Ultima7
登場人物セリフ集
Trent トレント
start
怒れる表情の巨大な幽霊は、君を無視し、奇妙な鉄の籠にハンマーを振るい続けた。
(
怒れる表情の巨大な幽霊は、君を無視した。何かの道具を探しているようであった。)
(交霊の呪文を使っていない時)
炎の中に幽霊の人影が見える。巨大で、筋骨隆々としており、口ひげを一杯に生やしている幽霊だ。彼は君が近づいても気付いていない。
name
太い眉によって強調された深い皺が、疲れた額に刻まれた。彼は仕事から目を離さずに言った。
「俺はトレントだ。仕事に集中させてくれないか」
(彼は奇妙な形の鉄の籠にハンマーを振るい続けた。)
something
「鉄の籠が見つからないんだ!」
彼は叫んだ。
「どこかのバカが持っていったに違いない!持って行ったやつを見つけたら、俺の店から取って行ったことを激しく後悔させてやる!」
job
「おまえは目暗か!?俺が鍛冶屋には見えないのか?」
彼は、その種の無駄な会話をしたくないようだった。
iron cage
巨大な幽霊から、実体化しているかのような怒りが放たれた。彼が籠から顔を上げると、炎の光は鍛冶炉から来ているのではなく、彼の目から来ていることに気付いた。
「あの忌々しいホランスを滅ぼすために、この籠を造っているのだ。奴は、俺の妻をさらって行った」
彼は君を攻撃するつもりなんじゃないかと、その時、君は思った。そして、彼は大きな溜息をついて、握り締めた拳を離し、仕事に戻った。
Horance
君が話をすると、彼の全身が張り詰めた。
「ホランス…」
その言葉は、呪いのごとく響いた。
「奴の忌々しい魂は、俺の目の前で焼き払ってやるさ。奴が哀れに泣き叫んで命乞いをしても、俺は笑ってやるね」
どういった理由かは分からないが、君は、その笑い声を聞かないようにしよう思った。
wife
一筋の熱い涙が幽霊の目から、鉄の籠の熱した部分に落ちた。それはジュッと蒸発し、彼は柔らかな声で言った。
「ロウェナは、俺の命だった。この世界で、ただ1つの俺の喜びだった」
しかし、その時、彼は再びしわがれた声に戻った。
「奴が彼女を殺し、俺から喜びを奪い去ったのだ。今の俺は、復讐に燃えるだけの、ただの抜け殻だ」
killed
「あの悪しき輩は、アンデッドの僕を使って俺の元から彼女を奪い、ダークタワーに連れ去ったのだ。あの心無い生物は、あがく彼女を殺したのだ」
幽霊は、怒って君に振り向いた。
「俺は彼女を救うことができなかった…。彼女の命が奪われた時、俺は大勢の骸骨戦士達を相手に押しやられて地面に突っ伏していた」
狂気の決意が、巨大な幽霊の目に浮かんだ。
「このことは、決して許さない、決して忘れない」
Rowena
君が彼の妻の名を言うと、片手を突き上げた。
「どうか、その名を言わないでくれ。俺の憎悪を呼び起こすんだ。今の俺には、それしかない。あんた、俺を生かし続けている唯一の物を奪おうって言うのかい?」
その言葉は、彼は既に死んでいることに、気付いていないかのようであった。彼の顔に不思議そうな表情が浮かんだ。
「俺達が結婚した時、彼女にオルゴールをあげたんだ。今ある彼女の思い出の品は、それだけさ」
彼の声が変わった。
「あんた、何をしたか分かっているのか!?彼女のことを考えていたら、俺は仕事ができないじゃないか!」
彼は情熱を一新して、再び仕事に戻った。
(君は、彼の話していたオルゴールが、傍に置いてあることに気付いた。)
ring
君はトレントに指輪を差し出した。最初、彼は君を無視したが、その指輪が何なのか気付くと、君から指輪を受け取って目の前に握り締めた。彼の中の何かが音を立て、巨大な炎が急速に衰えた。しばらくの間、君は泣いている幽霊をそっとしておいた。そして泣き止んだ時、彼の容貌は目覚しく変わっていた。
彼の目の中に燃えていた炎は今は消え、深い青色の影が代わりに浮かんでいた。彼は、別の人間…いや幽霊だったかのようだ。
