Wizadry7 プレイ記録
01.異星の軍都
ベラによって有無を言わさず宇宙船から転送された一行は、見も知らぬ世界の森の中にいた。
メタル
「人類に運命というものはあるのだろうか……?そして宇宙には……?我々の行動は果たして、この世界にどのような……」
トシ
「たそがれてないで早く行こうぜ」
メタル
「いや、最初のナレーションをだな……」
ファロウ
「遠い惑星つっても、俺達の世界とあんまり変わらないもんだな。もっとドギツイ世界を想像したんだけどなぁ」
アイス
「あんまり生態系は変わらない感じね。でも住んでる人は……私達と姿が異なるかもね」
トシ
「まあ俺達の世界にも猫男やトカゲ女はいたし、今更驚かないけどな」
ルガード
「あっちの方角に灯りが見えますよ。町がありそうだから、とりあえず行ってみましょう」
メタル
「じゃあディージア、これ頼む」
ディージア
「え、何これ?……じゃーにーまっぷきっと?」
メタル
「そうだ。地図を片手に旅路のマッピングをするのがファイターという職業の伝統的な役割だ」
アイス
「ちょっと違うと思うけど……」
ルガード
「マッピングのスキルが必要になりますから、頑張って鍛えてください」
ディージア
「イヤよ!なんで女の子がそんなことしなくちゃいけないの!マッピングは根暗な男がやる仕事でしょ!」
ファロウ
「なんという偏見と問題の多い発言だ……」
ルガード
「しかし必要スキルの少ないファイターでなくては、マッピングのスキルに割く余裕はないですよ。皆は呪文の習得などにスキルを費やすことになりますからね」
ディージア
「そ……そんな事言われたって……」
トシ
「ハハハ!俺はこれを見越して必要スキルの多いモンクになったんだ。お前も俺が味わったマッピング地獄を思い知れ!」
アイス
「でも、ここに来て色々と事情が変わったのよ。学術スキルの伸びにくいファイターは逆にマッピングに向いてないかもしれないわ」
(注)前作BCFでは、レベルアップ時にトータルで得られたポイントを好きなスキルに割り振りできましたが、今作CDSでは「武器」「身体」「「学術」のカテゴリーでそれぞれポイントが得られ、カテゴリー内でしか割り振り出来ません。
ファイターは「武器」に多く割り振られる代わりに「学術」にはあまりポイントがいかない、といった感じで職業ごとの違いが現れています。
ファロウ
「そういえばそうだっけか。じゃあシーフの俺もあんまり学術スキルには向かないのかな。ま、あんまり必要ないけど」
ディージア
「そ…そうよ!(知らなかったけど)ファイターはこういう作業に向いてないわ!」
メタル
「じゃあ、やっぱトシがやるのがいいかな。モンクなら学術スキルの割り振りも多めだろうし、サイオニック呪文はルガードが覚えるからそんなに必要ないだろう」
アイス
「頑張ってね」
トシ
「な……に……?」
メタル
「何かが襲ってきたぞ!みんな、戦闘体制を取るんだ!」
トシ
「鳥か……。こんな遠くの星でも鳥は鳥なんだな」
ファロウ
「フッ……この地での華々しいデビュー戦だな。みんな!俺が斬り込むからサポートを頼むぜ!」
ディージア
「ねえ、あたし剣って使ったことないんだけど、このカシナートってどうやって持つの?」
アイス
「えーと…、こことここの弦を押さえたらGマイナーのコードだっけ?あれ、違う。リュートって難しいわ」
ルガード
「リュートはそうやって弾く楽器ではありませんよ」
ファロウ
「ド……ド素人!」
メタル
「みんな転職したばかりで勝手が違うし、宇宙船での長い生活で鈍ったのか以前のようにはいかないものだな……」
トシ
「こいつら強いぞ!真面目に戦わないとヤバイ!」
ルガード
「呪文で戦うのが一番ですね。天才的な魔力と剣技を持っていた私ならば、今でもファイアボールくらいは使えます」
