Ultima1 マニュアル
The First Age of Darkness

Ultima I:The First Age of Darkness (第一暗黒期)


冒険

聞け、心気高きものよ。我等の国は、想像を絶する危難にも怯まる勇猛な英雄の到来を待ち望む。
天より降りかかりし災いにより、この国は苦悩の底にある。
心清き農民が闊歩し、実り豊かなる大地が広がり、牛鶏よく肥えたる、恵多き美しき我がソーサリアの村々。
しかしそれはみな、この災厄に蹂躙され、灰と瓦礫山と化した。
加えて、獰猛悪辣なる下等生物の群が民を襲い、国は荒廃するばかりである。
すべては、その名を口にするだけで大地も震える。
邪悪なる怨悪の魔法使い、モンデインの仕業である。
いさかい絶えぬ各地の領主は、今では各々の領地に退き、互の滅亡を望むまでに退廃した。
その機に乗じてモンデインは、呪いに一層の悪意を募らせ、血に飢えた獰猛な怪物や獣の群をこの地に差し向けた。
無力な民は、まさに大鎌に刈り取られる穀物のごとく、次々とその餌食となっていったのである。
これら地の底から出し怪物どもは、己の野望のため腐敗しきった領主たちの砦を除く、見渡す限りの土地を支配下に治めてしまった。
旅人が安心して歩ける道や心落着く宿屋が栄えたかつての平和な国は、もはや虚栄心の塊となりし領主の城の中にのみ、僅かに残るにすぎない。
だがそこでは、領主のわがままがまかり通り、旅人に無理難題を押し付けること、しばしばである。

かかる中にありてただひとり、若ぎロード・ブリティッシュは、ソーサリアの平和と統一の信念を忘れぬ領主である。
彼の城や町の民は、この国のために戦わんと立ち上がる心清らかなる人に協カを惜しまず、必要な物資を喜んで提供するであろう。

おお、気高き者よ 破局に見舞われし我が国へ駆け出て、我等を救いたまえ。
我等、汝に請う。
汝の救いなかりせばこの悪意に満ちた妖術使いの止めの猛撃を待つまでもなく、我等は滅びるであろう。
忌まわしきモンデイン討伐に、汝、名乗り出られよ!



ソーリアの大地には、気候風土の違いによって、様々な種族が生活している。
最も体の小さいボビットから、最も長身の人間まで、我が民には、他の世界にはない、人種の広がりがある。
倍音憎きモンデインの到来以前は、我等は調和を持って共に働き、真の友情で結ばれていた。
ソーサリアの主な住人は、以下の通りである。

人間(Human):
他のどの種族よりも高い知性を授かり、ソーサリアの社会を支える柱となっている。
あらゆる種類の仕事を好み、体は頑強で、精神力も程々に強いと言えよう。

工ルフ(Elf):
人間とよく似ているが、手の幅3つ分ほど背が低い。
ソーサリアの工ルフは、細身で動きが素早い。
生まれつき器用な彼等の中からは、優秀な音楽家が多く育ち、狡猾な盗賊になる者も少なくない。
深い森の中や町の路地裏に好んて生活する工ルフは、仲間にすれば信頼厚く、敵にまわせば手強い相手となろう。

ドワーフ(Dwarf):
山の民であり、炭坑夫としての腕は伝説にも謳われている程である。
身長は人間の半分程しかないが、一般に体重は細身のエルフをしのぐ。
勇敢さにおいては彼等に勝る者はなく、生まれ持った体力は驚愕に値する。
汝がもし絶えることのない金の泉を持ち、しかもその金を酒場で湯水のごとくばら撒くほど気前がよいならともかく、ソーサリアのドワーフからの飲み比べの挑 発には決して乗らぬことだ。

ボビット(Bobbit):
小柄で穏やかな種族であるソーサリアのボビットは、遠い土地から渡ってきたとされている。
彼等は、山裾の草原や静かな森の中の空き地を好んで生活する。ドワーフよりもさらに体が小さいため、肉体を酷使する労働は好まず、もっぱら学問や瞑想に耽 ることが多い。
もとより体力はないが、深い学識と知恵を備えている。



