Ultima4 マニュアル
The Book of Mystic Wisdom

Ultima IV Quest of the Avatar :
The Book of Mystic Wisdom
as told by Philpop the Weary, magician to the, court of his most sovereign Lord British.
魔術の書
 



神秘の知識を求めるものたちへ。
魔法の種類は多様であり、いっぷう変っていることを知れ。
なんじらが宇宙の力を制御するためには、魔法材料と高度の集中力が必要である。
私が弟子たちに贈るこの書には至上の霊知が満ちてはいるが、まだまだ知られざることも多い。

全ての魔法は、人間と自然相方の力と借りて成し遂げられる。
なぜなら真の魔法は、まさに人間の意思と自然の力の混合なのだから。
呪文を唱える人間の声なくしては、いかなる魔法もかけることができない。
同じように、適切な自然の触媒なしには、呪文は何ら効力を現さない。
このように魔法には二重性があり、自然と人間との間で一つのバランスを保っている。

まず、秘薬として知られ、呪術師の言葉に力を与える自然物質について理解を深め、順にこの二つの局面を考察していこう。

Sulphurous Ash(硫黄の灰)…
硫黄は天然に見出される物質であり、火をおこすのにきわめて重要である。
硫黄はサフラン色をし燃えると、大きな神秘の力を示すある匂いを発する。
特にバルロンの頭蓋骨で作られた坩堝(るつぼ)で燃やした後に残る硫黄の灰は、魔法の重要な材料とて使われてきた。
硫黄の灰は魔法用品を売る店で買求めることができる。
エネルギーフィールドやミサイル魔術の投射など、一瞬のうちに燃やす、光を持続させる、といった呪文に有効である。

Ginseng(高麗人参)…
高麗人参は、体力の増強や薬用として使用されることが多い。
フォーク状の形で直ぐにそれとわかり、また魔術の初心者には、その抗し難く好ましい感じで、見わけることができる。
農夫は骨のおれる野良仕事のときに、体力やスタミナとつけようとして、高麗人参を噛んだり、根を紛にして茶を作り、その茶を飲んだりして、何世紀も使用し てきた。
高麗人参自体はブリタニアのどこにでも生育するが、魔法用の黒色高麗人参は北部山岳地帯の斜面でしか見られない。
もっとも魔法用品を売る店ならどの店でも購入できるだろう。
高麗人参は治癒性あるいは催眠性をもつ呪文にきわめて有効である。

Garlic(大蒜)…
大蒜(にんにく)はブリタニア国土のいたるところの菜園に見出され、もちろん魔法用品を売る店で手に入れることがでる。
大蒜はその特殊な香りのために、魔法をかけるうえで一つの強力な材料になっており、一般的な病気や魔法による病、あるいは死霊を追払う呪術など防御的魔法 のすべてに使用される。

Spider Silk(くもの糸)…
くもの糸はその粘性の強度ゆえに、束縛や制止の呪術に用いられる。
思ってもみるがよい、大の男が、自分の全体重を、人生の全てを一筋の糸に託して生きているとしたら……くもはまさにその事を、すばらしい糸によって行って いる。
特にアルビノ食屍ぐもの糸は魔法に有効である。
南部にあるくもの飼育場では、毎年100ポンドのくもの糸生産し、魔法用品を売る店ならどの店でも購入することができる。
余談ながら、食屍ぐもが糸の魔力を保つように、毎年一人の男が生けにえに供されているとも言うが。

Blood Moss=ブラッドモス(血の苔)…
血の苔は農民にとっては恐るべき存在である。
なぜなら、それは人々が栽培する作物、穀類を襲う血のように赤いキノコで、短期間でそれらを枯らしてしまうからである。
その繁殖のスピードは、たった一日で1エーカーのトウモロコシを食い荒らしてしまうほどすさまじい。
ただし、血の苔は直射日光なしには生育することができず、夜になると地上から姿を消し、太陽が大地を情け容赦なく焼きつけ始めると再び姿を現す。
だが、これは魔術師たにとっては貴重な魔法材料である。
血の苔の魔法は、その素早い動きに宿っていると考えられており、空中浮揚から大地そのものを震動させるものにいたるまで、運動の呪術に用いられる。
そのため収穫の時期がくると商人達は密売人たちを送って畑の傍らに待機させ血の苔を集めさせる。

Black Peal(黒真珠)…
黒真珠は、あらゆる真珠の中で最も貴重なものである。
形の良い黒真珠に対し宝石商がつける値段は、それこそ20人の魔法使いを破産させるほど高い。
それは、普通の真珠のように一粒の砂や小石から身を守ろうとする二枚貝の内部で形成されるのではなく、死んだ黒真珠貝から漂いだした白真珠を核として作ら れる。
黒真珠は、対象物に対して攻撃をしかけたり、対象にむかって進む呪術に絶対必要である。
我々はこれを、魔法用品の店で手にいれることができる。

