Ultima Savage Empire
登場人物セリフ集

Wisp ウィスプ




不気味な光の球が宙に浮いている。
(初回)
「地球の”お前”より、ゾーリナイト次元の”私”に対して、再度の呼びかけを認識した。この連続時間軸上の移動点より呼びかける”お前”は、いかなる呼称を使用するか?」
「”○”。以上の音声パターンに間違いないな。では、これより”お前”の現時間点における呼称を、これとする。”○”、前回の”私”との交信内容を覚えているか?」

→はい
「先に行なった起源と意図と行動における反復説明の無駄が回避されたことは喜ばしい。では、”我々”は、何について語ろうか?」

→いいえ
「説明済みの用件について反復説明を要求されたことは不合理至極。”お前”は”お前”時系列個体の認識力を強化せしめ、かかる混乱を回避せしむる必要があると認める。”お前”の眼前の存在は、ゾーリナイト次元に存在する生命体の投影である。ゾーリニアの”私”は、その投影を通して、地球の直立歩行型生命個体である”お前”と交信しているのである。”私”は、地球の時間軸上の様々な地点で行なわれてる活動を観察している。高度な次元においては、情報交換なども行なうが、地球の”お前”たちから十分に価値ある情報が得られた試しはない。”私”の投影がこの時空間座標に位置している第一の目的は、この座標点周辺に認められる時空間的変異を観測するためだ。”$9”、何か質問はあるか?」


名前
「”私”は”名前”という観念を交信の手段に使用したことがない。地球では、”私”の投影は”ウィスプ”と呼ばれている。もし”○”個体が交信に継続に”名前”が不可欠というなら、”ウィスプ”を使用されたい」


ウィスプ
「そうだ」


部族
「一般的直立歩行型生命個体の集合中に存在する部分集合だ。より高度な進化段階においては”私”がその凡例となり得るところの、ごく原始的な凡例と考えられる」


地球
「さよう。我々は今、地球にいる」


仕事
「ゾーリニアは、異なる時系列や時空層や次元との間に情報を流通させる導管的役割を担っている。また、ゾーリニア自身の発展に役立つと思われる情報を蓄えている。現在、”○”の附近に投影を存在せしめている理由は、”今ここ”の時地点にあるエネルギーの異変を観測するためだ」


異変
「この地域に居住する直立歩行型生命個体が”谷”及び”イーオドン”及び”ここ”という音声パターンで呼称するところの地理的集合中にエネルギーの緊張を生む存在が確認されている。膨大な相対規模を有するそのエネルギー源が、この時空域に及ぼす時空間の歪みは、大変に深刻なものに発展している。かかる状況を分析した結果、時系列上の”過去”時点において、ブリタニア言語音声パターンで”ムーンストーン”と呼称されている物質が、この地域にも埋蔵されているものと思われる。いわゆる”ムーンストーン”のエネルギーが修正されたことにより、”今ここ”、”イーオドン”、”谷”と呼称される地理的集合が、通常の時空系列の外に移動せしめられた。異なる”今ここ”時地点において、個別的及び集合的基盤での存在を中止した生物は、個別的及び集合的意味において存在を継続することにより時空間の歪みに適応したのである。”ムーンストーン”の破壊による時空系列における継続的エネルギーの緊張は、微小ながら不安定な歪みを、時空系列全体にもたらしてしまった」


歪み
「”ムーンストーン”と呼ばれるエネルギー源がもたらす歪みは、時空系列に多大な影響を及ぼしている。結果として、時空系列に無数のうねりや穴を発生せしめた。これは、時空点と時空点との間に一時的な点、つまり、いわゆる”空間”を作り出した。それは通常、ほかの空間とは一切の関わりを持たずに存在し続ける。しかし、それをそのまま放置しておけば、時空層の歪みと融合が恒久化し、全体を破壊しかねない」


ムーンストーン
「時空系列に歪みをもたらすエネルギーの発生源となっている物質は、”ブリタニア”次元で”ムーンストーン”と呼ばれている物質に酷似している。しかし、ここで問題になっている物資には、わずかながら変換が施され、同種の物質とは異なる性質を呈している。その種の物質に対応する呼称は、”お前”の言語にはない。その物理的存在状況を音声パターンで表現するならば、”黒い”と”石”の2語で表わすのが妥当であろう。また、そのパワーの大きさを音声パターンで表現するならば、”非常に大きい”あるいは”強大”と表現されるであろう」


集中
「現在までに入手した情報から推測するに、”ムーンストーン”のエネルギー源に関する研究を行っていた生物が外部からエネルギーを注入したことで、それは本来の作用領域を越えてしまった。このエネルギーの修正が、時空系列に歪みをもたらしたのだ」


破壊
「”ムーンストーン”からの歯止めのないエネルギー放射は、多元宇宙の広範囲にわたる癒着、融合、さらには境界の究極的崩壊を招くことにもなりかねない」


多元
「”多元宇宙”とは、すべての宇宙の実在を、”お前”の言葉で表わしたものだ」


どこ
「”どこ”、とは、時空間座標の情報を要求する疑問詞だな?”お前”のような生物が持っている座標の観念で理解できる方法で、この時空系列の座標を説明することは不可能だ」


さらば
「”お前”がほかの空間点に移動する意志を告げることは、情報の重複にほかならない。時系列の先頭に向かっての移動先を通告しようとするならば、より厳密に行わなければ意味がない。しかし、これは”お前”という生物の社会的慣行であることは理解している。”さらば”だ。”私”が”お前”に与えた情報は、無料サンプルと思ってよい。現在より時系列の先に置いて”お前”から”私”に価値ある情報の提供があった場合には、”私”から”お前”に、真に価値のある情報をお返ししよう」


その他
「”お前”の”言葉”による伝達内容は、あまりにも不正確であり、訳すことができない。よって、”お前”の疑問詞に対する返答は行えない」


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