アイス
「私も呪文のほうがいいかな」
ファロウ
「じ……じゃあ俺も……」
メタル
「じゃあ俺はブレスでも……」
ディージア
「それは見苦しいわりに弱いからやめてよ!」
トシ
「恰ッ!……高い威力を保持しているのは俺の拳法のみ!ついに俺の時代が来たな!」
アイス
「ふう……何とか倒したけど、この辺りは危険みたいね。早く街へ行った方がいいわ」
ファロウ
「おお〜!街だ!やっと一休みできるぜ!」
メタル
「アクパイルという名の街みたいだな」
トシ
「一休みできるような所なのかな……」
アイス
「あ……通路に何かいるわ」
メタル
「アンパニ?このサイ男がアンパニという種族なのか」
UMPANI(アンパニ)
銀河系を広く旅して、そこで獲得した製品を売買する種族。
銀河系を通じて、公正で信頼のおける商売人と認められている。
彼らのネットワークは広く、宇宙貿易業の大半を牛耳っていると言われている。
また軍事的な種族でもあり、銀河系内でも最大規模の軍事力をもっていると考えられている。
トシ
「アンパニっていったら、王の宇宙船から聞こえてきた声の主じゃないか。この中に呼びかけてきた者がいるのかもな」
ルガード
「このサイが言うには、ここはそのアンパニ帝国連邦とやらの軍事拠点らしいです。部外者は街の中に入れてくれないみたいですよ」
ディージア
「え〜、ケチ〜。どうすんの?あんな危険な森にいたらすぐに死んじゃうわ」
アイス
「でも軍の偵察として入隊するなら街に入ってもいいみたいよ。どうする?」
メタル
「外は危険だし、どこに行っていいものかも分からないから、とりあえずここに留まって情報を集めるのもいいかもな。……なるほど、リクルートセンターで手続きをするのか」
ルガード
「見も知らぬ異国人を入隊させてくれるとは、なかなか度量が広いですね。やはりユニバーサルな種族は違います」
ファロウ
「でも偵察隊って……なんかパッとしないぜ……」
トシ
「着いたぜ、リクルートセンター。入隊勧誘のポスターが貼ってあるぞ」
ディージア
「『義務!力!勝利!今こそI.U.F.へ!』……暑苦しいわね〜」
メタル
「もっと暑苦しそうなのが出てきたぞ」
トシ
「このバルブラク軍曹が新兵の担当みたいだな」
アイス
「人事担当者との面接は後々においても重要よ。ここで求められるのは『スピーチ』ではなく『コミュニケーション』。私達からすればアピールの場だけど、彼らはあくまでこの先を共にする『ビジネスパートナー』を欲しているものよ!」
メタル
「……前の冒険が終わった後、いったい君は何をしていたんだ?」
ディージア
「で、あっさり入隊を認めてくれたわ」
ルガード
「これで我々も晴れてI.U.F.の中でS.T.F.の一員としてN.E.P.S.に駐屯が許されたみたいです」
ファロウ
「意味が分からんから名称を略すな」
アイス
「物資倉庫で支給品があるらしいわ」
ディージア
「なかなか気前いいじゃない。早速行ってみようよ」
トシ
「えーと…合言葉は……そういえば入口のアンパニが教えてくれたっけ」
アイス
「この窓の向こうにいる人がカボン軍曹かな。支給品を受け取りに来たんですけど……」
ファロウ
「き…9250ゴールド……!金取るのかよ!……そんなに持ってるか?」
メタル
「持ってきた金で10000ゴールド分にはなるようだ。ギリギリだな」
ディージア
「このサイ男ピンハネしたりしてないわよね。で、支給品って何なの?」
ルガード
「防弾ベストが2着、マスケット銃が2丁と弾薬。それとI.U.F.S.T.F.N.E.P.オフィシャルバッジですね」
トシ
「銃!…カッコいいな!……あれ、でも俺は銃もベストも装備できないの?」
