Wizadry7 プレイ記録 37.星空の中へ

メタル
「ダークサヴァントの死体が……消えていく……」

ルガード
「これで、サヴァントの持っていた秘密も……アストラル・ドミナに関する知識も、全部失われてしまいましたね……」

トシ
「そうだ!ヴィは!?」

ヴィ・ドミナ
「Uunngowwahh!二度とこんな思いはしたくないわ!!」


アイス
「よかった……無事だったみたいね」

ファロウ
「なんつー叫び声だ……」

ヴィ・ドミナ
「あいつを殺したのね……お気の毒さま。このアストロボールに関心を持たなきゃ、こんな目には遭わなかったなかったのにね……サヨナラ、不思議な旅人ダークサヴァント……!」


ヴィ・ドミナ
「で、この宝珠をどうしよう?多分、この指輪が何か……」



彼女は、指輪を嵌めてオーブに手を置いた。


メタル
「ほ……宝珠が!」

 

ヴィ・ドミナ
「見て!アストラル・ドミナ!なんて素敵で……幻想的な……」


ファロウ
「輝いた……!」

ディージア
「凄い……」


渦巻く色、輝く光が宝珠の中に渦巻く……。

突然、ヴィが沈黙した。
何か奇妙な物が彼女の中に入ったかのように……深い催眠に陥ったかのように、彼女の様子は普通ではない……。

彼女はアストラル・ドミナの前に屈み、その眼帯を外した……。

そして、深い眼窩の中には瞳のない虹色の目が見えた。
彼女の美しい表情の中で脈打っているそれは、ひどく醜く見えた。

彼女は我を忘れて宝珠を見つめている……。


ヴィ・ドミナ
「信じられない……これは設計図……いや……これは公式、暗号……生命創造の……!

待って……これは地図でもある……エネルギーの……物質の……両者の結合の……でも、でも……それじゃあ、生命というのは……?

エネルギーと物質の結合、流動、橋……それは生命の神秘!神によるもの!!

宝珠の力で、無限のエネルギーを持った生命を創造できる!

星の力を持った生命……!

それは超人!

それは神!

ダークサヴァントは、このために宝珠を欲していた……。

う!これは何……?

これは宇宙の仕組みの図表……仕組みを理解したわ!

でも……それは違って……ああ!分かった!

それは全ての始まりの場所!

来て!移動しましょう!」


彼女は指輪を外し、台座の窪みに嵌め込んだ。


ディージア
「な……何なの?何なの!?」

ヴィ・ドミナ
「ここから出るまで大事に持っててね」

ファロウ
「お……俺達がこれを持って行くのか?」

トシ
「こんな物任せられるとプレッシャーが……」

アイス
「ヴィが宝珠の中に何を見たのかは分からないけど……やっぱり、とてつもない力を秘めた物みたいね」

ヴィ・ドミナ
「船が必要ね……宇宙船は見つけた?」

トシ
「天空の都市にフォーンザングの宇宙船があったな。動くかどうか分からないけど……」

ヴィ・ドミナ
「Xama−Tama!私はダークサヴァントの黒い船に戻るわ。船から取ってこなくちゃならない物があるから……」

メタル
「そうか……じゃあ、別行動になるな」

ヴィ・ドミナ
「ダークサヴァントがいなくなったから、怪しまれずに船に戻れると思う。あなた達も連れて行きたいけど、私のグローブの転送装置には全員一緒に転送する力はないの……。それに、サヴァントのアンドロイド達は船の中で私を見慣れてるけど、あなた達は叩き出されちゃうわ……」

ヴィ・ドミナ
「できるだけ早く宇宙船の所に行って、さっきみたいにデバイスで合図をして。そしたら、あなた達の所に飛んで行くから。じゃあ、早く行く準備をした方がいいわ!気をつけてね!」