職業

ソーサリアの民によって培われてきた職業は数多くあれど、冒険家を志す者が選択すべき職業は、次に挙げる4種類である。

戦士(Fighter):
戦士義養成のための苛酷な訓練は、冒険家をより強くより敏捷に育て上げる。
また、訓練を終えるまでに蓄積された知識によって、あらゆる種類の武器を操ることができるようになる。

僧侶(Cleric):
内観的性格を持つ者に向く職業である。
修行には相当の忍耐を要するが、結果として、豊富な知識を得ることができる。
平静と集中が僧侶にとって非常に大切であるため、とっさに呪文を唱えなければならないような場合は、望む結果を得られないことが多い。

魔法使い(Wizard):
この国で魔法使いにならんと欲すれば、古代の書物を熟読し、無数の巻物をひもとかなければならない。
それは、長く厳しい修行となろう。魔法を自在に操るようになることは、容易なことではないが、その苦行は己の知力を極限にまで研ぎすましてくれる。
永年にわたる鍛錬は、汝に偉大なる収穫をもたらし、決して無駄になることはないはずである。
ちなみに、強力な魔法に必要とされる秘薬等は、魔法使いにのみ購入が許されている。

盗賊(Thief):
社会の秩序から言って、盗賊は決して尊敬に値する職業ではないが、冒険には大変に好都合な職業である。
冒険で発見する宝の多くには、巧妙な罠が仕掛けられている。
それを外すには、素早い指と器用な手が必要である。
そこで、盗みと解鍵では右に出る者がない、類稀なる器用さを授かった盗賊の出番となるのだ。



城と町

ソーサリアには、各地方を治める領主の城や旅人に雑貨や食料を提供する町が点在している。
町や城の出入りは自由であるが、そこで窃盗等の愚行を働くものは、無敵の力で社会秩序を擁護している衛兵によって直ちに逮捕されるであろう。

城は、領主つまりその土地土地を統治する王の住いである。
それら領主を尋ねるが良い。彼等は冒険家に協力するに有り余る財を持っている。
城は一般に石造りでその内には、商人、宮廷人、衛兵、道化師などが住んでいる。
道化師はおどけて見えるが、人を騙すから十分に気を付けよ。



商人階級は、ソーサリア経済の中核である。
食品から地方特産の手工芸品まで、あらゆる種類の商品が、町や城の商店にて手に入る。
金さえあれば、冒険に必要な食料から秘伝の武器まで、すべて手に入れることが可能である。
ごく一般的な商店街には、次のような店が軒を連ねる。

防具店……
護身用服飾の仕立て師が、汝の来店を待っている。
その土地一番の職人が、皮革や金属を用いて、素早く冒険用の防護服をあつらえてくれる。
値段は、防御力によって異なる。

武器店……
ソーサリアの金属加工職人にかなう腕を持つ者はない。
銑で補強を加え、素朴な彫刻を施した棍棒から、美しい装飾をちりばめた鋼鉄の大刀まで、我が国の武器店で目にする武器は、まさに芸術品と言えよう。
武器と言えば、その存在すらも定かでないこの地の果てに、そこでしか手に入れることができぬ武器があるとの噂がある。

乗り物……
この国では徒歩で旅するのが最も一般的であるが、短い旅ならよく速く、また、長旅なら到達不可能と思われていた所への渡航も可能たらしめる手段がある。
それは、馬と船だ。
しかし、この他にも、非常に珍しい交通手段があるとも言われている。

魔法……
一度は忘れ去られた学問だが、モンデインの到来を機に見直され、再び研究が盛んになった。
魔法は戦いには欠かせぬ術であると信じる者は多い。
魔法の修行者に必要な道具を扱う魔法商が、各地に店を出している。

食料品店……
何も口にせず生きられる者はない。
ソーサリアの食料品店は、新鮮な農作物や肉を土地の住人に提供するのみでなく、厳しい環境下でも、そのままで数週間もつ食料を、冒険家のために用意してい る。