メタル
「銃を装備できるのはディージアとファロウだけ、ベストはディージアだけみたいだな。装備するか?」
ディージア
「これってアンパニが着てるあのダサいベストでしょ?絶対着ないわよ。銃もなんかイマイチな外見だから、今持ってるカシナートの剣の方がまだマシだわ」
メタル
「……カシナートの剣がどれだけ価値のある物なのか分かってる?」
ルガード
「まずは射撃教習所で教練を受けなくてはならないみたいですね。とりあえず行ってみましょう」
アイス
「軍事拠点だけあって色々揃ってるわね。私達の宿舎も用意されてるみたいだし」
メタル
「で、ここが射撃練習所か。相変わらず教官のアンパニは他と区別がつかないが」
ルガード
「銃の操作法を教えてくれましたが……講義はものの2〜3分で終わりましたよ。適当なものですね」
アイス
「あとは射撃練習用の的を750ゴールドで買って練習するみたいね」
トシ
「ま……また金取るのかよ。さっきのと合わせて10000ゴールドか……。なんか上手いことカモにされてるような気がしてきたぞ」
ファロウ
「奥に射撃場があるぜ!ちょっと撃っていかないか?」
メタル
「まあ、せっかく買ったんだし試してみるか。とはいえ、銃を使えるのがファロウとディージアしかいないからなあ」
ファロウ
「俺が弓の扱いに長けていることを忘れたか?こういった飛び道具のことは俺に全て任せておいてもらえば大丈夫だ」
ディージア
「そうだっけ?あんまり弓使ってた記憶ないけど……」
ファロウ
「的を奥の壁に掛けて……ここのラインに立って……ショット!!」
ファロウ
「どうよ?初めてでこれなら才能あるんじゃないか?」
トシ
「俺達も装備はできないけど訓練はさせてくれるみたいだぜ。……なかなか難しいもんだな」
アイス
「あ、私3発全部ヒットしたわ」
ファロウ
「!!」
ルガード
「じゃあ皆の訓練が終わったら、リクルートセンターのバルブラク軍曹の所に戻りますか」
メタル
「バルブラク軍曹から新しい指令を受け取ったぞ。準備と訓練が終わって、いよいよミッションのようだ」
ルガード
「北にあるトラモンテンの森に潜むスパイを探す……という指令ですか」
ファロウ
「俺達の銃スキルまだ1だぜ。どう見ても訓練不十分じゃねーかな」
トシ
「森ってすげー危険だったし、スパイ捜索とか面倒で地味な任務だし、何だか気乗りしないなぁ〜」
アイス
「すっかりアンパニ軍の一員になっちゃったね」
ディージア
「なんで見知らぬ異国まで来てこんな下っ端業務やらなきゃならないのよ。与えられた装備もダサいし兵舎もオンボロだし、割が合わないわ!」
ルガード
「まあ、今は力も金も情報も無いから仕方ないですよ。いずれ、勝手が分かってきて力も付いたら、クーデターでも起こして街を制圧してやりましょう」
ファロウ
「なにもそこまでしなくてもいいだろ……」
メタル
「で、さっきの続きだが、どうもスパイはティーラングのようだ」
T'RANG(ティーラング)
クモに似た生き物で、恐ろしく悪辣である。
アンパニとは完全に商売敵であり、一般的に評判は悪く、金次第でどんなことでもやると言われている。
完璧に信頼できる種族ではないにもかかわらず、銀河系内でアンパニに優るとも劣らないほどの貿易ネットワークを支配している。
求めているものを得るためなら手段を選ばず、どれほど汚いやり方であれ、請け負ったことは必ずやり遂げる。
ディージア
「そのスパイを見つけたらどうするの?」
トシ
「『義務、力、勝利』のスローガンの通りにしろってさ」
メタル
「あんまり平和的な方法じゃなさそうだが……さて、どうしたものかな……」
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