Wizardry 外伝2 ストーリー




大陸の東西を分かつ境界に位置し、東方世界との接点と呼ばれる城塞都市アルマール(Almarl)。西方諸国の出城として砂漠のオアシスに築かれたこの街は、しかしむしろ東西の商人が立ち寄る交易都市として発展を遂げてきた。

アルマールを治める領主ウディーンが遺跡などに興味を抱いたのも、もとはと言えば長く続いた平和に飽きたからであった。数年前の大嵐で砂中より姿を現した 古代王朝の巨大遺跡――その発掘調査がしばらくは退屈を癒やし、あわよくば古代の財宝ももたらしてくれるだろうと彼は考えた。

だが、そこは都市ではなかった。

ある日、大規模な落盤が起こった。作業中の数百人の人命を巻き添えに、遺跡はついに広大な地下迷宮へと通じる禍々しき顎を開いた。発見されたプレートには遅すぎた警告が記されていた。

”最後の皇帝にして、闇と結びし邪悪なる妖術師ハルギスここに瞑る。墓所の封印に触れることなかれ”

呪いが始まった。埋葬された犠牲者の遺体が次々と起き上がり、腐臭を放ちながら地底へと入り込んでいったのだ。墓所からは瘴煙が立ち上り、活気溢れるアルマールは次第に絶望と無気力のはびこる無法の街へと荒廃していった。

呪いはさらに領主のひとり娘マナヤを襲った。光を失い、聴覚を失い、言葉までも奪われた愛娘の姿に、ウディーンはようやく事態の重大さを悟った。
嘆く領主は布令を出した。ハルギスの迷える魂を封じ、マナヤの呪いを解いた者には破格の報酬を与えると。

やがて命知らずの冒険者たちがアルマールに流れ込んできた。皇帝ハルギスの墓所を舞台に、名もなき冒険者の死闘が始まる――。