酒場……
我が国の民は、強い酒と賑やかな酒宴に目がない。
たいがいの町では、酒場が土地の住人の憩の場となっている。
そこでは大ジョッキ入りのトリンシック産の強いビールや大瓶入りのジェローム産蜂蜜酒などを、実に安く飲むことができる。
酒場に集う者たちはみな気さくで、特にバーテンは知恵者である。
噂話ともなると、バーテンの口からは、泉のように話が溢れ出す。



ダンジョン

この大陸の歴史は古く、この地上で、奇妙な怪物が徘徊していた時期もあれば、いくつもの文明が栄えては滅びていった。
ソーサリアの地下には、無数の地下迷路が発見されている。
これは、未知の生命と言語に絶する力によって構築されたものだ。
この地下迷路は現在、モンデインが我が国に差し向けた恐ろしい怪物どもの巣窟となっている。
実に、その地獄の穴の底には、どのような猛者も蒼白となり体を震わせる怪物が蠢いているという。

しかし、そこはまた、モンデインの手下どもが略奪した金品の隠し場所でもある。
勇敢な冒険家なら、注意深くタンジョンに侵入して財をなすことも可能であろう。
そこで我が忠告を聞け。
地下へ潜るときは細心の注意を払え。
タンジョンには、己の力を過信した冒険家の骨が蜿蜒と続いていることを忘れるな。



星界旅行

モンデインを倒さんとするならば、汝はまず天の果てにおいてその勇気を試さねばならない。
モンデインは、比類なき残忍さを誇る星界の怪物どもと協定を結んでいると言われている。
現在、その怪物は我等の頭上から攻撃をかけ、我が国を殲滅せんと機会を伺っている。
その脅威を排除するためにも、モンデインは是非とも討伐せねばならないのである。
「伝説の霞よりひとりの戦士が現われ出しとき、天の脅威と戦う手段も自ずと知れよう」と予言者の言葉にはある。
その伝説の英雄の出現を予言した書は数多く、吟遊詩人の歌の中にそれを聞くこともできる。
星界に関する最も新しい発見は、ドラーシュ山の裾野で見つかった不可解な書であった。
それには、ある種の乗り物の操作に関する記述があるとわかったことにより、その内容は国中に公表され、モンデインをソーサリアから追放せんと立ち上がる者 の役に立てようと試みられた。
内容は以下の通りある。


「天空では、全ての船に、前進、後退(逆噴射)機能を含めた回転制御用装置が備っている。
前方視界(フロントビュー)モードでは、船は左旋回、右旋回、上昇、下降が行なえる。
星界は、7×7のグリッドによって分けられた49の空域から構成されている。
俯瞰(トップビュー)モードでは、自分がいる区画全体を見渡すことができる。
“インフォーム”の操作によって、長距離捜索(ロングレンジセンサー)も使用できる。
捜索画面上の記号の解読は、パイロット・リファレンス・マニュアルを参照のこと。

現在飛行中の空域と隣り合わせの空域へは、ハイパージャンプ機能によって跳躍することができる。

星界基地へは、開いているポートであればいつでもドッキング可能である。
ポートに向かって低速で直進すれば、ドッキングできる。
ドッキングは有料である。
基地に着いたら、べ一スコマンド(命令)を要求されるので、パイロットは次の乗り換える船を、その船がドックされている方向を指すことで指定する。

再突入は、ソーサリアの上空を通過すると、自動的に行なわれる。
注意:シャトルだけが耐熱構造になっている。
すべての船は、恒星に接触すると燃え尽きてしまう。

星界では、星界の怪物に遭遇し、戦闘となるだろう。
ひとたび戦闘が開始されたら、その空域の敵を全滅させるか、他の空域に脱出しない限り、トップビューモードには戻れない。

重要:高速でのフロントビューモードからトップビューモードへの切り換えは、致命的な恒星との接触を冒しかねない。
燃料の残量とシールドの状態には常に気を付けること。
燃料を失った船は永遠に漂い締続け、シールドを失った船は、死を待つのみである」


ソーサリアで最も学識の有ある学者によって、この書は我々の言葉に翻訳された。
しかしながら、博学なる賢者にすら意味不明の言葉が多く見受けられる。
にもかかわらず、モンデイン打倒の執念を以て、この書をすべての民に公開するものである。



