Ultima6 プレイ記録

はじめに


ウルティマ6は、ずっと昔にDOS版のものをクリアしたことがあるのだけど、せっかくFM−Towns版を入手したので、プレイ記録を書きつつ再度やってみようと思います。
クリアしたことがあるといえ、覚えているのは話の大筋のみで、細かい部分はどうせ忘れているので丁度よい機会かなと。

ゲーム中の情報量が膨大なので、プレイ記録といってもあまり細かいものは書けませんが、ウルティマの楽しさが感じられるようにはしたいと思います。




オープニング




ブリタニアでの輝かしい勝利。
そして、この世界への帰還……。
あれから、すでに5つの季節が過ぎ去った。

冒険と戦い、そして聖者アバタールの人生を遠い世界の伝説に残し、穏やかに過ごす孤独な日々。
平和と静寂。
しかし、傍らに倒れていった友のことを思い出す度に、いたたまれぬ気持ちに襲われる。
この世界の何物も、この気持ちを紛らわせてはくれない。







そんなある日、冷たい風が窓を叩いた。
間もなく、外は暗雲に覆われていった。
低い雲の底を舐めるように稲妻が這う。
続けざまに雷鳴が全天に轟く。
絶え間ない雷鳴と、狂ったような閃光が大気を激しく振動させる。
それが頂点に達した時、一本の青い稲妻が地面に突き刺さった!



稲妻は、ストーンサークルの中心を狙ったように貫いている。
これはもしや、ブリタニアからの呼掛けではないか?



すぐさま家を飛び出す。
もう何も目にはいらない。



森を抜け、丘を転げ降り、嵐の中をぐしゃぐしゃに濡れながらストーンサークルへ走った。







ストーンサークルにたどり着くと、辺りには落雷により土から蒸発した水蒸気の臭いが漂っていた。
頭上ではまだ雷鳴が続いていたが、それは次第に遠のいて行き、そのうちに不気味な静寂が訪れた。
サークルの中心をよく見ると、小さな黒曜石らしい石が輝いていた。
そっと手を伸ばし、その石を拾う……。




同時に、音もなく光のドアがサークルの中心から現れた!



鮮やかな記憶が体を突き抜けた。
あの栄光の日々の記憶が……。
思わず再び石を見つめる。
手に汗がにじむ。
そうだ、これに似た石を見たことがある。

ロード・ブリティッシュがブラックソーンを追放した時、ゲートを開くために投じた宝珠だ。
もしかしたら、このゲートを開いたのはロード・ブリティッシュなのか?
そうに違いない。
ならば、すぐに行かねば!


しかし、ある疑問と共に、その興奮が冷めていった。
ブリタニアでは、ゲートはいつも青かった。
そう、朝の空にも似た、透き通るような青い光を放っていた……。


しかし、躊躇している時間はなさそうだ。
ゲートが揺らぎ始めている。
紅色の光が次第に小さく、弱くなっていく!
こうなったら、飛び込むしかない!
決断は一瞬にして下った。






赤いムーンゲートに踏み込むと、強い光に眩惑され、同時にあのよじれるような不思議な感覚が襲った。
次の瞬間、どこかの夜の平原に立っていた。
慌てて目を凝らすと、夜霧を通した月明かりの下で、文字のようなものが刻まれた大きな四角い岩が目に入った。



何か宗教的なもののように見える。
その時、それまで静かだった平原に数百もの不気味な声がわき起こった。
いつの間にか、歌声のような低いうなりに取り囲まれている。
しかも、その歌声は輪を狭め、ゆっくりと近づいてくる。



あまりの不気味さに、反射的に逃げだしていた!
しかし、どこにも逃げる場所はなかった……。
恐ろしい形相の生物に、完全に周りを囲まれている。
必死で意思を伝えようとしたが、全く通じない。
そればかりか、鋭い爪のある手に取り押さえられてしまった!
そのまま、ものすごい力で、あの大きな岩に縛りつけられた。


群衆はひざまづき、左右に体を揺らしながら不気味な声で歌い続ける。
その背後から、大きな翼のある生き物が、厳かに進み出た。



きっと彼らの指導者なのだろう。
彼は手にした紫の布をほどき、真鍮の帯が入った本を取り出した。
その本を開くと、書かれてある一節を仰々しく読み上げた。
彼が音を立てて本を閉じると、群衆からは拍手がわき起こり、中には興奮して奇声を上げる者も出た。
ふと見ると、彼の手には短剣が握られている。
月の明かりを反射して、見るだけで体が切り刻まれそうな鋭い光を放っている。

その短剣が振り上げられた!

あまりのことに目を閉じた。
夜空に悲鳴が響く。
おそらく自分の声だ。



罵りと怒号、探検、悲鳴、死……
……まだ、生きている……。



暗闇に音もなく赤い光が現れた。
そして、鈍い音が聞こえたような気がした。
クロスボウの発射音か?



その瞬間、指導者の岩石のような額に、鮮やかな紫のバラが花開き、花の中央に小さな羽飾りが添えられた!
指導者はその場に崩れ落ちた。





赤いムーンゲートから、懐かしい仲間が現れた。
哮り狂う群衆の中を、剣を振りながらやって来るのは、デュプレだ!

「ぐずぐずするな。早くゲートに駆け込むんだ!」

シャミノが言った。
その横で、クロスボウを構えたイオロが笑っている。
デュプレは小さな剣を投げ渡してくれた。
イオロは、倒れた指導者が落とした本を拾い上げると、ムーンゲートに飛び込んだ。
シャミノがすぐ後に続く。
デュプレとムーンゲートに向かう途中、怒り狂った群衆が行く手を阻んだ。
急がなくては、赤い光がゆらぎ、消えかかっている!
幸運にも、思ったよりゲートはゆっくりと消滅していった。

ところが、群衆の中の三匹が、低いうなり声と共に、消滅寸前のゲートに身を投じたのだ!


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