Wizardry#3 ストーリー



<IBM-PC版マニュアルより>

恐れを知らぬ冒険者達が古のダイヤモンドの騎士の装備を取り戻し、ニルダの杖を復活させてから、リルガミン王国では数世代の時が流れ、平和と繁栄が広まっ た。杖の庇護の下、リルガミンは光と美に溢れる地となり、戦争とそのための道具は忘れ去られた。しかし、近年になり、リルガミンの平安は乱れ始めた。それ は荒れ狂った人間や血生臭い戦争によるものでなく、自然の均衡が崩れたことによるものであった。この数年間、数え切れないほどの大地震、気候の突然の変 化、轟く大嵐、がリルガミンの人々の耳にも届いていたが、その多くは無視された。

しかし、穏やかだったアルビシアの植民島周辺の海が隆起して島が水に呑まれた時、もはや誰も無視はできなかった。津波は町を破壊し、水の上に残ったのは僅かば かりの不毛な峰のみとなった。それからすぐに、リルガミンも強い地震に見舞われてニルダの寺院までも被害を受けてしまい、さらに古代の休止火山も噴火を始 めた。自称預言者達は、この神罰に泣き叫び、ただちに懺悔するよう訴えた。神秘論者達はタロットカードにすがった。占星術師達は、天国からの巨大な隕石が 星に墜ち、絶対的な破壊をもたらすと警告した。古き宗派の僧侶達は、偉大なるワールドサーペントの死、そして、その存在の終わりについてを話した。

首脳達は、全ての種族から新しい世代の冒険者達を呼び集め、この問題の原因を探し出すように説いた。彼らの先祖達と同じように、冒険者達の探求は、このリ ルガミンに面した危機から街を救うためのものとなった。そして、偉大なる賢者達と王宮の魔術師達は決定付けた。―この危機の原因を解明する力を持つのは、 ただ1つの遺物のみであると。それは遥か昔に、偉大なる龍、エル・ケブレスによって持ち去られた神秘の宝珠であった。エル・ケブレスは、ワールドサーペン トの5匹の子のうちの1匹であり、この世界の均衡の守護者であった。彼女は、この偉大なる宝珠が人間の手に渡ると、均衡が崩れると考えていた。伝説では、 龍は山の住処に宝珠を持ち去り、そこで善なる力と悪なる力を呼び起こして盗賊から宝珠を守っていると伝えられている。

今、リルガミンのリーダーが、ダイヤモンドの騎士の英雄の末裔であり、狂王の試練場の生き残りの子孫である君に訴えかける。彼らの記憶と技を呼び起こし、エル・ケブレスを探し出すのだ。そして、神秘なるイアリシンの宝珠を彼女から勝ち取るのだ。