
細身の上品な感じの男性だ。祈とう師の化粧をしている。
  (初回)
  彼は指を折って何かを数えながら、ひとりで呪文を唱えている。キミのほうをチラリと見たが、邪魔をしないで欲しいという気持ちが、ありありと伺える。なんとかキミを無視しようと努めているようだ。
  
  (二度目以降)
  「アバタールよ。モサガンは、まだずーっと忙しいのだ」
  名前
  「名前はモサガン。取り込み中だ」
  仕事
  「祈とう師だ。サーリーの父親でもある。もういいだろ。とても忙しいのだ」
  忙しい
  「そうだ、とても忙しい」
  交換
  「ダメだ。交換などしている暇はない」
  ヨラルー
  「ヨラルー族だ」彼は軽くうなずいた。「我々はヨラルー族だ。なあ、誰かほかの者に話を聞いてくれないか」
  サーリー
  突然、彼の顔がほころび、呪文も指で数えるのも中断して言った。「ああ、サーリーは私の娘だ。サーリーは立派な女戦士だよ。ヨラルーのどの男の戦士よりも立派だ。美しく頭もいい。母さんにそっくりだ。そして、お父さんによく似て、よく働く」”父さん”と言うとき、彼は自分の胸を叩いた。
  「ああ忙しい」彼は我に帰り、顔は無表情に戻った。「さあ、行った行った。忙しいと言っているだろ」
  アパトン
  「アパトンはヨラルー族の酋長。会って話すといい」
  さらば
  「次に会うときは、お前も忙しいといいな」
  その他
  彼はため息をついてキミを無視した。
  
  
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