Nightshade(ナイトシェード)…
ナイトシェードは人里離れた森の奥深くに生える類稀なキノコである。
収穫の時以外は触れると猛毒におかされると言われ、そのため店では売られていない。
魔法材料の中でも最も入手の難しいものの一つである。
それを手に入れるためには、森の奥深く、一節の月光もささぬ真の暗闇を探し求めなければならない。
著者はこの魔法のキノコが見つかる正確な場所は知らないが、その秘密を知る者はブリタニアのどこかにいるという噂である。
その魔術的効用は毒の使用と関係があり、その結果生じる幻覚は、あまりにもリアルであるために、最強の戦士をも完璧に討ち破ることができる。
ナイトシェードは、最も強力な魔法を使うときのみ使用される。

Mandrake Root(マンドレイク)…
マンドレイクは、人間に似た形状をした真紅の毒草である。
その根を取ろうとして樹を切り倒すとき、血のように赤い樹液がほとばしると言われている。
神秘の術に用いられる類のマンドレイクの根は、湿地帯にだけ見い出され、その根は地面に深く突き刺っている。
マンドレイクの根を掘り起すために土を除去しなければならないが、その土の量が多ければ多いはど、その発見者の魔法は、それだけ効き目が増すと言われてい る。
かつてブリタニア民族が遊牧民として各地に散在していた頃は、マンドレイクは、さほど珍しいものではなかった。
だが農耕を業として耕地に定着をはじめて以来、マンドレイクはブリタニアの国土から姿を消してしまったという。
私たちの多くの同業者たちは、マンドレイクの根を探し求めて一生を費やすが、いまだにただ一株も手に入れていないようである。
マンドレイクは、微量を採取すれば、睡眠効果か清めの効果があり、神秘の呪術には、なくてはならないものである。


さて、今まで述べたものは、魔法に使われる八つの神秘的な秘薬である。
容易に入手できるものもあるが、なかにはそれらを使用しようとする魔術師が自分で探し、自分で手に入れなければならないものか、法外に高価なものもある。
こうした魔法の材料の調達には十分に注意すること、これなしには、いかなる魔法を使用することも不可能である。
あなたは、これらが作り出す魔法を使用せざるをえないのだから、その使用にはきわめて慎重でなければならぬ。
魔法は正義のため、またより大きな善のためのみに使用すること。
万が一にも、個人的な利益や、復讐のために魔法を用いるならば、この力は、たちまちのうちに消えうせると知れ。


Awaken(覚醒の術)…
もし万一敵に眠りの術をかけられたら、覚醒の術でこれに対抗しなければならない。
この術は、簡単な呪文で、初心者でもほとんど骨折りもなしに、またお金もかけずに行うことができる。
そのためには、治癒効果をもつ高麓人参と、術をかけられた者が正常な状態に戻り、眠気を防ぐ大蒜が必要である。
この二種類の薬を念入りに混ぜ、その混合物をあなたの眠っている仲間のまゆにふりかけ、大声で“リベイト”と唱えよ。

Blink(まばたきの術)…
魔術師が他の場所に直ちに移動する必要があり、しかも馬や船、あるいは他のいかなる物理的移動手段もない時には、魔法による移動が必要になる。
まばたきの術は、最も一般的な移動魔術であるが、近距離しか移動することができない。
まばたきの術よりも遥かに距離をこなす移動手段もあるが、それらには莫大な費用がかかり、私が後にこの書で述べるように、他の制限がある。
これに必要な材料は、くもの糸と血の苔である。
くもの糸の呪縛力によって移動者の体は移動時にばらばらにならず、血の苔は、ある地点から、つぎの地点への移動の助けとなる。
それぞれを等量混ぜあわせると、魔法はうまく働くことになる。
まばたきの術に要する精神集中は高度であるから、施術者ははっきりとその結果を感じるが、披露困憊するということはない。

Cure(治癒の術)…
ブリタニア全土には、毒を持つ生き物がはびこっていて、注意を怠ると死に至ることもある。
また、邪悪な者供が有毒なエネルギーフィールドを投げかけてくることもある。
幸いにも、偉大な魔術師ジャーンス・ノアは、すべての毒物効果を無効にする魔法を発明し、それを後世のために記録した。
治癒の術は全ての毒物効果を無効にしてくれる。
この術は、大蒜と高麗人参の混合物を用い、犠牲者の名を、その毒に侵された心を慰めるように唱えることによって効果が得られる高麗人参の治癒効果によっ て、犠牲者の体内の毒は無効になり、大蒜は潜伏した毒素の再活性化を防ぐ。

