Ultima7
登場人物セリフ集

フェローシップミーティング その1





バトリンが集ったフェローシップのメンバーの前に立ち、セレモニーが始まった。
ホールは、割れるような喝采に包まれた。
聴衆は、畏敬と尊敬の念が混ざった視線で彼を見つめている。
バトリンは、しばらくの間、暖かな歓迎を浴びて立ち、意気揚々とした笑みを顔に浮かべた。
そして、彼が少し手を動かすと、群集は静まった。

「今宵ここに集まった皆さん」
バトリンが言った。

「私が誇り高く、愛すべきフェローシップの名を呼ぶ一員となれたのは、あなたのおかげです」
別の拍手が起こった。

「フェローシップと共に歩む、あなたの心は幸いです!ブリタニアの人々は、病んだ思考と行動で熱に冒されている状態です。しかし、今夜私が見ている者達は、この世界における善と真実の探求者です!真実を認識するための道を歩む者です!しかし、どのようにして、その道を見つけたのか?それはフェローシップのメンバーに尋ねなさい、彼らは答えてくれるでしょう!完全なる認識の道を探すことは簡単です。『内なる3つの力』を、その人生に取り入れるのです!」

「『内なる3つの力』は3つの価値観です。それによって、思考には完全なる『楽観的認知』の状態がもたらされるでしょう。最初の価値観は、『協会に努めよ』。世界中の全人類が何かを成し遂げようとしたら、それは成されます。このように、世界の人々が皆、同じ目的に向かって努力をしたならば、不可能はありません。このことを考えてみるのです!世界にはあらゆる夢が満ちており、それらは成し遂げることができるものです。しかし、我らの悲しき社会を見てみると、人々は皆協力しておらず、何かを成し遂げるなどは奇跡だということが明白に分かるでしょう!」

「2つ目の価値観は、『兄弟を信頼せよ』。あなたは、恐怖に、偏見に、驚きに屈しなくてはなりません。自身をよく見てみるのです!疑問に思う前に、疑問その物を見るのです!この世界において、あなたは自然のバランスによって毎秒のように守られていますが、あなたはそれに気付いていません!この世界で、兄弟に疑念を抱いて過していて、何を成し遂げられましょうか!?彼は自分と同じくらい働いているのか?彼の真意は何か?あなたが、このように思索してエネルギーを消費している間に、彼もあなたのことを同様に思索し始めるでしょう。これは全く、世界の損失です!」

「3つ目の価値観は『報酬は後から来る』です。欲の無い人間はいません。世界中の悲惨の大半は、欲望を満たせないことに起因しています。しかし、少し考えてください!どうして、あなたが欲する物に見合っているのですか?得ることのできる人の大部分は、価値ある人生を送っている者です。あなたが、欲望に見合った価値のない人だったら、欲望が満たされずとも驚くことはありません。あなたが価値ある者になってはじめて、欲望は満たされるのです。欲望とは奇妙なものです。多くの人はを渇望していますが、それらは本当に欲していないのです。本当の欲望とは、価値あること、それ自体なのです!」

「今お話した事は、あなたが『内なる3つの力』に従うために必要なことの全てです。教えはシンプルです。あなたがこれらを人生に取り入れることによって、真に理解することができます。あなたは今、必要なことの全てを知りました。死にゆく技術である魔術の不可解な知識は必要ありません。ヒーラーの得体の知れない手や、限られた知識は必要ありません。あなたに必要なのは、自身にとっての最善を探し続けることと、同じ志を持つ者の中で暮らすことです。そうしてはじめて、あなたは真にフェローシップと歩むことになるのです」

「今、我らがフェローシップのメンバーの声を聞きたいと思います。彼らの生活に、フェローシップがどれほど良い変化をもたらしたのかを、我らで聞いて共有しましょう!」

「私は自身を恐れていたため、人生の経験のために自己を開放しなくてはならないということを、フェローシップによって知りました」
キャンディスが言った。

「フェローシップは、私がより誠実な人間となることを助けてくれました」
パターソンが言った。

「ご意見ありがとう、パターソン」

「フェローシップは、王立果樹園の管理人としての義務を、より良く行う方法を教えてくださいました!」
フィッグが言った。

「フェローシップは、なによりも、人に対して敬意を持って接するようにと教えてくれました」
ゲイが言った。

「フェローシップに加入してから、男の中の男になるための方法を学びました」
グレイソンが言った。

「私はフェローシップによって、個人的、経済的な忘却から助けられています」
ゴードンが言った。

「兄弟よ、その通りだ!」

「フェローシップは、私を平凡ということの錯覚から解放してくれました」
ショーンが言った。

「フェローシップで、私は特別な目的のために人生を捧げる必要があるということを学びました」
ミリーが言った。

「この会の全て、そして参加した皆が、私に感動を与えてくれました!」

(イオロ :
「こんなに多くの人が、この怪しげなリーダーに盲目的に従わないと良い人生を送れないだなんて、悲しいことだな」)

(スパーク :
「このフェローシップのような団体が顕著になるほどに、ブリタニアが堕ちてしまったのが悲しいよ」)

(シャミノ :
「この退屈なセレモニーに目を開けてられなかったのが、悲しいことだぜ!」)

バトリンや他の者達を見るに、フェローシップのセレモニーは夜中まで続きそうであった。
今なら、他者の気を引くことなく抜け出せそうだ…。




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