魔法

前にも別章で述べたとおり、ソーサリアでは、魔法の研究は一時衰退の極に達したことがあった。
魔法のカがあまりにも偉大であったため、それは民衆を墜落させると判断した領主たちは、魔法に手を染めたものは流刑に処すとの法令を下したのだ。
かつては貴重なものとして扱われた魔法学の書が、学者たちによって再び塵を払われ、魔法を極めんとする者のために提供されるようになったのは、モンデイン がこの地を襲ってからのことである。
今ここに、ひとつの掟がある。
ともすると、非常に危険な学問である魔法を学ばんとする者は、あらゆる知識の提供を受けることができるが、それで得た力は、モンデインの邪な侵攻との戦い に使用することを誓わなければならない。

魔法の才覚に恵まれ、独自の術を発明し魔法に新機軸を打ち立てるといった大魔術師にならんと欲する者は、今の世ではまだ独学で努力する以外に道はない。
それでも、魔法は着実に進歩している。
ここに、魔法使いの卵のための、呪文の力を増幅させる4つの道具がある。
スタッフ、ワンド、アミュレット、そしてトライアングルである。
トライアングルは、魔法の剣として武器にもなる。
強力な呪文の中には、多くの経験と金を必要とするものもあれば、だいたいのものは、ソーサリアの魔法商で手に入れることができる。
ここに、魔法商で入手できる呪文を挙げる。

Blink……
地下において肉体を短距離間移動させる術。

Create……
術者の前方に魔力の壁を築く術。

Detroy……
行く手を阻む魔力の壁を取り除く術。

Kill……
敵に魔力を投ずる術。
うまく当てると、敵を倒すことができる。

Ladder Down……
魔法の梯を出現せしめ、ダンジョンにおいて、ひとつ下階への移動を可能にする術。

Ladder Up……
魔法の梯を出現せしめ、ダンジョンにおいて、ひとつ上階への移動を可能にする術。

Magic Missile……
敵に対し魔力を爆発せしめ、敵を倒す術。経験と装備が豊富であるほど、敵に与える損害は大きい。

Open……
罠が仕掛けられた棺を安全にあける術。

Prayer……
苦境に陥ったとき、そこから脱出する糸口を各自が信仰する神から授かる術。
真に神の助けが必要な場合にのみ使用されるべきものである。

Unlock……
罠が仕掛けられた宝箱を安全に開ける術。



生物

ソ−サリアには、様々な生物が棲息している。
自然の動物もいれば、そうでないものもいる。
自然界のものではない生き物は、モンデインの到来とともに、その数が急増した。
ここに、ある研究家が後世のために編纂した、主な生物の名前と特徴を収めた貴重な記録を紹介する。


ヒドゥンアーチャー:陰弓士(Archer,Hidden)……
モンデインの手下。
極端に勇気を欠くため、森の木の上などに身を隠しながら、命令を遂行する。
しかしながら、弓の狙いは正確で、多くの旅人は、その鋭い矢の出所すら知ることなくして命を奪われた。

バルロン(Balron)……
比翼を持つ巨大な悪魔。
モンデインの手下の中では、最も恐ろしい相手であろう。
突起のある鞭を使い、強力な火の玉の術を操って殺りくを重ねる。
空を飛ぶ地獄の申し子バルロンは、ソーサリア騎士道の真髄とは正反対の精神の持ち主である。

ジャイアントバット:大蝙蝠(Bat,Giant)……
ソーサリア・ジャイアントバットは物静かながら狂暴な動物であるが、他の地に棲息する、大型で吸血性の親類種は、地下世界に住み、その眠りを妨げる者に容 赦ない攻撃を加える、実に獰猛な性格を持つ。
ジャイアントバットば動物の血液を吸って生きているが、人間を襲うことも珍しくない。

ベアー:熊(Bear)……
“丘熊”は、長身の人間よりもさらに上背があり、刀のように鋭い爪は、軽い一撃でもって頑丈な防護服も引き裂いてしまう。
この種は初め、ドラッシュ山の山腹に棲息していたが、現在では国中に分布している。
大変に狂暴な動物で、何の前触れもなしに人間を襲うことがある。

