Wizardry#7 ストーリー



<PC版マニュアルより>

運命を司るペン、コズミック・フォージの消失により、コズミック・ロードもまた、その力を失った。一時的ではあるにせよ、コズミック・ロードは、宇宙の事 象の流れを支配する力を失った。そして、宇宙の遥か彼方では、まったく予期されなかったような事件が起こった。宇宙海賊の襲撃を受けた宇宙船が、航行装置 に異常をきたして小さな惑星に不時着したのである。それも、それまで銀河の地図に一度も記されたことのない惑星に。

もちろん、コズミック・ロードはその惑星の存在を知っていた。その惑星を外界から隠し、フォージの力で秘密を守っていたのはコズミック・ロード自身だった のである。しかし、災いの王とゾーフィタスによってフォージが奪われると(そう、ベイン・オブ・ザ・コズミック・フォージの物語である)、この惑星の秘密 を保っていることは不可能となった。

不時着した宇宙船が、なんとか自分の星に戻ると、新しい惑星発見のニュースはあっという間に銀河中に広まった。そしてその惑星は、伝説のフォーンザングの星、彼の最大にして最後の発見を記した“アストラル・ドミナ”が眠る“ロスト・ガーディア”ではないかと噂され始めた。

“アストラル・ドミナ”の伝説は、前の千年紀にさかのぼる。偉大なる芸術家にして科学者のフォーンザングは、宇宙の生命と根源にかかわる秘密を解き明かし た。しかし、その秘密は、あまりにも強大な影響力を持つものだった。その秘密を知る者は、宇宙を想像することができ、同時に宇宙を破壊することもできたの である。フォーンザングは一つの選択を迫られた。すなわち、彼の生涯をかけた偉大な発見をすべて破棄してしまうか、それとも不心得者の手に落ちないよう に、それをどこかに隠してしまうか、である。フォーンザングは後者を選んだ。いつの日にか、正しき意志を持つ者の手で秘密が再び解き明かされ、宇宙が新た なる運命を昇ってゆくことを願って。

フォーンザングは天球儀を作った。“アストラル・ドミナ”である。そして彼の秘密をその中に隠した。ついで、彼はその力を用いて、彼の秘密を安全に隠すた めの新しい世界、すなわちガーディアを創造した。今や神そのものと並ぶ力を得たフォーンザングは、創り出した惑星に、彼の秘密を守る生物を創って住まわせ た。“アストラル・ドミナ”をこの世界のどこかに隠すと、彼はその場所の地図を作り、それを細かい断片にわけて惑星中にばらまいた。こうして、秘密が安全 に隠されたことを確信すると、フォーンザングは永遠にこの世界から姿を消した。

新たなる惑星の発見によって、銀河中でにわかに、フォーンザングの伝説、“アストラル・ドミナ”の実在が信じられるようになった。そこに行こうと思い立った者は多かった。しかしながら、それを実際に行動に移せるものはそう多くはなかった。

宇宙を旅する謎の存在ダーク・サヴァントは、その数少ない者の中の一人だった。伝説の黒き船で宇宙の辺境すべてを放浪した謎の旅人については、彼が銀河の 中でもっとも力の強い存在の一人であり、誰とも同盟を組まない孤高の存在であるということを除いては、ほとんど何も知られていなかった。

銀河には二つの強大な種族があった。一つは、モラルを重んじる厚皮生物のアンパニで、彼らは銀河系最大の軍事組織を持ち、公平で信頼できる商人でもあっ た。そしてもう一方は、恐ろしく、無節操なティーラングである。見るからにおぞましい、蜘蛛のような外見のティーラングは、対価を支払う者さえいれば何で も行うと言われていた。絶対的に信頼できる相手ではなかったが、彼らはアンパニをしのぐほどの交易ネットワークを持っていた。そして、ティーラングは、一 度契約を行ったら、どんな汚い手段を講じてでもそれを達成するとも言われていた。

アンパニとティーラングはライバルであり、お互いを忌み嫌っていた。しかし、この両者の間には一種の密約があり、彼ら以外のなに者もこの銀河で力を得るこ とがないようにしているとも噂されていた。彼らの間で銀河の貿易を独占し、利益を高い割合に保っておこうというわけである。

ティーラングは、ダーク・サヴァントとの間に、フォーンザングの失われた世界を見いだすという契約を結んでいる、とも噂されていた。もしティーラングがこ とに関わるのであれば、アンパニもおとなしくしているわけにはいかなかった。言うまでもなく、この二者の力のバランスを崩すようなものを前にして、遅れを とるわけにはいかないのである。 そしてもう一人、ヴィ・ドミナという若い女性。恐るべき戦士であると、もっぱらの評判の彼女は、フォーンザングの子孫とも言われていた。彼女の血筋は ティーラングによって調べられ、その結果はダーク・サヴァントに伝えられた。その後すぐに、彼女はダーク・サヴァントの庇護下に入った。それが彼女が望ん だことなのか、それとも強制されたことなのかはわからなかったが、ダーク・サヴァントが、彼女がまだなにか知られていない秘密、“アストラル・ドミナ”を 開くためのなにかを持っていると考えていることだけは確かだった。

惑星には、この他に様々な原住の民が存在する。彼らは単純で未開だが、“ロスト・ガーディア”には、かつて偉大な文明が存在したと思われる痕跡も見受けら れる。彼らが“アストラル・ドミナ”の秘密を解き明かすためになにかの役割を果たすのか、それ以外に何か秘密を持っているのかは定かではない。しかし、星 からの旅人の出現によって、彼ら自身はその伝説、予言された惑星の終焉が始まったのではないかと疑い始めていた。

これが“ロスト・ガーディア”に住む者たちである。このすべてが、“アストラル・ドミナ”の探索に何らかの役割を担っている。そして最後に、我が勇敢なる 冒険者たち。“ロスト・ガーディア”に足を踏み入れ、Crusaders of The Dark Savant の冒険を開始するのは、まさにあなた自身なのである。