Dispel(消去の術)…
魔術師のよく行う手段の一つに、エネルギーフィールドの使用がある。
そうしたフィールド創造の呪術についてすぐ後で論ずるが、しかしまずすそのフィールドに出会ったときに、それを除去する手段について検分してみよう。
邪悪な魔術師の創るエネルギーフィールドを消去するには、この術を身につけねばならない。
ただしフィールドに触れれば被害を蒙ることになるので、消去の術は離れた地形からかけなければならない。
必要な材料は、投射呪術に必要な黒真珠、フィールドを保つ力を分解する閃光を生み出す硫黄の灰、邪悪な力の再発を防ぐ大蒜の三種である。

Energy Field(エネルギーフィールド)…
エネルギーフィールドには、四つのタイプがある。
それは、眠り(S)、毒物(P)、火(F)、電光(L)の四つであるが、フィールドを作り出すための魔法は一つである。
エネルギーフィールドを通り抜けようとするものは誰でも、最初の二つの場合は、眠り込んでしまうか、毒のために死んでしまう。
もしフィールドが火であれば、そこを通過するときに肉は焼けただれて、鋭い痛みや苦痛にのたうつであろう。また電光でできたフィールドは、そこに踏み込む ことはできない。
このフィールドは、地中の迷路とか室内など閉ざされた空間で効力を発揮する。
このフィールドの投射に必要な材料は、硫黄の灰、くもの糸、そして黒真珠の三つである。
これらの材料を用いずにこの呪術をかけると、自分自身がフィールドの中にとじ込められかねないであろう。

Fireball(火の玉魔術)…
悪霊に襲われたとき、魔術師は意のままに多くの防御手段を講ずることができる。
これまでエネルギーフィールドのような間接的な魔法をいくつか述べてきたが、しかし時にはもっと直接的な行動が必要なときがある。
そのような敵を直接攻撃する時のミサイル魔術には、等級があり、その中で火の玉魔術は最も一般的なものの一つである。
汝の狙いは的をはずれず、敵は魔法の火の炎によっで焼きつくされるであろう。
火の玉魔術をかけるには、硫黄の灰と貴重な黒真珠が同量必要である。

Gate Travel(転送門の術)…
念力移動では、転送門の術が最有力である。
それは月の門を利用することによって、長距離の移動を可能にする。
月の門はブリタニアの到る所にあり、双子の月トラメルとフェルッカの相関関係により現れる。
転送門の呪術をかけるには、秘薬をかき混ぜる時に、月の名前を口に出して言わなければならないとされている。
呪術がかかるとその施術者と仲間はただちに望みの月の門の所在地に運ばれる。
この秘法の実行者の間では、転送門の術は秘法として口を閉ざし守ることがしきたりになっている。
もし秘密をもらせば、その者は転送門の術を封じられてしまうというのがその理由である。
著者もその一人であるため、これ以上転送門の術について語ることはできない。

Heal(治療の術)…
毒にやられた場合の治癒の術についてはすでに述べた。
だが現実問題として、われわれは毒よりも身体の傷によって生命を危うくする機械の方が多い。
汝や汝の仲間が肉体を引き裂くとか、火傷をするなどの身体の傷を負ったときには、治療の術が大いに効果を発揮する。
秘薬としては傷を癒す高麗人参と整合力を持つくもの糸を同量ずつ混ぜ合わせて傷口に用いる。

Iceball(氷玉の魔術)…
氷王の魔術は、相手の血液を厳冬にさらされたかのように凍りつかせる魔術で、ミサイル魔術の中で2番目に強力である。
必要な材料はマンドレイクと黒真珠である。
ただこの魔術を使用するとよほど強壮なものでない限り著しく体力を消耗する。

Jinx(ジンクスの魔術)…
強力な幻覚魔術である。
ジンクスの魔術よりも強力で難しく、しかも同等の効力をもつ魔法はたった二つしかない。
ひどく手強い敵の一団に遭遇したとき、黒真珠、ナイトシェード及び深紅色のマンドレイクと同量ずつ混ぜ合わせ、敵にむかって投げつけよ。
相手は自分以外が全て敵だと思いこみ仲間われをはじめる。
黒真珠は呪いを敵の中に運び、ナイトシエードは敵に幻覚を見させ、マンドレイクは幻覚を増幅する力を与える。
魔術の接続する期間はさまざまであるが、施術者はJという文字によって術が効いていることを知る。