アイス
「分かったわ……ヴィも気をつけて」

ヴィ・ドミナ
「あ、宝珠を無くさないでね!」


トシ
「念を押すなよ。プレッシャーが……」

ディージア
「行っちゃった……大丈夫かな……?」

ファロウ
「ダークサヴァントはいなくなっても、あのサヴァント・クィサカの兵士が大勢いるからな。1人じゃ心配だぜ……」

アイス
「なるべく早く天空の都市まで行って、彼女に場所を知らせてあげた方がいいね」

ルガード
「さて……では早く戻りましょう。何せ、地底から天空まで行かなくてはなりませんからね」

ディージア
「やっぱり歩いて帰るのね……ここから地上に戻るだけでも大変な道のりよ」

ファロウ
「まあ仕方ないさ。もう、この墓に巣食ってた敵もあらかた倒したから、さっさと行こうぜ」

トシ
「じゃあ、宝珠は任せたぜ。こんなの持ってたら落としそうで怖いからさ……」

メタル
「これがアストラル・ドミナか……手に持ってみると、何とも言えない感慨が湧き上がるな……」



ルガード
「怪物や超人、そして神をも創造できる力……そして宇宙の設計図……ヘラゾイド達の予言にあった楽園は、これによって手に入れることが出来るのですね」

メタル
「だが……やはり、この宝珠の中はヴィでないと見ることができないみたいだ……」

アイス
「どんな世界が待っているのか分からないけど……この先の運命は、全てヴィにかかってるってことね」



≪動画 : アストラル・ドミナ≫









そして、色褪せた船に辿り着いた。
フォーンザングによって、数千年前にこの場所に隠されたものだ。
ヴィタリア・ドミナを呼び出し、この実に奇妙な世界から旅立つ準備はできた。


しばらくの間、この地での数多くの冒険や、それによって分かった事の重大さを思い起こす……。

フォーンザングの宝珠、アストラル・ドミナによって明らかになった信じ難い秘密を、どうするべきであろうか?
ヴィ・ドミナが、これほどに急いで向かおうとする新しい場所とは何なのか?
彼女の生命を祝福する魔除けからは、加護を得られるだろうか?
それとも、彼女の衝動的な行動と共に終焉へと向かっているのか?

宇宙船と遥かなる空を見つめ、これから待ち受ける新たなる世界のことを思うと、これらの様々な疑問が脳裏に渦巻く。

ため息をつき、運命のみが、これらの多くの謎や、肩の上に圧し掛かる様々な物の答えを明らかにしてくれる、と思って諦めた。
そして、新たなパートナーを呼び出すことにし、ヴィから貰った小さな装置のボタンを押した……。


しばらく後、見慣れた揺らめきが大気に起こる。
そして、この出来事の際にいつも聞こえる、おかしな音が聴こえた……。

何かがおかしい……。


「君達が、私の欲する物を持ってきてくれると思っていたよ!」


背後から聞こえる、凍りつくような声が何なのかは、ただちに分かった。
ダークサヴァントが再び現れたのだ!




面前の恐ろしい光景に目を奪われる。

ボロボロにされて血だらけのヴィ・ドミナが、恐ろしきサヴァントに鷲掴みにされている……。
彼女の肌や顔は引き裂かれ、膝は傷つけられ、ダークサヴァントの電磁グローブの鋼鉄の指によって、その細い首を握り締められていた。

「君達は万事、私の掌の上にあった……。この娘が決して私の元にアストラル・ドミナの秘密を持って来ないことは分かっていたからな……。そして、君達は私の目的を見事に果たしてくれた……

君達は、私をそう簡単に打ち破れるとでも思っていたのかね?宇宙の新しい君主であり支配者である私を!

私はサヴァント、変容の使者!

人の運命は、長きにわたり神秘のベールという亡霊によって支配されてきた!

いつ、どのようにして、人は楽園の秘密を味わうことができるのか、それは奴らが決めていた。

だが、世界に新たなる秩序がもたらされる時が来たのだ!

宇宙の新たなる目的を知る時が来たのだ!

変容の時が来たのだ!!

私は宇宙を創造する!

古き神々に挑むことを恐れない超人と共に、楽園の真実を抱擁することを恐れない超人と共に!

この儚い娘は死ぬ必要はない……彼女の傷は治療できるし、君達も出発できるだろう……。

だが、私はいずれかの方法でアストラル・ドミナを手に入れなくてはならない……娘のために宝珠を出すのだ!」


しばらくの間、言葉も発せないほどのショックを受けた。

だが、同時に、この状況はあまりにも明白だった。
ダークサヴァントにアストラル・ドミナを渡さなければ、その後に恐ろしい事態に直面するのは間違いなく、彼の恐ろしい力が未だ未知である以上、彼の要求に従うのが正しい選択であろう。

つまるところ、死ぬことは賢い選択ではない。
ここで死んでも、何の意味もない。
そうなったら、この先の世界がどう変わるのか、確かめることもできない。
それを見るために生きる方が良いであろう。