キャリオン・クリーパー:死肉虫(Carrion Creeper)……
ダンジョンの深部に棲息し、動物の死肉を食料とする醜い節足動物。無数の足には小さい爪があり、ダンジョンの壁や天井を素早く這い回ることができる。
いかなる犠牲を払っても、回避すべき動物である。

サイクロプス:ひとつ目巨人(Cyclops)……
人間がソーサリアに上陸する以前から、サイクロプスはこの地の住人であった。
大変に好戦的で、その昔、地下の世界に追いやられたが、いつか地上に戻り人間を再び海の向こうへ追い払いたいと考えている。
目に入る全ての人間に攻撃を仕掛けてくるので、十分に注意されたし。

デーモン(Daemon)……
蝙蝠のような翼を持ち、鋭い爪と三又戟で武装した戦慄の生物デーモンは、モンデインの襲来以前にはソーサリアには存在していなかった。
人間の魂を飲み、拷問に苦しむ人間の悲鳴を、何よりも好むという。

ダークナイト:黒騎士(Dark knight)……
モンデインは、最も徳義厚きソーサリアの騎士をも、その腐敗精神の下部と化していった。
罪のない旅人を待ち伏せては金品を強奪するダークナイト。
彼等が、この国を汚していろのである。

ドラゴンタートル:竜亀(Dragon Turtle)……
ソーサリアを取り巻く海に棲息する、火を吐く水性の怪物。
船乗の間では、ドラゴンタートルは台風よりも恐ろしいと言われている。
魔法の盾よりも強力な甲で身を固めたこの怪物を倒すことは、実に困難なことである。

エティン:双頭怪人(Ettin)……
この国の森を行く冒険家は、このふたつの頭を持つ怪物に遭遇した際、時として自分と同じような冒険家の一団に追い付いたかのような錯覚を受ける。
なぜならエティンのふたつの頭は、いつも大声で言い合いをしているからだ。
しかし、冒険家を襲う機会を得たと同時に、決まって会話は止む。

ジェラティナスキューブ:膠質状キューブ(Gelatinous Cube)……
ダンジョンの掃除屋とも呼ばれ、食料を探してダンジョンを徘徊している。
その体は、透明で腐敗性のゼリー状の物質から構成されているため、大変に発見しにくいが、未消化の鎧のかすや残骸が体内にあって発見されることもある。
雑食性の彼等は、巨大な体内に取り込んだあらゆる物を消化する。
ジェラティナスキューブとの接触によって鎧を失った勇敢な戦士は数知れない。

グレムリン(Gremlins)……
トロールやトカゲ人間の親類にあたるグレムリンは、底なしの食欲を持つ悪戯な地下生物である。
警戒心の薄い旅人にそっと近付き、食料を盗み取るのが好きで、その被害に合いソーサリアの地中深くで餓死していった冒険家も少なくない。

フード(Hood)……
国中を退廃させたモンデインの影響によって、健全なる農民のなかにも心を歪めた者がいる。
彼等は町外れに身を隠し、道行く人々を襲うのである。
武器の使用には不慣れだが、旅人にとっては、やっかいな存在である。

インビジブルシーカー:見えない冒険者(Invisible Seeker)……
ソーサリアの地下世界の住人のうち、最も危険な相手は、インビジフルシーカーであろう。
この殺人鬼の姿を見た者はいない。
なぜなら、その名が示すとおり、彼等は目に見えないからだ。
彼等と遭遇したことは、犠牲者の体に突然傷口が開いたときに初めてわかる。
恐ろしい相手ではあるが、攻撃に対しては意外に脆弱である。

ナイト:騎士(knight)……
森に住むダークナイトと同様、彼等もまた悪に染まり騎士道から見離された略奪者である。
非常に手強い相手であるから、みすみす命を捨てたくなければ、十分に心してかからなければならない。

リッチ:死霊(Lich)……
殺人の術に長けたリッチは、この世でより長く不浄の権力を握っていたいがために、死してもなお生き続ける悪の魔法使いである。
哀れなるかな死霊の地に足をかけたる者。この死の魔法使いは、己の領地を守らんがために、情け容赦ない攻撃をしかけてくる。

