Wizadry7 プレイ記録 クリア後 雑感

何もかもが圧倒的なスケールだったので、雑感を書くだけでも大変な量になりそうですが、なるべく簡潔にまとめたいと思います。


まずクリアした後の感想としては、世界観やシナリオが本当に素晴らしかった、これに尽きます。
消化されていない部分や脈絡のない部分、意味不明な部分など、あるにはあるけど、そんな些細な事はどうでもいいと思えるほどです。
剣と魔法、SF、哲学、勢力抗争、神秘、宇宙、そして冒険、これだけ数多くの要素が詰め込まれたシナリオは他に類を見ず、どの部分を取っても引き込まれるようなセリフばかりでした。

このシナリオが一般的に不人気な要因として、宇宙や異種族を中心とした世界が舞台であることが挙げられますが、この世界観でなくては、これだけのものはできなかったでしょう。
ありきたりの舞台で似たようなことをやっても、おそらくただチグハグにくっつけただけの安っぽいストーリーに成り下がってしまいそうなところを、この奇想天外な世界観によって、一種異様な説得力が持たされたと思います。
よくありがちな中世西欧風コピペファンタジーよりも、よほど本来の意味でファンタジーらしい幻想と美醜に溢れていました。

また、このように世界観は随分と変わりましたが、ゲーム中のほぼ全てがテキストのみで表現されていることは、やはりウィザードリィの伝統ですね。
グラフィックもムービーも付けようと思えば十分付けることができたはずなのに、そんなのはお構いなしといった感じです。
特に、このテキストの妥協のない量とクオリティは、あらゆるゲームの中でも随一の物だと思います。
私の英語力でこのシナリオをやるのは正直かなりキツイものがありましたが、何とか最後まで辿り着けたのも、これらの素晴らしいテキストのおかげです。


まあ確かに、不満を感じた部分もあります。
#8へと続くシナリオであるので、ストーリーが中途半端だということは否めません。
次作に続くという前提の中では上手く完結しているとは思いますが、始まりも終わりも単独作品としては成り立たないシナリオでしょう。

また、個人的に最も気にかかっていた、#6からの結末は完全に放置されていました。
後になって調べてみましたが、本当にコズミックフォージもベラもゲーム中には出てこないようです。
これも含めて#8で決着するのかもしれませんが、前作から引き続いてプレイし、苦労してクリアした身としては、もう少しスッキリさせてほしかったところです。


ストーリー以外の点では、やはり理不尽なほどの難度と、気の遠くなるほどの長さについても書かなくてはならないかな。
クリアするのに必要な時間は、冗談抜きに、#1〜#6を全てプレイするよりも長いのではないかと思いますし、攻略情報を見ずに自力で全ての謎を解くのは可能なのか?と思うほどの難度でした。
長いのは、まあ好みの問題としても、自力で解けないほどの謎解きや、本当にピュアな気持ちで冒険を楽しめるファーストプレイ時に頻繁にリセットを要するような罠やイベントは、さすがにいかがなものかとは思います。
逆に、超大な時間をかけてじっくり謎を解き、自力クリアを達成した時には想像を絶する快感があるのかもしれませんが……。


システム面では、スキルや戦闘などの要素は基本的に#6からほぼ何も変わっていません。
したがって、前作同様に転職にデメリットはほぼ無く、スキルや呪文を簡単に習得できてしまいます。

だからと言って戦闘のバランスが悪いのかとなると、難しいところです。
HPやMPの上昇、スキルアップのペースなどのバランスは多少見直しされているみたいですが、これほどに長大で自由な冒険となると、もはやバランスがどうとか言うようなものではないような気がします。
そもそも#6からのコンバートを使えば、開始の時点でゲーム中でほぼ最強の武器を使えてしまうため、従来とは完全に違ったバランスを想定しているのでしょう。
序盤である程度スキルを高めてしまっても極端に簡単になるわけではなさそうだし、一度も転職せずに進んでも、さほど問題はなさそうな感じです。

まあ、言ってしまえばスキルシステムは今回もあまり機能していなかったような……。
せっかくマップ探索や戦闘、開錠、交渉などが楽しいシナリオなので、もう少しその辺を突き詰めてほしかったものです。
このスキルによるキャラクターの個性付けを最大限に活かすには、二週目以降にノーリセットでかつ転職無し、などの制限プレイをする必要がありそうです。
でも、それはそれで楽しそうですね。



……と、こんなところが大まかな雑感です。
細かい所を挙げていくとキリがないので、このあたりにしておきましょう。

総括としては、ウィザードリィの名を継ぐに相応しい、素晴らしいシナリオだったと思います。
特に、このウィザードリィ7には個人的に強い思い入れがあったため、エンディングを迎える事ができた時の感動は格別なものでした。
英語の翻訳作業も、長大な妄想プレイ日記を書く事も、実際のゲームプレイ以上にシビアなものでしたが、それらを頑張った甲斐はあったと思えるほどの達成感です。

さあ、残すは最終章。
このシナリオの続きができることが、純粋に嬉しいと感じます。

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