Ultima Savage Empire
プレイ感想

ウルティマ・サベージエンパイアも無事エンディングとなりました。
ウルティマ6のシステムをほぼ丸ごと流用した作品ですが、既存のシステムに頼った単純なコピーに留まらず、別方向のベクトルで面白さを作り上げるコンセプ トがよかったと思います。

ハリウッドの冒険映画のような展開、どこかで見たような仲間、変人ばかりの原住民、などなど、全般にギャグ要素が強く、本編のウルティマとはかなり違った 楽しさがありました。



システム

基本的にはウルティマ6とほぼ同一ですが、原始世界ということで、あらゆるオブジェクトがガラッと変わっているため、かなり違った印象を受けます。



相変わらず膨大なオブジェクトを全て動かしたり使ったりできるので、見知ったシステムでこの地をどのように冒険していこうか、と逆に楽しみがありました。
マップが広く、ジャングルの色彩がケバケバしいため画面が見づらいという欠点もありますが……。


また、細かいところで改良されており、ナイフを使って獲物から肉や毛皮を得たり、その辺の木や花から材料を採取したり、竈を遣って土器を焼いたりと、アイ テムを別のアイテムに作用させる、ということが出来るようになっています。
後のウルティマオンラインにもつながっていく重要なアクションですが、この作品が初出だったようです。


ウルティマの特徴である会話も従来同様に残っていますが、今回は登場人物も情報量も少なめ(多分、プレイ記録内で紹介した人物でほぼ全てだと思います)な ので、ひたすら冒険に打ち込むことになります。



徳の概念もないため、何にも束縛されず自由に振舞うことができ、このシステムならではの自由度の高さを存分に味わうことができました。
実際ウルティマ6などでは、殺人はもちろん、アイテムを勝手に持ち去ったり、ウソをついたりすることにもペナルティがあるため、なかなかハメを外して行動 できなかったものです。


ただ、こうやって色々できるようになったのはいいのですが、アバタールをはじめ仲間のレベルが最初からかなり高く、2〜3レベル上がったらマックスとなっ てしまうので、RPG的な成長の楽しみは少ないです。



原始ということで武器防具の種類も少ないので、最初から最後までほとんど強さは変わりません。

せっかく冒険や戦闘がメインとなっているので、レベル1からのスタートにしたり、最大レベルをもう少し上げたりすればよかったのに……と思いました。




ストーリー

とにかく奇妙な世界観が面白かったです。

次々出てくる変な部族、自分達の他にも存在する現代人、ジャングルの中で所々見つかる謎の装置……こういった予想もつかない展開の先を知りたく、進んでい くのが単純に楽しみでした。
何でもありの、ある意味パロディのような世界かと思いきや、最後にはスッキリと全ての謎や問題が解決していくのは、さすがウルティマといったところです。




本編ウルティマのような暗さや重さもなく、始終アドベンチャー調に進んでいくのでテンポもよいです。
スペクター登場、アイエラ救出、古代都市崩壊、といったクライマックスシーンも上手くストーリーに絡んでおり、中ダレすることもなかったです。



いや、11部族連合のお使いイベントは面倒だったかな。
ああいったのは半分くらいでよかったと思います。


でも実は部族連合をせずとも、自力でミルミデックスの巣に入って女王を倒してクリアできてしまうみたいです。
こういった自由度の高さがいいですね。


最後にアイエラとトリスティアのどちらを選ぶかでエンディングが分岐するのも、ある意味自由度が高くて良かったです。

結構しんみりとした最後だったのに、なぜここで無情なトリスティア?って感じで。



どうせならバラコ族やディスキキ族の娘も選択肢に入れてくれればよかったのに(笑)


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