「俺の行いを許してくれ、アバタール。自分の身に何が起こったのか分からなかったんだ。あの炎のことは覚えているが、それよりも、俺自身の憎しみの方が熱かったんだ」
彼は苦しげに思い出した。
「あなたは彼女に会ったんだな?ロウェナに会ったんだな?そして、彼女はまだ俺のことを気にかけてくれていた。ええ、それが、この魂の籠を完成させるための全ての理由だ。俺達は、ホランスの卑しき魔術から、彼女を解放しなくてはならないんだ」
bye
聞こえていたかどうかは分からないが、彼は君の別れの言葉を無視した。君は、この深く傷ついた魂を、心から哀れんだ。
<正気を取り戻した後>
(籠を造っている途中)
「この籠を造っている最中に、邪魔をしないでくれないか。俺が考えていることは、あの忌々しいホランスの破滅だけだ!」
彼は魂の籠の製造を続けた。
(籠を造っている途中2)
巨大な幽霊は仕事を続けていた。しかし、彼は籠の鉄の棒にハンマーを振るいながら、美しく悲しい曲を口笛で吹いていた。
(籠がない時)
「おい、籠はどこへ行ったんだ?ちょっと前まで、ここにあったはずなのに。籠を見つけないと進められないじゃないか!」
(籠完成時)
トレントは強烈に睨みつけ、その態度を君の脳裏に印象づけた。
「あんたが逃げ出すと思っていたら、あんたには、俺の手助けをしてほしいなどとは頼まなかったさ。さあ、これの籠を持って、モルドラの所へ行ってくれ。彼女が、これをどうやって使うか指示してくれるだろう」
彼の態度が軟化した。
「再びロウェナと出会える唯一のチャンスを、あんたの手に託す」
「何の用だい?何か忘れていたか?」
彼は当惑して君を見た。
Soul Cage
「これは、人の形に合わせた特別な籠だ。モルドラ婦人が言っていたが、一度これを魂の井戸に降ろせば、リッチのホランスを捕らえられるのだ」
彼の声は、以前よりも大分柔らかになっていた。
free
「ああ、彼女を解放するのを手伝ってくれないか?」
彼の声に、僅かにトゲが戻ってきた。
(yes)
彼はハンマーを握る手の力を抜き、感謝して微笑んだ。
「こいつが俺にとって、どれほどの意味を持つか、あんたには分からないだろう。本当に、どうもありがとう」
(no)
彼はハンマーをギュッと握り締めた。
「じゃあ、さっさと行っちまいな!あんたは心変わりしちまったんだな!」
What next?
「ああ、愛しのロウェナを取り戻すために、どうか手伝ってほしい」
彼は懇願した。
「籠を完成させるには、鉄の棒が必要だ。町の共同墓地で、いくらか見つかるだろう」
(鉄棒を持っている時)
「ああ、あんたが持って来た鉄の棒が必要だ」
彼は手を伸ばし、君から鉄の棒を受け取った。
「これがあれば、すぐに完成させられるだろう。籠を造ってる間、そこで待ってな」
(籠が完成した後)
「この籠を、モルドラ婦人の所へ持って行ってくれ。彼女が、これをどうやって使うか教えてくれるだろう」
sacrifice
「俺は最愛の人と再会するまでは、そんな事は考えられないな」
彼は断固たる意思を持っているようであった。
bye
「どうか、急いでくれ。俺の妻は忌々しいホランスの面前で耐えているんだ。こうしている間にも、俺の心はナイフで抉られるようだ」彼は店の周囲をウロウロと歩き始めた。
(ロウェナとの再開)
トレントは、焼け残った彼の店の周りをウロウロしていたが、君が戻って来たのを見て駆け出した。彼の愛するロウェナを見つけたのだ。悲運の恋人達は、お互いに走り寄り、幽霊の体を抱きしめた。しばらくの間、どちらがどちらの霊なのか見分けるのも難しかった。君は辛うじて、ロウェナの指輪を指に嵌めている亡霊の方がトレントだと見分けられた。そして2人は、ゆっくりと君の方を向いた。
「あなたは、私達のために尽くしてくださいました。私達を助けたことが、あなたの探求の助けになっていれば幸いです」
トレントは君にお辞儀し、愛する妻を見つめた。
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