヴィクトリア時代の世界の指導者達を乗せて



君は、彼らをこの赤い惑星から救出しなくてはならないのだ!








アバタール「どうぞ」



アバタール「スペクター博士!こんばんは、何の用だい?」

スペクター「君が私を呼んだのではなかったのか?ここに来るようにと電報を受け取ったのだが…」

アバタール「あなたに電報など送っていないよ。ご友人が何か知っているのではないか」

スペクター「友人だって?私は一人で来たのだが…」



女「ごきげんよう、アバタール、スペクター博士。あなた方が興味をお持ちになる物を持ってきました」

スペクター「フム?これは…ムーンオーブについての地図と本だ!」



女「急いでください…あなたの世界と私の世界の偉人達の命運は、あなたにかかっています」

スペクター「なるほど、しかし、我々に何をしてほしいのか…」

アバタール「博士、この写真には、あなたと私がジークムンド・フロイトと一緒に写っている。これは100年前のものだ!」



スペクター「その左隣の男は発明家のニコラ・テスラだ。これは何を意味しているんだ?」

アバタール「私にも分からない、博士。この地図の場所を探してみてはどうだろうか」





スペクター「この地図は正しかった…。ニコラはここに研究所を構えていた」

アバタール「どうすればいいんだ?」



スペクター「本によると、ここで37度の方角を向くんだ。私が渡したコンパスは持っているか?」

アバタール「ここにあるよ、博士」

スペクター「では、オーブを君から8フィート前に置くのだ」




アバタール「これはどこに通じているのか…」

スペクター「本の指示が正しければ、1895年の同じ場所に通じているはずだ」

アバタール「行ってみるかい、博士?」





フロイト「準備はまだかね、テスラ君?」

テスラ「もうすぐです、フロイト博士、もうすぐです。電気加速器を正しく調整しなくてはなりません」




テスラ「マイゴッド!」

アバタール「スペクター!ムーンオーブは動いた!到着したんだ!」



スペクター「ミスター・テスラ、私はジョアン・スペクター博士です。そして、こちらは友人のアバタール。我々はとても…多少の距離を旅してきました。あな たに、このメッセージをお渡しするためにね」



テスラ「貴公らは我々の使節団を助けるために未来からやってきた、とのことか」



ブラッド「彼らは、我々の博覧会を転覆させようとするアナーキストなんじゃないか…。どうやって入り込んだのかを隠すために、手品を使って我々を驚かした んだ」

テスラ「彼らが忍び込むのと、それに気付くのでは、どちらが簡単かな…ミスター・ギャレット!」



ギャレット「彼らは誰だい?それでもって、どうやってここに入ったんだい?」

テスラ「彼らは君の所を通らずに、ここへやって来た。だから、彼らは未来からやって来たに違いないのだ」

ブラッド「なんだって?彼らがカウボーイの目から上手く逃れたからって、君はそんなナンセンスなことを信じるのか?」

テスラ「その通りだよ、ブラッド。信じるに最も説得力のある理由は、このノートだ」

ブラッド「んん?で、その説得力のあるメッセージってのは誰が書いたんだ?」

テスラ「私が書いたんだよ、博士。もしくは、私が書くの『だろう』。この署名は確かに本物だ。保証しよう」

スペクター「おそらく、あなたなら我々に使節団のことを我々に教えてくれるのでしょう、ミスター・テスラ」



テスラ「2年前、パーシヴァル・ローウェルが火星を探検するために科学チームを集めた。しかし、彼のチームからはもう1年以上も地球に信号がないのだ。我 々の目的はその探検隊に起こった事を突き止めることだ。そして、こちらが我々のチームの最後のメンバーだ。ミス・ネリー・ブライ、スペクター博士とアバ タール氏に挨拶をしなさい。彼らは我々の冒険に加わってくれるだろう」



ネリー「2人共、お会いできて嬉しいわ」

スペクター「お会いできて光栄です、ミス・ブライ」

テスラ「では、全員が宇宙弾丸に乗り込んだら出発だ。ミスター・アバタール、スペクター博士、もし何かご質問があったら、喜んでお答えしよう。火星に到着 した後でね」



…以上でオープニングとイントロダクションは終了です。
この後、恒例のキャラメイクとなります。



今回はフロイト博士の夢診断が従来のタロットカードの代わりとなっているという、実に凝ったキャラメイクです。



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