リザードマン:とかげ人間(Lizard Man)……
モンデインがこの地に襲来したとき、自分の従者と南部の川に棲息する狂暴なとかげを使って、ある恐ろしい実験を行なった。
その結果生み出されたものが、とかげと人間がひとつに合体したリザードマンである。
強力な牙を持ち、性格は、その外見から想像されるものに一致する。

ミミック:物真似(Mimic)……
ミミックには騙されぬよう、注意することだ。数知れぬ冒険家が、この怪物のためにダンジョンに消えていった。
ミミックは、宝箱に変身し、好奇心の強い冒険家が近付くのを息を飲んで待っている。
宝箱だと思って近付き蓋を開けようとすると、突然、思いもよらぬ残忍な攻撃の犠牲になってしまう。

マインドウィッパー:吸心鬼(Mind Whipper)……
人間の体に、烏賊の触手のような顔を持つこの醜悪な怪物は、貪欲に人の心を貪り喰う。
マインドウィッパーとの遭遇から辛うじて逃げ帰った者は、みな精神が錯乱し、口もきけなくなってまっている。
彼らの心は、この怪物の執拗な猛撃によって魂からはぎ取られてしまったのだ。

ミノタワロス(Minotaur)……
前にも述へたようにモンデインは、人と獣とをかけ合わせて最強の戦士を作り出すことに専念し、経験を重ねていった。
そして、あのおぞましいリザードマンでは飽き足らぬと言わんばかりに、闘牛で知られるバラタリアの雄牛と彼の従者をかけ合わせ、ミノタウロスを完成させ た。
それは人間のように2本足で歩き、頭に鋭い牛の角を生やしている。

ネクロマンサー:妖術師(Necromancer)……
ネクロマンサーは、死に関する呪文のみを専門に学んだ魔法使いである。
このように、死を専攻する修行者は、ジャッカルが草原の死肉に群がるように、自然にモンデインの邪心のもとに身を寄せるのである。

ネスクリーチャー:ネスの怪獣(Ness Creature)……
ソーサリアを取り巻く海には、様々な生物が棲息している。
ネスの怪獣もそのなかのひとつ。
長い間、この巨大な爬虫類の存在は、船員の過労が生み出した幻覚であると信じられていたが、平穏な航海中に艦隊の仲間が見守る中、戦艦“ペンブローク”が 沈められたことによって、その存在が確認された。

オーク(Orc)……
小柄で豚に似た顔を持つ。
モンデインの尖兵的存在だが、自然の動物である。
人間よりやや劣り、野獣よりは幾分ましといった程度の存在で、人間や人間が作る物をことごとく嫌うため、人間の手によるものすべてを破壊しまくる。
ただし、人間の肉は喜んで食すと言われている。

パイレーツ:海賊(Pirates)……
沿岸海域に暗躍する海賊は、善良な船乗にとっては天災に等しい。
海賊は海路をくまなく捜索し、非武装の商戦を発見するや徹底的な略奪を犯し、ときには若い船員をさらい、強制的に略奪を荷担させることもある。
ひとたび狙われたなら、海賊は手を緩めることなく、最後まで攻撃を続ける。
後には生存者はおろか、何ひとつ残ることはない。

レンジャー(Ranger)……
嘆かわしや、森の管理人、木の守護者、レンジャーまでがモンデインの暗黒の支配の中に陥れられてしまった。
彼等は類稀なる開拓精神を持ち、ソーサリアの騎士道精神を長く受け継いできた。しかしながら、モンデインの影響により、多くのレンジャーは伝統の道に背 き、略奪者へと自らを転落せしめたのである。
彼等は一度狙った獲物の追跡を決してあきらめないため、尾けられた者は、向き直って立ち向かう以外に道はないと思え。

ジャイアントラット:大鼠(Rat,Giant)……
ソーサリアのこ地下に広がる迷路には、モンデインの魔術によって生み出され、その配下が残していった犠牲者の亡骸を餌に成長した巨大げっ歯類が繁殖してい る。
ソーサリア・ジャイアントラットは狂暴な肉食獣であり、侮り難い相手である。

