
細身だが脂ぎった禿頭の男だ。
  (初回)
  「あんた、知ってるよ。いや、あんたの仲間だったかな。あんた、ハークール族ね?」
  →はい
  「やーっぱりね。あたしはハークールの人間は一目でわかるのよ。どんなに隠したって、見破っちまうだ」
  →いいえ
  彼はため息をついた。「まあ、そう言うならそうでもいい。でもね、ハークールさん。あんたの変装、これ、ぜんぜんタメのことね。で、あたしに何の用かね?」
  
  (二度目以降)
  「あー! また来たね、ハークール。また会えて嬉しいあるよ。話してやりたいことが山ほどある。さあ、何でも聞いてくれ」
  名前
  「あたしはバラッブ族のナウル。最も賢い部族の中でも、最も賢い戦士さ。あたしの知恵は伝説に謳われている程だ。何でも知っているよ。しかし、決してそれを鼻にかけたりはしないね」
  ナウル
  「はい、あたしがナウルよ」
  仕事
  「あらゆる土地を旅して、あらゆる知識を身につけるのが、あたしの任務ね。あたしが知らない土地は、この谷にはないね。探検したことのない洞窟は、ひとつだってない。倒せなかった敵は、ひとりだってありはしない」
  ハークール
  「ハークールだぁ?あたしに教わる必要はないでしょ。ほらまた、そーやって自分はハークールじゃないと思わせようとしたって、このナウル様の目はごまかせないよ。無駄なことね」
  バラッブ
  「そーとも、ナウルはバラッブ族の人間ね。最も偉大な部族ね。どこの誰よりも、強く賢い!」
  青い石
  「偉大なるバラッブだけが、この世にふたつとない青い石を持っている。我々が最強の部族でいられるのは、まさに、あの石があるからこそよ」
  「あ、いや、もちろん、あんなモノがなくても、最強の部族であることには変わりないぞ。酋長のバラカイに青い石のことを聞くヨロシ」
  バラカイ
  「そう、バラカイ。最も偉大な部族、バラッブ族の酋長にして祈とう師。彼は青い石を極めた男ね。3つの台地の国に酋長はいる。酋長とバラッブ族の民は、みな台地の上に住んでいるのよ。残念ながら、あんたにバラッブの村までの道を教えてやることはできない。村に入ることを禁じられ……あー、いや、控えているからね」
  敵
  「誰と話していると思っているね。史上最強の戦士あるよ。そのナウル様に敵などあろうはずがない。すべての敵は、とっくの昔に打ち負かして、あたしの家来になってるよ」
  ミルミデックス
  「ミルミデックス?あーあ、アレね。あたしは長い間、彼らと生活を共にしていたことがあるよ。そーとも。ちょっと頭は弱いが、気のいい連中さ。あたしはもう少しで、彼らの王女と結婚させられるところだったんだ。いやあ、今となっては、懐かしい思い出だねぇ」
  部族
  「そう。偉大なるバラッブのほかにも、たくさんの部族がある。たとえば……その……、頭に鳥の羽が生えた部族とか、サンダルを履いた部族だとか、いつも水に濡れている部族だとか、もっともっといっぱいある。あたしは、全部の部族に会ってるから、何でも知っているあるよ。そーとも。なーんでも知ってるあるよ」
  ナフアトラ
  「ナフアトラね、よく知ってるよ」「えーっと、あれはたしか……。あまりにも物を知りすぎているのも考えものだね。ひとつのことを思い出すのに時間がかかっていけない……」「そうそう、頭に鳥の羽が生えた戦士たちね」
  ナコラ
  「ナコラ?」彼の目玉が、一瞬飛び出した。「あの小悪魔が、ここにいるあるか?いかん!アイツの名前を口にしてしまった!聞かれてしまったろうな!逃げろーっ!」
  濡れて
  「知らないなぁ……。あ、いや、違う。ナウルには知らないことはない。ああ、ウラリ族のことか。なんだ、それなら沼に住んでいて、いつもびしょ濡れの戦士たちね。そーよ、いつもびしょ濡れなのよ」
  連合
  「偉大なるバラッブ族と、ほかの下等な部族とを連合させようというか?フンッ!」
  彼はしばらく考え込んでしまった。
  「いや、筋から言えば、これはバラッブ族のバラカイ酋長が決めること。あの、酋長には、あたしが”フンッ!”って言ったことは、黙っていてくれ。いや、何も酋長が怖いわけじゃない。あんたのことだって怖がっちゃいないよ。怖いもんか。怖くなんかない」
  バラッブ、ディスキキ、ジュカリ、クーラック、ピンディロ、サックラー、ヨラルー
  「聞いたことあるよ。あ、いや、つまり、最強の戦士ナウルは、彼らと長い間、生活を共にしたことがあるってことだ。そーなのさ。もう少しで、彼らの酋長にさせられるところだったよ。まいったよなぁ。ほかの部族も、似たり寄ったりだな。うん。そーとも、似たり寄ったりさ」
  さらば
  「この物知りナウルから必要な知識はすべて受け取ったかな?もっと知りたくなったときは、いつでも来るがいい。そーさ、そうするがいい」
  その他
  「もちろん、そのことはよーく知っている。だが、言わないでおこう。言っても理解できんだろうからな。そーさ、理解できないに決まってるさ」
  
  
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