Kill(殺しの魔術)…
これは邪悪な魔法使いが好んで用いる魔術であるが、多くの魔法使いには、その使用が禁じられている。
なぜならば殺しの魔術はミサイル魔術の中で最も強力なものであるから。
ナイトシェードと黒真珠の混合物を使ってこの魔術をかけるとほとんどの敵は一瞬にして死滅する。
頑強な体質の生物では一回の殺しの魔術では生延びるものもあるが、そのようなものは稀である。
ただし、この呪術をかけると施術者自身の肉体的、精神的疲労は極度に高まる。

Light(光の魔術)…
光の魔術は最も簡単な魔術の一つであり、かけ出しの魔法性いが、まず手はじめに獲得する呪術である。
この魔術は少量の硫黄の灰だけで人工の灯りを作り出すことができる。
呪術師は、一寸の間ロウソクを心に念じ精神を集中して魔法の輝きが現れるように、わずかのエネルギーをかたむける。
地下の通路を進む時には、たいまつを使うよりよほど安全で便利である。
つまり魔法の光は、魔法の風または、微風以外にはなんら妨げられることがなく、煙もないから、目が痛むこともない。

Magic Missile(マジックミサイル)…
魔法の初心者は、その常として全滅の魔術など効果のはっきりした魔術にあこがれるものである。
天気を変える術や、短距離の水平テレポーテーションは見ている者にぞれほど感銘を与えない。
呪術師が一瞬のうちに畏敬の念を勝ちとる、簡単な魔術はマジックミサイルである。
硫黄の灰と黒真珠を二対一の割合で混ぜ、この魔術を使うと青色の恐ろしいほど明るいせん光を発して敵を撃つ。
マジックミサイルは見た目にもはなばなしく、有力な魔術であり、施術者より脆弱な敵は一瞬にして死滅する。
しかし施術者自身よりも強力な敵を死滅させることはできない。

Negate(無効の術)…
自分のものよリも強大な魔術をかけられた時は、その場のあらゆる魔術を短時間停止させることが最良の策である。
この術をかけるには、大蒜とマンドレノイクを混ぜ合わせ、さらに硫黄の灰で融合させる必要がある。
施術者はNという文字によってその術が効いていることを知る。
ただし短時間しか接続しないので、敵を絶滅させるか、脱出するかの腎明な判断はすみやかに行われなければならない。

Open(開放の術)…
昔、すべての人間は公明で、公正であった。当時財貨を納める入れ物は木の櫃であった。
しかし邪悪な人間が現れ住民たちに絶えす悪い影響を与えるようになると、櫃に陰険で、時には死をも招くような罠を設けることがごく普通のことになった。
こうした罠をさけるために 血の苔と硫黄の灰を混合し、開放の術をかける。
そうすると櫃は自然に開き、櫃の中身は施術者のものになる。

Protection(防御の術)…
戦闘のさなかには、時として攻撃よりも防御が重要になることがある。
こういう場合、硫黄の灰、高麗人参、大蒜と混ぜ合わせ、防御の呪文を唱える。
高麗人参の健全な性質や大蒜の反発力は、魔法使いや、その仲間のすべてを敵の攻撃から保護するのに役立つ。
硫黄の灰は、魔法の火を起こし、その火は魔術を支える。
また、これは魔術が効力を発するときの最初の閃光で、敵を驚かすのに役立つ。
防御の術は効果的でない場合もたまにはあることを覚悟する必要があるだろう。
防御の術の持続時間は短く、絶術者は“P”という文字によって、その術が効いていることを知る。

Quickness(速さ倍増の術)…
速さ倍増の術は仲間の機敏さを普段の倍にする。
1ラウンドの戦闘で、敵に対して普通一回の打撃を加えるだけなのが、2回の打撃を加えことができるようになる。
ただし、速さ倍増の術の使用者は、その術の使用期間中、過激な老化にみまわれることがあるので注食が必要である。
秘薬としては硫黄の灰、高麗人参、血の苔が必要である。
この術は運動の呪術なので、血の苔の分量は他の二倍が必要になる。
硫黄の灰は魔術の恩恵を受ける者に閃光のエネルギーと与え、高麗人参は老化を防ぐ働きをする。
速さ倍増の術をかけている間、施術者はその効果をQの文字によって知る。

Resurrect(蘇生の術)…
ブリタニアには、多くの怪物や魔物が棲息しており、最も剛勇で猛々しい戦士達でさえも悲惨な死を遂げることも稀ではない。
だが仲間の一人が敵に殺されても優れて老練な魔術師がいれば、同志を死者の国から呼戻すとができる。
魔術師はそれぞれ自分の魔法が十分に効くように魔術の秘薬を決定しなければならない。
その組合せは、魔法使いによってそれぞれ特有のものがあるといわれている。
この魔法は心身を酷使するので、続けて使うことは大変に難しい。

