Ultima5 プレイ感想

2-21-2010

ついにクリアできました!
長かった……。


ウルティマ5を初めてプレイしたのが、ウルティマコレクションによるPC98版で、その後、日本語入力での会話に限界を感じたため、英語のDOS/V版を やり直しました。

それに際して、クリアデータをコンバートするためにウルティマ4もDOS/V版でやり直したので、最初にプレイを開始してからクリアまで、実に時間がかか りました。

もちろん、ずっとやり続けてたわけではなく、途中で間がかなり空いたこともありますが、一つのゲームをクリアするのにかかった時間では、自分の中で今のと ころ最長記録です。




マップ構成

ウルティマ4同様の、いわゆるタイルベースのマップ(1マスごとに木、壁、道路、といったタイルパーツを嵌め込んでマップ を構成すること。ドラクエやFFも5〜6くらいまでは、この構成。)を使った最後の作品ですが、同種のあらゆるゲームの中でも抜きん出た造 りこみでした。




ゲーム内容は、世界中を歩いて人々と話し、情報を集めていくことに集約されるのですが、それぞれの町の風景や、そこで暮らす人々の行動など、とてもバリ エーション豊かで、本当にそこで暮らしているかのようなリアリティがあります。




町の人々は、食事の時間には食堂で食事をして、夜になると自分のベッドで眠る。
宿屋の店主も夜中には眠るので、チェックインが間に合わないと野宿することになります。

まだ暗いうちから起きて働く農民や、夜中にこっそりと寝床を抜け出す人、部屋の隠し通路を見つけたと思ったら、そこには死体が……。

などと、ゲーム本編とはあまり関係ないことでも、思わず何だろう?と気に留めてしまうことが数多くありました。



とてつもなく広大なマップに不便な移動手段。
その中に散りばめられた、こういった「無駄な」要素こそが、世界の広さを感じさせ、冒険気分を盛り上げています。




戦闘

戦闘もウルティマ3、4と同様のタクティカルコンバットというやつです。
装備品の種類も増え、戦闘マップのバリエーションも増えたので、戦闘もよりダイナミックに……



……はなったのですが、通常時にあまり敵が出ない上に、得られる経験値が非常に少ないため、レベルを上げるために膨大な戦闘時間を要することになりまし た。

しかもレベルアップしてHPが増えるのはいいとしても、能力値はいずれかが1しか増えません。

アバタール以外は初期レベル2〜3で、最後まで進めてもせいぜいレベル6程度なので、始終戦闘力は変化しないままで、装備を整えないと、トロルやスケルト ン程度にも最後まで苦戦するような有様なのです。

終盤のドラゴンやデーモンなどは、最強の状態でも苦戦します。
しかも得られる経験値は僅かで、50匹倒してもレベルアップできないほどです。

長い冒険なので、そう簡単にレベルアップしては困るのかもしれませんが、この経験値稼ぎはかなりつらく、ゲンナリしてしまいました。


結局、前作の最強飛び道具マジックワンドと同様に、射程・弾数ともに無限のマジックアクスが手に入ってしまえば、こちらから一方的に撃ちつけるだけになっ てしまうので、もう少し近接武器の出番も欲しかったところです。




難易度

とにかく難しかった。
かつてやったゲームの中でも間違いなくトップです。

そもそも情報量が膨大な上に、各地を移動するだけで時間がかかるものだから、全ての情報を集めるのが、まず至難です。

そして、それらの情報を整理して活かさなくてはならないため、大変な苦労を要しました。


その上、中盤から潜ることになるダンジョンは複雑この上なく、何度断念しかけたか分からないほどです。



通路や部屋に隠されたスイッチなど、『この部屋にスイッチがある』という確信がなければ、まず分からないようなものでした。


そして、拍車をかけるように難しい地下世界。



視界が狭く、険しい地形ばかりで移動するのも困難なくせに、地上と同じくらい広大な地下世界。

この地下世界のマップ上に、多くの重要アイテムがポツリと置いてある(あるいは隠されている)ため、もちろん探索は困難を極めます。

どこにあるかを示す情報は聞けるのですが、断片的で分かりづらいため、結局隅々を探索するはめになりました。



あまりにも分からなかったため、攻略サイトのお世話になったこともあります。
瞬間移動の魔法を使うとか、なかなか思いつくものじゃありません。


そして最後の最後、サンダルウッドの箱で完全に心折られかけました。
気力を振り絞って何とかクリアできましたが、これを自力で全て解いた人は、世界にどれだけいるのでしょうか?



シナリオ

暗くて重苦しくて、どこへ行っても圧迫された雰囲気が出ていました。
画面も心なしか暗い色彩が多かったです。わざと?

こういったダークなシナリオは個人的に好きなので楽しめました。



ところどころで無敵のシャドウロードが行く手を遮ったり、税金を要求する衛兵がウロウロしていたり、会話中の返答によっては牢に放り込まれる時もあったり と、心休まる場面がありません。


前作をプレイしていると、かつて知った徳の概念やブリタニアの町が政治に脅かされる様子が痛ましく、何とかしようという気になったものです。



各地で活動するレジスタンスや、追放された大評議会のメンバー、ブラックソーンに与する組織、など、このシナリオならではの重厚な展開は非常にやりごたえ がありました。



シナリオ最後のエンディングもなかなか良かったです。

最後のダンジョンで苦難の果てにロード・ブリティッシュを救助し、通常ならば、ここで凱旋と祝賀のエンディングを迎えるだろうと思うところです。

しかし、その直後にゲートに入ると、アバタールは1人だけ元の世界へ戻ってしまいます。




王からのねぎらいの言葉も、仲間達との最後の別れの時もなく、ブリタニアのその後の様子すら知る術もないままに、日常へと戻されてしまいます。

こんな寂しい終わり方あるか!?と思ってしまいました。
アバタールがウルティマ6の冒頭でくすぶった日常を送っているのも無理ありません。


このシナリオのボス的キャラであるブラックソーンの結末も、あっさりとしたものでありながら、なかなか感動的でした。



ロード・ブリティッシュとブラックソーンの関係がうかがい知れるもので、よい結末だったと思います。


とにかく難しかったという印象が第一に残ったウルティマ5ですが、最後までやってよかったと思えたエンディングでした。


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