
知的な目をした、背の高いトカゲ人間だ。
  (初回)
  「ようこソ、おいでくださいまシた」その発音は奇妙だったが、話すことはよく理解できた。
  (二度目以降)
  「またお会いできて、幸せでござりまス」
  名前
  「私はカタルコトル。正確には、カタルコトルの記憶と申シまシょうか。本物のカタルコトルに関シて深い知識を有しておりまスる」
  仕事
  「私は、記憶を伝承スる者でス。お聞きになりたいことを、お尋ねくだサいませ。私がお話シいたシまスる」
  <ラフキン>:ラフキン教授が手を伸ばしてカタルコトルに触ろうとしたが、彼の手はカタルコトルの体をすり抜けてしまった。「なんとなく、この透明感が気になったものだからね……こりゃ驚いた!これは実体じゃないよ、キミ。ある種の投影画像だよ!」
  「左様にございまス。私は記憶でス。そシて、歴史の伝承者なのでござりまス。コトル人がここを去ってから、私の歴史を誰かにお話スる機会は、ほとんどありませんでシた。ひとりだけ、ここを訪れた外界のヒトがありまシたが、私の話など聞いてはくれませんでシた。私は、コトルの歴史を知っていまス。ミルミデックスも、人間も、そシて本物のカタルコトルのことも知っておりまス」
  部族
  「私はカタルコトルの映像でス。カタルコトルはコトル人でござりまス」
  カタルコトル
  「遠い昔、カタルコトルはコトル人社会の一員でシた。大変に有能な冒険家でありまシた。ミルミデックスがコトル人に対シて反逆を起こシ、逃亡シてシまったため、新シい労働力が必要となりまシた。カタルコトルは、労働力の確保のため、コトル軍を率いて、外の世界に旅だったのでござりまス。カタルコトルは、世界中を歩きまシた。多くの人間の部族を訪ねまシた。彼は、コトルのために働いてくれるよう、多くの部族を説得シて、コトルに連れて帰ってまいりまシた。新シい世代の労働力をコトルにもたらシたカタルコトルは、その功績を称えられて、ここに永遠に、カタルコトルの映像が投影サれることになったのでス。それが、この私でござりまス」
  外界
  「この都には、ひとりの人間がいまス。そのヒトは、ここを通っていかれまシたが、私のことは無視シていきまシた。ほんの少シだけ私に話シかけてくれただけでスが……。私の言葉は、まるで聞いてはくれませんでシた。そのヒトの名前はスペクターと言いまス」
  コトル
  「コトルの歴史をお聞きになりたいでスか?」
  →はい
  「この都はコトル人によって建造されまシた。あなたがたと違い、コトル人は爬虫類から進化シた人間でス。その姿は、私によく似ておりまスる。大昔、コトル人たちは、巨大な黒い石を所有シていまシた。やがて、神秘研究家たちが石からパワーを引き出スことに成功シまシた。そのパワーを利用シて、コトル人はこの都を建造シ、明かりを灯シたのでス。そシて、労働力となるオートマトンも作りまシた。シかシ、すべてのオートマトンを労働力とシて活用できるだけの十分なパワーを得ることができませんでシた。そこで、労働者となる生物を作ることにシたのでス。そうシて産み出されたのが、ミルミデックスでシた。ミルミデックスは、黒い石を持って都から逃亡シてシまいまシた。それでも、都はなんとか、非常に遠くにまで持ち去られた黒い石からパワーを引き出シて活動スることができまシた。コトル人には、新シい労働力が必要となりまシた。そこで、英雄カタルコトルが外の世界へ旅立ち、労働力となる大勢の人間を連れて帰ってきたのでござりまス。シかシ、人間もミルミデックスと同様にコトルの都を去って行ってシまいまシた。そのあと、ミルミデックスが、コトル人を殺シ、都を破壊スる目的で戻ってきたのでござりまス。ミルミデックスは殺戮を繰り返シまシた。はっきりとはわかりませんが、中には脱出できたコトル人もいたかもシれません。やがて、ミルミデックスが去り、都は閉ざされまシた。そシて、あなたや、もうひとりの外界の人が来るまで、都はずっと閉鎖されていたのでござりまスる」
  →いいえ
  「では、お時間があれば、そのときにでも」
  ジェネレーター
  「この都は、黒い石からエネルギーを引き出ス、不思議なクリスタル式ジェネレーターによって電力を供給されておりまス。それはとても美シい物でス。ご覧になりたいでスか?」
  →はい
  「あなたがこの都に入ってきた地点のそばに、集合型の移動プレートがありまス。その南中央のプレートにお入りくだされ。スると、都の南部に出まス。そこから、東へ歩き、突き当ったら南へ歩きなされ。再び突き当ったら、また東に歩き、かつて人間が住んでいた入り組んだ居住区の通路にお入りくだされ。通路を北へ、突き当るまで進みまス。少々わかりづらいでシょうが、とにかく、常に左の壁に沿って歩けば大丈夫でス。そシて西へ歩くと、移動プレートがありまスから、そこにお入りくだされ。スると、東側にジェネレーター区が現われまスる」
  →いいえ
  「では、お話シスるのは止めまシょう」
  ミルミデックス
  「ミルミデックスは、蟻から作られた生物でス。コトル人は、蟻の勤勉な性質がミルミデックスにも伝えられると信じていまシた。シかシ、それと同時にミルミデックスは、蟻の戦闘的な性質も受け継いでシまったのでござりまス。ミルミデックスは、都にパワーを供給シていた黒い石を持って逃げていってシまいまシた。シかシ、石が遠くに持ち去られても、都はそこからなんとかパワーを導き出シていたのでス。それから数百年経ってから、ミルミデックスは帰ってきまシた。そシて、ほとんどスべてのコトル人を殺シてシまったのでス」
  人間
  「外の世界のさまざまな部族から、人間は集められまシた。コトル人は、そのスべての人間の言葉から、ひとつの言語を作り、人間に教えまシた。なぜなら、コトル人の言葉は、人間には発音できなかったからでス。そのとき作られたのが、今私が話シている言葉でござりまス。シかシ、人間というものは独立心が強く、結局、地上の世界に逃げ出シていってシまいまシた。その後の彼らがどうなったかは、私の感知スるところではありません。それは今から数百年も前のことでござりまス。こうシてコトル人に残ったのは、人工の労働力であるオートマトンだけとなってシまいまシた。ミルミデックスが戻ってくるまでは……」
  オートマトン
  「オートマトンは彫像のように見えますが、それは不思議な力によって、足で歩き、言葉を話シまス」
  
  (ユナポトリがいる時)
  「おや、ひとり、あなたたちに同行シておりまスね。私の古い友人、ユナポトリではござらんか」
  <ユナポトリ>:「そうだよ、カ・タル・コト・ル。私は、こちらの紳士の、皆様と、都の、中をご案内しているんだ」
  「ユナポトリと会えたのは幸運でス。彼は、最も知性が高く、優秀なオートマトンでス」
  
  (ユナポトリがいない時)
  「ユナポトリという名前の、金で作られたオートマトンがいまス。彼は大変に頭がよく、あなたのお役に立てると思いまス。そのほかのオートマトンは、銀でできていまス。それらは知能が低く、あなたたちに攻撃的な態度をとる恐れがありまスる」
  さらば
  「さらば。また、いつでもお訪ねくださりませ」
  その他
  「”○”というものに関スる記憶はござりません」
  
  
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