「珠を渡さないか?娘と交換するか?答えてもらおう」



不承ながら、震える手でアストラル・ドミナをダークサヴァントに差し出した。


「宝珠は我が物に!AHH HA HA HA HA!!」


そしてサヴァントと珠は消えた。
娘は地面に放り出されていた。

走りよって彼女の震える体を抱きかかえ、生きている兆候を探した。

そして、それは見つかった。
彼女は弱り、傷だらけだったが、まだ生きていた。
その瞬間、宝珠の最後の秘密を思い出した。
フォーンザングが、宇宙の運命を悪しき物にする輩の手から、彼の作品を守るために仕掛けた最後の秘密を。

だが、彼女の右の頬に真っ赤な血が流れているのに気付き戦慄した。
震える手で、彼女の奇妙な遺伝物を覆う黒い眼帯を外す……。

そして、かつて彼女の特別な瞳があったはずの、ぱっくりと開いた血まみれの穴を見た……。



傷ついた彼女を慎重に宇宙船に運ぶ間、誰も一言も口を開かず、お互いの心の中に渦巻いている事について語る者もなかった。

そして、ついに彼女が目を覚ました。


「あいつ、持っていったんだよね?」


彼女は、答えは聞かなくても分かるかのように、やさしく尋ねた。


「心配しないで。あいつが行った場所は知ってる……」


彼女は起き上がって船の中を見回し、そして、なにものにも邪魔されないという雰囲気で操縦席に座った。
ポーチからサファイアの首飾りを取り出し、彼女はそれをコンソールのへこみにはめ込んだ。
すると驚いたことに、エンジンがうなり、パネルにはライトが灯り、宇宙船が生命を得たかのように声をあげた。
だが、何よりも驚いたのは、彼女に対してであった。
彼女は、その多くの傷にもかかわらず、右の頬に触れて一瞬震えた以外、全く痛みを感じている素振りを見せなかった。


そして、宇宙船は深い青色の空へと発進した。



星々を旅する間に学ぶことは数多くあり、何より、この冒険はまだ始まりにすぎないことを感じていた。
ここではない何処かで……その手にアストラル・ドミナの力を持つ、サヴァントの影がそびえ立つ。この先の旅路で再び彼と交差する運命にあることは、よく分かっていた。



旅の間、ヴィ・ドミナの口から語られる信じられないような物語に、幾夜も熱心に聞き入った。
彼女は、宇宙の仕組み、そしてその他の様々なことに関して、尽きることのない好奇心を抱いているようだった。
彼女の物語を通じて、生命、星、そしてそれら全てを含む世界に関する認識は広がってた。



「ねえ、ちょっとこれを見て!」

思わぬ時に彼女の楽しげな声が聞こえ、仲間と、この新しいパートナーとの旅を楽しんだ。
だが、その陽気な微笑みの裏、彼女は分かっている……。

いつか決着を着けなければならない時が来ることを……。



≪動画 : エンディング≫






メタル
「そして、まだ見ぬ地へ……俺達の旅は始まったばかりだ……!」

トシ
「あの……いつになったら帰れるの?」

ディージア
「あんた、よくそんな心無い事が言えるわね。空気読みなさいよ」

ルガード
「アストラル・ドミナを取り戻さないと、全宇宙が大変なことになるんですよ」

トシ
「うう……あれからどのくらいの時が流れたんだろう……」

ファロウ
「何にせよ、これでガーディアともお別れか……ちょっと名残惜しいな……」

アイス
「つらい冒険だったけど、いい星だったと思うわ」

メタル
「ああ、まさしく神秘の星だった」

ルガード
「私達を含め、ダークサヴァントや、アンパニ・ティーラング達のような異星人によって、元々暮らしていた種族や社会は大きな被害を受けてしまいましたから、そのことが心残りですね」

ファロウ
「心残りと言えば、コズミックフォージもな……」

ディージア
「あ……すっかり忘れてたわ……ついでにベラも……」

トシ
「元はといえば、あのコズミックフォージを取り戻すためにガーディアまで来たんだったな」

アイス
「結局、あれだけ苦労したのにコズミックフォージの手がかりは何も見つからなかったし、アストラル・ドミナも手に入らなかった……これでよかったのかな」

ディージア
「……やるだけのことはやったんだから、仕方なかったんじゃない?」

ルガード
「手に入らなかったとはいえ、真実には近づいているはずです」

メタル
「アストラル・ドミナ、コズミックフォージ、ダークサヴァント、そしてヴィ……全ての謎が解き明かされる日は、きっといつか来るだろう……」


Wizardry8へ続く

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