スケルトン:骸骨(Skeleton)……
ネクロマンサーとリッチの子孫。肉がそげ落ちた戦士の死体に生気が宿ったものである。
彼等は、暗黒の主人モンデインの命令に従い、戦いつづける。

ジャイアントスパイダー:大蜘蛛(Spider,Giant)……
ほとんど恐怖を感じない勇敢な冒険家の、希少な恐怖体験のなかでも、ダンジョン内での牙から毒液を滴らせたジャイアントスパイダーとの遭遇は一番恐ろしい ものである。
動きは敏捷で、獲物の探索は実に執拗である。この生物との戦いでは、神経毒の針で体の自由を奪われ、生きながらにして体に卵を産みつけられてしまうのだ。

ジャイアントスクイド:/大烏賊(Squid,Giant)……
ソーサリアの船乗が集まる港やパブでは、いつも大烏賊クラーケンの伝説が囁かれている。
その怪物は、海の深みから突然現れて、長い触手に船を巻き込んでは乗組員もろとも深海の地獄へ引きずり込むという。
すべては、心臓が5回鼓動するかしないかの間の出来事である。

タングラー:食人植物(Tangler)……
邪な性質をつる性の樹木で、ダンジョンに根を張り、じっと人が近付くのを待ち伏せている。
獲物がつるに絡むと、それがおとなしくなるまで、しっかりと締め上げ、後でゆっくり、死体を貪るのである。

シーフ:盗賊(Thief)……
モンデイン襲来のずっと以前から、彼等はソーサリアの人間を悩ませ続けてきた。
路地裏に、木の陰に、ダンジョンに、シーフは無防備な人々を待ち伏せ、金品や命までも巻き上げようと狙っている。
見つけ次第、シーフは撲滅すべきである。
その行為は、ソーサリアの社会に大きく貢献することであろう。

トレント:怪木(Trent)……
ソーサリアの森に棲息し、その罠にはまるまで、他の樹木と見分けがつかない。
トレントは、自分の枝に絡まった獲物は、枝の手で握り殺してから食いつくす。
次の獲物に警成心を起こさせるような跡は、一切残さない。

バイパー:毒蛇(Viper)……
文明が開花する以前は、この地には大蛇の種族が徘徊していた。
無害な小型種から大型種まで、人間は、蛇にいいしれぬ恐れを抱いていた。
それが毒蛇ともなると、恐怖感は現実性を帯びる。
毒蛇は不用意に近付くすべての者にに対して、激しく絶え間ない攻撃を加える。
その毒牙にかかると、すみやかな、しかし苦痛に満ちた死を被ることになる。

ワンダリングアイズ:彷徨える目(Wandering Eyes)……
暗いダンジョンの石室の中で、無数の目に睨まれ、肝を冷やした冒険家は少なくない。
あまり長い時間目を合わせてばいけない。
ワンダリングアイズは催眠術を操り、どんなに頑強な精神の持ち主であれ、その魔法攻撃の前から逃げられなくしてしまうのだ。

ウォーロック:魔法使い(Warlock)……
邪な目的で魔法を身に着けた、モンデインの配下。
モンデインから稲妻を起こす術を授かり、人々に破壊と破滅をもたらさんとこの地に送り込まれた。
魔法の悪用を阻止するためにも、ウォーロックの撲滅が望まれる。

レイス:亡霊(Wraith)……
モンデインの呪文により地獄の底から召喚された僧の未浄霊。
現世を彷徨っては、人々を悪の宗門に“改心”させている。
死を以てまず改心の第一歩とするため、何があろうとも、レイスの魔力には負けぬことだ。

ゾーン(Zone)……
ゾーンについて幾らかでも知識を有する者は少ない。
理屈では到底理解できない生物であり、自然の法則にも逆らった存在である。
あらゆる物を通り抜けることができ、あらゆるものを喰う。
戦いで発揮する力は、体の大きさから想像できる程度をはるかに上回る。
戦いに破れ絶命するや、その肉体は蒸発したかのように消滅してしまうため詳しくゾーンの体を研究した者はない。


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