Sleep(眠りの術)…
神秘の術を操る者は誰でも、その一生の中で慎重さが勇気に勝ると悟るときがある。
敵がすべて邪悪であり、死滅させるに値するとは限らない。
それらは、ただ食物を探し求めてうろつく広野の野獣に過ぎず、皆、生きる権利を持っているのである。
このような場合、賢明な魔法使いなら、眠りの術によって敵を深い眠りに陥らせ、戦いの場から抜け出すだろう。
眠りの術を使うためには、くもの糸と高麗人参を2対1の割合で混合する必要がある。
そして、その秘薬を空中に振りまきながら“ダーメ”と唱えよ。
くもの糸の呪縛は敵を離れた場所から包みこみ、高麗人参の治癒力が敵を深い眠りに誘いこむ。

Tremor・(震動の術)
これはたいへん強力な魔法である。
この術を用いれば、大地そのものが震え、汝の敵の足元から揺れ動くであろう。
そのため敵は大地に飲み込まれ、あるいは恐怖でその場にすくむであろう。
必要な秘薬は硫黄の灰、血の苔、マンドレイクである。
硫黄の灰は血の苔に内在する運動性を開放し、マンドレイクはその術のカを増幅する。
この魔術を使用すると心身ははなはだしく疲労するので注意しなけれぼならない。

Undead(解呪の術)
邪悪な魔法使いモンデインと彼の凶悪な子孫の出現以来、ブリタニアの領土には、既に死んでいる者どもが呪いによって、再び徘徊し始めている。
それらの者たちは、主にオーク、スケルトン、グールなどになって蘇っている。
こうした幽霊は、正義の光におびえ、おどおどし、夢うつつの戦士のように戦うが、それにもかかわらず、彼らを再び殺すことは難しい。
彼らは戦いでは疲れを見せない為、手練の傭兵の一団でさえも危機に陥りかねない。
彼らを避けるには解呪の術を使うのがよいが、この魔法は魔法使い個人個人によって異なっている。
汝も魔法の材料の特性に関する汝の知識を活用し、どの2つの材料から秘薬をあみ出すかを見い出さねばならぬであろう。

View(眺望の術)
私たちが現在、賢くも公正なブリティッシュ王陛下に敬意を表してブリタニアと呼ぶ、この国土は広大であり、地図にも載らない多くの地域を含んでいる。
特に内陸部と南東海洋上の島々の位置は正確には把握されていない。
このような場合、眺望の術を使うことによって、まばたきの術の範囲内にある土地の全容を知ることができるようになる。
術を使うのに必要な材料は、ナイトシェードとマンドレイクである。

Wind Change(風向き変更の術)
ブリタニア全土を徒歩で旅することは不可能である。
ある地域に行くには帆船に乗込む必要がある。
そのような場合にこの術は有効だ。というのも施術者は短期間ではあるが、風向きをかえて、船を自在に進ませることができるからである。
秘薬として、力を得るための硫黄の灰と、運動のための血の苔が必要である。

Xit(脱出の呪術)
ダンジョンの内部で疲れ切っている時に、脱出の呪術が役に立つ。この呪術を使えばダンジョンを抜けブリタニアの地上に至ることがでさる。
この魔法には、まばたきの術と同様、血の苔とくもの糸が必要になるが、今一つ、一行を暗闇の底から陽光のもとに連れ戻す閃光を発する硫黄の灰が必要であ る。
脱出の呪術がうまくかかると、一行はダンジョンに入る前にいた地点に戻されるであろう。

Yup(上昇の術)
この魔術は、創始者であるイエンツァク・ノルに敬意を表してYの文字で知られる。
イエンツァクは血の苔とくもの糸の混合物を使って術をかけると、ダンジョン内の今立っている場所より1つ上の階へ体が移動するのを発見した。
くもの糸は、その移動の間、一行を一緒にまとめ、血の苔は一行を月へと近づける働きをする。

ZDown(下降の術)
この術は移動の術(テレポー卜)の中で、おそらく最も容易である。
材料として、上昇の術と同じく血の苔とくもの糸と必要とするが、すべての物体は落下するという自然の傾向のために、呪術師の精神エネルギーと集中力は半分 ですむ。
その名の由来は定かではないが、“Z”の文字は、地下世界の王、恐ろしい力をも悪魔の真の名の発音不可能な最初の文字であると信じられている。


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